古びた本棚の脇にある、樫の樹で造られた小さな飾り棚に、ふと目が止まった。不規則に段をなす、幾つかの棚。そのひとつひとつに、不思議な品々がちょこんと飾られている。
額に納められた、雪の降る森や、月夜に飛翔する飛行機の絵、肖像画。
そして、小さな冊子に綴られた、遠い国の物語。
「そちらは、この雪降る森の店に迷われたお客様から頂いた、大切な宝物、です。」
いつの間にかすぐ横に立って、飾り棚の品を眺めながら、店主が言った。
「たまたま迷われる方、いつも店に寄ってくださる方、そして、去ってゆかれる方。
この店のカウンターに立って、いろいろな方にお逢いして、時が流れてゆく中で、
この飾り棚に収められた品々は、私にとって喜びであり、想い出なのです。」
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◆『ツイン・タワーに鐘は鳴る』 ほたる 様 |
アオイジユウチョウのほたる様より3000HitのGet記念に頂きました。ありがとうございます〜! 物語のお題をリクエストできる企画で、私のリクエストは「プラネタリウム」でした。 頭竜の宝物が眠るツイン・タワーをめぐる、双子の護り人とおばさん剣士(笑)のおはなし。 双子とおばさんのかけあいが楽しい♪ |