「どうだ、びっくりしたか?」
オレはいたずらっぽく笑って言った。
「え、ええ、それはもう。なんせ、ブレーカーが落ち
ちゃうくらいですから」
「そっか、やっぱブレーカーが落ちてたのか」
「はい。突然さっきみたいに、思いもよらない負荷が
かかったりすると、安全確保のため、ブレーカーが落
ちるようになってるんです」
…ということは、マルチはじつに驚かし甲斐のある
ヤツだってことか。
「ふ〜ん、マルチ…」
「はい?」
「あのさ…」
「はい?」
「――わッ!」
「ひぃっ」
懲りずにもう一度やってみた。
さすがに今回は気絶こそしなかったものの、それで
もマルチは飛び上がって驚いた。
「も、もう、おどかさないでくださ〜〜〜いっ」
「わはははは」
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