渋谷区の税理士 中川尚税理士事務所


消費税の課税事業者になられる方へ
個人:平成17年分の確定申告から
法人:平成16年4月以降に開始する事業年度から



平成15年度の税制改正により、消費税が大きく変わることとなりました。
今改正の最も大きなポイントは、免税点の引き下げによる、課税事業者の増加でしょう。
本項ではこれから課税事業者になられる方のために、必要な情報をできるだけ分かりやすく解説しております。
是非参考にしてみて下さい。



INDEX

1.平成15年度の改正点

2.必要な手続について

3.簡易課税と本則課税について

4.中川会計事務所からのアドバイス




1.平成15年度の改正点

※この改正は、平成16年4月1日以降開始する課税期間から適用されています。
(個人事業者は平成17年分の確定申告から、一般的な法人は平成17年3月以降の申告から適用になります。)

※消費税の基準期間は2年前です。
(個人事業者は平成15年分の確定申告書を、一般的な法人は2期前の法人税申告書をご確認ください。)




1.事業者免税点が3,000万円から1,000万円に。

 納税義務が免除される基準期間の課税売上高が3,000万円から1,000万円に引き下げられました。
 基準期間の課税売上高が1,000万円超の方が新たに課税事業者となります。


2.簡易課税制度の適用できる上限額が2億円から5,000万円に。

 簡易課税制度を適用できる課税売上高の上限額が、2億円から5,000万円に引き下げられました。
 現在簡易課税制度を適用している事業者で、課税売上高が5,000万円超の方は、本則課税制度を適用することになります。


3.中間申告の申告・納付回数が改正されました。

 直前の課税期間の確定消費税額が4,800万円を超える場合には、年11回の中間申告・納付を行うこととなりました。


4.課税期間の特例(課税期間の短縮)が改正されました。

 新たに1ヶ月を課税期間とする特例が設けられました。


5.総額表示が義務付けられました。

 課税事業者が一般消費者に対して商品の販売や役務の提供を行なう場合、消費税額を含めた取引価格を表示することが義務付けられました。




2.必要な手続について

消費税の諸手続は、管轄の税務署に対して行います。



資本金1,000万円以上で開業したとき・・・消費税の新設法人に該当する旨の届出

課税事業者になったとき     ・・・消費税課税事業者届出書

簡易課税制度を選択適用するとき ・・・消費税簡易課税制度選択適用届出書

課税事業者ではなくなったとき  ・・・消費税の納税義務者でなくなった旨の届出

簡易課税の選択適用を止めるとき ・・・消費税簡易課税制度選択不適用届出書

住所変更や廃業したとき      ・・・消費税異動届






3.簡易課税制度と本則課税制度について

消費税は「預かり税」と言われますが、これは売上にかかる消費税と仕入にかかる消費税の差額を納付するためです。

【消費税の計算方法(本則)】

納税額 = 売上にかかる消費税 − 仕入にかかる消費税


消費税の計算方法はこの方式が原則(これを本則課税制度といいます)ですが、中小事業者向けにもう少し簡単な計算方式も認められています。

【消費税の計算方法(簡易)】

納税額 = 売上にかかる消費税 −(売上にかかる消費税×みなし仕入率)


これを簡易課税制度といいます。仕入にかかる消費税を集計・計算する必要がない(※)ため、本則課税に比べて手間がかからないといわれていますが、コンピュータ会計を導入していれば差はありません。なお、一度選択すると2年連続して適用しなければならないので、選択の際には注意が必要です。

※業種ごとに「みなし仕入率」が設定されているため。

みなし仕入率
卸売業 90%
小売業 80%
製造業 70%
その他の業種 60%
サービス業 50%





4.中川会計事務所からのアドバイス

 消費税は会社が赤字でも発生する税金です。

 以下のチェックを必ず行って下さい。


 1.2期前の課税売上高が3,000万円超〜5,000万円以下の方


 本則課税と簡易課税のうち、いずれか有利な方を選択できます。

 経営者セミナー等でチェックすると、比較検討していない会社がほとんどです。

 中には毎年150万円も多く消費税を支払っていた会社もありました。



 2.2期前の課税売上高が5,000万円超〜2億円以下の方


 本則課税のみになるため、月次決算体制を構築し、毎月消費税を計算することが必要です。

 これにより、納税額の予想を正確に行なうことができます。

 具体的には会計事務所ではなく、自分の会社で試算表を作成するように変えていくべきです。



 3.改正後、新たに課税事業者になる方


 事前に本則課税と簡易課税の有利不利計算を行っておくことが必要です。



 4.課税事業者で、経理処理を税込で行なっている方


 税金を安くするためには、経理は税抜経理で行うことが必要条件です。

 これも経営者セミナー等でチェックすると、税込経理で行っている会社がほとんどです。





ご質問はこちらまで
中川尚税理士事務所
TEL:03−3462−6595
FAX:03−3462−6596

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