7月30日(水)

 山下さんのCDリストに抜けがありますよ〜 というメールをもらってしまいました (^^;)。 全部廃盤のやつ。うーむ、やっぱりそうか。そーだよなあ、 CDが一般に普及しだして10年くらいですか?廃盤CDだって、そりゃ 鬼のようにあるよな....。しかし、そうなるといよいよ観念して中古市場に手を出すかあ?
 7/10の日記に書いた年間購入百数十枚というのは、あれ全部新品なのだ。 もちろんバーゲンもあるけどね。ここで中古に手を出したら、もう歯止めというものが....。 こりゃ、困った。

 えーさて、今日のレポートです。(前回に引き続き、大分長い。)

●7/24 CLUB LEO 初日 at 南青山MANDALA

 レナード衛藤(太鼓)、山下洋輔(p)、梅津和時(リード)、平田直樹(tp)、 青木タイセイ(tb)、関島武郎(tuba)

 また太鼓です。言葉にしづらいのよねー、太鼓。また難産だわ、このレポート。

 クラブ・レオはどんな顔合わせでも絶対面白いので、山下さんが出なくても なるべく行きます。レナード衛藤は鼓童出身で一時は鼓童をしょって立っていた人ですが、 今は路線がだいぶ違います。この間、鼓童のことを 「日本の今と昔をつなぎ合わせて」うんぬん書きましたが、そこ行くとレオは の比率がうんと大きくて、かなりパーカッショニスト的。もっとも ミミズは、太鼓使っていながら、まるっきりパーカス・パーカスしてる人を 他に聞いたことがあって、それに較べると和太鼓の「型の美学」を程良く残している レオの太鼓は、わたくし、とても好きです。(なんつー日本語だ! 悪文失礼。)

 他のメンバーですが、山下さんはもういいですね(苦笑)。管楽器隊の人たちは 梅津さんを筆頭に、個人活動も盛んですがジャズ・オーケストラに参加することも 多い方々です。つまりアンサンブル慣れしてる。しかも梅津さんがいる。 この方は大変な人です。(詳しくはこちら。 わたしってば今までリンク張ってなかったなんて!) 梅津さんのコンサートも相当面白いですから、機会があったら是非行ってみて下さい。

 この際、どんな順番で誰がどの楽器使って、ってのはいいですね? いいことに 決めた! 当夜のメモが行方不明なのよ。
 太鼓のソロでオープンしました。大太鼓です。はじめ重々しい、余韻を十分に聞かせる リズムで始まり、徐々に激しくまた軽快なリズムへと移っていく。 この人の太鼓は力強い上に本当にリズミカルです。そして大きなものに挑みかかる悲壮感 みたいなものが、感じられません。とにかく太鼓を叩くのが楽しくて楽しくて、 という風に見えるんだよね。そこがまたいいんだわ。
 2曲目、太鼓のセットを一人で叩き始め、しばらくすると他のメンバーが ぞろぞろ出てきて全員集合。で、その後、待ってました! のピアノ・太鼓の一騎打ち。

 あれはもう2年前? 実は、同じここ南青山MANDALAで、やはり山下さんを ゲストに迎えたCLUB LEOがありまして、あの時レオ、舞い上がって すっかりボロッボロになっちゃったんだな。「人間だもんねー」なんて、 お客さんに慰められたりして。(こんなところでばらすな?)
 客が覚えているくらいだから本人はもっと強烈に記憶に残っているはずで、 気合い入ってました。もっとも最近のレオはそういうところはきっちり乗り越えてて、 全然危なげないです。山下さんとの共演も、あのあと何度もこなしているし。
 聞いたことの無い人には、ピアノと太鼓の組み合わせというのは想像がつかない かもしれません。ピアノって、ある意味では打楽器なんですよね。 弦をハンマーで叩いて音出すわけだし。これが、山下さんのような強力な打鍵にあったら もうまるっきり鍵打楽器です。そこに、レオのしなやかな太鼓のリズムと音色がぶつかり 重なり、生じた様々な大きさの渦が次々と客席めがけて押し寄せてくる。 にゃはは、すっかり脳味噌メロメロです。 ピアノじゃなきゃ駄目なんです。例えばグロッケンとかマリンバじゃ、あの得も言われぬ 複雑な味は出ない。
 一騎打ちはどちらの勝ちでも負けでもなく、強いて言えば客の負け。

 山下さんが抜けて、今度は太鼓+ホーンセクションというのがあって、で、 あとはひたすら皆で大騒ぎ! という段取りなのですが、そこで光ってくるのが 梅津和時。
 艶っぽいんだなあ、梅津さんのサックス。楽器持ってなければ 派手なカッコしたちょっと変(?)なおじさんなんだけど、いざリードくわえると もの凄くセクシー。しかもサービス精神旺盛なエンターテイナー。乗ってくると 演奏しながら身軽に踊って跳ねて、でも息が切れない。その上! たぶん、今回ホーン陣のアレンジ及び仕切りは全部梅津さんに任せてあったんでしょう。 仕切る仕切る。
 最後の方の曲だったけど、ピアノソロに太鼓が絡んでいる場面があって、 そこに管が4人揃って合いの手を入れる、という技。あれ譜面には無かったんだろーな。 梅津さんが手を振り回してフレーズの型を示すわけ。例えばカ・イ・ダ・ン・ジョーに (階段状に)上行って感じで右手でテンポを示してから、やにわに楽器を構えて せーの、と始めるとみんな思い思いの音でちゃんと付いて来るんだわ。
 面白いなー。凄いなー。いやいや、プロだよなー。

 こんな具合に緩急自在な演奏をぶっ通しでやり続けて、2時間! レオは故あって 久しぶりのコンサートだったので「ああ、しんど」なんて口では言ってたけど、 なーんだ全然大丈夫じゃない。心配して損した。
 メンバー変えて3日連続のシリーズだったんだけど、残りの2日は どんなだったんだろうな。


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