光の人 〜Coupling With Planets〜
あの人に初めて出会ったのは、私が古代博物学を学ぶ前のことだった。
それは、ひとつの星が滅んで幾千年の時を経た、とある日のこと。
「私は、光の人なんかじゃないわ。」
あの時、あの人は、呟くように、私の問いに応えた。
確かに、あの人は『光の人』ではなかった。
それが解ったのはずっと後、私が大学で研究を始めてからのことだ。
だけど、そう呟いて、かつて天上に灯っていた星座の跡を見上げていた、
あの人の横顔を、細い手のぬくもりを、今でもはっきりと憶えてる。
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