update 2005.6.12 店主 電気ストーブは随時更新
 「雪森の奥に、オーナーの友人の、変わり者の本屋が住んでいるんですよ。」

 そんな紅茶店の店主の言葉につられて、私は雪降る森の深くへと歩を進めた。

 雲のない夜天から、何処からともなく降りてくる不思議な雪は、相変わらず止む気配を見せない。

 葉のドームを抜けて幾筋にも届く月明かりに見つかって、結晶がちらちらと光を映す。


 やがて樹々の間に現れた、青い屋根のその小さな店は、どうみても普通の民家のように見えた。

 ただ、扉の前のこんな看板だけが、かろうじてこの蒼屋根の家が本屋であることを主張している。


◆* 雪 森 古 書 店 *◆


★夏祭りに受かってました* 日曜 東ホ-47b です


『現在:営業中−(骨休み中)』
店の中からは特に音はなく、ただ相変わらず雪だけが、しんしんと音のない音を奏でている

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