自衛隊イラク派兵差し止め訴訟

 

原告1262人に、夫婦で原告団に参加

 

(宮地作成・編集)

 

 〔目次〕

   1、自衛隊イラク派兵差し止め訴訟とは

   2、新聞記事紹介 中日・朝日の4記事

 

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    HP『自衛隊イラク派兵差し止め訴訟』

    イラク情勢朝日 読売 毎日 『日本の対応』 『自衛隊イラク派遣』

    加藤哲郎『イマジン』 加藤HP

    非戦情報『反戦平和アクション』 『worldpeacenow

 

 1、自衛隊イラク派兵差し止め訴訟とは

 

 私(宮地)たち夫婦は、自衛隊のイラク派兵差し止め訴訟の原告団に参加しました。この訴訟は、名古屋市弁護士会所属の弁護士81人人が、呼びかけ人・原告代理人になって、名古屋地方裁判所に提訴するものです。呼びかけ人代表は、池住義憲です。2004年2月23日現在、原告団は1262人になりました。2月23日に提訴しました。提訴の状況、原告メンバーなどについては、新聞が報道しています。今後でも、国籍・年齢・地域を問わず、訴訟の趣旨に賛同する人は、誰でも原告になれます。呼びかけの一部を紹介します。詳細は、HPにあります。

 

 裁判を起こす理由

 

 1、自衛隊イラク派兵は「憲法九条」違反です

 この派兵は次のような理由から武力の行使と交戦権を禁じた「憲法九条」に違反しています。

 (1) 米英の軍事侵略、軍事占領が続いている戦闘地域への派兵です

 (2) 武力行使が可能な重装備の武器を携帯しています

 (3) 米英軍の物資輸送という兵站支援は、国際法上、武力の行使にあたります

 (4) 自衛隊は、国連ではなく、米英軍主導の暫定占領当局(CPA)の指揮下にはいります

 

 2、自衛隊イラク派兵は、憲法前文にある「平和的生存権」の侵害です

 憲法前文には「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とあります。自衛隊のイラク派兵は、私たちの「戦争や武力行使をしない日本に生きる権利」、すなわち「平和的生存権」を著しく侵害します。

 

 3、戦闘地域への自衛隊の派兵は「イラク特措法」違反です

 イラク特措法の第二条3項では、人道復興支援・安全保支援活動は「わが国領域および現に戦闘行為が行なわれておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行なわれることがないと認められる」地域において実施するとなっています。

 

 4、自衛隊イラク派兵は「米英の侵略行為」への加担です

 米英によるイラク攻撃は国際法違反であり、「侵略行為」です。その指揮下に自衛隊を派兵することは侵略行為の「加担者」になることです。

 

 原告になっていただくには

 

 1、原告代理人の弁護士への「委任状」が必要です。

 委任状は、ホームページからダウンロードできます。委任状に、住所・氏名を記入し、2箇所に捺印して事務局まで郵送してください。原告の第1次募集の締め切りは、2月17日(火)です。それまでにお送りください。その後第2次、第3次と募集していきます。あなたのまわりの方にもお知らせください。

 

    HP『自衛隊イラク派兵差し止め訴訟』「私、申し込みます」からダウンロード

 

 2、裁判費用について

 原告一人あたり 年間一口3000円です(何口でも結構です)。

  郵便振替口座に振り込んでください。領収書は振込票をもって替えさせていただきます。

      振込み先 (加入者名)INBR

     (口座番号) 0070−7−97224

 

 3、申込書・委任状の送り先

 「自衛隊イラク派兵差止訴訟」事務局

  〒466−0804 名古屋市昭和区宮東町260 名古屋学生青年センター内

  (電話:052−781−0165) (FAX:052−781−4334)

 

 みんなで提訴に行きましょう

 

 とき:2月23日(月)13時  ところ:名古屋地方裁判所。12時45分までに裁判所1階ロビー(正面玄関を入ったところ)集合

 

 

 2、新聞記事紹介

 

 〔小目次〕

   中日新聞2月24日

   朝日新聞2月23日

   中日新聞2月18日夕刊

   朝日新聞2月18日夕刊

 

 中日新聞2月24日

 

 自衛隊イラク派遣差し止めを

 イラクへの自衛隊派遣は憲法に違反するとして、愛知県内の非政府組織(NGO)役員や弁護士らの呼び掛けに応じた全国の市民千二百六十二人が二十三日、国を相手に派遣差し止めや原告一人あたり一万円の慰謝料などを求める訴えを名古屋地裁に起こした。同様の訴訟は今年一月、箕輪登・元郵政相が札幌地裁に起こしているが、集団訴訟は全国で初めて。

 

 名地裁にネットで原告募る

 訴えたのは、北海道から沖縄までの小学生から高齢者。内訳は愛知六百三十一、岐阜八十三、三重三十、滋賀七人など。海外在住者も二人いる。

 愛知県日進市のNGO役員池住義憲さん(五九)らでつくる準備会が先月から原告を募ったところ、インターネットや口コミを通じ原告参加希望者が殺到した。弁護団には名古屋弁護士会所属の八十一人が参加している。

 訴えは、今後も順次予定される自衛隊派遣の差し止めのほか、既に実施された派遣に関しては違憲にあたることの確認を求めている。また、加害者の立場を強いられ精神的苦痛を受けたとして、総額千二百六十二万円の慰謝料も請求している。

 

 訴状では「戦闘地域への武器使用の可能性を認めた派遣で、憲法が禁じる武力の行使にあたる」と指摘。また、自衛隊は、政府が主張する「人道復興支援」を担うには隊員数などの面からも不適切で、装備や編成をみても実態は占領軍の一員であり、原告らは「戦争や武力行使をしない日本に生存する権利」を侵害された、としている。

 弁護団などは、請求の中に、派遣済みの自衛隊員の撤収を追加することも検討する。原告数は今後も拡大する見通しで、三月末までホームページなどで募集を続け、二次提訴を行う予定。

 

 北原厳男防衛庁長官官房長の話 まだ訴状を入手していないので、内容については承知していない。今後、裁判所から訴状が送付されれば、それを検討の上、適切に対処してまいりたい。

 

 朝日新聞2月23日

 

 自衛隊イラク派遣市民が問う、「差し止め」1262人午後提訴

 

 名古屋地裁

 自衛隊のイラク派遣差し止めなどを求め、北海道から沖縄までの市民1262人が23日午後、名古屋地裁に提訴する。今月初めにホームページで呼びかけると一気に集まった原告には、海外在住の日本人や在日外国人のほか、小中学生も含まれる。東京では毎日1人ずつの提訴が計画されるなど、イラク派遣をめぐる趣向をこらした訴えが各地で広がる気配だ。

 

 一家で原告

 岡山市の獣医師、山根辰朗さん(41)は、一家で「名古屋訴訟」の原告に名を連ねる。妻の結希さん(36)はイラク戦争開戦後、我が子と同年代の子どもたちが傷つく場面を目にしてきた。長男の裕太君(13)、次男の啓輔若(11)も「どうしてこんなことになったの? 戦争になれば人が死ぬのは当たり前なのに、そこに自衛隊が行くことを大人はどう思うの」と口にした。結希さんは「親として、日本の方向性が変わりうる今の状況を黙っていられなかった。多くの人が関心を持つべき問題だと思います」と言う。

 

 原告にはこのほか、自衛隊派遣を批判する前レバノン大使の天木直人さんや、ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」をまとめた翻訳家、池田香代子さんらも加わる。

 原告団長の池住義憲さんによると、当初、「100人ほど集まれば」と思っていたが、ボリビアなど海外に住む日本人や在日韓国人なども含め、千人以上が提訴に必要な委任状を送ってきた。2次訴訟も検討中だ。

 

 「毎日1人」

 自衛隊の派遣差し止めを求める動きとしては、1月に箕輪登・元郵政相が札幌地裁に提訴した。

 東京でも100人以上が原告となり、開戦後1年となる三月20日前後に提訴する予定だ。「東京訴訟」では、「自衛隊が引き揚げるまで」という意思を込め、原告が毎日1人ずつ提訴する「リレー式」を検討している。本人訴訟で、弁護団を含む事務局が支える。

 

 市民側には苦い経験がある。自衛隊初の海外派遣となった92年のカンボジア国連平和維持活動(PKO)をめぐる訴訟。平和的生存権や納税者の基本権などの法的結果を求めたが、裁判所は数回の審理で結審させてしまった。

 東京訴訟で弁護人を務める内田雅敏さんは「派遣の違憲性について本格的に審理する必要があることを裁判所に理解させたい。国民側も主権の行使として裁判所の違憲立法審査権を発動させるのは当然」と語る。

 

 中日新聞2月18日夕刊

 

 「派兵NO」全国の声結集、原告1000人に

 イラクへの自衛隊派遣差し止めなどを求め、愛知県内の市民や弁護士らが提訴の準備を進めている訴訟は、原告数が千人を超える見通しであることが分かった。呼びかけからわずか一カ月弱で、全国各地から殺到した参加希望者からの手紙には「派遣で加害者にはなりたくない」「不服従の気持ちを表したい」などと心情がつづられている。第一次分は今月二十三日、名古屋地裁に提訴する。

 

 23日、名地裁に提訴

 訴えを計画しているのは、非政府組織(NGO)役員の池住義憲さん(五九)=愛知県日進市=ら。国を相手に、自衛隊の派遣差し止めのほか、派遣が違憲であることの確認、それに原告一人一万円の慰謝料を求める。

 

 先月下旬から口コミやホームページ(HP)などを通じ三千円の参加費(年間)で原告を募ったところ、十七日現在で約九百七十人から必要書類が送られてきた。北海道から沖縄までまたがり、年代も子どもから戦争体験者まで幅広いという。池住さんは「目標は百人だった。『おかしい』と声を上げたいのに具体的にどう行動すればいいか分からなかった全国の人たちの受け皿になったようだ」と驚く。

 

 事務局を手伝い、原告となる会社員山本竜輔さん(二五)=愛知県武豊町=は「イラク派遣の既成事実が積み重ねられている。後から振り返って『なぜあの時、嫌だと声を上げなかったのか』と思いたくない」。名古屋大一年の吉田龍馬さん(一九)=名古屋市中村区=は「今、何かしないと戦前のようになってしまうのでは、という危機感がある」、同大一年の伊藤志保さん(一九)=愛知県稲沢市=も「別の国際貢献があるのでは。私たち若い世代がもっと考えなければ」という。

 

 弁護団も大型化し、名古屋弁護士会に所属する約八十人が参加する。中心メンバーの川口創弁護士は「派遣は始まっているが、疑問を持つ国民の声を形にして裁判で国に突き付けたい。イラク情勢が変化した際、政府にできるだけ自衛隊の引き揚げを選択させるためにも雰囲気を高めることば大事だ」と話す。

 今後も三月末まで原告を募り、その後第二次提訴を予定している。事務局は、名古屋市昭和区の名古屋学生青年センター内=電話052(781)0165。

 

 朝日新聞2月18日夕刊

 

 自衛隊イラク派遣差し止め訴訟、「反対」の輪若者にも。

 名古屋弁護士会のメンバーらが準備を進めるイラクへの自衛隊派遣の差し止め訴訟の訴状が、完成した。難しくてよく分からないけど、内心は反対したい―。そんな気持ちの多くの人、とりわけ若い世代に原告団に参加してもらおうと、わかりやすく作った。インターネットも活用し、幅広い層の参加につなげようと工夫している。

 

 国内・海外から原告団に1000人

 訴訟に参加する原告団は17日現在、約1千人に達した。23日に名古屋地裁に提訴する予定。

 北海道から四国、九州まで全国から名古屋の事務局に「委任状」が届いている。中には、米国やボリビア、東ティモールに住む人から「黙っていられない」とエアメールで送られてきたものもある。ホームページから委任状の体裁を簡単にプリントアウトでき、わかりやすい説明があるのも奏功したようだ。

 弁護団の一人、川口創弁護士(31)は「本格的に呼びかけるのはこれからなのに、既にこんなに集まった。今後も2次、3次と原告団を広げていきたい」と意気込む。(写真)全国から届いた約一千通の委任状を原告団名簿に整理する有志たち=17日夜、名古屋市中区で

 問い合わせは「自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会」事務局(052・781・0165)へ

 

 名古屋の弁護士ら準備。訴状「わかりやすく」

 請求の骨子は三つに絞った。(1)派遣の差し止め、(2)派遣の達憲確認、(3)「平和的生存権」侵害に対する慰謝料請求。

 1月19日の訴訟準備会では、自衛隊の存在自体が違憲だ、などと根本からの訴えを求める意見も出た。が、弁護団は「複雑な面は省き、最大公約数的なわかりやすい訴えにしたい」と説いた。

 

 目的は差し止めだけではない。改正の動きが具体化しつつある憲法の大切さを、広く一般に感じてもらう狙いがあるからだ。背景には、街頭デモなどへの参加が広がらない現状への危機感がある。説明はわかりやすさを心がけた。語尾は「ですます調」に。イラク戦争の不当性や、現地が今も「戦地」である証拠資料として、日頃目にするテレビや新聞の情報を丹念に積み上げた。

 

 原告団に加わった名古屋大学法学部1年の伊藤志保さん(19)は「ニュースを見て知ってたつもりでも、こんな現状だったのかと改めて思った」と訴状の感想を話す。憲法に対する若者の思いを盛り込むため、ある高校生の詩も引用した。10代の投稿を編んだ本『「私」であるための憲法前文』(角川書店)にある一編で、こんな内容だ(一部抜粋)。この憲法の意義をさらに充実させ、後世に伝えていくためには、憲法を大切にし、積極的に憲法の権利を行使し、義務を果たす私たちの奮闘が大事なのです

 

 訴状は、憲法前文についての投稿を集めたシリーズ次回作(3月20日発刊)に掲載される予定という。だが、当初の構想にあった「そのままパンフレットにして配れる訴状」にはできなかった。簡略化に努めたが、それでも35ページにわたる。その弱点を補うため、ホームページ(http://wwwhaheisashidome.jp)を活用する。

 

 トップページには「ダメ」と右手をかざす人のイラストが一つるあとは「原告って?」−「訴える理由は?」と大項目があるだけ。そこからリンクすると個別の説明に移るようになっている。「関心の薄い人でもちらりと見たときに入りやすくなきゃ」とページをデザインしたイラストレーター山田光さん(28)=愛知県安城市。山田さんはこう言う。「感覚的におかしいって思う若い世代は多いと思う。でも、『なぜ反対なの?』と聞かれても答えられないから口に出さない。そうこうするうちになし崩しで事態が進み、あきらめちゃう。だから読んだ人が『自分は嫌』って主体的に語れるものにしたいんです」

 

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 (関連ファイル)

    HP『自衛隊イラク派兵差し止め訴訟』

    イラク情勢朝日 読売 毎日 『日本の対応』 『自衛隊イラク派遣』

    加藤哲郎『イマジン』 加藤HP

    非戦情報『反戦平和アクション』 『worldpeacenow