芋蔓式に色々書きたいことがあるんですが、とりあえずこれを出発点に。
●5/14 酒井俊3 at吉祥寺サムタイム
1部
ここの店は3ステージ制、入れ替え無しというおいしい店で
(ちなみに料理も美味しいので、ひそかなデートスポットになってる感じなのだけど(^^;)
)、たっぷり聴きたい向きにはかなりお薦め。
この晩は奥の2階席に赤ちゃんを連れた若夫婦がいて、このベビーの御機嫌な笑い声に
すっかり和気あいあいの雰囲気。俊さんも
「君はほんとは、何がそんなに楽しいのかな?」なんてベビーに話しかけつつ進行。
その調子で「可愛らしく、せいいっぱい可愛らしくやりますから
目をつぶってお聞き下さい(笑)」、というMy Favourite Things は、うーん直さんのflは
ちょいとドスが効いてたし、pはけっこう熱かったし、
俊さんもおとなの童謡、って感じだったかしら。
追憶、それからトム・ウェイツの曲。やさしく、静かに、でも力づけるような
曲を2曲でまずは休憩。...休憩中、客席奥の控え席から白熱の打ち合わせの声が、
というよりフレーズを歌ってみせたり、エキサイトして熱弁をふるう俊さんの
声が切れ切れに、ミミズの席まで届いてました(笑)。
2部
事件(!?)が起きたのはこのセカンド・ステージ。
いい感じのts×pのデュオでスタート。知らない曲だったけど甘い調べのバラード。
それからvo入って重く哀愁の漂う曲調が印象的なI Am You 。
間奏のpにも聞き惚れてしまった。
で終わって俊さんが見上げると、残念ながら1部を湧かせたあのベビーは
もう帰ってしまっていて、ちょっとがっかりしつつも気を取り直して童謡を2題。
最初の曲は、むすんでひらいて として知られている曲。「見渡せば青柳〜」と
花鳥風月な古風な歌詞、と思ったら突如pがダダダダーンという感じのマーチ風に
変わってあろうことか戦意高揚歌に。あのメロディーに弾こめて敵を打ち倒せ!、
なんて歌詞が!
続いて今の「むすんでひらいて〜」を、これは本当に愛らしく。ああ、戦時中に生まれなくて良かった、
とほっとしてしまった次第。
つまり、時代ごとに色んな日本語の歌詞を乗せて歌われてきた曲だったのですね。
そして次、これが問題。(始まる前の雰囲気がちょっと変ではあったんだけど...。)
創作童謡って感じの曲だったんですがかんぴょう (干瓢!)という曲。
「かんぴょ・かんぴょ・かんぴょう干してる干してる干してる・・・」
と歯切れ良くタカタカタカタカ言葉を継いでいくアップテンポの曲で、
これ文句無しに面白い!高い青空の下で、不揃いな白いテープのような
干瓢がずらっと干されてさらさら風になびいてる、その下を
きゃっきゃきゃっきゃ言いながら子供たちが駆け回ってる、そんな情景が思い浮かぶ曲。
ひとくさり歌ってpソロ、上手い。歌のからからと走るような調子を引き取って、
高音をキャラキャラ叩く、これまたすんごく楽しい演奏。で、それじゃあ次は直さん!
と俊さんが水を向けると...あらら直さん?直さんってば!
固まる、というのはまさにあの時の直さんで(^^;;;
促しても促しても、お客さんが頑張れと拍手しても、
「これで何やれってんですか」と当惑の笑顔を浮かべたまま、
とうとうガンとして一音も出さなかったんです。しょうがなく歌に戻ったんですが、
うーん、無理やりにでも音出して一矢報いて欲しかった。
その後は、おなじみの満月の夕べ (エンディングの絶唱がすごい!)に
I'ts a Most Unusual Day と続き、楽しく2部は終了。
この時の休憩で黒田さんと少し話したんですが、やはりさっきのかんぴょう、
残念そうにしてましたっけ。
3部
再びデュオから。直さんが気持ちよく吹いてる感じで、ほっ。voの登場を待ちます。
久しぶりに唄いたかったというMy Coloring Book。
少しかすれたような声で切々と語りかけるような、ミミズが大好きな曲。
これから取り組もうとしている、というクルトワイルの曲なども織り交ぜつつ、
最後は、「とにかくこれむーずかしくて難しくて」眠っちゃいそうな曲なんだけど、
でも唄いたいのご免ね、っていうThe Wild is the Wind という曲(でしたっけ?)。
(実は3部途中から芳垣安洋さんがカウンターで聞いてて、この歌が始まった途端
わざと首をこっくりしているのを、ミミズは見てしまった(笑))
超熱唱歌謡では終わらなかった、という俊さんにしては少し珍しい(?)ライブが
終わりました。
終わってからも、何やら譜面のぞき込みながら色々話し込んでる俊さんと黒田さん。 反省会か? 主張のはっきりした歌い手がぐいぐい先頭に立ってる感じのユニットなのでした。 いやいや、しかしこのままでは直さんファンのうちの夫がおさまらない(苦笑)。 と言う訳で、後日談は後日あらためて。