4月12日、土曜日。
もう朝か…。
よく寝たはずなのに、寝たような気がしない。
オレって、疲れてんのかな?
「浩之ちゃん、眠そう」
「ねみーよ」
「授業中、居眠りはダメよ」
「おーきなお世話だ」
「おっはよ〜っ、ふたりとも! 今日も仲良くご登校、
憎いねぇ〜このっ、おしどり夫婦!」
いきなり志保が出てきた。
「おはよう、志保」
「オメー、なに朝から出来上がってんだよ」
「出来上がるもなにも、あたしはいつだって元気よ」
「かもしれねーな…」
…ったく、その元気を全国の低血圧な人たちに分け
てやれっての。
「志保、今日はどうしたの?」
あかりもさすがに、おかしいと思ったらしい。
「あらら、あかりまでそんなこと言うのぉ?」
「ったりまえだ。朝から変なノリで迫られたら、誰だっ
て不気味がるっての」
「そんなこと言われたって、このノリは変えらんない
わよ」
「…その点ではオレもあかりも、あきらめてるぜ」
「なによう。あたしはこのノリが気に入ってるのよ。
あんたにあきらめられる筋合いはないわ」
「あのぉ、志保。もうすぐホームルーム始まっちゃう
よ」
「ありゃ? もうそんな時間? あんたたち、もう少
し早く学校に来なさいよぉ」
「おーきなお世話だ」
「ってなわけであたし、教室に戻るね。…あんたたち、
仲良くやんなさいよぉ〜」
変なセリフを残して、志保は教室へ戻っていった。
「…あいつ、なにを言いに来たんだ?」
「さあ…、仲良くしなさい…かな?」
1時限目の休み |