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●5/29 佐藤允彦5nights 4日目「DA CORDA」
佐藤允彦(p)、斎藤ネコカルテット(斎藤ネコ(vl)・グレート栄田(vl)・山田雄司(va)・藤沢俊樹(vc))
噂の斎藤ネコカルテット初体験。過激な弦楽四重奏団という触れ込みなんですが、 どのくらい過激かというと、佐藤さんが譜面を用意してったら「こんなに律儀なピアノと 共演したのは初めてだ」と言われたそうで...。いつもはどうしてるんでしょう?
1部はT.Monk特集です。
I Mean You/Ruby, My Dear/Nutty/Round Midnight/
Epistrophy/Straight, No Chaser
スローテンポのRuby やRound Midnight がぴったりくるのは分かるとして、
意外だったのはNutty が結構いける。Straight, No Chaser は折角だから一番過激なヤツを、
という選曲だそうで、確かにやや過激なアレンジと熱のこもった演奏でした。
で1部の途中、客席の酔っぱらいおじさん若干1名が、つまんねえぞもっとやれ的
ヤジを飛ばしたところ、佐藤さんがマジに怒っちゃいまして...。
「お気に召さないなら聞いてなくて結構ですよ。まだお帰りになりませんか?
何でしたらご案内しますよ。」と言葉は穏やかながら、客席に飛び込んでいって
襟首掴みかねない勢い。佐藤さんのエッセイ集に「すっかり丸くおなりになって・・・」(立東社)
てのがありますけど、あのぉ、丸くおなりになったんで? あれで丸いとすると、
前は!?
さて2部はネコさんサイドの曲をやり、ペースはますます斎藤ネコカルテット主導。
ミミズも初めて聞くので、今一つ傾向と対策が掴みにくかったのですが、
このカルテットのオリジナル曲というのが実に摩訶不思議な代物です。
過激というのもちょっと違う気がするのですが、
弦楽四重奏らしい端正さを残しつつも、何やら怪しい。
重奏のハーモニーの美しさは例えようもないんですけど、
ジャズでもクラシックでもポップスでもない、トワイライトゾーンに連れ込まれそうな、
危ない(!)雰囲気の漂う音楽。
で、こういう人たちとやると、佐藤さんのピアノが別人なんですね。
最初の2日間の強烈なフリー演奏と同一人物とは思えない。でも「いえ、これはこれで
僕です」という主張は聞こえてくるんで、これまた不思議。
七変化のピアニストと呼びたくなってきました。
それはそうと、何で「DA CORDA」なのか、の説明は無かったような気がしますが...? あともうちょっとで 5NIGHTS も終わり! くらいのつもりだったんでしょうかね。 その割には、かなりヘビーだった気もします。