よもやま話し
第3弾
究極の(!?)マーマレード

 もう何年も前の話しになりますが、知り合いからマーマレードをもらいました。 メーカー名とか全然覚えていないのですが、イギリスの老舗のよし。 実はここの営業マン(とイギリス人でも言うのか?)が、 日本に売り込むべく持ち込んだものを、その友人である知り合いが譲り受け、 更にミミズに回ってきたのですね。

 これがむっちゃくちゃ美味しい〜(^^) こくがあって、適度に苦みが残ってて、 皮の白いところまで使っているのですがそれが琥珀色の透明、厚さも5o幅位? 結構厚めなのにパンに塗るとほろっと崩れるんです。
 実は、持ち込まれたマーマレードは3種類あったのですが、わたしがもらったのは 通好み(と、その営業マンが言ってたらしい)のブラウンシュガーを使った珍しいもの だったのです。

 普通、マーマレードの作り方というと、皮と果肉を分離して、 皮の白い部分は可能な限り取り除いて、極限まで薄く皮を刻んで、何度もゆでこぼして 苦みを抜いて、その後果肉とジュースを加えて煮詰める。こんなのが多いと思うのです。 このもらいもののマーマレードは、およそわたしの(そして母の)常識の及ばない代物。 どうやったらこんなに美味しいマーマレードが作れるのか、 およそ想像がつかなかったのです。

 でも、うちの母はただでは起きあがらない(笑)。彼女はジャムを作るときに黒糖を 使うことを思いつきます。(ブラウンシュガーは高いからね。)酸味のきいた苺ジャム なんかを作るとき、黒糖と白砂糖を半々にしたり、三温糖を使ったりしているようです。 市販のジャムと違って家で作るジャムは、水を入れずに果物の水分だけで煮る かなり濃厚なものですから、黒糖が入っても負けないんですね。

 だがしかしマーマレード...こればっかりはどーしても分からなかったのです。 あの切り口はどう考えても、皮をむかず丸ごとざくざく刻んでるんだよなぁ。 それなのにどーして苦くないんだろう?

 答えはそれから数年後のNHKの番組。夜にカラーをテーマにしたバラエティ番組を やってて、その夜のカラーはイエロー。 で、プロの作るレモン・マーマレードが紹介されたのです。
 目から鱗!なんと、レモンを丸のまま下ゆでしていたのです! 形が歪むほどレモンを茹でてしまう。充分やーらかくなったら、 なかの果肉ごと刻む。むむむ〜、これであったか。
 その時紹介されたレシピでは、大量のグラニュー糖を使ってました。 わたしは三温糖で、もうちょっと甘さ控えめに作っています。 あのイギリスの味には一歩も二歩も及ばないのですが、レモンの香りが爽やかです。 最近は国産の無農薬レモンが大分出回ってきました。一度お試しあれ。

 ところで分かってると思いますが、国産の無農薬。これをお忘れなく。 輸入レモンは農薬がワックスに封じ込められてたりして、恐ろしくて皮ごとなんて とても食べられません。以前、収穫後のワックス・農薬無使用、という国産レモンを 誤って室温で放置していたら、3日でカビが生えました。 「こうでなくっちゃ〜」とかえって嬉しくなっちゃいました。

 ちなみにこの作り方、まだオレンジ・マーマレードではトライしてません。 いずれ伊予柑かなにかで試してみましょうか。

('00.7.9)   


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製作者=水のなおみ
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