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 よしっ次。「まお連れてきて〜」
 これが連れてくるだけで大変だったのです。相方の頭の上までよじ登って逃げだし、 何とか抱き留めて現場に着けば今度はかじりついて離れない。 無理矢理ひっぱがす時に相方は肩のあたりを負傷。

 ジタバタしてるやつに「まず濡らしまーす」ざばーっ。 スルリと抜け出したまお、風呂蓋の上を右往左往。 それをほとんど抱え込むようにして「次はシャンプーでーす」。 と。まおいきなり私の胸に飛びつき、ウギューッと4本の脚でつっぱたのです。 わわわ凄い馬鹿力。もうシャンプーどころではない。押さえておくので精一杯。

 「嫌〜っ、お母さんやめてー!やだーやだーっ!助けてー!」と、 まさに藁をもつかむ状態で手当たり次第、かけてあった浴用タオル・ シャンプーのボトル・バケツ・蛇口...にしがみつき、上を下への大騒動。 外で待機してる相方も気が気じゃなかったみたいですが、 狭い浴室に大人ふたり入ったらかえって動きがとれません。私、ひとりで頑張りました。 タオルドライもそこそこに出してやったら、脱兎のごとく走り去りました。

 ずぶ濡れ、大汗、毛だらけ、手足ににじむ血、体力消耗。 気が付けば右手首に剃刀でやったみたいな傷がズパッと10cmほど、う、痛い。

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