山梨県高山植物の保護に関する条例
抜粋
(目的)
第1条 この条例は本県に自生している高山植物が、文化的、学術的な価値を有し、かつ、現在及び将来の県民に潤いを与えるかけがえのない資産であることにかんがみ、県、市町村、県民等が一体となって、その保護を図り、もって将来の県民に貴重な資産として継承することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に揚げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1 特定高山植物 本県において絶滅のおそれがある高山植物で規則で定めるものをいう。
2 県民等 県民、旅行者及び滞在者をいう。
3 特定高山植物栽培業 特定高山植物の栽培を業として行うことをいう。
4 特定高山植物販売業 特定高山植物の販売を業として行うことをいう。
(県民等の責務)
第3条 県民等は、高山植物の保護に努めるとともに、県及び市町村が実施する施策(高山植物の保護に関する施策をいう。以下同じ。)に協力するものとする。
(特定高山植物の採取行為の禁止)
第7条 何人も、特定高山植物(栽培に係るものを除く。以下この条例において同じ。)を採取し、又は損傷してはならない。ただし、次に揚げる場合は、この限りでない。
1 非常災害のために必要な応急措置を行うためにする場合
2 法令に基づいて国又は地方公共団体が行う行為のうち、特定高山植物の種の保存に支障を及ぼすおそれがないもので規制で定めるものを行うためにする場合
3 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、特定高山植物の種の保存に支障を及ぼすおそれがないもので規制で定めるものを行うためにする場合
4 前3号に揚げるもののほか、知事が特に必要があると認めて許可した場合
2 前項第4号の許可には、当該特定高山植物の種の保存のために必要な限度において、条件を付することができる。
(特定高山植物の譲渡等の禁止)
第9条 何人も、第7条の規定に違反して採取された特定高山植物は、譲り渡し、若しくは譲り受け、又は引き渡し、若しくはその引渡しを受けてはならない。
(特定高山植物の譲渡等の届出)
第10条 特定高山植物栽培業を営もうとする者は、知事に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
1 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 栽培場の所在地
3 栽培しようとする特定高山植物の種名
4 前3号に揚げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の届出書を提出した者は、特定高山植物栽培業を廃止したとき、又は同項各号に揚げる事項に変更があったときは、知事に、廃止又は変更に係る事項その他の規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
3 前2項の規定による届出書の提出があったときは、知事は、規則で定める事項を告示するものとする。
(特定高山植物販売業の届出)
第11条 特定高山植物販売業を営もうとする者は、知事に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
1 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 営業所の名称及び所在地
3 販売しようとする特定高山植物の種名
4 前3号に揚げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の届出書を提出した者は、特定高山植物販売業を廃止したとき、又は同項各号に揚げる事項に変更があったときは、知事に、廃止又は変更に係る事項その他の規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
3 前2項の規定による届出書の提出があったときは、知事は、規則で定める事項を告示するものとする。
(帳簿の備付け等)
第12条 特定高山植物販売業を営む者(以下「特定高山植物販売業者」という。)は、営業所ごとに帳簿を備え、これに次の事項を記載しなければならない。
1 買い入れ、又は販売した特定高山植物の種名及び数量並びにその年月日
2 買い入れ又は販売の相手方の氏名又は名称及び住所
2 特定高山植物販売業者は、前項の帳簿を、最終の記載の日から3年間、保存しなければならない。
(立入調査)
第13条 知事は、この条例を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、特定高山植物栽培業を営む者の栽培場又は特定高山植物販売業者の営業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に掲示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(罰則)
第16条 次の各号の一に該当する者は、3月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1 第7条第1項又は第9条の規定に違反した者
2 第7条第2項の規定により許可に付せられた条件に違反した者
第17条 第10条第1項若しくは第11条第1項の規定に違反して届出書を提出せず、又は第10条第1項若しくは第11条第1項の届出書に虚偽の記載をして提出した者は、20万円以下の罰金に処する。
第18条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
1 第10条第2項若しくは第11条第2項の規定に違反して届出書を提出せず、又は第10条第2項若しくは第11条第2項の届出書に虚偽の記載をして提出した者
2 第13条第1項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第19条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
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