「マルチ、最後の記念にネコプリしようぜ」
 と、オレは言った。
「ネコプリ?」
「ふたりで写真撮るヤツだよ。ほら、そこのゲーセン
にあるヤツ」
「あれですか?」
「そうそう。記念に一緒に映そうぜ」
「はい、喜んで!」




「できた写真を取れニャン」

「…わあ、浩之さんとわたしが映ってますー」
 機械から出てきた写真を覗き込んで、マルチが顔を
ほころばせた。
「よしっ、じゃ、これを…」
 ぴりぴりぴり…。
「ほら、半分ずつな」
 オレは写真の半分をマルチに手渡した。
「はいっ! 大切にしますっ」
 マルチはネコプリの写真を、大切そうに胸に抱えて
笑った。


 

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