さて、12月29日(96年)に参ります。タイトルがこのようなものです。
 山下洋輔2days 2日目
  山下洋輔プレゼンツ
     「林栄一&ウェスト・ゴースト」アルバム発売予告ライブ

  メンバー:山下洋輔(p) 林栄一(as) 加藤崇之(g) 是安則克(b) 外山明(ds)

謎に満ちたタイトルでしょう?

・山下洋輔の枠でありながら、どう見ても主役は林栄一だ
・アルバム発売予告 という言い方が怪しげだ
・なんじゃこのメンバーは、変なグループ名!
・で、そのアルバムに山下さんは参加してる訳?

 冒頭、いつもの演奏着の上にジャケットを羽織った(=今は演奏しない という意志表示)山下さんが、マイク前に立って種明かしをしました。 曰く、

・まだ高校生だった林栄一と初めて一緒に演奏したときの、スタンダードの音が 未だに印象に残っている。
・次に再会してから、二人で個人的に録ったスタンダードのテープがあり、 密かに愛好していた。が、その音を世間にもっと知らしめたくなった。
・山下さんがレコード会社を説得し曲目を決め....という プロデューサー役に徹してレコーディング完了、最高の出来。
・発売は97年5月を予定。タイトルは「モナ・リザ〜林栄一プレイズスタンダーズ」。

 どうやら、フリージャズで鳴らした人間ばかりを集めてわざと手枷足枷をはめ、 エッセンスを引き出そう、という試みのようです。
 で、本当にスタンダードしか演奏しません。外山さんがしっかり チーチキチーチキ4ビート叩いているのが何とも言えない! それでも 漂ってくる怪しげなムード。是安さんを核にして、かなりまとまった グループに仕上がってる感じがしました。ただ、ライブ・グループとしては まだまだ開発の余地がありそうなので、これからが凄く楽しみ。

 2部の途中から山下さんが加わったのですが、追っかけとしては不本意 ながら、このバンドは山下さんが入らない方が全然良いです。
 CDのコンセプトの第1番に、ギターをバックにした林栄一のサックス というのがあったそうで、加藤さんのギターが絶対の要素になっている訳です。 で、ここにピアノが入ると完全にぶつかってしまう。

 実は私は山下vs外山の取り合わせが楽しみだったんですけどね。こちらは 相性バッチリでした。外山さんのかなり激しい応酬が見られて、あれは ちょっと無いかもしれません。p・b・dsですっかり盛り上がってしまい、 ソロをとってるはずのgがおいてけぼりになってたり....。いかんなあ。

 林さんは、終始楽しそうでした。と同時に、バンマスとしての気迫を 漂わせてました。やっぱり、人のバンドでやっているときとはどことなく 違います。あれを見ると、尚更そのCDが楽しみになります。山下さんも 相当自信ありげでしたし。

 しかし、5月発売ね。それじゃ 発・売・予・告 なわけだ。気の早い!


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