おもいでの 釣り日記


過去の釣行記録、とりわけ印象に残ったフィッシングNOW!のレポートをこちらに掲載しておきます。釣り情報として 活用できるかは保証しませんが、まあ楽しんでくださいね。




竜虎の戦い〜ブラックバス対決編


98/11/03

Numberファミリーにして我が盟友のyoshiさん。少し前にはすばらしいニジマスを ゲットして ご馳走してもくれました。しかしあくまでもあれはバス釣りでの話し。しかもその後度々 釣行に赴くも釣れないと言う。そんな筈はないだろうと釣遊はその度に言う。じゃあ勝負しよう という ことで、私とyoshiさんのバス釣り勝負とあいなったのであります。実になんと15年ぶり。過去の戦績は 私が一敗しているのは記憶にあるが、勝った数など数えていない。君がどれほど成長したか、見届けて あげようじゃありませんか。私の釣りというのは 風と話をしたり、水を愛でたり、自然と対話するものだ という考えであり、好むと好まざると殺生をもたらしてしまうのですから勝負なんて良くないと思うんです けどね(言ってやった 笑)

朝4:50 いざ出発! 

今回の釣行ではKimさんに立ち会って頂いて判定を仰ぐことになってます。残念ながら お仕事が入ったということで 後から駆けつけることとなりました。AM4:45 定刻よりも早くyoshiさんの 愛車 メルセデスが到着 感心感心。それじゃあ出発進行〜。祭日ということで現場に近づくにしたがって ボートやロッドを積んだ車が増えてきました。おまけに現場まであと10分という地点で道路沿いの壁と仲良く している車も・・・安全運転を心がけましょう。

朝5:30 亀山湖到着! 

ここは元々人が住んでいた集落で、そこにダムを設けた人造湖。確か昭和50年代 はじめに完成したと記憶しています。私は中学生の頃、まだブラックバスやルアーという釣り方さえ 知られていない頃からここをフィールドにしていたのです。なにしろ当時バスがいたのはここと 金山湖くらいでしたから。木更津から自転車で、あるいは久留里線に揺られてきたものでした。 yoshiさんとはそんな頃からご一緒したものです。それが10数年の時を経て相まみえる。なんと壮大な スケールでしょう!さて、着いてみると既にたくさんの車と人。そしてその設備のすばらしさに驚きました。 今回は「松下」さんを利用させていただきましたが、事務所は当時の建物以外にも設けられ、中に入ると エレクトリックモーターのバッテリーが数十個並べられています。桟橋は非常にきれいかつ安全で、駐車場 や水洗トイレも至る所に。ブームがもたらした地元産業の発展を喜ばずにはいられませんでした。 私が亀山で釣りをするのは3年ぶり。あの当時はここ以外のところを利用していたのですが まさかこんなに なってるとは・・・浦島太郎の気分です。小学生同士のフィッシャーマンもEモーター使って、手こぎなんて 数えるほどですからね。

さあ、勝負開始(自然と対話しよう) 

湖近くに降り立ってみると風もなく、空気が良い感じの湿り具合。こういうときは釣れ るんですよねえ。yoshiさんのエレクトリックモーターをセットしていざ出船。案の定バスがそこかしこで ライズしています。まだ少し寒いけど、これから暖かくなりそうです。まずはトップウォーターで攻めて みます。私のタックルボックスの中は、当時のルアーがいまだに健在。キリンライトビールを模した ダイワのドリンカーや、バルサマック7、蝉をかたどったリブンシケーダ。ここに存在しているのは 無くさないから。といってもドリンカーで釣ったことはないのですが(笑)

しばらく攻めてみますがアタリがありません。yoshiさんも同様。しかしここまで私は、当時のテクニックが 健在か、プランクを否定するかのように色々なキャスティングを試みます。狙ったポイントに思うように キャスティングできて満足。長年連れ添ったわが相棒のロッドとリールとはいいコンビネーションです。 さて、ここから勝負といきますか。 

すわっ!タイタニック! 

いよいよ本腰、というところでなんかおかしい。ボートに溜まっていた水が増えている。 さっきから立ち上がってキャスティングすると妙にバランスが崩れると思ったら・・・


yoshi:「なんか変じゃないか?」


エレクトリックモーターを操縦しているのはyoshiさんなんです。

釣遊:「変っ!絶対おかしいって!そっちに水抜きの栓が有るだろ?確認して。緩んでない?」


yoshi:「大丈夫だぞ。もう少し様子見て釣っていよう」


しばらくやっていると、他のボートに比べて船の高さが無い それだけ沈んでるんだ。やっぱりおかしい。二人とも不安になって ボートを替えようという事になる。ただしまだ出船して2時間と経っていない。ボートが出払ったあと、 返しに来る人がいるかどうか・・・取りあえず桟橋の近くまで行って、その近くで釣る(まだ釣るか〜?) しばらくして空いてる船を発見。そちらに移る。私が乗り代わりの船を確認すると、Eモーターの取り付け 位置近くにこう書いてある。「レバーを引き上げて 確認してください」つまり水抜きの栓の隣にレバー タイプの栓がもうひとつあったんです。今までのボートをみると案の定そちらのレバーがロックされてませんでした。


「yoshi、おまえ死ぬ気か? 殺す気か〜っ?!」


気を取り直して出船 

取りあえず命からがら旧ボートから逃れてしきり直し。しかしお互いに嫌な予感がして おります。あの「いい雰囲気の時間帯」に釣れなかったという事実。とにかく出船してから早いうちに 数匹上げておいて、その後思い思いの釣り方で楽しむという予定は全くできなかったわけで、苦戦を強いられ るのは必至。もしここから好条件を見いだすとすれば「日差しが湖面に行き渡り、水温・気温ともに上昇す る」というフィールドの変化しかありません。ま、船が沈没するかもしれないという不安からは解放されて 本来の力を発揮できるようにはりました。が、釣れない。アタリがない。

ここまでは自分の好きな釣り方をしていました。yoshiさんはトップウォーター。特にスイッシャーを 多用して攻めます。しかしこの攻め方は日が高くなるにしたがって不利になれます。そこで私お奨めの スピナーベイトに切り替える。(実は私のお薦めのスピナーベイト。彼は今まで持っていないと言っていた 。にも関わらずずいぶんもっている。これは前回・前々回、もひとつおまけに前前々会ダメだったのがこた えているらしい。良い心がけだよyoshi君)。ところがこれもじっくり攻めることなく交換。ワームやら シンカー系やらと絶え間なくルアーチェンジしている。さすがにもう少しするとKim氏ご一行が到着する時間 。それまでにせめて一匹と、あせりの色が濃くでている。私は、得意の というか好きなフローティングの バイブレーションを あえて深く潜らせて底でバイトを狙う戦法に替えてみる。これは、トップウォーター で釣ると、ヒットの瞬間が見られておもしろいというのとは反対だけど、底でヒットした場合は力強く 引く傾向があって、尚かつ根に潜られたら長期戦になる等、私にとって趣のある釣り方ができる為です。 ところがダメ。アタリすらない。仕方がない、ワームを使うか。

ワームについて語らせて 

ワーム。現在のブラックバスシーンにおいては主流になりつつ有るのではないかという 程定番のルアーですね。ところが、私がルアーを始めた時代はまだ「ルアーってなに?」「こんなので 魚が釣れるのかよ」と 言われてた時代。そのころはキャッチアンドリリースからくるように、自然を 大切にしようとう風潮が大切にされていました。例えばラインは必要以上に細くしない傾向が ありました。もし糸がきれたら、バスはそれを引きづったまま逃げて、必ずどこかで死んでしまうだろう という考えからです。プラスチックワームも、バスが食べたら死んでしまうだろうから、本当に釣れない 最後の最後にやむなく使うように という暗黙の了解がありました。ワームを使うことはルアーマンの風上 にもおけない、恥ずかしい行為だったのです。しかし今は、メーカーや各関係団体もそのことに対して ふれません。バスは釣れる魚、これを使えば釣れるよ、と釣り人口を増やしていきました。確かに釣れる 釣りがおもしろいのです。現在のブームもそこからきています。それは喜ばしいことなんでしょうけど なにか寂しさを覚えます。そして同時に、私からワームによるファイトを味気ないモノにしてしまいまし た。実際、広い湖にでて、チマチマとワームを操るのはどうにも楽しくない。必要とあらば使うくらいの つもりでいたのですがどうも楽しくない。まともにワームで勝負ができない感じです。

うわっ!電話だよ 

ついにKim氏からの電話。「釣れてますか?」の一言が大きく我々にのし掛かる。 ああ〜、潰されてしまう〜。 仕事を終えてこれから向かうとのこと。なんとかそれまでにと思うが、 残念ながらKim氏到着まで 進展なし。く、くやし〜。しかし時はすでに1:00頃。これまで何をやっていたんだろう?実は キャスティングのテクニックは全盛期のままといって良いでしょう。あらゆる角度からキャスティング できたし、狙ったポイントにせいぜい15cm程の狂いしか生じない。水面を切って木々の葉の奥にまで 的確に着水させることも出来る(yoshiさんは知らないけど)。しかしこちらの技が通用しない。 これほど手応えの無いのもめずらしい。ていうか初めて。むむ〜。取りあえず情けない報告をするか。 おいおい、まだ釣ってるのかyoshi君、往生際がわるいなぁ。

Kim先生saori様kazueさんという三名が到着。しばし陸で休息、そのごその陸から攻めてみる。初めて まともにやるKimさんはなかなかキャスティングがうまい。こりゃはまると見たね。いつか引き吊り 込んでやろう。kazueさんも直ぐにキャスティングに慣れたようで、やっぱり器用なんだなぁ。 きっと良い釣り師になることでしょう。結局 陸では全く釣れないのに延々キャスティングしていた 根性はいいですよ。趣味がまたまた増えましたね(^^)

その後saori様とkazueさん、yoshiさんとKimさんでボートからアタック。しかしダメらしい。その間も 陸っぱりでとことんやるけどダメ。まさかこんな結果に終わるとは・・・・


傾向と対策 

今回は最高の天気に恵まれたと思う。しかし、ここは今や他県からもバスボート持参で フィッシャーマンが集うスポット。小学生さえもエレクトリックモーターを使っている。さすがにすれてい ると思われる。しかも魚影が見えない。私は今までバスをターゲットに来て、その姿が見えなかったのは  真冬を除いて記憶にない。これはどうしたものだろう。すれているとしかいいようがない。また、魚探を 積んでいる者もいたけど、それでも釣っているところをみることはなかった。亀山はかなりシビアな 釣り場になってしまった。やはりワームでコツコツと地味な釣りをするしかないのか。前回yoshiさんと saori様がニジマスを釣り上げたワームは赤とピンク。釣り宿の写真や剥製のよこに並べられてた ヒットワームの色も暖色系が多かった。これは攻略ポイントですね。 ところでここは 一日漁業権が\350(子供\100)。そして要所にトイレがあり、芝生が ひかれた広場に駐車場。ここはのんびり家族なんかで遊びにくるには良いところですよ。実際バーベキュー をしているカップルとかもいたし。
このままシーズンオフは寂しいので、ここに限らずどこかでバスの顔を拝んでおこうと思う釣遊で あった。日は刻々と短くなり、気温は下がっていくけども・・・

休みの時の買い物ツアーもそうでしたが、そのあとみんなで食事と称して軽く引っかけます(もう恒例)。 判定人のKimさん曰く「今度は高滝湖で勝負」ってことなんで来年の春に勝負はおあずけかな? 今回はこんな結果に終わってすみませんでした。最後までお読み戴いてありがとうございます、恐縮です。 しかし、こんな結果なのにこの文章を書き上げた私の心苦しい苦労に免じてゆるしてやってください。 くそ〜。釣れる釣りをレポートしてやるぞ。しかし私ってこんなに釣りがヘタだったのかな?????


船を沈めそうにしたのはヤツです 前回47cmのレインボーを上げたさおり様
きっとうまくなりますよ。扱いが上手です おいおい、山釣ってどうする?


編集後記 

この『竜虎の戦い』は掲載後、NumberフィッシングNOW!過去最高の大反響を頂いたレポートでした。釣りを知らない人からも「釣り用語は知らなくても読んでいて楽しい」とか「結局一匹も釣れなかったのにこれだけ引っ張る文才はすばらしい」等、当人としては複雑な応援ご支援を頂いたんですよね(^^;) フリーのフィッシングフィールドテスター釣遊としては、これで今後のレポートのあり方が確立されたと言っても過言ではありません。本人が何度読み返してみても当時の思い出に浸れて楽しいのは気心の知れた仲間との釣行であるという事なんでしょうけど、ココは読んでくださるみなさんが楽しめるレポートをにしようと掲げました。その記念すべき第一号ですね。


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