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UPDATE.1998.2/24
2001.2/4改訂
第6回 ラム
彼女を愛する理由
N:「今更ナンですが・・・Kim先生はお酒の味が解る人だと思ってるんだけど、その上でラムはあんまり
飲まないですよね?この間うつむく青年さんの主催したパーティーでサンタテレサやロンリコを前にして
話しをしているのをカウンターの横でちょっと聞いていて改めて思ったんですけど」
K:「う〜ん・・・どうもあんまり得意じゃないんですよねぇ。ラム一連にある独特のモノというか・・・。 それであんまり飲まないんでしょう。今 飲んだらわからないけど」 N:「こればかりは好みがありますからごく自然の事だと思いますけどね。色々なカテゴリーを嗜んでも 一貫して結構シャープなお酒っていう 好みが精通しているところがありますよね?ラムは他のお酒に 比しても色々なタイプがありますが、バカルディーのライトなんかは性格はそういうタイプでしょ?」 K:「そうですね。それは解ります」 N:「私もラムは好きなお酒で、そういえば以前 魅了されている理由をうまく言葉に出来なくて、他の ラム好きのみんなに聞いて回ったことがあったなぁ・・・。周りを見渡すと、女性のラムフリークが 多かったんですよ。」 K:「マスター得意の『お酒の語りかけ』はあるわけでしょう?」 N:「もちろんあります。好きと言ってる時点でそのお酒には語りかけがあるってことですからね。 ただ、あんまり考えたことがなかったんでね。単に美味しく飲んでいたっていう。 その語りかけが魅力的だったとして、それを言葉に出来ない。好きな女性がいるとして、 『彼女の何処がいいの?』って言われてるみたいなもんですね。他人からいわれたんなら『ほっといて くれ!』で済ますんだけど、なんで好きなのか気になってるのが自分っていうんだから始末がわるい(^^;) 彼女の事をもっと知る必要がありますね。騙されない為にも」 K:「もう10年以上も好きでいて今更・・・(笑)」 N:「あ、いいなぁその表現(^^)。まあ今ではうつむく青年さんの代名詞にもなったロンリコ151とかに代表されるように、とっても陽気で楽しいお酒っていうプロフィールはもってますよね。西インド諸島が最初の生産地で、この地に移住してきたイギリス人が、たくさんなっていたサトウキビから蒸留して作ったからラムの語源とされるrumbullion=ランバリヨンというのはもともとスコットランドのデボンシャー語で興奮という意味。転じて陽気な・どんちゃん騒ぎ という意味になったっていいますからね。」 K:「でもバカルディーのライトとかは落ち着いた性格ですよね?」 N:「そうなんだよねぇ。私は彼女が好きでねぇ。さっきも出ましたけど、私の好きな酒をあらわす言葉、 「語りかける酒」。それは味わい・風味、なんでもいいんですが、持っている 何かを訴えかける酒って事なんです。彼女は確かに囁いてくれるんですよ、耳元で。 K:「エロだ(TT)」 N:「あっ!(^^;) まあ、その囁きが好きなわけですよ。もっとも私のほうでその酒の囁きを感じることがで きなければ彼女らにむなしい思いをさせるだけで、「語りかける酒」とは人それぞれに色々なタイプが あると思います。バカルディー・ライト 彼女は飲みやすく、その香りはやわらかで、にぎやかを歌った タイプとは別物で非常に落ち着いていました。でも各種151プルーフやレモンハートデメララ とか、バンベロアなんかは違う語りかけですよね?でも151プルーフなんて強いアルコール飲料が確かに 美味しく受け止められるっていうのは、本質的に彼女達は優しいお酒ってことが言えるかもしれません。 それでもマイヤーズみたいに強烈な個性もあるけど、あれだって優しい・・・かな?」 K:「とにかくバラエティーに飛んでますからね。ひとくくりに出来るかどうかは、ちょっと難しい かもしれないけど・・・」 N:「ええ、無理に決めつけない方がいいかもしれないんですよね。その上自分はラムを女性と決めつけ ちゃったわけですが、私の知ってるラム好きで女性が結構います。だから聞いてみたってわけ」
女性フリークのご意見
横浜のYUKOさんの証言
Y:「私にとってラム酒は異性の親友。ロマンティックな関係じゃないけど、いつも親身になってくれて、
そばにいてほしいときはいてくれるけど、普段はお互い自立して、それぞれの人生を送っている、男の、
気心の知れた友達。」
「何年会わなくても、会ったときにはまた、まるで昨日の続きみたいに話せる相手。」 「なじむお酒。そして、いちばん心が冷えたときに、あっためてくれるお酒。」 N:「それは私がラム=女性説を唱えて生まれた疑問に対して応えてくれたものですよね。穏やかな語りかけ から、ラムはやさしい女性のようだって言ってましたからね。それにしてもここまでラムを考えてくれるなんて嬉しいですね。」
大阪のMONさんの証言
M:「うーん、お酒を飲む時にはなにも考えないで飲んでるんですけど・・・」
N:「それこそ、純粋にラムを愛している証なんじゃないですか?私も語れないくらい、何も考えずに ただ美味しく飲んでました(^^;)」 M:「考える切口を変えて、私がラムを飲みたい時とは・・・ 1.気分を変えたい時 2.甘あまでもなく辛すぎないものを飲みたい時 3.あったかいもの(ホット)を飲みたい時 ですね。 N:「YUKOさんもそうでしたが、心をあたためてくれるというところが共通してますね。結局大切な 位置をしめていることだけは確かですね」
木更津市のSACHIKOさんの証言
N:「さっちゃん、ラムを大切にしているじゃない。好きっていう以上のスタンスで捉えているよね?
今、改めてラムの魅力を考えているんだけど、君にとってのラムの魅力を教えて欲しいんだ」
S:「え?ラムの事ですか?うーん、恥ずかしいから言わなかったんですけど、実は私にとってラムは もう一人の私なんです。理想の自分って言っても良いかもしれない。だから私がくじけそうなときには 励ましてくれるし、私自身も負けられないと思うんです。私もラムと語ってるんですよ(^^;)」 N:「あ、いいねぇ そういう話し(^^)」 S:「だからいつも飲む訳じゃあないけど、気分を変えたいときとか、楽しくて、仲のいい同性の友達とい るときは必ずラムを飲んでるじゃないですか」 N:「ああ、思い当たることが沢山あるよ バカルディー・ライトね。なかなか含みのあるお言葉 だよねぇ。木更津も捨てたもんじゃないな。今更私が拘ってた事がちっぽけに思えるけど、性別は つまり女姓なんだね。」
彼女を愛する理由
K:「それで、色々なご意見を聞いて、マスターはどういう風に結論付けたんですか?」
N:「結局お酒の語りかけっていうのは人それぞれなんですよね。そしてラムにはバラエティーに飛んだ 色々なタイプがある。私は女性の様だと捉えた訳だけど、この場合色んなタイプの女性が存在するって ことになると思う」 K:「ふんふん」 N:「つまりラムは、こちらがシックを望んだときにはシックな女性を、陽気にいって欲しいときには 陽気な女性を、慎ましくいてほしい時は慎ましい女性、華やかな女性を求めるときは華やかに、という風にその場その場の状況に合わせて演じ分けてくれる、そばに寄り添っていてくれるお酒 って感じかなぁ と思います」 K:「そんな女性がいますか?(笑)。しかしまたえらく持ち上げましたね」 N:「だってさ、男って「俺の好みはこんな女性」とは言ってみても、いろ〜んなタイプを求めるときが あるじゃない?ごく自然にさ。その色々変化する自然な欲求にたった一つのカテゴリーであるラムが 対応してくれるわけよ。ラムが相手だったら、自然のまま対峙できるわけ。奇しくもこの間話して結局 与太話になってしまった『お酒と対峙する』をキレイにまとめたカタチになったみたいなんですけど(^^;)」 K:「やっぱりテーマとしては、何かお酒を持ち出さないと難しいってことですよ」 N:「それがラムだったっていうのはねぇ。まあ今日の話しで私の感じてるラムの魅力がみえたね」 K:「なるほどねぇ。そういうお酒なら飲みたいと思いますよ、男だったら」 N:「男だったら・・・てすか?有る意味男性にとっても理想の女性像なんですから、女性にも飲んで 頂きたいですよね。巷で『僕の知ってるマスターが、このラムって酒はこういう女性だって言ってるんだ。 僕もそんな女性に魅力を感じる 良かったら飲んでみてくれないか?』なんてね」 K:「そういう男がもてますか?(笑)」 N:「うーん、保証はできないね(^^;)」 |