最新のエッセイ

 

 

 

 

 

 

    救急隊さん ありがとう

 

まさか、救急車で緊急入院なんて…

昼近いころ、買い物から帰ったら連れ合いが居間で倒れていた。

「どうしたの?」 と言うと「転んだら起きられない…」

二年前くらいに脳梗塞の診断を受けた。特にひどくはないが、散歩に出て二度ほど転んで、近所の人に助けられた。

「足を延ばして」と言っても、「向きを変えて」と言っても思うように体が動かせない。

そのうち、足が痙攣(けいれん)し出した。

「だめだ! 救急車呼ぼう」

かくして、必死の119番通報になった。

ほどなく救急車が大きな音を響かせ、3人の隊員が到着した。

 

病院のベッドに横になる。

「鼻から管入れて胃まで届かせる検査、苦しいですよ。」「水分がのどを通らない検査」などなど、誠実そうな医者がどんどん進める診療…。苦しくても、いやだと思っても、ここまできたら受けるしかない。本人は「このあたりの記憶、まるでない」と言う。

 

一週間がアッという間に過ぎた。検査が済んでベッドに横たわるだけの患者になった。

明日の命がどうなるか…不安ばかり、最寄りの担当医師から「脳梗塞は治らない」と日ごろ言われている。

「検査終了ならすぐ退院を」長男が忙しい医師に「京都からです」と何度も電話したそうだ。

入院を続けると、足ヨレヨレで寝たきりになる。…一週間でにわかに退院した。

 

退院後「ダルイ」「エライ」の連続で、朝食後はすぐ「寝る」というばかりだった。

でもここ二三日、変化が出てきた。

最近「息子が作ってくれたリハビリ器具の、少し盛り上がった坂を六往復し、差し入れでマンガにも目を通す」少し意欲が出てきた。講談社の『センゴク』宮下英樹作、大評判で70

冊余…

 

85年生きて、何が起きても覚悟すべきだろう」夫婦の話し合い一致点。

 

それにしても、入院時の救急隊員さんの献身でどれほど助けられたか…ありがとう!

         202276

 

     NEXT 

       1、幸子のホームページに戻る