Act1 Scene1
ここは、マサチューセッツのとある町、時刻はかれこれ午後の８時頃でしょうか。舞台では５人の紳士淑女がくつろいでいます。でも、ん？みんな何だかおかしい。一人は人形を自分の息子と呼んでいるし、一人は自分の顔にあざがあると思い込んでいる。また一人は、ひどい電気嫌い…。そう、実はここ、精神病院なのです。そこヘ、また新しい入院息者、Ｓａｖａｇｅ夫人が連れてこられます。彼は亡夫の莫大な遣産を相続した、大金持ちの婦人です。彼女には、ひとつ計画があります。それは、人々の夢一他入にとっては、馬鹿らしい夢でも、その人にとっては真剣で、大切な夢、そんな夢をかなえる、幸福基金をつくることです。でも精神病患者の彼女にそんなことできるのでしょうか。

ACT1 SCENE 2
翌朝、もうSavage夫人は、みんなの人気者です。でも、外界では、何やら不穏な空気が…・。実は彼女、自分名義の会社の権利を全部売ってしまっていたのです。その日の新聞は、この話題でもちきりです。なぜなら、その金額は１億ドルにものぼるのですから。彼女は、そのお金を公債（bond）に変えて、どこかに隠したと言います。

ACT2 SCENE 1
その夜、一大事を知った義理の息子達が、血相を変えてやって来ます。３人共、彼女をなだめたり、すかしたり、なんとかしてbondのありかを聞きだそうとします。そんな彼らに、彼女はそれぞれ別の場所を宝物のありかだとして、こっそり教えます。

ACT2 SCENE 2
２、３日後の夜、息子達がまた押しかけて来ます。今度は皆、かんかんです。彼女の教えた場所が全くでたらめだったからです。頭にきた３人は、今度は自白剤を使うぞと言い出す始末。仕方なく、彼女はbondを取り出すのですが、その瞬間、部屋の電気が消えてしまいます。そして、混乱の末、ようやく明りがついたときには、なんと、テーブルの上に置いたはずのbondが消え失せているではありませんか！？