しばらくして、マルチは、はっと思い出したような
顔をすると、
「あっ、そうだ。わたし、お掃除の途中でした」
 そう言って、足もとに落ちた空雑巾を拾い上げた。

「じゃあ、オレも手伝ってやるぜ」
「…えっ!? そっ、そんな、悪いです」
「気絶させたお詫びっていやぁ変だけど、そのせいで
遅れちまったのは事実だしな。…ふたりでやったほう
がはかどるだろ?」
「…え、ええ、まあ」
「それに、ふたりでやると楽しいじゃないか」
「あ、はい、そうですね!」

 その後、オレはマルチを手伝って、ふたりで廊下の
掃除をした。


 夕方

マルチとセリオ