インド放浪日記 第4週
ブバネーシュワル〜
カルカッタ〜
成田
3月8日(日)ブバネーシュワル
今日は医者に行く日だったので、昼過ぎに医者へ行く。
オッ、今度は医者が部屋にいるではないか。ところがそれから待つこと1時間。
やっぱり待たされるわけね。
体の調子もなんとかなりそうなのでもう1日分の薬をもらって帰ろうとすると、医者が血圧計を指さして、これはもう古いので、キミが日本に帰ったら新しいのを送ってくれないかと頼まれる。金は払うと言うが、とんでもないと、断る。
これと同じことは以前にも数回あった。まあ、大部分は宝石の密輸みたいな話だったけど。しかし、医者から頼まれて考えてしまった。いくら自由化政策をとっていても、まだまだ、輸入関税が高すぎるのだ。内需保護と自由化のバランスは難しい。やっぱり、この国は資源と安い労働力で勝負していくしかないんだろうか。
夜中にフラリと駅にでかけると、戦車を乗せた列車がスルスルとホームに入ってきた。ホームの人は見慣れているのか目もくれない。
15機まで数えてやめた。こんな生活とかけはなれた鉄の塊なんて。
「地平線まで続く車両」
なんだろ。この感じ。
こんな事ってあるんだ、っていう。
心の奥で感じるものがあった。
やっぱインドはスケールデカイね。
<晩飯>
●ベジタブル・プラオ、チトラ 17RS
・チャイ 1.5RS
3月9日(月)ブバネーシュワル
昨日はなかなか寝つけず、薬の影響か、 なんだかトリップ状態だ。
気が付いたらAM10:00になったんで、シャワーを浴びて外に出る。今日も暑い。乾期なのもあるだろうが、もう1カ月近く雲っぽいクモを見ていない気がする。
駅で朝飯を食べてから銀行に両替に行く。わりあい近かったが、足がなまっているので、リクシャで行くことにする。片道の約束だったが、午後からウダヤギリ、カンダギリに行くつもりだと話すと雇えと言う。だって片道6kmもあるし、山道だからオートリクシャで行くつもりだと答えると、彼は自分の足をポンとたたいて「これで、飯くってんだ」と言った。
こう真剣にせまられると、断る理由もないので、OKする。
後で話を聞くと、彼は24才で、奥さんと3才の子供さんがいるそうだ。
ウダヤギリ、カンダギリはなかなか見事な石窟だった。紀元前2世紀にジャイナ教の僧が住んでいたらしいが、まあ、気の遠くなるような話だ。
所々に精密な石の彫刻が残っていたが、一番いいところに金網がはってあるのは残念だった。落書き対策だから、仕方ないか。
それにしても、すごい落書きだ。本当に腹が立つ。こういうことするバカには、なんか強力に反省するような罰を与えないとダメだね。
「なんだろ?」
ヒッソリとたたずむ謎の石像。
妙に惹かれるものがあった。
本当は由緒正しいものなのかもしれないが、なんか適当で、しかも全く注目されていないところが気に入った。
そーいえば、ブバネに来てから1人の日本人にも会っていない。5日間も日本語を一言も話さなかったのは初めてだ。結構疲れるもんだね。
「トイレショック」
はっきりいって、位置が高すぎて使えない。
・・・・・・・・・・・・。
<朝飯>
●オムレツ、バタートースト 10RS
・リクシャ 9RS
・リクシャ 50RS
・ヤシの実ジュース(×2) 5RS
・バナナ 6RS
・チャイ(×2) 3RS
3月10日(火)ブバネーシュワル〜カルカッタ
昨日は夜行列車でいつものごとく走り回ったので、いささか疲れている。
ハウラーで日本人がいたので、声をかけ、4人でタクシーをつかまえることにした。途中、一方通行の逆走をポリスに見つかり怒られるトラブルはあったものの、なんとか一人10RSでサダルに到着することができた。
TimeStarに行くが、満室だったので、再びパラゴンのドミトリーに泊まることとした。
昼飯を食べて、PM1:00頃までグデーッとする。やっぱり薬のせいで頭がフラフラする。
それでも午後からカーリガートへ行った。なかなかバザールの雰囲気がよかったので、ゆっくり見て回ってから寺院へ。カーリーはなかなかの迫力で、参詣者にも殺気立ったものが感じられる。熱っぽい所だった。
それにしても、床が汚い。裸足で歩かなくてはならないので足の裏が気になる。
晩飯を食いに遠出した。チャイニーズを食べに行く。そろそろインドの生活も終わりに近いので、欲求に忠実になってきているのだ。
エクスプラネードまで地下鉄で行く。
スゴイ!自動改札。切符の自販機。
街に出ると、所々で街頭演説をやっている。やっぱりカルカッタは思想の街なんだ。ヤジ馬も含めて、結構人が集まっていた。
グレート・イースタンはあまりにも立派なホテルだったので、ちょっと入るのに勇気がいった。中も広すぎてよくわからないので、迷いながらレストランにたどり着く。うわっ。生バンド付のスゲー所ではないかい。端っこの方で小さくなっていたが、料理は満足のいくものだった。
<朝飯>
●カード・ウィズ・バナナ、ベジタブルサンドイッチ、アップルラッシー 24RS
<昼飯>
●ベジタブル・チョウメン、コーヒー 10RS
・宿代 35RS
<晩飯>
●蟹と豚肉とハムの合わせ料理、ワンタンスープ、チャイ 64RS
・土産代 45RS
3月11日(水)カルカッタ
ドミの隣の人が持っていたブリキのトランクがめちくちゃカッコよかったので、店の場所を教えてもらって朝一番で買いに行く。値段を聞いていたのでボラれることもなく90RSでOK。これは気に入った。
トランクをぶら下げながらニューマーケットをぐるぐる見て回る。今日と明日で土産を買ってしまおうと思う。何点か小物を買って少し疲れたので、一度宿に戻る。
「街にいたかっちょいいオヤジさん」
ちょっとこわかったが、声をかけてみると快く写真を撮らせてくれた。
午後はイミグレでビザの延長をしてもらおうと思い、飯を食って気合を入れる。
2回目なので結構話はスムーズに進んだ。しかし書類にいろいろ記入しなくてはならないのだが、このときほど英語が苦手でハガユク思ったことはなかった。会話はなんとかなるけど、文書はなあ。
10分位書類と格闘して、なんとか仕上げた。
それから面接。これが、また厄介だった。根掘り葉掘り理由を聞かれ、所持金だとか日本での職業だとか収入などを1時間位聞かれた。こっちもスタンプがほしいので、多少話を膨らませていると、その部分をつっこまれたりして、冷や汗がでる。なんとか話がついて、1カ月の延長ができることになった。
ところが、最終的にハンコをもらえるのは13日だという。
えっ!それはマズイ。
だって予定通りにいけば、その日にちょうど帰るんだもん。
このまま、正直に伝えるとかなりマズイので、そういうことも考えていると、その場をとりなす。ふう。
<朝飯>
●カード・ウィズ・バナナパパイヤ、トースト、ラッシー 24RS
・土産代 150RS
・宿代 35RS
<昼飯>
●チキン・ビリヤーニ、リムカ 18RS
<晩飯>
●マトンカレー、ラッシー 17RS
3月12日(木)カルカッタ
今日は朝から晩まで、土産を買うので歩き回った。どうも出国前だというのに金が足りなくなって銀行に両替に行く。
例のごとくそれで午前中がつぶれてしまい、午後からニューマーケットに出かける。ここのマーケットはかなり胡散臭い。ショールを買ったときの言い値が1500RS。最終的に買った値段が300RS。これでも多少ボラレていると思うが、ドミのインド人に聞いたところ、上出来だと言う。
いまさらながら、買い物ひとつにこんなにパワーがいることにビックリする。マーケットを歩いていると、ガイドがどんどん増えてくる。何回断っても入れ替わり立ち替わりなので、こっちが参ってしまう。このへんのインド人の人間性って面白いなあ。
日本にはないコミュニケーションの方法だよね。なんでこんな好奇心が強いんだろうか。まあ、当然情報量の違いはあるだろうけど、俺なんかも知っているつもりになっているだけで、終わっちゃうもんなあ。そこを簡単に乗り越えてくる姿勢はスゴイ。
これで、手を抜かなきゃいいんだけどね。
これも友人がもっていたパッケージが気に入り、New KOHNOOR Teaという紅茶屋を探しに行く。結局マーケットを4周以上回って、2時間かけて店を見つけた。
これもポーターに訊ねたら1分で分かるんだけど、このへんの日本人らしさを期待している彼らを、裏切る気持ち良さを覚えてしまったのだ。
「お付の諸君、ご苦労」っつー感じですか?
<朝飯>
●カード・ウィズ・バナナパパイヤ、オレンジラッシー、トースト 30RS
・宿代 35RS
<昼飯>
●マトンカレー、チトラ 17RS
<晩飯>
●ミックス・チョウメン、バナナラッシー 17RS
・チャイ 1RS
<土産>
・ベッドカバー(×2) 100RS
・ショール 300RS
・チャッダル 42RS
・パンツ(×3) 240RS
・財布 20RS
・紅茶(×10) 120RS
3月13日(木)カルカッタ〜バンコク〜成田
今日、ついにインドを出国し、日本に帰る。
買い残した土産をまとめて、あとは空港にいくだけだ。思い返せばインドに来るキッカケは非常に些細なことだった。
でも、そのキッカケを大切にしたことで、1カ月インドをウロウロして、色々な事を考え、体験することができた。
一番感じたのは、本当に自分は恵まれている環境の中に身を置いているということ。
そして、その中にいるだけでは得ることのできない価値観を身に付けることができたということだ。
あとは、お楽しみ。だね。
<土産>
・パンツ 80RS
・時計 450RS
・チョコレート 20RS
・本 12RS
・出国税 300RS
3月14日(木)バンコク
インドを感動的に出国したのはいいんだけど、さすがに乗り物関係には祟られている私は、飛行機だろうと簡単に帰してくれるわけにはいかないらしい。
エアーインディア306便は定刻より30分遅れでカルカッタ着。
出国の際に荷物を散々かき回され、ああ、こんなインドともお別れだな、なんて感傷的になってたころが幸せだったね。
エアーインディア306便は定刻より1時間遅れでバンコク着。そこまではいい。そこまでは・・・。
そこから、もう4時間以上停りっぱなし。
トランジットの予定は1時間なので、免税店にも行けず、かといって機外にもでることもできず、電源が落ち、クーラーの切れた狭い機内で悶々と300人が待っているのだ。
そのうち、アナウンスがあって、ボンベイ・カルカッタINの乗客は手荷物をもって機外でチェックがあるとのこと。
こりゃ、インド帰りの乗客でよかったよ。だって、ミンナ我慢強くなってるもん。
それから、一人ずつ荷物合わせがはじまり、最終的にバンコクを飛び立ったのが、日本時間でAM5:45。こりゃあ、8:00には着かないわな。おいおい。万が一誰か出迎えに来ていたとしても、俺のせいじゃないからな。
しっかし最後まで 、やってくれるよ、インドは!
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