ダーティペアは1985年7月15日から同年12月26日までNTV系列で放映されました。24話(地方では23話)で打ち切りとなったことが示す通り視聴率的には不遇な作品でしたが、1985年度の徳間書店主催のアニメグランプリでは、同年に放映された話題作「Zガンダム」を抑えグランプリ作品部門で第一位を受賞するなど、当時のアニメファンに圧倒的な支持を受けた作品です。
原作は高千穂遙氏、キャラクターデザインは原作小説の挿し絵を描いた、ガンダム等で有名な安彦良和氏に代わり、うる星やつらの作画監督として人気の出ていた若手の土器手司氏が起用されました。又、設定上ユリとケイの超能力(千里眼)が無くなったり、ストーリーも一話完結形式になるなど、小説とは一風違った雰囲気の作品に仕上がっています。
放送開始当初新しいタイプのSFアニメとして大きな期待のかかった作品でしたが、放映終了後は、思った程はじけきれなかったとか消化不良と表現されたように、作品的にはそう高い評価はなされませんでした。私自身もこれに同感で、ストーリー的にはそう心に残る名作と言えるような話は無かったのではないでしょうか?(スタッフのみなさんごめんなさい。これはあくまで私個人の見解です。)
その一方で、前述のようにアニメグランプリを受賞したり、映画化されたり、OVAで続編が作られたりと非常に息の長い人気シリーズとなりました。これはひとえにキャラクターの魅力によるものだと思います。
土器手司氏の全霊を込めたすばらしいデザインに、これ以上はまりようのない声優さん達(島津冴子さん、頓宮恭子さん)を得て、毎週二人の軽快でテンポのよい会話(予告編の会話なんかも楽しみでしたね)を盛り立てました。これらが絶妙なハーモニーを醸しだし、このキャラクターに命を吹き込みました。そしてそれこそが当時のアニメファンの心を掴むことができた最大の理由ではないかと私は思います。
TV放映終了後、OVA化、映画化、OVAシリーズ(全10話)化と多数の続編が発表されましたが、1990年のOVA、謀略の005便を最後に土器手司キャラのダーティペアは制作されていません。しかしながら現在でもスタッフ、設定を一新した「ダーティペアFlash」という別シリーズになってOVAが発売され続けています。
個人的には土器手さんのダーティペアが最も好きな私としては、スタッフの一新は非常に寂しい限りです。無理とは思いますが是非旧スタッフでの新作を期待しています。原作小説のアニメ化の計画があれば、旧キャラでストーリー的にも満足のいく作品を作ってほしい。時代の流れといえばそれまでですが、どうしても諦めきれないのです。
少し未練がましくなりましたが、ダーティペアは文句無く私のベストアニメーションです。まだこの作品を見たことが無く、このコーナーで興味を持たれた方は是非ビデオで彼女たちの雄志をご覧になっては如何でしょうか?(感想なども メールで聞かせて下さい。)
グランプリ作品部門 第一位(第8回)、第十位(第10回)
歴代作品部門 第六位(第9回)、第十位(第10回)
作品ベスト10 第1位
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2001/01/09更新
SINCE 1997/09/17 K.Murumbo