「…マルチ…」
「…ご主人様…」
「……」
「……」
「……」
「…あ、あの?」
「……」
「…も、もしもし…」
「……」
「…ご主人様?」
「もう少し…」
「…え?」

「もう少しだけ、このままでいさせてくれねーか?」
「…ご主人様…」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」

「……」
「……」
「…もう少しだなんて言わず、朝までずっとこうして
いてください…」
「マルチ…」
 マルチが、そっとしがみついてきた。
「わかった。そうする。そうするぜ、マルチ…」
「…ご主人様………………………………………………
…………………………(大好きです。ずっとずっと、
忘れません)…………(たとえ、何年経とうとも)」


 21日

心のあるロボット