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G1天皇賞・春の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券
3000mで実績があったわけでもなく、G1実績があったわけでもなく、G2を勝っていたわけでもない2頭のワンツーというのだから、私にはどうあがいても買えない馬券である。昨年もそうだったが、3200mで折り合えない馬があまりに多すぎるように感じた。気性が激しいくらいでないと中距離を勝てないということであり、そういう馬には3200mは長すぎるということなのかもしれない。ステイヤー好きの私としてはもっとレベルの高いレースを見たいだけに、この傾向はどうにかならないかなという気持ちである。サンデーサイレンスがいなくなったことを考えれば、数年後はこの傾向から変わってくるのかもしれないが、来年については根本的に考え直した方がいいかもしれない。
スズカマンボ
この馬の好走にはかなり驚いている。これだけ強い勝ち方をするのだからポテンシャルはもともと高かったということであり、今まではその能力を出し切れてなかったということなのだろう。4歳馬はキャリアが浅いので、どうしてもこういうことが起きるものとはいえ、大一番でここまでのパフォーマンスを見せるケースというのは極めてめずらしい。思えば、2歳時に萩Sでレコードを叩きだしたことがあったが、あれがこの馬の本当の実力だったのかもしれない。これで完全に本格化したと言っていいと思うので、次もそれなりに期待していいのではないか。
ビッグゴールド
この馬の好走にはもっと驚いている。4歳時に重いハンデを背負って中山金杯を勝ちきったことがあったので、ポテンシャルはそれなりにあるとは思っていたが、この歳になってまさかG1で好走できるとはさすがに考えられなかった。前走の大阪ハンブルクCがメンバー的にみてもフロックではなかったということだと思うが、それでもやっぱり未だに信じられない気持ちの方が強い。中距離だと他のスピード馬が力を発揮してくるだろうからさすがに苦しいだろうから、これからのG1で好走するのは難しいとは思うが、とにかく今回の走りは評価してあげたい。
アイホッパー
万葉S、阪神大賞典の走りから距離は問題ないとは思っていたので、有力馬が総崩れという状況を考えれば、これくらい走って当然といえる。重賞未勝利の馬だからG1で3着なら上々といえるが、ビッグゴールドくらいは交わしてほしかったという気持ちもある。3000m以上を得意としている馬なので、これからのG1戦線でどうかというところはあるが、それでもG1で3着というのは自信になったはずだろうから、あと1年鍛えてもらって来年を楽しみにしたい。
トウショウナイト
ビッグゴールドとアイホッパーとは僅差の勝負をしたのだから高い評価をしていいと思う。後方からかなり伸びていたし、この馬の長距離適性はかなりのものかもしれない。まだ4歳馬だけにさらなる成長も期待できる。血統的には中距離でも対応できそうな感じもするので、これからの成長次第では中距離G1でも活躍を見込めるかもしれない。今後の走りに注目したい。
ハーツクライ
大外を通ったことを考えればよく伸びている。展開を考えれば、上位陣との差は内外の差と考えていいと思うだけに、この馬も復調してきていると見ていいのではないか。ただ、下りの走りがいまいちだったと横山典騎手がコメントしているということは、京都コースはあまり得意のではないのかもしれない。やはりこの馬は東京コースが合っているということなのだろう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1天皇賞・春の予想
結論

◎シルクフェイマス
 ○リンカーン
  ▲ヒシミラクル
  ×マカイビーディーヴァ
   △チャクラ
   △ザッツザプレンティ
   △アイホッパー
   △マイソールサウンド


買い目(馬連) 合計7,000円
  6-7(3,000円)
  軸7--8,12(各1,000円)小計2,000円
  軸7--1,9,13,15(各500円)小計2,000円

にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はシルクフェイマスである
昨年の古馬中長距離G1戦線を振り返ると、次のようになっている。
  天皇賞春 → イングランディーレ・ゼンノロブロイ・シルクフェイマス
  宝塚記念 → タップダンスシチー・シルクフェイマス・リンカーン・ゼンノロブロイ
  天皇賞秋 → ゼンノロブロイ・ダンスインザムード・アドマイヤグルーヴ
  ジャパC → ゼンノロブロイ・コスモバルク・デルタブルース
  有馬記念 → ゼンノロブロイ・タップダンスシチー・シルクフェイマス
これを見れば、ゼンノロブロイとタップダンスシチーが東西の横綱であることはほぼ間違いないわけで、この2頭が出走してこないということは横綱不在ということであり、だからこそこれだけの混戦となっているわけであるが、それではこのレースをどう考えるかであるが、やはりG1である以上は基本的なポテンシャルの高い馬から勝負するというのが鉄則というか、私の取る道だと考えた。そうだとすると、ゼンノロブロイやタップダンスシチーと常に好勝負をしていた馬が最もポテンシャルが高いと考えるのが自然であり、そうだとするとシルクフェイマスの存在が当然に浮かび上がってくることになる。何せ道悪の天皇賞秋と出走しなかったJC以外はきっちりと3着は確保しているのだし、今回イングランディーレも出走してないことも加味すれば、昨年のG1での最先着馬はこの馬ということになる。確かに前走の京都記念は負けすぎという感じもしたし、距離適性としても距離が長い方が良いというほどのタイプではないとは思う。だからこそこれだけの馬が1人気になれないわけだろうし、不安はそれなりにあるのは確かではある。でも、私は京都記念は道悪が下手なだけだと思っているし、距離も昨年3着しているのだから気にすることはないと思っている。このメンバーであれば「負けるわけにはいかないだろう」というのが私の正直な気持ちである。
 で、本当は土曜日の午前中まではかなりの自信を持ってこの馬から勝負しようと思っていた。ところが、もしかしたら雨が降るかもしれないという天気予報にかなり慌てている。京都記念で惨敗しているように、フェイマスは本当に道悪が下手なので、ちょっとでも雨が降れば大きなマイナスになるかもしれないと私は思っている。良馬場なら大丈夫というレベルでもなく、直前にちょっと降っただけでもダメなタイプのような気もしていだけに、雨が降るのか降らないのか、は私にとっては大問題である。でもまあ、午前中に予想しないといけないわけだし、雨が降って消したら、それでもフェイマスが勝っちゃったという展開も恐いので、ここは思いきって「雨が降らない」という方に賭けてみることにした。
対抗○はリンカーンである。
この馬を選択した理由も単純である。この馬は宝塚記念、一昨年の有馬記念そして一昨年の菊花賞と3度ゼンノロブロイに先着していることを重視した。つまり、ゼンノロブロイと好勝負どころかポテンシャルはゼンノロブロイよりも上という可能性だって十分にあるのである。前走の阪神大賞典で3着に負けていること、昨年の天皇賞春では惨敗に終わっていることから、3200mという距離はこの馬には長いのかもしれない、という気持ちもあるが、阪神大賞典1着、菊花賞2着という実績を持っている馬に距離適性がいまいちとも言えないし、今年は昨年の失敗を教訓にきっちりと仕上げていると考えて、この評価にした。
単穴▲はヒシミラクルである。
G1を3勝している実績はここでは抜けた存在である。脚部不安から復帰して4戦したが、走りは徐々に良くなっており、前走は斤量60kgを背負って、かつ道悪という状況で3着したのだから復活の兆しとみていいだろう。京都3200mはこの馬にはベストの条件であるし、スタミナには絶対の自信を持つ馬である。横綱2頭がいないこのメンバー構成であれば、4つめのG1ゲットも夢ではない。とはいえ、本当に復活してきているのか、G1を3勝したレベルまで体調が戻ってきているのか、私としては半信半疑であり、どちらかというと、そこまでは戻ってきてはいないのではないか、という気持ちが強い。今回は押さえ程度の勝負にしたい。
4番手×はマカイビーディーヴァである。
オーストラリアでG1を5勝した大物である。3200mのメルボルンCを連覇していることからも長距離には絶対の自信を持つ馬であり、スタミナ勝負になればかなりの強さを発揮しそうだ。それに2000mを58秒台という時計を持っているのだから日本の硬い馬場にまったく適性がないとも言いづらい。前走も上がり34.3はマークしており、距離が短すぎただけと考えるべきだろう。斤量が3kg減るのも大きいし、今回は前走のようなことはないのではないか。とはいえ、外国馬は分からないとしか言いようがない。前走惨敗していることからすれば、大きくは勝負しづらいというのが正直なところである。
5番手△はチャクラである。
昨年のこのレースで4着していることを忘れてはいけない。シルクフェイマスと1/2馬身差という勝負をしているのだから、フェイマスを評価する以上はこの馬も評価しないと理屈が合わない。近走は2着3着と復調の気配を感じるし、穴で一発あるとすればこの馬だと私は思っている。
6番手△はザッツザプレンティである。
一昨年の菊花賞を勝っている馬だけに、やはりこの距離では注意は必要な存在である。とはいえ、屈腱炎から復帰してまだ2戦目だけに、菊花賞の時と同じレベルまで体調が戻っているとは考えづらい。もう少し時間がかかると私は思う。でもまあG1馬の底力というのもあるし押さえることにはした。
7番手△はアイホッパーである。
万葉Sを快勝し、阪神大賞典でも2着した馬だけに長距離適性は確かにあると思うし、スピード能力もそれなりにあると思う。そういう意味では、このメンバーであれば重賞未勝利、G1初挑戦の身でも何とかなるかもしれない、とは思っているが、やはりG1初挑戦というのは大きな壁になると思う。私としては高い評価はできない。
8番手△はマイソールサウンドである。
前走の阪神大賞典を勝っていることが今でも信じられない気持ちでいっぱいである。未だにその勝因が分かっていない。たまたま勝ってしまったのか、もととも長距離適性が高かったのか、果たしてどちらなのだろうか。で、分からない以上は消すことはできない。前哨戦を勝った馬が好走して高配当という展開ももったいないし、押さえは必要だと感じた。
9番手はアドマイヤグルーヴである。
エリザベス女王杯を連覇していることからも現役牝馬No1であることはほぼ間違いない。牡馬相手でも天皇賞秋で3着という実績を持っており、このメンバーであれば通用しても不思議ないことになる。とはいえ、牝馬で3200mというのはさすがに距離が長すぎると私は思う。牡馬相手だと走りが萎縮するところも見られるし、今回はかなり苦しい戦いになると思っている。こういう時の武豊はかなり恐いのではあるが。
10番手はトウショウナイトである。
別定G2で連続連対という実績ではあるが、ここにきて急成長してきている馬なので、勢いというかさらなる上積みを期待できるという点では恐い存在とは言える。とはいえ、しょせん重賞未勝利であるし、前走ユキノサンロイヤルに負けているレベルだからG1級とは思えない。鞍上が武士沢騎手というのも不安だし、ティンバー産駒が3200mを走れるとも思えない。
11番手はハーツクライである。
ダービーでみせた強烈な末脚は大きな武器であり、直線だけの競馬に徹しての一発はかなり脅威ではある。とはいえ、菊花賞で7着に負けているように、長距離適性があるタイプとは私には思えない。今回は苦戦するとみている。
12番手はハイアーゲームである。
ダービーで3着に終わっているが、積極的な競馬をしての3着なので内容としては価値があると思っている。そういう意味ではポテンシャルは高い馬だとは思うのだが、前走のダイヤモンドSで馬券圏内にも入れなかったというのは、やはり問題だと思う。G1級の馬ではないのかもしれない。
13番手はサンライズペガサスである。
前走の大阪杯で見事に復活を果たしたが、私は2000mがベストの馬だと思っているので、3200mでは苦戦を強いられるとみている。それに全盛期のレベルまで戻ってきているとも思えないので、G1では厳しいと思っている。
14番手はスズカマンボである。
ダービー5着、菊花賞6着という実績からもG1では馬券圏内には届かないタイプだと思っている。距離適性も2000m前後がベストだと思うし、ここでは苦しいと思う。
15番手はビッグゴールドである。
オープン連勝は凄いことではあるが、しょせんオープン特別は重賞とはレベルが違うものである。ましてG1となるとそのレベル差はかなりのものだと思われ、さすがにG1では厳しい戦いになると思う。単騎で逃げられるというのは確かに魅力的な要素ではあるが、G2を勝っていたイングランディーレと一緒に考えてはいけないと私は思っている。
まあ、こんなところです。

G1天皇賞・春

マカイビーディーヴァ
(牝6・ボス56)
買い オーストラリアでG1を5勝というかなり凄い実績を残している馬である。しかも3200mのメルボルンCを連覇しているというのだから距離適性もかなりあると思っていい。2000mのG1で1.58.7というレコードで勝っていることからすればスピード能力もかなりものだし、日本の硬い馬場が合わないとも思えない。前走はオープン特別で7着に負けたが、日本で初めてのレースだったし、斤量59kgもかなりきつかったと思われる。それに、あくまで叩き台のつもりだったろうから一叩きされたことで調子は上がってきているのではないか。前走の7着で簡単に見切るのは危険かもしれない。
消し やはり前走の7着というのは大きな不安と言わざる得ない。日本の硬い馬場が合わなかったというコメントがあったことからすれば、日本の馬場への適性はあまりないということかもしれない。そもそも日本というまったく違う環境で競馬をするというのは、それだけでもかなりの負担であり、本来の実力を出し切れないものである。まして牝馬だとそういう影響は少なくはないと思われる。まあ、単純に日本のレベルの方が上ということも考えられるけど。
シルクフェイマス
(牡6・四位58)
買い 昨年の宝塚記念でタップダンスシチーに次ぐ2着、有馬記念でもゼンノロブロイ、タップダンスシチーに次ぐ3着という実績を持っている。有馬記念の内容からしてもゼンノロブロイとタップダンスシチーが今の日本のトップであることは間違いなく、この2頭と好勝負してきたこの馬としては、ロブロイもタップダンスもいないメンバーであれば負けるわけにはいかない。距離3200mも昨年3着の実績から問題になるとは思えないだけに、念願のG1制覇はすぐそこということになりそうだ。前走の京都記念では惨敗に終わっているが、この馬は道悪はまったくダメというタイプだから度外視でいい。ローテーションも昨年と同じだし、マイナスらしいマイナスはあまりないといえる。
消し やはり前走の惨敗は気になるところである。いくら道悪がダメといっても負けるにも程がある。有馬記念が激しいレースだったので、疲れが取れていなかったのかもしれないし、有馬記念が激しかっただけに、馬が走ることに前向きになっていないということかもしれない。とにかく、強い馬が1度負け癖がつくとなかなか復調できないことは多々あることだし、単にピークが過ぎたということも考えられる。気性、脚質を考えると、長距離馬というよりは中距離馬という感じもするし、3200mのG1を勝つタイプでもないような気もする。
ヒシミラクル
(牡6・角田58)
買い H14菊花賞1着、H15天皇賞春1着、H15宝塚記念1着。 なんといってもG1-3勝馬である。今回のメンバーでこれだけの実績を残している馬はいないだけに、実績としては最上格ということになる。しかも一昨年のこのレースを含めて3000m以上のG1を2勝しているステイヤーだけに、条件もベストである。叩かれながら調子を上げてくるタイプであり、前走の京都記念で3着とようやく調子が上がってきたように感じるだけに、この大舞台での復活は十分にあり得る。菊花賞、天皇賞春ともに京都コースだったからコース相性もかなり良いといえる。絶対的な有力馬もいないメンバー構成だし、G1での勝負強さを見せつけるのではないか。
消し 前走の京都記念で3着と復調の気配は感じられたが、G1を勝てるレベルまで復調してきているかは走らせてみないと何とも言えない。有馬記念では14着に負けていることを考えれば、G1レベルまではまだ遠いという考え方もできる。というか、脚部不安を発症してからここまで走れるようにはなったが、全盛期の走りはもう無理な体ということも十分に考えられる。スタミナが豊富なタイプで、スピードはいまいちななので、スローの展開からの上がりだけの競馬になると苦しくなりそうなだけに、展開に左右されるタイプということも言える。
アイホッパー
(牡5・藤田58)
買い H17阪神大賞典2着、H17万葉S1着。 前走の阪神大賞典で2着というのはそれなりに評価できる。2着に敗れたものの別定G2で連対できたというのは大きな実績だし、勝馬から0.1秒差なら逆転可能な範囲ということになる。前々走の万葉Sでは強い勝ち方をしているように3000mで強さを発揮している馬だけに、さらに距離が延びるのはプラスといえるだろう。勢いは十分に感じるし、まだまだ底を見せたとは言えないというか、さらなる成長も期待できそうだ。これまで連対を外したのは2度だけという安定度も魅力である。
消し G1初挑戦というのはやはり大きな不安と言わざる得ない。前走の阪神大賞典で2着に負けたということは、底を見せてしまったという考え方も十分にできるわけで、さらにメンバーが強くなるG1で巻き返すというのは難しいかもしれない。昨年の目黒記念では1人気で5着に負けているということもあるし、なんだかんだで重賞未勝利というのも事実である。人気が少し先行している感じがしないでもない。
アドマイヤグルーヴ
(牝5・武豊56)
買い H15H16エリザベス女王杯1着、H15ローズS1着。 2年連続でエリザベス女王杯を勝っているように牝馬では現役No.1と言っていい馬である。牡馬相手でも昨年の天皇賞秋で3着していることからも壁があるとは言い難い。ゼンノロブロイやタップダンスシチーなどの昨年のG1馬が出走してこないことを考えれば、メンバー的にも恵まれたと言えそうだ。長距離戦では騎手の判断も大きな要因であり、そういう意味では鞍上が武豊というのも大きな魅力といえる。エリザベス女王杯を2連覇した京都コースとの相性もかなり良さそうだ。
消し 最大の不安は距離だろう。走らせてみないと分からないとはいえ、牝馬で3200mを走るというのはかなり厳しいものである。牝馬で3000m以上のレースで好走したという例は私の記憶にはまったくない。牡馬混合のG1でこの距離というのは条件としてはかなり厳しいものといえる。それに、こ馬は気性が激しいところがあるだけに、そういう点でも長距離向きとは思えない。さらに、この馬は牡馬相手だとどうも結果がいまいちである。前走も4着に負けていることを考えると、牡馬が相手だと実力が少し足りないと考えるべきではないだろうか。
リンカーン
(牡5・福永58)
買い H16阪神大賞典1着、H15有馬記念2着、H15菊花賞2着。 一昨年の菊花賞で2着したことはもちろん、その年の有馬記念でも2着しているようにG1での実績は十分といえる。別定G2の阪神大賞典勝ちと菊花賞連対という実績から3000m以上の距離への適性も証明されており、今回の条件であれば楽勝することも十分にあり得る。昨年も宝塚記念で3着という走りは見せているし、前走の阪神大賞典3着も明らかに今回の叩き台という感じが強いだけに、本番では大きく変わってくる可能性が高い。相手関係も抜けて強いというほどのライバルもいないだけに、念願のG1制覇の最大のチャンスが訪れたと言えそうだ。
消し 昨年のこのレースで12着に負けているというのは大きな不安と言わざる得ない。そのときは掛かってしまってレースにならなかったということらしいが、だとすれば今回だってその危険は十分にあるわけで、今年は折り合いがつくという保証はどこにもない。前走の3着も相手関係を考えると勝ちきってほしかったという気もするので、昨年のレベルにはまだ戻っていないのかもしれない。G1では2着3着ばかりというのも気になるところで、勝負弱いというか勝ちきれないタイプなのかもしれない。
ザッツザプレンティ
(牡5・岩田康58)
買い H15菊花賞1着、H16阪神大賞典2着。 一昨年の菊花賞を勝ったという実績はかなり大きなものである。何せこの時2着だったリンカーンは有馬記念2着、宝塚記念3着で、この時4着だったゼンノロブロイは昨年の秋のG1シリーズ3連勝という結果を残していることからも、かなりのメンバーを相手に勝ちきったということになる。しかも今回の距離は菊花賞とほぼ同じ条件となる京都3200mである。この馬の能力を出し切ることさえできれば、当然に上位にきて然るべきだということになる。前走4着は休み明けで斤量59kgを考えればやむ得ないものだし、一叩きされたことで大きく変わってくる可能性は十分である。
消し 菊花賞は勝ちきったものの、その後は未勝利と好走はするのだが勝ちきれないレースが続いた。内容的に力負けという感じが強いものばかりだっただけに、菊花賞からあまり成長していないということかもしれない。また、有馬記念で11着、天皇賞春で16着とG1で惨敗するシーンを見ているだけに、安定度という点でも不安が大きい。さらに屈腱炎から復帰して間もないということからして、まだまだ良化途中であり、G1を戦えるレベルまで体調が戻ってきているとは考えづらい。前走オープン特別で4着ということを考えると、完全復活まではもう少し時間がかかるのではないだろうか。
ハーツクライ
(牡4・横山典58)
買い H17日本ダービー2着、H17京都新聞杯1着。 昨年のダービーで2着しているという実績を持っているのだから能力は通用するはずである。昨年秋のG1シリーズは不調に終わったが、前走の大阪杯は2着と復調の気配を見せてくれただけに、この大一番で復活ということも十分に考えられる。どちらかというと不器用なタイプだと思うので、直線が長く広々として京都コースに替わるのもこの馬にとってはプラスだと思うし、終いの切れ味は半端でないだけに、最後方からの一発という魅力もけっこう大きなものである。大舞台では思いきった騎乗をする横山典騎手だけに、一か八かのレースをするはずだ。
消し 菊花賞7着、JC10着、有馬記念9着と昨年の秋のG1シリーズでは掲示板にも載れずに終わっている。素直に考えれば古馬G1で通用するだけの実力は持っていないということになるわけで、この馬に古馬G1で好走することを求めるのは酷なのかもしれない。実際、ダービー2着もハイペースで前が崩れたのを差してきたという内容だったので、実力による2着ではなかったのかもしれない。前走も勝馬に1馬身以上離された2着に終わっているというのもどうかと思うし、一叩きされた上積みを考慮しても逆転まではどうだろうか。後方から競馬をするタイプなので展開に左右されるというのもマイナス要因であり、上がりだけの競馬になるようだとかなりつらい。距離適性としても3200mはこの馬には長い感じもする。
サンライズペガサス
(牡7・幸58)
買い H16H14大阪杯1着、H13神戸新聞杯2着など。 前走の大阪杯を勝ったことはこの馬にとっては大きい。別定G2を勝ったということはもちろんであるが、屈腱炎で長期休養していた馬だけに、完全復活を証明できたということが大きいのである。天皇賞秋で3着というG1実績を持っているし、神戸新聞杯ではクロフネやダンツフレームに先着したほどの馬である。完全復活ということであれば、G1でも当然に通用するはずである。上がり33秒台は当たり前という切れ味を武器にしている馬だけに、瞬発力勝負になりやすい京都コースもプラスになりそうだ。
消し 前走の復活走は見事ではあったが、牡馬G1で常に結果を出しているという馬がいない中での好走だけにこれをG1の裏付けにできるかどうかはあやしい。大阪杯で2勝、天皇賞秋で3着というように好走するのはいつも2000mというのも気になるところで、典型的な中距離馬という感じがしないもでないので、3200mというのはさすがに長いのではないかとも思う。屈腱炎で休んでいたことを考えると、以前と同じレベルの走りを期待するのは無理のような気もするし、年齢も考えると、これまでの最高実績である天皇賞秋3着以上の走りはさすがに難しいのではないか。
ススカマンボ
(牡4・安藤勝54)
買い H16朝日CC1着、H16京都新聞杯2着など。 昨年の朝日CCで古馬を相手に重賞勝ち、鳴尾記念でもハンデ56kgを背負って2着とそこそこの結果を残している馬であるだけに、G1のここでもまったく通用しないレベルではないと思われる。G1もダービー5着、菊花賞6着と大きく負けてはいないし、4歳馬という若さからまだまだ成長途上という魅力もある。前走の大阪ハンブルクCは3着に敗れたが、逃げ馬が残ってしまう展開で休み明けだったことを考えれば3着でも上々といえる。一叩きされた上積みは大きいだろうし、鞍上が安藤勝騎手に替わることも加味すれば、一発あっても不思議ない存在だと思う。
消し G1ではダービー5着、菊花賞6着という実績の馬だけに、G1を勝ちきるだけの器はないということかもしれない。朝日CCはしょせんG3であるし、古馬G1の裏付けとしては寂しいものである。鳴尾記念2着、前走の大阪ハンブルクC3着というのも中途半端という感じがするだけに、どうしても大物感が感じられない。それに、朝日CCを勝っていることと、行きたがる気性ということを考えると、距離3200mはこの馬には長いような気がしてしまう。他にこれといった魅力も少ないし、一発というのもどうだろうか。
チャクラ
(牡5・後藤58)
買い H15ステイヤーズS1着、H15京都新聞杯2着。 一昨年のステイヤーズSを勝っているというのは大きな実績である。3600mの別定G2を勝ったのだから3200mのG1でも好走は十分に可能ということになる。それに、今年に入って万葉S2着、ダイヤモンドS3着とやっと調子を上げてきてた。いずれも3000m以上のレースで好走していることで改めてステイヤーとしての資質を証明したことになる。昨年のこのレースで4着という実績を持っているというのも魅力であり、今回はメンバー的にもけっこうチャンスではないか。
消し やっと復調してきたと言っても万葉S2着、ダイヤモンドS3着という結果ではG1の裏付けとしてはちょっと厳しいものがあると言わざる得ない。昨年の秋はスランプに陥っており、やっと調子を上げてきたとはいえ、昨年春の勢いにはまだまだ遠い感じがするだけに、やはりG1というのはこの馬には荷が重そうだ。昨年4着というのも悪い実績ではないが、かえって中途半端というか相手なりに走るというだけで、勝ちきるまでの実力はないという考え方もできる。脚質的に展開による一発も考えづらい。
ハイアーゲーム
(牡4・吉田豊58)
買い H16青葉賞1着。 昨年のダービーでは3着に負けたものの、キングカメハメハに早めに競りかけるという積極的な競馬での3着だから内容としては悪くはなかったと思うし、結果としてハーツクライに差されたが、もう少しじっくりと乗っていれば2着は楽に確保できたと思われるだけに、G1で連対しても不思議ないだけのポテンシャルは持っていると考えるべきである。昨秋以降は結果がもう一つであったが、まだ4歳という若さだけに能力を出し切れていないだけと考えるべきだろう。成長もあるだろうし、折り合いがついて能力を出し切ることができるようであれば、一発あってもいいと思う。
消し 昨秋のG1シリーズで掲示板すら確保できなかったというのはある程度は仕方ないにしても、前走のダイヤモンドSで馬券圏内も確保できなかったというのはあまりに問題だろう。ハンデが重かったといっても57kg程度だったわけだし、得意の東京コースでもあった。メンバーを考えても負けてはいけない状況だったと思われる。それを4着に終わったということは、ダービーからの成長がなく、古馬重賞では通用しないということか、距離が長すぎたということになると思う。となると、いずれにしても3000mのG1でこの馬が巻き返すというのはかなり厳しいということになる。しかも得意ではない右回りということもある。
マイソールサウンド
(牡6・本田58)
買い H17阪神大賞典1着、H16マイラーズC1着、H16京都金杯1着など。 前走の阪神大賞典を勝ちきったというのは大きな実績である。何せ今回のレースの前哨戦という位置づけのレースを勝ったのだから、今回のメンバーで勝利に最も近いところにいると言っても過言ではない。もともとはマイルで結果を出していた馬だけに、3000mの別定G2を勝ったというのはかなり驚きであるが、血統的に考えればもともと長距離適性は高い馬で、気性的に短いところしか走れなかっただけであり、能力だけでマイルでも結果を出していたということかもしれない。そして気性が成長した今になって、長距離戦でその本当の実力を見せつけたということかしれない。となると、今回も強い競馬を見せる可能性は高いわけで、一気にG1制覇ということになるかもしれない。
消し 前走の阪神大賞典を勝ってしまったことにはかなり驚いたが、好走が1度だけだとフロックというか、たまたま走っただけという不安は拭いきれない。3000mから3200mに距離が延びるのも、たった1Fとはいえこれがけっこう違うもので、ステイヤーとしての資質が本当に高くないとこなせないものである。もともと気性的にマイルを走っていたということからすれば、今回も折り合えるかどうかという不安もあるし、これまでもG2で好走したのにG1で惨敗というケースが多かっただけに、G1の壁というのがあるのかもしれない。
アクティブバイオ
(牡8・小牧58)
買い H15アルゼンチン共和国杯1着、H14日経賞1着など。 G2を2勝している実績を忘れてはいけないし、ジャパンCでも5着という結果を残しているのだからポテンシャルはかなりのものを持っている。重賞勝ちはいずれも2500mだからスタミナには自信のあるタイプといえ、3200mならば大きく変わってきても不思議はない。自分のペースで先行できるとかなりしぶといタイプでもあるので、昨年のイングランディーレのような大きく離しての逃げをすると面白いかもしれない。
消し G1はジャパンCで5着という実績はあるもののこれが精一杯という感じだっただけに、G1でこれ以上の結果つまり馬券圏内を期待するのは難しいと言わざる得ない。まして、あれから2年が経過しているわけで年齢的にはピークは過ぎたと思われるだけになおさらである。それに、平地で頭打ちになって障害に行ったという経緯もあるし、たぶん大逃げを打つという大胆な作戦もとらないだろうから、決め手に欠けるこの馬が展開による一発というのも難しいと思う。
トウショウナイト
(牡4・武士沢58)
買い H17京都記念2着、H17日経賞2着。 2戦連続で別定G2で2着しているのは大きな実績である。別定G2で2度好走したということは実力は本物といえ、G1でも力不足ということはないと思う。2500mで3戦3連対と長距離戦というかスタミナには自信のあるタイプといえ、さらに距離が延びることで今まで最も強い競馬を見せるということも考えられる。まだ4歳という若さも魅力であり、一戦ごとに強くなっているのも感じるだけに、勢いという点ではこの馬が一番かもしれない。絶対的な存在がいないメンバー構成でもあるし、チャンスは十分にあるはずだ。
消し 別定G2で連続で連対したというのは悪いということではないが、勝てなかったというのも事実であり、底を見せてしまったという考え方もできる。G1は初挑戦となるわけで、G1の壁に跳ね返されるというこも十分に考えられるし、日経賞でユキノサンロイヤルあたりに負けているようではG1で通用しないという考え方もできる。G1での経験があまりにない武士沢騎手が鞍上というのも不安だし、まして長距離戦では騎手の技量も重要となるだけになおさらである。距離3200mも走らせてみないと分からないわけだし、末脚が切れるというタイプでもないだけに展開による一発も考えづらい。
ビッグゴールド
(牡7・和田58)
買い H17大阪城S1着、H17大阪ハンブルクC1着、H14中山金杯1着など。 現在2連勝中と非常に調子が良い。もともと中山金杯を4歳で制するなど強さを見せていた馬だけに、ここにきて復調してきたと考えて良さそうだ。2戦とも逃げて勝っていることからも、今回も当然に逃げることになるだろうが、昨年のイングランディーレがそれほど早くもないペースで逃げ切っているだけに、この馬も自分のペースで走れればいつの間にか最初にゴールしているということもあるかもしれない。勢いも感じるし、展開も味方となりそうなだけに、注意は必要かもしれない。
消し 現在連勝中といっても、しょせんオープン特別での話である。重賞を勝ったわけではないだけに、G1の裏付けにはちょっと厳しいものを感じる。すでに7歳という年齢からも大きな上積みは期待できないだろうし、展開に助けられたという面も否定はできないだけに、これだけのメンバーが揃うとさすがに厳しいように感じる。今回も単騎の逃げが可能だとは思うが、距離が長いだけに大きく離しての逃げは難しいだろう。となれば、瞬発力の違いを見せられてあっという間に置いて行かれそうだ。
ブリットレーン
(牡6・吉田稔58)
買い 前走準オープンを勝ち上がりオープン入りしたばかりの馬である。連勝中と勢いは非常に感じるし、2500mを勝ってきているのでスタミナにはかなりの自信を持っているようだ。重賞経験は青葉賞16着だけであるが、それも3年前の話で、ここ1年で4勝しているように、明らかに晩成タイプである。ここにきての成長はかなりのものだけに、この大一番でも何とかしてしまうかもしれないという未知の魅力みたいなものは感じる。
消し しょせん準オープンを勝ち上がってきたばかりの馬である。この程度の実績ではG3でも好走できるかどうか分からないわけだから、ましてG1となるとさすがに苦しい戦いが予想される。年齢的にも一気に急成長するとも思えないし、3走前にはトウショウナイトに力の違いを見せつけられていることからも、さすがにこのメンバーでは好走は難しいと考えたくなる。3200mも走らせてみないと分からないとしか言いようがないし、G1を好走できるという要素が少なすぎる。
ユキノサンロイヤル
(牡8・小野58)
買い H17日経賞1着。 前走の日経賞で念願の重賞制覇を成し遂げた。昨年の10月から使い詰めなのにここで結果を出すのだから本当にたいしたものである。AJC杯でも際どい3着だったし、距離を延ばして結果を出している印象が強いだけに、さらに距離が延びるのも実は大きなプラスということもあるかもしれない。最近は後方からまくるような競馬な結果を出しているだけに、今回も思いきった作戦をとれば活路を見いだせるかもしれない。
消し 前走重賞を勝っているというのは確かではあるが、コスモバルクが自滅したことで、その他はそれほどのメンバーでもなかっただけに、G1の裏付けにはちょっと厳しい感じがする。有馬記念では10着に負けている馬だし、重賞勝ちは前走だけということからして、G1級という感じはいまいちしない。距離を延ばして良くなっているとはいえ、もともとは1800mくらいで結果を出していた馬だけに、3200mはさすがに長すぎるという感じもするし、年齢的にも前走の競馬が精一杯で余力はないとみていいのではないか。

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