違和感のあるショップ情報

プラモデルメーカーのホームページに最近、模型店情報が載るようになったのですが、何か変だと思いませんか。確かに最終的に模型を購入してくれるお客さんと直接接しているのは、小売店ですから、私たちとしては、模型店の所在を教えてくれるのはありがたいのですが、なぜ、メーカがこれを実行しているのでしょうか。

1. 小売店は弱小なところが多いから、まだまだ自力でインターネットに宣伝を載せるほど力がないだろうから、メーカとして協力しているのでしょうか。

2. インターネットに店の宣伝を載せるのと引き替えに、そのメーカの製品を多く置いてもらえることを期待しているのでしょうか。

3. 全国の模型店リストを充実させることで、そのメーカの製品がこれだけ全国的に売られているのだと、主張したいのでしょうか。

4. 模型店の数が減ってしまったので、どこに買いに行けばよいのかわからない人がいるといけないので、教えてくれているのでしょうか。

模型は趣味なんですよ

ショップ情報を載せている本当の目的は私には全く推察できませんが、上記のような理由なら全く見当違いなのではないかと思います。なぜなら、私たちは趣味で模型を作っているからです。私のホームページの「模型屋の定義」の所で述べたように、模型屋は単に模型を買うだけの所ではいけないのです。模型屋の主人は必ず模型が好きだから、それが得意だから、それを職業に選んだのだと思います。私たちは、模型屋に模型を買いに行くのですができれば何か「おまけ」を期待しているのです。私が子どもの頃は、うまく作れないときに頼りになるのはやはり購入した店のおやじでした。(私のおやじは不器用でまったく役に立ちませんでした。)けして、懇切丁寧に教えてくれるわけではなく、偉そうにアドバイスするだけなのですが、そんなヒントから、自分なりの回答を得ることができていたのです。

店の特色を知りたい

ショップ情報では、その店の得意分野、この店に行けばこんな御利益がある、などのきめ細かい紹介はけしてできないのではないかと思います。それは、店の側からの宣伝文句ではダメなのです。その店を利用するお客自身が肌で感じたメリットを紹介する必要があるのです。現状のショップ情報は、ホームページを作成している人が1店1店見て、品揃えすら見ていないのではありませんか。(もし見ていたらあやまりますが。)

グルメのためのレストランガイドは、必ず1軒1軒食べてみた、筆者の評価を載せているものです。その評価は必ずしも私たちと一致しているかどうかはわかりませんが、その店がどのような部類の店かは何となくわかります。男の友達ととにかく食べて飲めればよい時と、大切な相手と楽しいひとときを過ごしたい時とでは、店を変えたいのではないかと思います。そのような選択が可能な程度の情報が必要です。模型屋の場合もまったく同じです。

わがままな客

模型屋の紹介こそ、私たち模型ファンがホームページで紹介すべきことです。(実際にはまだやっていなくてすみません)たぶん、非常にその人個人の独断の含まれた紹介になると思いますから、公平ではありませんが、趣味とはそんなものだと思います。店に入ったとたん、いらっしゃいませとつきまとわれる可能性がある所など行きたくありません。すべての箱にひもがかけてあって、封印されている店も嫌いです。気に入った店なら、遠くてさびしい所にあっても、わざわざ出かけていきます。私たちお客は大変わがままです。ホームページでも、訪問してくれるお客さんは千差万別、非常にわがままなはずです。何とか魅力を出して惹きつけられないものかと、工夫しなければなりません。本当の商売ともなれば、もっと大変なはずです。

メーカのホームページには別のことを期待する

メーカのホームページでは、他に力を注ぐべきことがまだまだあるはずです。

1. 製品の紹介にしても、店に行って箱の中をあけて見ているような紹介が欲しい。よく紹介されているような完成写真のように、うまくつくれません。自慢して欲しくありません。(模型雑誌の新製品情報のランナー写真もまだ物足りない よく見えません)

2. スペアパーツの検索(注文までできなくても良い)

3. 希望商品のアンケート

などなど、ショップ紹介など後回しにして実現してほしいことがいっぱいあります。

改善して欲しい問屋の理論

私には模型屋を経営している同年代の友人がありますが、彼が模型屋を開店するときに、「今までにない、品揃えでお客さんにサービスしたい」とはりきっていました。私はすごく期待していたのに、いざ開店してみるとしばらくの間、問屋が店に出しゃばって、あれこれ注文を付けて、結局どこにでもありそうな店にしてしまいました。たぶん、安定した店にするためには仕方のないことなのかもしれませんが、残念です。同じような模型屋が各地にあっても、少しもありがたくありません。メーカは問屋と取引しているのですから、ショップを大切にしたいのだったら、もっと問屋をおとなしくさせて欲しいものです。問屋の理論で品揃えしても、魅力ある店にはならないのですから。

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