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日本ダービーの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券
馬券うんぬんの前に言いたいことは、とにかく「感動した!」ということである。強い馬が強い競馬をする、そういうレースが一番であることを今回のレースを見て痛感した。そういうレースを見ることができたのだから、馬券が的中したなんてことはどうでもいいことである。今まで多くのレースを見てきたが、今回のレースが一番感動したかもしれない。本当にいいダービーだった。この瞬間を見ることができて(テレビだけど)本当に幸せである。
ディープインパクト
パドックで少しテンションが高いのをみたときはかなりびびった。まさか単勝1.1倍の馬が負けるのか、とけっこう不安になってしまった。今回のレースだけは負けてほしくなかったので、ちょっとしたことでも不安になってしまった。スタートで後手を踏んだ瞬間も不安になったし、道中も3コーナーまでは不安でいっぱいだった。しかし、そんな私の不安も関係なしという感じで、この馬は3コーナーからすーっと先行集団を射程圏に入れて、直線で一気に抜き去り、あとは突き放すだけだった。ナリタブライアンもこういう競馬だったが、私としてはこの馬の方が凄さを感じた。本当にしびれる走りだった。今後はもちろん3冠をとりにいくだろうし、私としては3冠をとってもらわないと困る。というよりも、ルドルフの7冠を越えてもらい、生涯無敗という実績を残してほしいと思っている。そういう意味ではG1だけでなく、前哨戦も負けてほしくないと思っている。
インティライミ
2400mのレースで1000mのラップが59.9というペースだから平均よりやや速いペースだったと考えていいと思う。それを先行して早めに抜け出す競馬をして2着なのだからこの馬もかなり強い。他の先行馬はすべて馬群に沈んでいることを考えても、この馬の強さはかなり際だつものである。ディープインパクトには5馬身差をつけられたが、相手が悪かったとしか言いようがない。菊花賞でディープインパクトに勝つのはかなり難しいとは思うが、それでも他の馬との実力差は証明しただけに、菊花賞で2着する可能性はかなり高いのではないか。
シックスセンス
スタートが悪かったので後ろからの競馬になってしまった。でもペースを考えると、かえって後ろからの競馬で良かったのではないか。ディープインパクトに勝とうとして中団から早めに抜け出す競馬だと、この馬の持ち味は生かされず惨敗に終わっていたかもしれない。まあ、ダービーという舞台を考えれば、3着も惨敗も同じことともいえるので、四位騎手としては惨敗でもいいから勝ちにいく競馬をしたかったかもしれない。でも、ここでも3着したことで強さは証明できたと言えるだろう。ただ、まだ重賞を勝っていないし、展開に左右されるタイプなので、G2やG3で勝ちきれるかどうかは判断が難しい。
アドマイヤフジ
京都新聞杯で3着に敗れていたのでどうかと思ったが、最後はかなり詰めていただけに、やはり東京コースが合うということなのだろう。それと、京都新聞杯を勝ったインティライミが2着だったことからすれば、京都新聞杯も実力を出し切っての結果だったともいえる。そういう意味ではこの馬の能力の高さは十分に証明できたと言っていいだろう。不器用で勝ちきれないというのが難しいところであるが、相手次第では重賞を1つくらいは勝てるのではないか。
マイネルレコルト
なんで最後方からの競馬をしたのかちょっと理解できない。皐月賞は早めに動きすぎたのは確かだろうが、だからといって最後方というのはさすがに極端にすぎる。最後はインを突いてけっこう伸びていたが、それでもあの位置からではどうしようもない。私はインティライミのような競馬を期待していただけに、少しがっかりした。もしかしたら距離に自信がなかったからの作戦だったのかもしれない。やはりこの馬はマイラーなのだろうか。
アドマイヤジャパン
これまで安定した走りを見せていた馬だけに、この着順はちょっと解せない。幸騎手も折り合いは問題なかったと言っているようだし、原因がよくわからない。こういう時にまず考えられるのは距離が長かったということであるが、今までの感じだとマイラーという感じはしなかっただけに、それもいまいち納得できない。秋の走りに注目してみたい。
ダンツキッチョウ
3コーナーあたりから走りがばらばらになって、本来の走りではなかったようである。藤田騎手も「何もなければいい」と言ったようだから、もしかしたら故障を発症したのかもしれない。もし何もないとすれば敗因がよく分からない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-日本ダービーの予想
結論

◎ディープインパクト
 ○インティライミ
 ▲アドマイヤジャパン
 ×シックスセンス
 △ダンツキッチョウ


買い目(馬連) 合計8,000円
  5-7(5,000円)
  5-14(1,000円)
  5-15(1,000円)
  5-13(1,000円)

にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はディープインパクトである
この馬については多くを語る必要はないだろう。ここまで無敗。しかも弥生賞以外はすべて圧勝。僅差だった弥生賞もスローの流れを大外を回って最後は差し切るという着差以上に強い内容。気性もおとなしく自滅するタイプでもない。瞬発力も半端ではないし、弥生賞と皐月賞では息の長い末脚を見せているのだからスタミナ能力もかなりのものと思われる。私が競馬をはじめてから本当に強いなと思ったのは「ナリタブライアン」と「アグネスタキオン」であるが、私の現時点での感覚では、ディープインパクトはそれ以上の器と感じている。競馬は何が起きるか分からないし、まだまだ未知数が多いのも確かだから私が過剰に評価しすぎているということも十分にあり得るが、史上に残る超大物の誕生を期待して、素直にこの馬から勝負する。
馬券的に考えると、ディープインパクトが勝つということを前提なのだから、単勝を買うのが一番ではあるが、1.2倍ではさすがに話にならない。ならば馬単なのだろうが、よくみると馬連とほとんどオッズが変わらない。まあ、負けることはないと思ってはいるが、これだけオッズが近いと念には念を入れて馬連を買おうと思ってしまった。
で、問題の2着争いであるが、これがまた難しい。皐月賞で2着に人気薄のシックスセンスが入ったことで、今回のレースの2着争いが混沌としてしまった。それで昨年のダービーの予想の時に簡単なデータを紹介したが、昨年も私があげた条件をクリアしていた馬が1着2着3着だったわけで、今年もそのまま利用できることになる。そこで昨年と同じように次の条件をクリアする馬をまずはあげておく。
 1 重賞を勝っており、かつ3歳の1800m以上の重賞で連対していること。
 2 皐月賞6着以内、または前走1着であること。
この条件を満たしてなかったのは、重賞勝ちのなかったフサイチコンコルドだけであるが、同馬は無敗で2200mのオープン勝ちという実績はあった。
今回のメンバーでこの2つの条件を満たすのは次の4頭だけである。
 ・ディープインパクト
 ・アドマイヤジャパン
 ・インティライミ
 ・ダンツキッチョウ
この条件を私なりに解説すると、
 1についてであるが、「相手なりに走る」というレベルではなく、レベルの高い馬が多く出走する重賞で勝ちきれるだけの底力がないと2着もできないということだと思う。中山2000mだとコース形態のこともあり、実力と着順が一致しないケースもでてくるが、東京2400mは紛れの少ない実力勝負になるので、重賞を勝ちきれる底力は必要不可欠なのだと思う。それと距離であるが、皐月賞よりさらに400m延びることで距離適性も大きな問題となってくる。そういう観点から考えれば、ここ10年の連対馬すべてが1800m以上の重賞で連対していたという事実には「なるほど」と思わずにはいられない。
 2についてであるが、これはどちらかというと機械的に考えざる得ないと思う。前走1着という場合は、勢いと底力を見せているという点では納得できるが、皐月賞6着についてはなんで7着はダメという理屈は説明できない。単に今までは6着の馬が連対していたというだけの話になってしまう。でもまあ、アドマイヤベガは皐月賞で1人気だったし、ボールドエンペラーは皐月賞で上がりの時計はNo.1で直線の長い東京で巻き返したというように、皐月賞で6着に負けた馬はダービーで好走できそうな何かは持っていたことになる。多少体調が悪くても、少し条件が合っていなくても皐月賞で6着くらいできるくらいでないと、ダービーでの巻き返しは厳しいということであり、基本的には6着でもアウトくらいの感覚でいいと思う。
対抗○はインティライミである。
条件を見事にクリアしているのはもちろんであるが、前走の京都新聞杯でかなり強い勝ち方をしていたので、あの内容ならばディープインパクト以外の皐月賞組よりは上ではないかと思った。現に皐月賞5着のアドマイヤフジよりも大きく先着している。すでに2500mを経験しているのも強みだし、もともとは先行馬であり、ディープインパクトよりも前で競馬ができるのも大きい。玉砕覚悟で勝ちにいって結果として惨敗するケースもあるだろうが、私としてはこの馬もかなり強いとみている。
単穴▲はアドマイヤジャパンである。
弥生賞2着、皐月賞3着とディープインパクトには力の違いを見せつけられているが、それでも他の馬よりは強いところを見せている。とはいえ、皐月賞でシックスセンスに負けたのがあまりに痛い。けっこう差もつけられていただけに、私としてはけっこう魅力が失せてしまった。横山典騎手の騎乗停止も大きく、幸騎手がダメということではないが、テン乗りである以上は割引と考えざる得ない。
4番手×はシックスセンスである。
今まではスローペースに泣かされて結果を出せなかったが、前走の皐月賞でやっとこの馬の良さが生きる速い流れになったことで2着という結果を出すことができた。今回も流れはそれほど遅くはならないだろうから、この馬の末脚が生きる可能性は高い。実はこの馬は重賞を勝っておらず、「重賞勝ち」という条件をクリアしていない。でも「G1連対」は重賞勝ちに匹敵する実績といえるし、個人的に皐月賞の好走がフロックと思えないので押さえることにした。
5番手△はダンツキッチョウである。
上の条件をクリアしている以上は押さえは必要である。スタミナには自信のあるタイプだし、安定度も高いので2着の可能性は十分にあるとは思うが、個人的にはあまり器の大きさを感じないというか、G1で通用するレベルの馬ではないような気がしている。皐月賞に出走していないのだから皐月賞組との比較ができないし、走らせてみないと分からないとしか言いようがないが、私は今回は苦しいと本音では思っている。
6番手はマイネルレコルトである。
朝日杯を勝った時点では、来年のダービー馬はこの馬だろう、と本当に思った。そのくらい強い勝ち方だった。そういう意味ではせめて押さえるくらいはしたかったが、馬券的にこれ以上は手を広げられないと判断した。朝日杯の内容からすると距離が延びていいタイプと思ったが、皐月賞の走りからすると、やはりマイラーなのかな、と感じずにはいられない。1800m以上の距離で連対がないという事実はやはり無視できないものである。もし、2着以上にくることがあるとすれば、朝日杯の勝馬は別格と考えるしかないだろう。
7番手はニシノドコマデモである。
前走の青葉賞でも外から猛然と突っ込んでいたように、とにかく東京コースを得意としている馬である。この馬はどうせ後方から直線勝負という競馬しかしないのだから、他がディープインパクトを意識してできるだけ早めに仕掛けるようだと流れが速くなり、この馬向きの展開になると思われる。ダービーで無念の惨敗を喫したキングヘイロー産駒というのも気になるし、一発あっても不思議はないとは思う。でも個人的にはG1級の器ではないと思っているので、追い込んできても3着までとみている。
8番手はアドマイヤフジである。
オープン特別の若葉Sは強い内容で勝ったとはいえ、重賞ではどうしてもワンパンチ足りないところがある。でも、皐月賞のシックスセンスに近い臭いがするので、こういうタイプはG1のような厳しい流れの方が強い競馬をするかもしれない。不器用なタイプだし、息の長い末脚を繰り出せる馬なので、東京コースで爆発ということは十分に考えられる。でも個人的にはやはりG1級の器ではないと思っている。
9番手はダンスインザモアである。
皐月賞は8着に敗れたが、過去も6着までなら巻き返していることからすれば、8着でもぎりぎり圏内かもしれない。今回は直線だけの競馬をするつもりらしいし、こういう開き直りはけっこう恐いと思う。でもまあ、私はスプリングSはレベルが低かったと思っているし、この馬もG1級ではないと思っている。
10番手はローゼンクロイツである。
やはり皐月賞で9着に負けたのが痛い。これまでスローの展開からの上がりだけの競馬しかしてなかったので、厳しい流れに戸惑ったのではないか。今回もそういう流れになりそうだし、この馬はそういう流れでも力を発揮できるほどの実力はないと私は思っている。安藤勝騎手の一発が恐い気もするが、皐月賞9着がこの馬の実力だと私は思っている。
11番手はペールギュントである。
皐月賞6着でぎりぎりセーフの成績を残してはいるが、NHKマイルCで4着に負けているわけだし、3歳以降は1800m以上の重賞で連対していない。2歳時に東京スポーツ杯で連対しているというのが微妙なところではあるが、基本的にはやっぱりマイラーだと私は思う。直線だけの競馬という開き直りはかなり恐いが、さすがにここでは苦しいだろう。
12番手はブレーヴハートである。
前走の青葉賞3着でそれなりの競馬を見せてくれたが、しょせん3着に負けた馬なのでここで巻き返すのはかなり厳しいだろう。ただ、鞍上がデザーモという点が気になるところではある。もし好走するようだとデザーモの手腕だと考えるしかない。
13番手はシルクネクサスである。
知っている方もいるかもしれないが、この馬は私が一口馬主で初めて出資したシルキーヒロインの初仔である。そういう馬がダービーまで駒を進めてくれたというのは感慨深いものがある。これまでの実績からしてさすがに苦戦を強いられると思うが、これまでもまだ本気を出しきっていないという点でチャンスはあるかもしれないとは思っている。とにかく少しでも上の着順を目指して頑張ってほしい。
まあ、こんなところです。

G1-日本ダービー

ディープインパクト
(牡3・武豊57)
買い H17皐月賞1着、H17弥生賞1着、H17若駒S1着。 圧倒的な人気を背負った皐月賞で、スタート直後につまずき最後方からという最悪の展開の中で、力むことなく徐々にポジションを上げて、直線では力の違いを見せつける凄まじい切れ味で2着以下に2馬身差という圧勝劇を演じた。これで4戦無敗。しかもすべてのレースで力の違いを見せつける強い内容。掛からない気性といい、直線での瞬発力といい、これまでのパフォーマンスにおいてはけちのつけどころがない。ダービーを3勝している武豊であれば大舞台で緊張することもないだろうし、騎乗ミスも考えづらい。トリッキーな中山コースに比べれば、東京コースは不利を受けるリスクも小さい。最大の難関と言われた皐月書を圧勝した今となっては、3冠にかなり近づいてきたと言っていいだろう。
消し これまでの完璧な走りばかりだったので、さすがにこれまでの走りの中からマイナスポイントを見いだすのは難しい。とはいえ、まだキャリア4戦の馬である。まだ見せていない弱点があっても不思議はない。たとえば初めての2400m、初めての東京コースあるいは左回り、観客のうるさいスタンド前にスタートがあることなど、初めてのことに戸惑うことも十分に考えられる。それに皐月賞でスタートでつまずいたり、初めてムチを入れられたりと、今までにない経験をしただけに、馬がそれを覚えていて真面目に走ることを嫌がるかもしれない。まあ、とにかく何があるか分からないのが競馬である。
シックセンス
(牡3・四位57)
買い H17皐月賞2着、H17京成杯2着。 前走の皐月賞で2着したというのはあまりに大きい実績である。これまではスローの展開に追い込むも届かないというレースばかりであったが、前走の皐月賞は速い流れで先行馬が崩れる展開だったこともあり、ようやくこの馬の末脚が爆発した格好となった。これでこの馬のポテンシャルの高さは証明されたわけで、今回もチャンスは大きいということになる。切れ味鋭い馬なので直線の長い東京コースはプラスだろうし、ディープインパクトを意識して先行馬も早めに仕掛けるはずだから、この馬向きの速い流れになるのではないか。ディープインパクトに勝てないまでも、他の馬には負けられないという気持ちは強いはずだ。
消し 前走の2着は立派であるが、今までの戦績がいまいちだっただけに、たまたま嵌っただけということも十分に考えられる。馬が急に成長するとも思えないし、今回はまた今までのようなレースをするかもしれないだけに、前走の好走だけではもう一つ信用しきれないものである。そもそも不器用な馬だから、ちょっとしたことで自分の競馬ができないということもあるだろうし、2400mという距離適性もわからない。展開に左右されるというタイプでもあるし、前走のようにうまくはいかないのではないか。
アドマイヤジャパン
(牡3・幸57)
買い H17弥生賞2着、H17京成杯1着。 前々走の弥生賞ではディープインパクトとクビ差の勝負を演じたのだから、この馬の能力も相当なものである。 前走の皐月賞では3着に敗れたが、1着2着馬が後方から追い込んできたことを考えれば、この馬にしては位置取りが前すぎたかもしれない。もともとラジオたんぱ杯や京成杯で見せたような決め手を生かす競馬が合っているタイプであり、今回はじっくりと乗れば皐月賞以上の伸びを見せるはずである。大きく崩れない安定度も魅力であり、ディープインパクトには勝てないにしても、馬券圏内に入ってくる可能性は高いのではないか。
消し 前走の皐月賞3着であるが、ディープインパクトには3馬身、シックスセンスにも1馬身離されたのだから力の違いを見せつけられたといえるかもしれない。ディープインパクトには弥生賞でも負けているし、だいたい底を見せてしまったかなあという感じはする。まあ、ディープインパクト以外であれば勝負になるとは言えるであろうが、せっかくのダービーということで、玉砕覚悟の戦法をとるということも考えられるだけに、結果として惨敗に終わるということもあるかもしれない。騎乗予定だった横山典騎手が騎乗停止となったのも痛い。
マイネルレコルト
(牡3・後藤57)
買い H17弥生賞3着、H16朝日杯FS1着、H16新潟2歳S1着など。 昨年の2歳王者というだけでも凄いことであるが、そのときの内容もかなり凄かった。ハイペースで飛ばすストーミーカフェを4角で自分から捕まえにいって最後は2馬身の差をつけてゴールしたのだから強いの一言である。タイムもレコードだったのだから文句のつけどころがなかった。これだけの競馬をできる馬がスタミナがないとは思えない。弥生賞3着、皐月賞4着と大きなレースでそれなりの競馬はしているわけだし、巻き返せる許容範囲にはいると考えていい。切れ味に欠けるところがあるために、ここ2戦は敗れたという感じなので、上がりがかかる厳しい流れの方がこの馬は持ち味を発揮すると思われるので、速い流れになればチャンスではないか。
消し 前走の皐月賞で4着に負けたのをどう考えるかであるが、ディープインパクトはともかくシックスセンスとアドマイヤジャパンにも完敗を喫しただけに、だいたい底を見せてしまったという感じがしてしまう。切れる脚がないので、どうしても積極的な競馬をするしかないわけだが、でもそういう強引な競馬で押し切れるほど2000m以上のG1は甘くはない。2000m以上の重賞で連対経験がないので、この馬はマイラーということかもしれないし、弥生賞では掛かっていたことからすると、気性的にも2400mは距離が長いかもしれない。あるいは朝日杯からの成長力が足りないということかもしれない。
ダンツキッチョウ
(牡3・藤田57)
買い 青葉賞1着、すみれS1着など。 前走の青葉賞を勝っているのは大きな実績である。重賞を勝ったこと、東京コースで勝ったこと、2400mで勝ったことで、今回の条件において何の問題もないということは明かである。前走もスローの展開でしっかりと折り合い直線でも勝負強い走りで勝ちきった。着差はそれほどでもなかったが、人気を背負っての正攻法の競馬だったことを考えれば、内容としてはかなり強かった。これまでの走りからも安定度はかなりあるし、大きく崩れることは考えづらい。スタミナには自信のあるタイプであるし、皐月賞を使っていないので余力があるというか、さらなる上積みも見込める。皐月賞組が2400mの距離に戸惑うようであれば、さらにチャンスは広がるだろう。
消し 前走の青葉賞を勝ちきってはいるが、勝ち方が僅差というか、なんとか勝ったという感じがしただけに、皐月賞組に比べると少しレベルが低かったかもしれない。となると、当然に皐月賞組に力の違いを見せつけられるということになりそうだ。決め手もじわじわという感じなので、どちらかというと決め手不足というタイプのように感じる。皐月賞組には鋭い決め手を持っている馬が多いだけに、そういう意味でも苦しい戦いになるのではないか。
ニシノドコマデモ
(牡3・田中勝57)
買い H17青葉賞2着、いちょうS1着。 前走の青葉賞で2着であるが、スローの展開だったことを考えれば、後方から直線だけの競馬でよく追い込んできている。いちょうSを勝ち、東京スポーツ杯で3着に追い込んできたことを考えても、この馬は東京コースとの相性がかなり良いと思われ、今回も東京コースであればチャンスはあるはずだ。前走はスローで敗れたが、今回はG1ということもあるし、それなりに厳しい流れになるはずである。そうなればこの馬の末脚が爆発する可能性が高くなる。父キングヘイローの無念をこの馬が晴らすというドラマもいいかもしれない。
消し なんだかんだで前走負けているのは事実である。皐月賞組がいないメンバー構成で負けたのだから皐月賞組が合流する今回のレースで巻き返すのはかなり厳しいのではないか。G1を勝てるくらいの決め手を持っているのであれば、前走くらいのペースであれば差し切ってもいいような気もするし、前走のように展開がスローだと差し切れないわけだから展開にも左右されるタイプということになる。重賞は勝っていないわけだし、実績としてももう一つ何かが足りない感じがしてしまう。
ブレーヴハート
(牡3・デザーモ57)
買い 青葉賞3着。母カーリングで半兄にローエングリンがいる超良血馬である。期待の素質馬が前走の青葉賞でようやくその力を見せてくれた。3着に負けたものの、後方からかなり追い込んできていたし、接戦だったとはいえ権利はしっかり確保しているあたりに勝負強さを感じる。1戦ごとに成長しているのも感じるし、素質としてもまだまだ奥は深いと思われる。前走で東京2400mが問題ないことも証明しているし、鞍上がデザーモというのも大きい。この大一番で一発ということも十分に考えられる。
消し なんだかんだで前走の青葉賞で3着に負けているのはけっこう痛い。先行したダンツキッチョウを交わせなかったし、外を通ったニシノドコマデモに先着されたということは、勝負づけは終わったかなという感じがしてしまう。まして今回は皐月賞組も相手となるだけに、前走の3着を死守するだけでもかなり厳しいということになる。それに重賞を勝っている実績があるわけでもないし、前走がいっぱいいっぱいという感じだっただけに、これ以上の上積みを期待するのもどうだろうか。
エイシンニーザン
(牡3・柴田善57)
買い プリンシパルS1着。 前走でTRを勝っているのは当然に大きな実績である。TRを勝ったというのは本番に向けては勢いという点で高い評価ができるし、調子はかなり良いと思っていいだろう。先行してうまく抜け出したというレース内容だっただけに、レースセンスは感じたし、今回もうまく先行して直線で早めに抜け出せるようだと面白いかもしれない。ここにきて大きく成長しているということも考えられるわけだし、甘くみていると痛い目にあうかもしれない。
消し 前走のTRを勝っているのはもちろん立派ではあるが、かといって本番の裏付けになるかどうかはまた別である。メンバー的にもレベルはかなり低かったと思うし、現に前々走はベンジャミンSで5着に負けている馬である。距離も2000mまでだから2400mでどうかという不安もあるし、G1の厳しい流れを先行するというのも展開的に苦しそうだ。重賞で好走した実績を持っているわけでもないし、ダービーで好走するにはちょっと実績がいまいちだと言わざる得ない。
シャドウゲイト
(牡3・小野57)
買い プリンシパルS2着。 前走のTRで2着したというのはもちろん評価しないといけない。スローでうまく逃げて最後まで粘っていただけに、今回も同じような競馬ができれば面白い。前々走で未勝利を勝ち上がったばかりでオープン2着だから素質もかなり高いと思われる。キャリアが浅い馬なので1戦ごとに大きく成長していることも期待できる。ハナを切ることができれば、自分で競馬を作れるわけで、そういう意味でのアドバンテージは大きい。
消し 前走のプリンシパルSで2着したのは立派だとは思うが、スローの展開で最後は差されたということは、これがこの馬の限界と考えるべきではないだろうか。しかも相手は一気に強くなるわけで、オープン特別すら勝ちきれないレベルでG1を好走しようというのはかなり難しい。前々走はまだ未勝利を走っていたくらいだから、キャリアとしてもまだ浅いといえるし、距離も2400mとなると分からない。G1だとそれなりに厳しい流れになるだろうから、先行するこの馬には展開としても苦しいことになる。
ペールギュント
(牡3・小牧太57)
買い H17シンザン記念1着、H16デイリー杯2歳S1着。 重賞2勝、朝日杯3着という実績はこのメンバーに入ってもかなりのものである。前走の皐月賞も6着に負けたものの、後方からかなり追い込んできており内容としては悪くはなかった。そういう意味では直線の長い東京コースの方がこの馬には合っている。前走のNHKマイルCもスローの流れだったことを考えれば、4着まで追い込んできたことはそれなりに評価できる。ペースはともかく流れはそれなりに厳しくなるだろうし、距離的にも前の馬が崩れるようであれば、この馬の末脚がこの大舞台で炸裂するということも十分に考えられる。
消し 皐月賞6着、NHKマイルC4着というのはG1ということを考えれば、まあまあの結果とはいえるが、それでも皐月賞では掲示板に載れず、NHKマイルCでは馬券圏内に入れなかったというのは、やはり底を見せてしまっていると考えるのが自然ではないだろうか。スプリングSと皐月賞で結果を出せなかったことで、適性のあるマイル戦を選択したものの、それでも4着だからG1級ではなかったといえるし、今回は一気に距離が延びるわけだからなおさら厳しい戦いになると考えるべきである。ローテーションというかG1を続けて2度走っているので疲れが残っているかもしれないという不安もある。
ローゼンクロイツ
(牡3・安藤勝57)
買い H17毎日杯1着、H16ラジオたんぱ杯2歳S2着など。 前々走の毎日杯では休み明けにも関わらず、スローの展開を好位で折り合い直線できっちりと差し切るという横綱相撲といえるレースをしているだけに、その素質はかなりのものだと思われる。2歳時にもラジオたんぱ杯で2着に敗れたものの、超スローの展開で上がり33秒前半の脚を使っても届かないというものだから2着でも評価できるし、このとき皐月賞3着のアドマイヤジャパンに先着していることも忘れてはいけない。皐月賞は9着に敗れたが、これまでの実績からも力を出し切っての結果とは思えない。広くて直線の長い東京コースはこの馬にはプラスだろうし、この馬の実力を出し切ることさえできれば巻き返しは十分に考えられる。
消し やはり皐月賞で9着に負けたのは痛い。理由がなんであれ強い馬であれば掲示板は外さないものだろう。それを9着に負けたということは、気性的な問題も含めて実力がなかったということになるのではないか。これまでもスローの流れからの上がりだけの競馬しか経験してなかったわけで、皐月賞の厳しい流れに戸惑ったということも考えられるし、こういう流れだと力を発揮できないのかもしれない。今回の流れはいまいち読めないが、ディープインパクトの瞬発力を考えると、先行馬はスローの展開を嫌うと思われるので、皐月賞のような流れになり、この馬も皐月賞と同じように負けるかもしれない。
インティライミ
(牡3・佐藤哲57)
買い H17京都新聞杯1着。 前走の京都新聞杯では後方からの競馬となってしまい、かなり厳しい展開となったが、早めに動いて自分から勝ちにいく競馬をして本当に勝ちきったのだからこの馬のポテンシャルはかなりのものである。前々走は2500mを勝っているだから距離の不安もない。先行することもできる馬なので、いいポジションを取れれば、ディープインパクトが伸びてくる前に、早めに抜け出しておくという作戦もできるだろうし、ディープインパクトとの対戦がないのだから、実はこの馬の方が強かったということは十分に考えられる。
消し 前走京都新聞杯を勝ってはいるが、皐月賞の上位陣との力関係は走らせてみないと分からない。一緒に走ったら手も足も出なかったということも十分に考えられるだけに、前走だけであまり過信しない方がいいかもしれない。前走はかなり強引な競馬だったが、G1ではあの作戦は通じないだろうし、3走前に500万で2着に負けていることからすれば、それほど大物でもないかもしれない。陣営は玉砕してでもディープインパクトを負かしにいくみたいなことも言っているようだし、自滅して惨敗ということも考えられる。
ダンスインザモア
(牡3・蛯名57)
買い H17スプリングS1着。 前々走のスプリングSで2着に1馬身差という強い勝ち方をしているだけに、能力はかなり高いと思っていいだろう。別定G2を勝っていることで格としても上位ということになる。皐月賞では惨敗に終わったが、実力を出し切っての結果とは思えない。まともに走ればもっとがんばれるはずだし、1度の失敗だけで見切るのは早計である。スプリングSで上がり34.5で走っているのだから決め手はある方だと考えるべきだし、G1の流れを1度経験したことは今回に生きるはずだ。蛯名騎手もこの馬を手中にいれているし一発あっても不思議はない。
消し やはり皐月賞で惨敗を喫したのは痛い。さすがに負けすぎといえるだけに、G1では底を見せてしまったと言いたくなってしまう。スプリングSもメンバー的にはそれほどでもなかった感じもするし、G1級の馬ではないと判断していいのではないか。2000m以上で結果を出していないので距離が長かったということも考えられる。となればさらに距離が延びるのも大きなマイナスということになる。決め手も特別に凄いという感じもしないし、展開による一発も考えづらい。
コンゴウリキシオー
(牡3・池添57)
買い H17きさらぎ賞1着。 重賞を勝った実績を持っているのだから能力はそれなりに高いと思っていいだろう。先行して粘るというレースを得意としており、多頭数のレースでは好位を確保できるのは大きなアドバンテージとなる。スタミナはけっこうあるような感じは受けるし、上がりがかかるような展開になれば意外に粘るのではないだろうか。こういうタイプは厳しいレースになった方が持ち味を生かせるということもあるし、相手だって3歳馬だけなのだから差はそれほどあるとも思えない。
消し 前走の京都新聞杯で5着に負けているのはかなり痛い。皐月賞でも惨敗を喫したが、皐月賞組がほとんどいないメンバー構成の京都新聞杯で馬券圏内すら確保できなかったというのだから底を見せてしまったと言っていいのではないか。きさらぎ賞を勝っているといってもメンバー的にレベルはそれほど高くはなかったように感じるし、展開にも恵まれた感じがするだけに、G1級の馬ではないと思いたくなる。勢いも感じられないし、ローテーションも厳しいだけに、ここからの巻き返しはかなり厳しいと思われる。
シルクトゥルーパー
(牡3・松岡57)
買い 橘S1着。 橘Sを勝ったときは後方から直線だけの競馬で一気に差し切っており、その能力の高さを見せつけた。距離は一気に延びるが、1200mを後方から競馬をするということからすれば、スプリンターというタイプではないと思われる。直線の長い東京コースは脚質的には合いそうだし、折り合いをつけてうまく脚を貯めることができれば面白いかもしれない。
消し オープン勝ちが1200mというのはさすがに距離が短すぎだろう。前走のNHKマイルCもスローの展開であまり折り合えなかったということからすれば、2400mで折り合えるとは到底思えない。ましてG1ともなると、スタミナは必要不可欠なものだし、距離実績がないというのは大きなマイナスと言わざる得ない。重賞勝ちの実績もないし、そもそもG1級の能力がないという考え方もできる。まあ好走できそうな要素がほとんど見あたらないし、いくら憧れのダービーとはいえ、なんで出走してくるのか理解に苦しむくらいである。
シルクネクサス
(牡3・松永57)
買い ベンジャミンS1着。 前々走のベンジャミンSでオープン勝ちしたわけであるが、早めに先頭に立ってそのまま押し切ったのだから力の違いを見せつける強い勝ち方だった。2歳時に500万特別を勝ったときもかなり強い勝ち方だったし、結局この馬は走る気を見せた時は強い競馬をするが、そうでない時はあっさりと負けるというタイプなのである。そういう意味では真面目に走るかどうかがすべてであり、真面目に走りさえすればこの大舞台でも十分に通用するはずである。距離延長は血統的には問題ない、母父が超ステイヤーのスターリフトということからすれば、距離は長い方が適性はあるはずだ。
消し 前走の青葉賞を勝ちきってはいるが、勝ち方が僅差というか、なんとか勝ったという感じがしただけに、皐月賞組に比べると少しレベルが低かったかもしれない。となると、当然に皐月賞組に力の違いを見せつけられるということになりそうだ。決め手もじわじわという感じなので、どちらかというと決め手不足というタイプのように感じる。皐月賞組には鋭い決め手を持っている馬が多いだけに、そういう意味でも苦しい戦いになるのではないか。
コスモオースティン
(牡3・武幸57)
買い H17毎日杯2着。 前々走の毎日杯ではスローの流れを自ら作ってうまく逃げて結果を出した。京成杯でも先行して3着は確保したように、先行するとなかなかばてないというのがこの馬の持ち味である。そういう意味では前走の青葉賞ではこの馬の競馬をすることができなかったのだから度外視でいいだろう。スタミナはけっこうありそうだから、思いきった逃げを打つようだとけっこう面白いかもしれないし、とにかく瞬発力勝負にならないようなペースになれば、この馬のしぶとさが生きるはずだ。
消し 前走の青葉賞で11着というのはさすがに負けすぎだろう。この馬らしい積極的な競馬ができなかったとはいえ、G1で好走するつもりならもっと頑張っていいはずだ。毎日杯も絶好の流れを作ったにもかかわらず、あっさりと差されているし、道悪の京成杯でも3着だから、時計のかかる馬場になっても厳しい戦いになる。これまでの実績からも底を見せてしまっていると言えるし、さすがにこの大一番で巻き返せそうな雰囲気は感じない。
アドマイヤフジ
(牡3・福永57)
買い H17若葉S1着。 皐月賞では5着に敗れたが、後方からの競馬でかなり外を通っていたことを考えれば、よく追い込んでいると評価できる。そういう意味では広くて直線が長い東京コースはこの馬には大きなプラスだろうし、持続力のある末脚をフルに発揮することができそうだ。前走の京都新聞杯でも3着に負けるなど相変わらず不器用なところはあるが、スムーズな競馬ができた時の破壊力はかなりのものと想像できる。父がダービー馬のアドマイヤベガだから東京2400mで爆発するということもあるかもしれない。
消し 前走の京都新聞杯で3着に負けているのはかなり痛い。賞金を加算してダービーへの出走を確実にしようとしてわざわざ出走したのに結局賞金を加算できなかったのだから出走した意味がなくなってしまった。負けたことで勝ちきれない勝負弱さを露呈してしまった形になったし、疲れも少しは蓄積されたと思われる。なんとかダービーに出走できることにはなったが、いろんな意味で厳しい出走となってしまった。そもそも皐月賞でも5着に負けた馬だし、重賞を勝っているわけでもない。前走の着順がこの馬の実力という考え方も十分にできる。この程度の実績でダービーで好走するというのはちょっと難しいかもしれない。

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