日記
2004.10/11




04.08/01(日)
 今年の今月は、いろいろとありますですよ。
アレがあったり、ソレをしたり、ナニになったり。
今から不安ばかりで、ぽんぽんも痛い痛いわけでして。
 でも、自分で蒔いた種というか、そういうものですから。
苦しくても悲しくても、平気な顔をしているべきかな、と。
そんな私の八月日記です。映画の題名みたい。


04.08/02(月)
 家をかなり早めに出てしまい、途方にくれる。
新宿で路上ライブを聞いたり、先発するえちごを見送ったり。
時間を無駄につぶしてから、ぐだぐだと品川駅へと向かう。
 旅の始まりは、臨時のムーンライトながら。
どこに登るつもりなのか、山屋さんが、とても目立つ。
信州とかえちごならわかるけれど、ながらでも、そういう需要があるらしい。
隣に座った女の子も、山屋さんのリュックを装備していた。意外。
 出発前に検札があったので、すぐに眠る準備をする。
予定を変更しての強行軍なので、睡眠は、できるだけ確保しておきたい。
きちんとお酒も飲んだし、異常に疲れているし、これで眠れないわけがない。
実際、横浜の手前で寝てしまったらしい。好調。


04.08/03(火)
 気がつくと浜松で、次に目が覚めたのは豊橋。0429着。
目をつむっても、眠れる気配にないので、ぼんやりと車窓を眺める。
寝たような寝てないような感覚。とりあえず、無理はしないことだけを確認。
 予定どおりに名古屋で下車。
ちらほらとしか降りてこない。みんな、西に急ぐらしい。
ボクは急がないので、駅のホームで朝ごはん。ラズベリースコーン。
お腹いっぱいになるわけもなく、あくまでも、胃に入れておくだけ。
 30分ほど待って、ようやくと電車が到着。2両編成。亀山行。
ひとりがふた席、確保できる程度の混雑だったので、なんともまったり。
そんな中で、カメラを手にしたおじさんだけが、活発に行動している。
かぶりついて写真を撮ったり、ドアのガラスに張りついて風景を納めたり。
同じ夜行で乗り継いだとは思えない元気さ。ボクも老いたものだ。
 1時間ほどで終着駅に到着。
ここでは、階段を上って下っての乗り換え。面倒くさい。
しかも、そのホームには、肌色の気動車と青色の気動車が止まっている。
どっちに乗ればいいのか、ちょっと悩む。行き先を確認して、青色に乗車。
ボックス席が埋まっていたので、ロングシートに陣取る。
正面には、20才くらいの女子がふたり、座っていた。しかも短い。
発狂寸前になるほどに嬉しかったけれど、特になにもなかった。当たり前。
 乗り換えた関西本線は、この旅、唯一の気動車の旅。
序盤は山越え。中盤は、のどかな田園。終盤は峡谷という車窓が楽しい。
お客さんも、そんなに多くはなくて、乗りつぶすには、悪くないかもしれない。
ちなみに、女子たちは柘植で乗り換え。どこに行くのやら。
 加茂に着く頃には、日差しも強くなってきた。
こんな日に歩き回ったら、しみそばかすができるんじゃないかと不安になる。
日焼け止めなんて、当然のように持ってきていない。塗るの、面倒だし。
そして、時刻表も持ってきていない。だから、ここで困った。
 向かいのホームに到着したのは、大和路快速、という電車。
とりあえず、これに乗るしかないわけだけど、これでいいのかどうかがわからない。
放送やら地図やら見ても、このまま乗っていて大丈夫なのかどうかがわからない。
半分、不安になりながら木津に着くと、向かいに、奈良行の電車が止まっていた。
これなら絶対に奈良に着くわけで、混雑した電車を降り、がらがらの電車に飛び乗る。
結果的には、最初の大和路快速でもよかったみたいだけれども、着けば官軍。
中学校の修学旅行以来の、奈良に到着することができた。
 駅のロッカーに荷物をぶちこみ、さっそく、奈良公園へと向かう。
貸し自転車があれば、借りようと思っていたのに、それらしいのがない。
バスで行くのもナニだしと、街をぶらぶらしながら、公園の方向へ。
五重の塔を眺めて、ちょっとも歩けば鹿と遭遇。木陰で、集団でだれている。
それにしても、車と共存している姿は感動もの。東京でいえば、皇居で飼っているようなものだし。
 ちんたらと歩くこと、20分くらいで、東大寺に到着。
なけなしの500円を払い、大仏さまを見学していく。感想は、特になし。
中学の頃の思い出も特になければ、そんなものかもしれない。
あの修学旅行で、奈良、一番の思い出は、あの子のブラチラだったわけだし。内緒だけど。
 というか、アジア系の観光客がめちゃくちゃに多かった。日本人、俺だけかと思った。
柱の穴に親子で挑んでいる姿を、同じツアー客らしいのが応援しているのが、なんとも。
でも、がらがらだったら、俺もやっていた。と思う。抜けられそうだし。
 大仏さまに別れを告げて、今度は鹿と戯れる。
屋台でせんべいを買うと、すぐに鹿が寄ってきて、身体中を嘗めてくる。
かわいいといえばかわいいが、怖いといえば怖い。ていうか、嘗めるの禁止。
まだ、人間に慣れていない仔鹿と遊ぶのが楽しかった。まさに餌付け、って感じで。
 遅い朝ごはんは、駅前にあったらーめん屋。
らーめんだけなら189円。餃子セットで367円。なんつー安さ。
味も、十分に食べられるだけのもので、ひどく感心させられた。家の近くにも欲しい。
 昼前には奈良を出発。
これからのことを考えて考えて、まずは神戸を目指すことに。
とりあえず大阪に出て、新快速に乗ればいい、ということしかわからない。
ので、ホームにいた電車に乗ってみる。
途中駅で、お急ぎの方はお乗り換え下さい、の放送どおりに乗り換えてみる。
鉄道マニヤのくせに、これっぽっちも詳しくないのが情けない。
まぁ、でも、普段、使わない電車なんてこんなもんですよ。ええ。きっと。
 どうにかこうにか、神戸へ到着。
荷物をまたまたロッカーに放り込み、山側を探索してみる。
新開地の方へ向かっていくと、警備員のお兄ちゃんが、みょーに目立つ。
新聞を持ったおじさんも多くて、なんだろうと思ったら、競艇か競輪の場外があった。
その先にある商店街も、いかにも、おけら街道商店街っぽくて、なるほど、と納得。
神戸はこじゃれた街、という印象も、どこかしらに消えてしまった。
 1時間もない探索を終えて、今度は新大阪へと急ぐ。
新幹線の切符売り場で入場券を買い、エスカレータを駆けのぼる。
ちょうど上手い具合に、のぞみが入線してきた。メールにあった号車へ急ぐ。
扉が開くと、見慣れた顔が出てきた。なんとも不思議な接近遭遇。
2分しか停車時間がないので、奈良で買った、しかのふんと大仏の鼻くそを、いきなり渡す。
ここから小倉まで2時間ちょい。まったく、新幹線は早すぎる。
 見送り、見送られてから、来た道を引き返して、今度は難波へ。
20世紀末に、同人イベントで立ち寄って以来の大阪、難波。やっぱりすごい。
新宿とか渋谷とか、人口は変わらないかもしれないけれど、なんとなく活気が違う。
やっぱり好きな街だと思った。この、わけのわからないなにかを感じに来たようなものだし。
 熱気の中をうろうろしながら、テレビで紹介されたらしい、たこ焼き屋に並ぶ。
食べてみると、外がさっくり、中がとろとろ。ソースを含めて、なんとも美味すぎ。
 ナンパ橋を渡って、心斎橋の商店街を突き抜けていく。
道中、薬局で安売りしているペットボトルのお茶を買い込んでいく。
明日のことを考えると、水分は、大量に確保しておいた方がいい。それも安く。
そんなこんなで大荷物になり、夜行明けということもあって、ばてばてに。
 地下鉄で森ノ宮へ出て、そのまま大阪駅に戻ると、やたらと浴衣の女子が多い。
どうやら、一駅隣の塚本で、花火大会があるらしい。平日にやるとはびっくり。
駅のそばにある、FIVEというビルの辺りが待ち合わせ場所らしく、浴衣祭り状態。
近くのユニクロなんかを軽く眺めてから、始発の快速で、西へ。
 大阪駅と塚本の間にある川の堤防に、お客さんらしい人たちが、わらわらといる。
どうやら、ここでやるらしい。見ようと思えば見えるけれど、帰りがちょっと怖い。
見るとしたら、塚本駅のホームかな、なんて考えていると、六甲道に到着。
 六甲道。ろっこうどう、と読むのかと思っていたら、ろっこうみちが正解らしい。
その、六甲道から徒歩3分の所にあるのが、灘温泉、という温泉銭湯。340円。
一日中、歩き回ったせいか、汗だくだく。とにかくさっぱりしないことには話にならない。
 基本が銭湯なので、そんなに広くはない。お客さんも、たまたまなのか、多くない。
身体を洗って、髪を洗って、さっそく、温泉風呂に浸かってみる。ちょっと茶色っぽい。
沸かしていない、源泉風呂にも浸かってみると、これがめちゃくちゃ気持ちいい。
31度ぐらいのお湯だから、火照った身体を冷ますのに、絶好調すぎてしまっている。
冬場はともかく、この季節にはたまらない、と思った。これで340円。安い。
 花火も気になったけれど、大阪まで戻る気力は残ってない。
ので、まずは元町で降りてみることに。しばらく歩くと、中華街があった。
横浜のとは違って、屋台っぽいお店が多い。らーめんが300円ぐらい。
庶民的な感じがするけれど、売り子というか、客引きの掛け声がひどすぎる。
「美味しいらーめんあるよ」まではわかるけれど「お姉ちゃんたちの方が美味しそうだね」って。
前を歩いていた娘さんたちは、苦笑いしていた。俺ももらい苦笑い。
 特に食べたい物も見つからず、荷物のある神戸に到着。
海側は、夕方以降、ひとりでは行ってはいけないような、典型的なデートスポットだった。
みなとみらいみたいな雰囲気で、来るなら女子連れだよなぁ、と切なくさせられる。
近くにあるダイエーやファーストフード店が、ささくれた心を慰めてはくれたけれど。
結局、夕ご飯は、リンガーハットのキムチちゃんぽん。これはこれで美味だった。
 食べる物も食べ、うろつく場所もうろついて、やる事がなくなって。
本当は、神戸で列車を待つつもりだったけれども、じっとしてられず、明石に移動。
ホームから見えるお城を眺めながら、一番、小さい缶ビールをちびちびと飲む。
新快速が着くたびに、浴衣の女の子が放出される。花火大会も終わったらしい。
後ろのベンチでいちゃいちゃされて、途方にくれながら、それでも待つしかない。
疲れていなかったら、街を探索したけれど、さすがに、もう、ふらふら。
 1時間ほどの接続で、ようやくとやってきたのが、今夜の寝床。ムーンライト九州。
隣はどんな人だろうと不安だったけれど、最後の最後まで乗ってくることがなかった。
おかげでぐっすり眠れた。と書きたいけれど、敵は違うところにいた。
エアコンの音が、やたらとうるさい。耳栓をしても、ぐおんぐおんと響いてくる。
それでも、いつの間にか記憶がなくなっていたのは、さすがに疲れていたからだろう。

品川*2355(東海道本線9375M/MLながら91)名古屋 0519
名古屋*0555(関西本線1303M)亀山 0705
亀山*0710(関西本線233D)加茂 0833
加茂*0838(関西本線3345K/大和路快速)木津 0845
木津 0848(関西本線613M)奈良 0857
奈良*1128(関西本線1787K)王寺 1142
王寺 1145(関西本線1375T/区間快速)天王寺 1202
天王寺 1204(大阪環状線1498)大阪 1222
大阪 1230(東海道本線3443M/新快速)神戸 1253
神戸 1351(東海道本線3470M/新快速)新大阪 1419
新大阪 1437(東海道本線1173C)大阪 1441
大阪 1444(大阪環状線3400K/大和路快速)新今宮 1455
新今宮 1501(大阪環状線1819)JR難波 1505
堺筋本町 1658(大阪市営地下鉄中央線)森ノ宮 1703
森ノ宮 1707(大阪環状線1583)大阪 1718
大阪*1747(東海道本線937M/快速)六甲道 1809
六甲道 1919(東海道本線809T/快速)元町 1921
元町 1946(東海道本線225C)神戸 1948
神戸 2139(山陽本線3521M/新快速)明石 2151
明石 2250(山陽本線9231/ML九州)小倉 0602


04.08/04(水)
 まもなく厚狭です、の、車内放送で目覚めた。
厚狭と書いてあさ。冗談みたいな起こされ方だった。到着が0505。
薄明るい車窓は、特に西日本らしさもなく、いたって普通な日本の景色。
それでも、30分も走れば、関門トンネルの入り口、下関へ到着。
 機関車の付け替えで、10分ほど停車。当然のように、外に出てみる。
すると、駅弁屋さんが開いていたので、ついつい、ふぐ寿司弁当を購入してしまう。
朝からどうかなぁ、と疑問に思いながら包みを開き、はしを動かす。あっという間に食べ終わる。
お腹が空いていたこともあるし、実際、美味しいこともあって、とても満足。
ちなみに、ふぐらしいものは、小さい身が二切れ、入っていました。たぶん、あれがふぐ。
 定時に列車が動き出す。トンネルに入る。トンネルを抜ける。あっという間の出来事。
瀬戸大橋のように、本州を抜けたッ、って印象は、それほどなかった。あっさりしてた。
それでも、小倉で下車して、違うホームに止まる電車を見て、九州だと感じる。
なんつーか、色使いとか形とか、すごく独特。本州にはありえない感じの電車だった。
なのに、これから乗るのは、国鉄時代から走っている電車。ちょっとがっかり。
発車前に、キオスクで新聞を買うと、サッカーのアジア杯が一面。準決勝を勝ち上がったらしい。
 景色が九州っぽいかなぁ、と期待していたけれど、そんなことは特になし。
だけど、途中で乗ってきた、男子高校生のしゃべり方は、まごうことなく九州の言葉。
自転車で遠くに行った、って内容だけなのに、なんか、すごく新鮮に感じた。
 小倉から乗って、まずは、中津という駅で途中下車。
歴史の街らしく、ふらふらしていたら、お寺が、あちらこちらに建っている。
朝の散歩には、ちょうどよすぎる雰囲気。静けさがまた、なんともたまらない。
奥の方にはお城もあったけれど、そこまで行く勇気と時間がなかったのであきらめた。
 中津から柳ケ浦までは、またもや国鉄の電車。
いつになったら九州の電車に乗れるのだろう、と思っていたら。来た。
柳ケ浦からのワンマン電車は、まさに、九州っぽい電車。おもちゃっぽい。
座席もとても独特で、お尻と腰と頭の部分だけ、黒いクッションが貼り付けられている。
正直、座り心地はよくない。これなら、国鉄の電車の方が、まだいいような気がする。
 そんな電車で山越えを開始。
最初から、それなりにお客さんはいたけれど、一駅ごとに、それなりの人を拾っていく。
別府に近づく頃には、立っている人も目立つくらいで、正直、驚かされた。
しかも、別府でも降りない。みんな、大分に用事があるみたい。どんな街なんだろ。
 それなりに満員の電車を見送りつつ、別府の駅に降り立つ。
この旅の、真の目的は、別府温泉巡り。埼玉から1日以上もかけて来た以上、楽しんでいこうじゃないかしら。
ロッカーに荷物を預け、西口に止まっているバスに、とりあえず乗り込む。
駅前を出てすぐに、坂をぐんぐんと上っていく。さすがに坂の街らしい。
実は、外は雨模様。傘もなにもないけれど、夏だし、温泉だし大丈夫だろう、と予想。
鉄輪のバス停を抜け、しばらくも行くと、本坊主というバス停に到着。
1100円分使える、1000円のバスカードを買って、それで清算。ちょっとお得。
 まず最初に向かったのは、坊主地獄の真横にある、泥鉱温泉。
ここは、いわゆる泥湯が名物。お肌にいい、と聞いてしまえば、入らざるをえない。
ただ、営業時間が午前中だけ。ゆえに、一番最初と予定を立てていた。
 そのおかげか、ボクが最初のお客さん。一番は気持ちいい。
おまけに、ここは露天風呂。雨がまた、気持ちいい。気持ちいいことだらけ。
肝心の泥湯は、ねずみ色で、入ってみると、なんとなく、なにかが違う気がする。
あまり長く浸かるとバテるらしいので、2分くらいで出て、冷やして、また入る。
夜行の眠気とか疲れとか、今だけ、とれていくような気がする。気持ちいい。
数回、出たり入ったりを繰り返してから、隣にある、無色の普通の温泉に。
これがまた、絶妙にぬるくて気持ちいい。ていうか、これだけでもいいと思った。
そして、身体を拭いてみれば、なんとなく、肌がつるつるしているような気がした。
 次のお風呂は、泥丘の湯。
ネットで見た限りだと、歩いて行けるらしい。ていうか、遠くないはず。
雨の中、記憶を頼りに移動する。ちょっと迷って、修正して、10分もせずに到着できた。
情報どおりなんだけども、本当の本当に駄菓子屋さんだとは思わなかった。
扉を開けて、お店に入ると、ものすごく薄暗い。所狭しと商品が置いてある。ちょっと怖い。
幸い、目の前に、ばあちゃんがいたので、声をかけてみる。お風呂、大丈夫らしい。
 お風呂の入り口は、店内の真横にある、便所にでもつながっていそうな扉だった。
すぐ右手の廊下に、脱衣かごが置いてある。ここが男子の脱衣室というのも、情報どおり。
廊下で服を脱ぐ自分に、なんとも興奮しながら、風呂場へと向かうと、これがまたすごい。
 コンクリートの浴室は、薄暗くて、じめっとしていて、なんとなく悲壮感が漂っている。
見たことはないけれど、太平洋戦争の時の、諸島の司令部みたいな雰囲気だった。
しかも、男用の湯舟は、ばぁちゃんが入れ忘れているのか、お湯が入っていない。
なんという温泉なのだろう、と、ひとりでにやにやしてしまう。これはすさまじい。
 ここのお目当ては、やっぱり泥湯で、その浴槽には、お湯が入っている。
泥鉱温泉とは違って、こちらは肌色。泥湯なのに肌色。すごく不思議。クリーミー。
こんなに、泥湯ばかり入って大丈夫なのかと心配しながら、なんだかんだと長湯をした。
これもすべて、お肌のため。10代の瑞々しさを、この別府で、なんとしても取り戻すのダ。
 駄菓子屋を出ても、やっぱり外は雨。
次のお風呂は、街道を下って下って下ったところにある、神南苑の温泉。
海地獄の駐車場あたりから入っていくと、なんとも立派そうな旅館の入り口が。
びちょ塗れのTシャツに短パンの、怪しげな男を入れてくれるのかどうか、不安になる。
だのに、すごく優しく応対されてしまい、ものすごく申し訳なくなる。
ていうか、一流なんだなぁ、と思った。評判の旅館だけに、しっかりしている。
 ここのお湯の特徴は、時間が経つにつれて、色が変化すること、らしい。
そのために、露天風呂には浴槽がふたつあって、その差を目で楽しめるようになっていた。
俺の時は、左側が薄い水色。右側が、白っぽい、明るい水色。目にも鮮やか。
特徴が特徴なので、泊まってなんぼな気もした。お肌には、特に効果はなかった感じ。
帰り際、支配人が出てきて、すごく気さくに話しかけてくれた。いい宿だと思った。泊まってないけど。
 ここまで巡って、予定よりは時間があったので、鉄輪のバス停で小休止。
近くのコンビニの中にあった、パン屋さんコーナーでパンを買い、それが昼食。
旅先でパン、って思うかもしれないけれど、ボクは、あまり気にならない性格。
つか、鉄輪ならではの食べ物ってなんだろう。温泉たまごぐらいか?
 十分な食事と休息を終えて、向かうは、鉄輪の蒸し風呂。
サウナは好きでないので、どうかなぁ、と思っていたけれど、これはかなりよかった。
四つんばいで入る、とても狭い浴室。薄暗い電球。石の枕と薬草の布団。
入って3秒で、全身から吹き出してくる汗。熱すぎて、鼻呼吸ができない空気。
そして、3分ぐらい我慢して、外気に触れた時の壮快感!! これがたまらない。
病みつきになる人が多い、とおばちゃんは言っていたけれど、すごくよくわかる。
これが210円でできてしまう、別府の底力。さすがは西の横綱だなぁ、と思った。
 これで体力を使い果たしてしまったので、大人しく別府駅へと戻る。
別府大学駅経由のバスに乗ったら、めちゃくちゃな道を通っていくので驚いた。
生活道路みたいな、急な坂道を転げ落ちていくバス。こういう所もすごいと思う。
 予定よりも、だいぶ早く駅に着いてしまったので、駅前を探索する。
観光地、というよりは、大分のベッドタウン、という印象の街だった。
海側にある百貨店もそんな感じだし、街道にあるお店も、関東にもあるチェーン店ばかり。
別府らしさは、そんな中にぽつんぽつんとある、公衆浴場なのかな、って気がした。
風俗街の中にも温泉があるのには笑った。というか、ホント、すごい。
 探索を終えて、別府駅に戻り、1526着のソニックをお出迎え。
大騒ぎするようなこともなく、無事に合流。そのまま、各駅停車へ乗り継ぐ。
先ほど、バスで通った別府大学の駅で下車。徒歩5分で、市営の砂風呂に到着。
泥湯、蒸し風呂とやったからには、これもやっておかないと、と思った砂風呂。
手術着のようなものに着替えて、砂浜へ出ると、おばちゃん達がお出迎え。
指定された場所にごろんとすれば、あとは、砂をかけてくれる、という寸法。
この場所が、普通の人がとおる砂浜の真横にあるので、散歩のおじさんが普通に歩いていく。
そんな中で砂に埋められて、重たさと熱が気持ちよくて、どうにもたまらない。
15分ほど沈められて、外に出てみたら、これまた、蒸し風呂の時のように気持ちいい。
あっちと違って、身体中に砂が入り込むけれど、きちんと洗えば問題なし。
観光としてやってもらうには、これは、なにげに気持ちいいかも。
 帰りは、海岸線をぶらぶらっと散歩して、フェリーターミナルへ。
これ以上は歩けないので、大人しくバスを待つ。バスに乗る。別府駅で降りる。
ようやくと、荷物をロッカーから出して、目指すは、今夜の宿。山田別荘。
ネットで調べたら、値段が安くて評価がよかったので、山田さんちを指名してみた。
 昔の別荘を旅館にしたらしく、建物自体に味わいがある感じ。
案内された部屋も、12畳くらいある、ちょっと広すぎるって感じのところ。
しかも、目の前の庭から、露天風呂に直行できるという、値段不応相なお部屋だった。
普段、狭い部屋にしか慣れていないから、その広さに落ち着かないというか、なんというか。
6人くらいだったら泊まれるんじゃないか、と考えてしまうのが貧乏人の悲しい性だった。
 夕ご飯は別なので、街道沿いのファミレスへ食べに行く。
しかも、ガストではなく、ロイヤルホストなところが、ちょっと贅沢気分。
なんて書いているけれど、どっちも変わらないだろ、と、思っていたのは内緒。
 さくさくっと食べて別荘に戻り、今日、最後の温泉に浸かることに。
内湯も露店も、基本的にはぬるいお風呂。いくらでも、長湯ができそうな感じ。
お湯に特徴はないけれど、夜の露天風呂は、雰囲気がすごくよかった。いい宿だわ。
そんなこんなで早めに就寝。さすがに疲れたヨ。

小倉*0613(日豊本線2523M)中津 0712
中津 0751(日豊本線2525M)柳ケ浦 0809
柳ケ浦 0819(日豊本線631M)別府 0908
別府 1537(日豊本線636M)別府大学 1541


04.08/05(木)
 この年齢で、車中2連泊は厳しかったらしい。
久しぶりの布団で、ずいぶんと気持ちよく眠ってしまった。
人間、横になって休まないとダメみたいだね。つくづく実感した。
 朝ごはんは、広いお部屋で、質素に和食。
あまりの美味しさに、おひつのご飯を完食。体重計が怖い怖い。
最後の内湯で身体を温めて、10時前にはチェックアウト。
プロっぽくないプロの接客ができる、いい宿だと思った。お値打ちだし。
 今日の温泉巡りは、いかにも観光客らしく、別府保養センターへ。
ここの泥湯は世界一らしく、どんなものかと楽しみにしていたら、実際にすごかった。
広い露天風呂だし、底に泥がたまっていて、身体に塗りたくれるのもよかった。
それを乾かしては入って、また乾かしては入ってを繰り返すのが楽しい。
というか、混浴なので、塗りあいっこするような楽しみ方もあったりなかったりする。
評判はよくないけれど、ボクは好きかも。混浴だし。混浴だから。混浴なので。
地獄巡りみたいに、観光として来るのが、一番、面白いと思った。
 そこからさらに、バスで一駅。明磐温泉へ。
歩けなくはないけれど、けっこうな山道だったので、楽をしてみる。
ここで入りたかったのは、公衆浴場か、山田荘温泉か。悩んで、山田荘にしてみた。
本館の玄関をくぐると、入浴の方は、ここにお金を置いていって、とのはり紙が。
場所が場所なら盗まれてしまいそうだけれども、この土地は、まだまだ大丈夫なのだろう。
きちんと小銭を置いて、本館の向かいにある、小さな小屋へと侵入。
どこかのお家の外風呂みたいな雰囲気で、実際に、入れて3人、という狭さ。
酸っぱいと噂のお湯はどうなのかしら、と、嘗めてみると、なるほど、酸っぱい。
しかも、熱い!! どれくらい熱いかというと、入れないくらいに熱い。熱い。熱い。
仕方なく、水で薄めて掛け湯して、掛け湯してを繰り返して、身体を慣らしていく。
そして、意を決して入ってみる。どんなお湯かなんて、とてもじゃないけどわからない。
1分ぐらい入って、冷まして、また1分くらい入って、冷まして。それの繰り返し。
別府のお湯って、基本的には熱いらしいから、今までが応用的すぎたのかも、と思った。
ただ、これは肌によさそうな気はする。ひざがてかてかしているし。効果、あったのかも。
 真夏だというのに、ほっかほかに温まって、山田さんちをあとにする。
ついでに、明磐温泉をあとにして、別府駅まで直行。すると、思わぬ人たちと遭遇。
ロッテリアで、お昼兼お茶をして時間をつぶし、別府の最後は、海の見える休憩室。
長いようで短い別府の滞在も、これで終わり。あとは、お家に帰るだけ。寂しい。
 別府駅を1630発の列車に乗る。はずが、来ない。
どうも遅れているらしい。これで、ちょっとだけひやひやする。
乗り継ぎが上手くいかないと、前もって買っている切符が、役に立たなくなる。
5分くらい遅れて来た普通列車は、予想どおりに人いっぱい。大学生がほとんど。
最初は立ち席だったけれど、三駅も進むと、きちんと着席することができた。助かる。
 うとうとしていると、終点の柳ケ浦に到着。
本来なら、ここで普通列車に乗り換えるところだけど、今回は、特急ソニックに乗車。
1駅、10分間だけの贅沢。とはいえ、運賃と特急料金を併せて660円。安くて驚いてしまう。
この値段で、小倉に40分ほど早く着くのだったら、払ってもいいやって思える。
足が伸ばせて快適な椅子は魅力的だった。でも、椅子自体の座り心地はどうかな、って感じ。
長く座っていると、また、評価が違うのかもしれないけれども。
 昨日の朝、散歩した中津で、普通列車に乗り換える。
のはいいんだけど、向かいのホームじゃないのが悲しい。階段、めんどくさい。
途中から、わんさかと乗ってきた高校生たちが、みんなでケータイのゲームをしていた。
ケータイを貸し借りして、違うゲームをやっている姿が、すごく新鮮に思えた。
ファミコンのカセットを貸し借りするような感覚なんだろうな。たぶん。
 外が暗くなりかけた頃に、ようやくと小倉に到着。
駅前の伊勢丹で、壊れてしまったアクセサリーの代用品を購入。
おしゃれな地元の子に混じって、硫黄臭いボクが買い物をするのは、ちょっと恥ずかしい。
というか、泥湯のおかげというかせいというかで、けっこう、硫黄臭い身体になってしまった。
どこかで身体を流せればいいけれど、小倉にお風呂があるとは、聞いていないし調べていない。
みなさんには、迷惑をかけまくりだなぁ、と思った。すまん。
 伊勢丹を出て、今度は東のチャチャタウンに行ってみる。
ユニクロとライトオンとダイソーがある、いかにもボクのための買い物街だった。
地元の人が普通に買い物をしていて、その生活感がすごく好き。自分のよそ者感が好き。
 その後、西の歓楽街に突っ込んでいったり、川べりでたそがれたりした。
夕食は、久留米ラーメン。こってりとんこつは、天下一品みたいな味だと思った。
それにしても、全般的に、なにか暴力的な印象で、どうにもこうにも落ち着かない。
小倉の街は嫌いじゃないし、もうちょっと川べりを探索したいけれど、ちょっと怖い。
 そんなわけで、思いつきで門司港へと移動。
駅舎をライトアップしている、という話だったので、それを思い出しただけのこと。
行ってみると、駅がどうこうではなくて、街がめちゃくちゃ、こじゃれていた。
完全なるデートスポット。神戸に続いて、またもややらかしちゃいました、という感じ。
はしっこの方で海を眺めていたら、その俺の真横で、激しくまみえているわけで。
なんつーか、混ぜてくれよ、って思った。旅人なんだし、それくらい許してくれや。
でも、横浜よりも神戸よりも、門司港が、一番、落ち着ける。
照明がうるさくないのと、街の雰囲気が統一されているから、だと思う。
こんな所で告白できたら、最高なのにね。
 門司港から門司に戻ると、今日の宿はホームに着いていた。
一昨日と同じ、ムーンライト九州。門司で買ったビールのおかげで、これまたぐっすり。
ぐっすりだからといって、疲れはとれちゃいないわけだけどもさ。

別府 1630(日豊本線4654M)柳ケ浦 1722
柳ケ浦 1727(日豊本線3044M/ソニック44/\660)中津 1737
中津*1740(日豊本線2548M)小倉 1845
小倉 2103(鹿児島本線3152M/快速)門司港 2118
門司港 2201(鹿児島本線175M)門司 2209
門司 2212(山陽本線9232)三ノ宮 0601


04.08/06(金)
 旅行前にGAPで買った、薄手のカーディガンが大活躍。
というか、Tシャツ短パンだと寒い。冷えすぎだって。
それもあって、三ノ宮で下車。すぐに来る快速に乗り換える。
 今日の予定は、ひたすらに、東に東に東に下るだけ。
列車の本数が多いので、時間すら調べていない。それでもなんとかなる。
東海道線だからできることで、東北線でやったら大変なことになりそう。
 大阪、京都と抜けて、米原で乗り換え。
117系で関ケ原を越え、大垣で快速に乗り換えて、名古屋へ到着。
乗りっぱなしは辛いし、朝ごはんも食べたいし、ということで、ここで途中下車。
駅の中の飯屋で、ついうっかり、ミソカツ定食を頼んでしまう。きしめんじゃなかったの?
食べてみたら、これまた美味で泣きたくなる。でも、小さかったのが許せない。
 いい加減、お風呂に入りたかったので、車窓から見えた看板を頼りに街を探索。
10分ほど歩いて銭湯を見つけたものの、営業時間が14時から。3時間待ちかね。
さすがにそれはと、駅前のサウナを見たら、2500円。これはこれで、さすがに、だった。
仕方ないので、やけっぱちで、東上を再開。硫黄の匂いは薄くなったけれど、でもね。
 豊橋では、念願のいなり寿司を購入。待ち合わせ時間に食べる。
甘くて美味しい。こんな美味しいものを、今まで、食べずに来たんだと、ちょっと後悔。
 浜松の、改札外のキオスクで、お徳用うなぎぱいを購入。これ恒例。
問題は、ここからの、熱海までの2時間。東海道線、一番の難関ともいえる区間。
乗り継ぎ乗り継ぎで来た時に、ちょうど飽きる時間帯なうえに、なにもないから、かな。
前に座っている、お姉ちゃんたちも、どうやら東京までの乗り継ぎ組らしい。
もうちょっとで胸元が、なんて、ひとりで楽しんでいたのに、時間はなかなかすぎない。
寝ても静岡で、こういう旅は、自分には向かないんじゃないかな、と思いもした。
 ようやくと沼津に到着。増結作業で10分停車。
駅の外には出られないけれど、ホームでうだうだする時間はできる。
あとちょっと、あとちょっとと言い聞かせて、一駅、隣の三島へ。
すると、ここで7分の停車らしい。なんつー無駄の多いダイヤ組んでるんですか。
沼津で17分停車にしちゃえば、街をぶらぶらできたというのに。東海のばか。
もうちょっと、効率よく、ダイヤを組んでほしいです。これはひどすぎ。
 ぷんすかしながら、ようやくと熱海に到着。
荷物は持ったまま、駅から5分ほどの駅前温泉へと行ってみる。
狭くて、ちょっと混んでいて、でも、しょっぱいお湯は気持ちよかった。
なにより、Tシャツを着替えられたのが大きい。性感帯を撫でられるような快感。
こういう温泉が、静岡あたりにあってくれると、旅もすごく変わるのに。
 この旅の、最後の締めくくりは、国府津の駅弁。鱒寿司。
これを食って東京に戻ろうと、国府津で降りてみると、駅弁屋が閉まっている。
営業時間を見ると0915-1645まで。15分前に閉まってしまったらしい。
こりゃいかんと、キオスクやらコンビニやら覗いたものの、当然、置いてない。
小田原に戻れば売っていることはわかっていたけれど、そこまでする気もおきなかった。
これはきっと、次の旅で、ということなのだろうと考えて、快速に乗車。
夕方の東京駅に着いてしまうと、ちょっと、切ない気持ちになった。
乗り慣れた山手線で、自分が日常に戻っていくのを感じた。

三ノ宮 0606(東海道本線704M/快速)米原 0823
岐阜*0832(東海道本線200F)大垣 0904
大垣*0910(東海道本線5214F/新快速)名古屋 0940
名古屋 1059(東海道本線148F)刈谷 1125
刈谷 1130(東海道本線2322F/快速)豊橋 1201
豊橋 1214(東海道本線2220F/新快速)浜松 1246
浜松*1253(東海道本線456M)熱海 1535
熱海 1634(東海道本線354M)国府津 1705
国府津 1721(東海道本線3766M/アクティー)東京 1829


04.08/07(土)
ANATAKIKOU
 大阪のバンド。の割には、しゃべりが上手くない。
でも、歌は上手。声も綺麗。明るくて優しくて心地いい音楽だった。
サニーディとクリンゴンを足して引いた感じ。すごく好きかも。

高橋徹也
 1曲目が新曲。しかもカッコいい。のりのり。
彼にしては、ちょっと懐かしい感じの激しさ。
こういう系統で、しばらくやってくれると嬉しい。
 最後の方にやった、新しい世界にはびっくり。
この時期に、こうして演奏してくれるとは思わなんだ。
今のアレンジで聞いてみると、新鮮で素敵。よかった。

COUCH
 カウチになってからは、初、かも、
髪を切って、めちゃくちゃ若くなったボーカルの人。
でも、歌い方も跳ね方も、曲の作りもいっしょで安心した。


04.08/08(日)
 13時開始で、終了予定時刻が21時。
休憩込みで8時間。耐久レースもいいところ。
旅行明けでライブ明けで、体力的にどうかなぁ、と。
ちょっとだけ悩んで、せっかくだからと、行ってみることに。
 お客さんは、5割から6割程度の入り。
日曜日の真っ昼間から来る人は、そんなにいないだろう。
おかげで、前の席に足を伸ばせたわけで、楽に観戦できた。
 そんなわけで、女子プロレスのOz興行。
広田がいなかったのは減点だけど、内容は、それなりに楽しかった。
1千万円トーナメントで、天野が尾崎を負かして優勝したのがよかった。
5百万円トーナメントで、Ozのふたりを負かして、豊田が勝ったのもよかった。
なによりよかったのが、19時に終わってくれたのがよかった。
尻肉が薄いボクには、アレ以上の観戦は、命にかかわりそうだったから。
 帰り道、中華街で食事をして、男ふたりで山下公園へ。
さらに馬車道へと流れていけば、あたりは男女のふたり組ばかり。
夏の夜だからか、みんな揃っていちゃいちゃなんてしやがりやがって。
うらやましいなぁ、と思った。


04.08/09(月)
 今日はだらけていました。
外に出ませんでした。だるいから。
さすがに、身体がだるいのです。
心も、なんだかだるいのです。
全身全霊、かぜなのかもしれません。
なので、とにもかくにも休みます。
心臓、痛いし。


04.08/10(火)
 もう10日なの、って感じ。
なのは、旅行のせいだと思う。きっと。
時間がちょっと早く経ち過ぎ。もっとじっくり行こうぜ。
とはいえ、今日からの4日間は、さっさと終わってほしいけれど。
仕事、かったるいです。早く終わってほしいです。
でも、申し訳ない気持ちもあるわけです。
今日みたいに、優しさに触れてしまうと。
真面目な人、いい人ほど、近くて遠くにいるものだと思いました。


04.08/11(水)
 強行日程がたたっているのか、さすがにだるい。
せっかくの早終わりなのに、どこにも立ち寄る気がしない。
顔もすごく疲れているし、なんだか、情けない情けない。
そんなことで、体力のなさを実感する、今日、この頃。


04.08/12(木)
 はっきり言って、ダメなのはわかっているのよ。
誰もやってくれない状況でも、誰かがやってくれるだろうって。
そんな、甘い考えなんだもの。それでなんとかなるわけがない。
関係なくなるわけだけど、それで苦労するのは、いつだってまともな人。
それがすごく悲しい。バカしかいなければ、すがすがしくもなるんだけど。
まともな人を導入してこなかった本社がいけないとはいえ。
いつだって、損をするのはまともな人。辛い世の中ですわ。嗚呼。


04.08/13(金)
 朝、埼京線に乗ったら、いっぱいいました。
有明組って、すぐにわかってしまう自分が好き。
今日は女子日のはずなので、比較的、大人しめでしたが。
日曜日は、うだうだぐだぐだ、すごいことになっているのでありましょう。
 最後の最後で、ごちゃごちゃとあったものの、仕事は無事に終了。
家に帰って、お片づけをして、準備をして、バスと電車で待ち合わせ場所まで。
今回は、車で大阪旅行です。とはいっても、助手席の人なわけですが。運転、できんし。
こういう時に、免許のないことを切なく思うわけでして。早く、なんとかせんとね。


04.08/14(土)
 東京発2230。中央道経由で、大阪は吹田に到着したのが0400。
早いのか遅いのかはわからないけれど、無事に到着できたのでよかった。
 今回の旅の目的は、吹田在住の友達の家に遊びに行く、というもの。
3ヶ月ぶりに会った友達は、特に変わりもなく、これまた無事でよかった。
彼の会社の寮は、いわゆるウイークリーマンション。綺麗で驚いた。
 しばらく休んで、10時すぎに、吹田を出発。
車から見る大阪の街は、なんつーか、恐かった。車が恐かった。
乱暴というか、免許なしの目から見ても、明らかに荒い。すごい土地だわ。
 先週も来たなんばからは、自由行動。
まずは、なかなか立ち寄れなかったアメ村に行ってみる。
想像よりは大人しい感じ。理解できる範囲の人ばかりで、ちょっとがっかり。
キャッチらしい呼び込みはすごかったけれども。ノリも大阪なのが嬉しかった。
買い物は、特になし。かわいいTシャツはあったけれど、値段が折り合えなかった。残念。
 そこから地下鉄を利用して、天王寺まで。
天王寺からだったような気がする、ってだけで降りてみて、ちょっと後悔。
目指す通天閣が、なんだかとってもえらくさんざん遠いような気がしてならない。
炎天下の中、歩いてみると、やっぱり遠い。20分くらい。半分徹夜なボクには厳しい。
 ようやくと到着した通天閣。上がりはしなかったが、なんだかかわいい。
そんなに高くもないし、ちょっとずんぐり気味だし、ねずみ色だし。いい雰囲気。
それよりも、もっといい雰囲気だったのが、その周辺に展開している商店街群。
 お店からも住人からも、下町の雰囲気がぷんぷん漂っているのが、すごく素敵。
並んでいるのが、すごく美味しそうでやばそうな立ち飲み屋ばかり。
お客さんも、いかにもな人ばかり。行列のできている店もあるのが、また、すごい。
月下の棋士で使われていた将棋屋もあって、マニヤとしては、それはそれは満足できた。
 通天閣からちょっと歩くと、日本橋に到着。
大阪の秋葉原、というには、まだまだ電気屋さんががんばっている印象だった。
とはいえ、あちこちに、秋葉原みたくなる下地はできつつあるな、とは思ったけれども。
結局のところ、こういう街で商売をするとしたら、マニヤ向けでないとダメなんだろう。
 さらに徒歩で移動すれば、なんばへと逆戻り。
漠然とだけど、大阪の街の作りがわかった気がする。環状線内の南東側だけだけど。
 おやつすぎからは、今日のメーンイベント。グランド花月のお盆公演。
10時過ぎにやってきて、2階席が空いていたので、友達と切符を買ってしまっていた。
どんなものだろうと思っていたけれど、かなり楽しかった。というか、すごかった。
若手芸人の漫才から、中国足芸団の足芸、落語、新喜劇。どれもこれも楽しめた。
 特にすごかったのが、桂文珍の落語。
漫才と比べれば、明らかに大人しい、静かな語り口なのに、引きつける力は一級品。
聞くまでは、文珍? くらいに思っていたけれど、これは謝らないとなぁ、と思った。本物。
 海原やすよ、ともこの関東関西の違い漫才も楽しかった。
関西って、自虐ネタはやらないと思っていたけれど、そうでもないことにびっくり。
お客さんも笑っていたし、関西というか、大阪を見る視点が、ちょっと変わった。
 1545開演で1815終演という、長丁場を終えてから、ばらばらだった顔ぶれと合流。
ひたすらパチスロをして勝った人に、お好み焼きをおごってもらってから、夜の街へ。
大阪言葉の女子と話をしたい、という理由で、キャバクラへ入ってみる。
完全敵地では、どうなることかと心配していたけれど、ぼったくりではないお店へ到着。
 ついた女の子は、なかなかにかわいい、そして、地元出身の地元の子。
甘い声の関西弁。なんつーか、破壊力抜群。恐ろしいほどの攻撃力。やばい、やばすぎ。
店内指名して、90分ほど話をしたけれど、こりゃークセになりそう。すごくいいわ。
お金の関係もあって、泣く泣くお店を出たけれど、関東よりも楽しいかも。
 ナンパ橋でぐだぐだしてから、夜のなんばを離れて吹田へ。
近くはない、スーパー銭湯で汗を流して、友達の家で就寝。
とはいっても、床の上にごろ寝、なんだけれどもさ。


04.08/15(日)
 疲れていれば、床の上でもどこでも眠れてしまうわけで。
とはいっても、さすがにだるい。調子は、そんなによくはない感じ。
 昼前に動き出して、近くのショッピングモールの、まずはユニクロへ。
当然ながら、特に大阪らしいものはなく、けれども、安くなっていたロンTを購入。
行けるかどうかはわからないけれど、一応、スノーボードの時に着るためのもの。
 そして、朝兼昼食となる、オムライス屋へ。
Mサイズを頼んだら、とんでもない量が出てきた。さすが大阪。やることが違う。
朝ご飯にしては、あまりにも多すぎて、久しぶりに残してしまう。厳しいすぎた。
 大阪最終日は、住之江の競艇場に行くことに。
競艇は初体験。わけもわからず、あれこれと試行錯誤しているうちに終わった。
最初の直線で、ほとんど勝負が決まる、ってのが難しい。大逆転は、ほとんどなし。
ただ、情報を生かして、展開をきっちりと予想すれば当たりそうな雰囲気だった。
 さんざんにやられたあとは、関東に帰るだけ。
1630に住之江を出発して、家に送ってもらったのが、0130。
懸念していた渋滞もなく、事故もなく、今回の往復はついていたと思う。
 すぐに眠ることはなく、0230からは、五輪の男子サッカー予選を観戦。
イタリヤ相手に2-3。負けは負け。監督が、どうにかしちゃっていすぎる印象。
選手がどんなにがんばっても、それじゃあ苦しい。最終戦はぜひとも勝ってね。



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