雪 森


雪 森

少年が叫んだその時、天上から、言葉が降りてきました。

まだ月明かりが微かに残る夜空から、ひとつ、またひとつ。

音を失って、冷たくて真白い、氷の結晶となって。

後から、後へと、真夜中のささやかなおしゃべりのように。




雪になって舞い降りる、日々の何気ない言葉に交わされた、人々の想い。

遠くに灯りがけぶる、少年の住む街に。やがて春が訪れるこの大地に。


いつか、あまねく地上の生物達に染み透ってゆくように。

音をなくして、ふわふわ、ふわふわと。

(『A Winter Book』より)


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真魚さんから、隠しページ発見一番乗り(笑)の記念に頂きました。

「雪森」……晴れてても、夏だろうが冬だろうがひたすら雪が降る森。

こんな地味で絵にしづらいリクエストをきいてくださって、本当にありがとうございました〜(^^)

舞い降りる雪を見上げる構図、さすがです。

一時期、トップページにはらせて頂いてました。


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