……レコードの表面に幾重にも刻まれた音楽達。それは軋む針から、遠い昔の職人の手で作られたプレーヤーに伝わり 店内に何処か透明で懐かしい響きとなって蘇る。 しばしぼんやりとその響きを味わっていた私は、ふと、レコードとともに立てかけられたある物に気付いた。
それは、どこにでも売っている様な安物のノートブックとボールペン。
永い月日の重みを感じさせるレコード達との違和感に、私は思わずそのノートブックを手に取りめくってみた。
ボールペンで小さい文字で書かれた、たどたどしい文章の連なり。
(小説……?)
「それは、オーナーの道楽でございますよ。たまに店に立ち寄られた際に、
レコードを聴きながらその音楽のイメージ をもとに創作してはそのノートに書き付けてゆくのです。 ……失礼ながら私に言わせれば『下手の横好き』ですがね。」 店主が、私の疑問を見抜いたかの様に答える。
「何時か、この音楽に見合う作品が書けた時に、はじめてちゃんとしたノートブックに買い換えるのだそうですよ。
……多分、その日はこないだろうと思うのですがね。」
ZABADAKの音楽を知らなくてもちゃんと読めるようになってます。
また、ファンの方にはもし原曲のイメージを壊してしまったら申し訳ありません。
拙い作品集ではありますが、読んで感想など頂けましたらいただけたら本当に嬉しいです。
なお、作品の無断転載はご遠慮ください。
ここでは、ZABADAKの音楽をモチーフにしたおはなしを納めています。
new works
『Moon Song』
(Moon Song/アルバム『Country Girl』 谷山浩子 より)
(2004年 8月 作) テキスト版(36K)
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螺旋の樹の物語 真魚様から頂きました。ありがとうございます。 (絵をクリックするとフルサイズで見れます) Rail1 Station1 Rail1 Staition2 Rail1 Staition3 夜毎、神話が生まれ変わるところ → Around The Secret → ガラスの森 ↓ Rail2 Station1 Rail2 Staition2 Rail1,Rail2 Last Station シリアス・ムーン → 時の駅 → 遠い音楽
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