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G2-毎日王冠の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券・レース
展開と馬場が読めないので難しい予想になると私は書いた。そして超スローはたぶんないだろうと読んだが、結果的には超スローに流れるという最悪の展開となった。ここまでペースが遅いと瞬発力のある馬の方が有利になるだけに、バランスオブゲームではさすがに厳しかった。それに、追い込み馬のサンライズペガサスを先行させるという後藤騎手の奇襲作戦まではさすがに読めない。今、振り返っても今回の馬券をとるのはかなり難しかったと思うだけに、素直に諦めるしかないと思う。
サンライズペガサス
まさかこの馬が先行するとは思わなかった。でもペースを考えれば無理な位置でもないわけで、後藤騎手の作戦がうまくはまったと言っていい。あの位置から33.5という末脚で走られては後ろの馬は届くはずがない。着差も1馬身以上つけたし完勝といっていい内容だった。もちろん、後藤騎手の作戦だけでなく、上がり33.5で走ったペガサスの能力も評価しないといけない。屈腱炎から復帰したという経緯を持つだけに、以前のような走りを期待するのは無理だと思っていたが、この走りを見せられると、体調はかなり戻ってきていると考えなければいけないかもしれない。
テレグノシス
この馬の瞬発力はやはり半端ではない。東京コースでの切れ味はかなりのものであったが、今回は上がり32.6というのだから驚くしかない。後方から追い込んできたのはこの馬だけであり、スローの展開からの本当の意味での瞬発力がずば抜けているということだと思う。こういうタイプは息の入りづらい平均ペースやハイペースよりも、かえってスローの流れの方が持ち味の瞬発力を発揮できるのかもしれない。次は天皇賞にいくのかマイルCSにいくのか分からないが、流れ次第でチャンスが出てくると思っていいかもしれない。
ケイアイガード
個人的には今回やるかもしれないと思っていたので、そんなにはびっくりはしていない。ただ人気がなくて配当がかなり凄かっただけに、この馬を軸にした3連複で勝負すれば良かったかもしれない、とは少し頭をよぎった。でもまあ、これだけのメンバーが揃うとチャンスはあると思っていても本命◎にするというのはさすがに難しい。でも実力があるのはこれで証明されたと思う。スローの展開に助けられたというのは否めないが、こういう流れならG2レベルなら勝ち負けできると思っていいだろう。
バランスオブゲーム
私は超スローの展開だと瞬発力の差で厳しくなると言ったが本当にそうなってしまった。こうなることは分かっていたのだから、どうせなら弥生賞の時のように逃げてほしかった。まあ、田中勝騎手は勝負優先というよりは馬優先タイプの騎手なので仕方ないかもしれないが、それでももっと積極的な競馬をした方が良かったと思う。でも、ケイアイガードに差されたことからすると、年齢的な衰えもあるのかもしれない。G1では足りない馬だし、私がこの馬に本命◎を打つのは最後かもしれない。
ダイワメジャー
手術をしたとはいえ、まだノドが鳴るということだから皐月賞のような走りはもう無理なのかもしれない。
スイープトウショウ
この馬はスローの展開に弱いと私は思う。つまりはテレグノシスのような瞬発力タイプというよりは、速い流れでも末脚が鈍らないというタイプで、速い流れの時に持ち味を発揮するタイプだと思う。本番ではまた違う競馬を見せてくれるはずである。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G2-毎日王冠の予想
結論

◎バランスオブゲーム
 ○テレグノシス
 ▲コスモバルク
  ☆カンパニー
   △スイープトウショウ
   △ダイワメジャー
   △ハイアーゲーム
   △ケイアイガード
   △ハットトリック

買い目(馬連) 合計6,000円
  軸6--4,9(各1,500円)小計3,000円
  6-16(1,000円)
  軸6--2,3,13(各500円)小計1,500円
  6-10(300円)
  6-8(200円)
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
今回のレースの予想は非常に難しい。まず展開が読めない。逃げたいという馬がいないのでスローになると考えたいところであるが、コスモバルクがスローで折り合うかどうか何ともあやしい。無理せずハナに行かせてやれば、極端なスローはないだろうし、一気にハイペースになることも考えられる。しかし、どんなにペースが遅かろうと絶対にハナには行かないという姿勢であれば、極端なスローになることも考えられる。つまり、今回はどんな流れになるのかを読むことが非常に重要だと私は思う。速い流れになれば後ろからの馬が有利になるだろうし、遅い流れならば前の馬が有利になると思われる。ただ、超スローとなると瞬発力の違いで後ろの馬が差してくる可能性も出てくるだけに、流れがどうなるかで状況が一変するといえる。さらに、天気が分からない。雨が降るのか降らないのか、降ったにしても良でできるのかどうか、稍重まで悪化するのかどうか、ここらへんが読めない。馬場が悪化すれば追い込み馬には厳しい条件になるだけに、馬場によっても状況が大きく変わってくる。しかも、これだけのメンバーが揃うとどの馬が勝ってもおかしくない状況であり、展開と馬場状態の両方に適応した馬が勝つような気がしてくる。この状況で予想しないといけないのだからあまりに難しい。
本命◎はバランスオブゲームである
私はこの馬は東京1800mをもっとも得意としていると思っている。G1のマイル戦ではワンパンチ足りなかったが、もし1800mのG1があれば勝っていても不思議ない実力を持っていると思っている。実際に一昨年の毎日王冠では2着に2馬身以上離して完勝している。間隔が詰まるとダメなタイプなので昨年は天皇賞秋を使うために札幌記念から直行というローテーションだったが、今年は東京1800mがこの馬には合っているという判断でこのレースを選択したと私は思う。今までこの馬が勝ってきたG2戦に比べるとメンバーが揃いすぎたという感じがしないでもないが、基本的には私はこの馬の1800m戦でのポテンシャルに賭けてみたいと思った。なお、前述した展開と馬場であるが、この馬は中団からレースを進めるタイプなのでどんな展開でも対応できると思う。あまり速い流れになると他の追い込み馬が有利になるし、あんまり遅い流れだとこの馬自身が掛かってしまうことと、瞬発力の差で敗れるということも考えられるが、いずれにしても極端な流れにならなければ実力を発揮できると私は思っている。また、馬場も稍重までなら問題ないだろうし、稍重くらいの方が後ろの馬が嫌がる分かえっていいかもしれない。もちろんこの馬自身はパンパンの良馬場の方がいいタイプのはずである。
対抗○はテレグノシスである。
いろいろと悩んだが、最終的にはこの馬にした。その大きな要因は道悪も意外に平気なタイプだからである。昨年は道悪となった安田記念で2着、昨年は毎日王冠をきっちりと勝っており、少しの馬場悪化ならこの馬には影響ないというのを重視した。もちろん、追い込み馬である以上は良馬場の方がいいタイプであり、雨が降らなくても問題はない。とにかく東京コースで強いというのも魅力的であり、昨年勝っているという実績はやはり高い評価が必要だと判断した。年齢的な衰えが気になるところではあるが、今回はこの馬で勝負してみたい。
単穴▲はコスモバルクである。
この馬の判断は非常に難しい。昨年のJCで2着しているようにポテンシャルが高いのは明らかである。それなのに今年の成績がさっぱりなのはやはりその激しい気性のせいだろう。まあ敗因はいろいろあるとは思うが、私はやっぱり千葉騎手がバルクをうまく制御できなかったことが大きかったと思っている。そういう意味では安藤勝騎手への乗替は大きな意味を持ち、安藤勝騎手ならうまく制御してくれるのではないか。それに1800mという距離もいいと思う。この激しい気性だから距離は短い方がいいと思う。さすがにマイルでは短すぎると思うが、1800mくらいが最も競馬がしやすいような気がする。あとは個人的にはハナに行ってほしいと思っている。他にいく馬がいないのであれば、ハナにたった方が結果を出せる可能性が高いと私は思う。この馬はハナにたてば折り合うというタイプだから、次のレースのためにとか考えずに無理に抑える必要はないと思う。ここらへんのレースプランによってこの馬の結果が変わってくるだろうし、レース全体の流れも変わってきてしまうだけに、良く悪くもこの馬がどんな競馬をするかが、今回のレースの鍵になると思う。
4番手☆はカンパニーである。
本当は対抗○にしようと思っていたが、馬場状態が気になった。良馬場なら持ち前の鋭い末脚で一気に伸びてくるだろうと踏んでいたが、少しでも雨が降ればダメかもしれないと思ったので、ここまで評価を落としてしまった。ただ、安田記念で5着した実績は申し分ないし、1800mは5連対と最も得意としている。それに有力馬のほとんどが斤量58kg(スイープは牝馬で57kg)なのに対し、この馬は57kgで走れるというのも大きなアドバンテージだと私は思う。4歳という若さと成長力も魅力であるし、ここを勝ちきって一気にG1の主役級ののし上がる可能性も十分である。
5番手△はスイープトウショウである。
安田記念で2着、宝塚記念は勝ちきっているのだから、そのポテンシャルの高さは明白である。本当であればこれだけの実績を持っていれば、どんな状況でも勝ってもらわないといけないと評価するのであるが、この馬はどうも安定度に欠けるというか、人気になると裏切るところがあるのがどうも気になる。今回は休み明けだし、斤量57kgも牝馬にはきついものだと思う。安田記念も宝塚記念も展開に助けられたという感じもしたし、今回も追い込んでこられるかどうか不安に感じた。雨が降れば決め手が鈍るだろうし、今回は良い結果を出せないのではないかと私は思っている。でも、これだけの実績を持っている馬を消すということはできるはずがない。
6番手△はダイワメジャーである。
皐月賞を勝っているG1実績を持っているし、安田記念も0.5秒差の8着、関屋記念も2着と徐々に調子を取り戻しているのは感じる。ここ数戦はマイル戦だったが皐月賞を勝っていることを考えても1800mの方が合っていると思われ、1800mならさらに強い競馬をするような感じはする。展開もスローになる可能性も十分であり、そうなると先行脚質のこの馬が有利になるという考え方もできる。そう考えれば今回この馬が復活ののろしを上げることも十分に考えられる。ただ、個人的にはここ2戦の走りはあまり評価していない。私はこの馬が凄い強い馬という感じを受けないのである。恐い存在だとは思っているが、思った以上に人気になっているし馬券的には押さえで十分と判断した。
7番手△はハイアーゲームである。
東京コースを得意としているということ、あまり人気になっていないことで狙ってみた。まだ4歳という若さで底を見せていないと思うし、意外に距離もこのくらいの方が合っているかもしれない。一発の魅力は十分だと思う。
8番手△はハットトリックである。
東京新聞杯でみせた豪脚は半端でない鋭さだった。これだけの決め手を持っている馬はそうはいない。一発かますとすればこの馬ではないか。私はここで通用するだけのポテンシャルはあると思っている。
9番手△はケイアイガードである。
先行脚質の馬であり、スローの展開になればチャンスは出てくると思う。ラジオたんぱ賞ではカンパニーに勝っているし、神戸新聞杯ではハーツクライに先着した。この馬向きの流れになれば粘りきる可能性も十分だと私は思う。
いちおう馬券的にはここまでにしたが、他にも勝っても不思議ない馬はけっこういる。それだけレベルが高いということであるが、あんまり広く流しすぎるのも大変だし、最終的にはここまでで大丈夫と判断した。バランスオブゲームが本当に2着を確保できるかどうかが一番あやしいような気もするが・・・・・
まあ、こんなところです。

G2-毎日王冠

エリモハリアー
(騙5・四位57)
買い H17朝日CC2着、H17函館記念1着など。 夏の函館で巴賞と函館記念を連勝した上がり馬である。続く札幌記念を敗れたことで底を見せたと思われたが、前走の朝日CCで2着に入り、中央場所の重賞でも通用するところを改めて証明した。夏からの勢いは感じるし、巴賞を勝っているように距離短縮も問題ない。G1実績のある有力馬は休み明けとなる馬が多いし、斤量57kgも実績馬に比べれば有利である。
消し 函館記念1着、朝日CC2着という実績は悪いということはないが、地味というか、これだけG1級の馬が揃うとさすがに格の違いを感じてしまう。現に別定G2の札幌記念では6着に負けているわけだし、器としてはG3までと考えるべきではないか。中団から差すというオーソドックスな競馬をするタイプなので、展開による一発というのも考えづらい。勢いは感じるのでそれなりの走りはするとは思うが、さすがにこのメンバーが相手だと掲示板に入れば良いほうなのではないか。
カナハラドラゴン
(牡7・吉田豊57)
買い H16ディセンバーS1着、H16H15白富士S1着。 オープン特別を3勝しているくらいだから重賞で通用しても不思議ないだけのポテンシャルは持っているはずである。重賞で人気になったこともけっこうあって、能力の高さは常に評価されているわけで、そういう意味では別定G2でも力を出し切ることさえできれば上位に台頭してくる可能性は十分にある。1800〜2000mで結果を出しているので距離短縮は大きなプラスだろうし、東京コースも得意としている。
消し オープン特別を3勝しているのに対して重賞では連対経験はなく、カブトヤマ記念3着が最高という実績はやはり物足りないものと言わざる得ない。オープン特別では強い競馬をするのに、重賞だと勝ちきれないタイプはいるもので、この馬はそれの典型的なタイプかもしれない。今回は別定G2となるわけだし、すでに7歳という年齢を考えても、ここで今までの最高の走りをするというのは厳しいのではないか。
カンパニー
(牡4・福永57)
買い H17中山記念2着、H16京阪杯2着、H16ラジオたんぱ杯2着。 安田記念で5着と掲示板を確保したのだからG1級の能力があるとは思っていいだろう。それにこの馬は京阪杯で上がり32秒台という驚異のタイムをたたき出しており、中山記念も上がり33.8、マイラーズCも上がり33.4というように、上がり33秒台は当たり前という競馬を常にしている。これだけの決め手を持っているのはかなりの武器であり、今回まとめて差し切るということも十分に考えられる。重賞連対を3度果たしているが、いずれも1800m戦だったことからも1800mがベストと思っていいだろう。脚質を考えれば東京コースも合っているし、この馬にとってはベストの条件といっていい。斤量57kgというのも魅力であり、他の実績馬よりも斤量が軽いというのは大きなアドバンテージである。充実の4歳なので夏を越えての成長力も期待できる。
消し 重賞で3度2着しているのは悪いことではないが、勝ちきれないというのはやはり魅力としてはもう一つということになる。前走の安田記念もなんだかんだで5着に負けたわけだし、どんな時でも好走で終わるという勝負弱いタイプなのかもしれない。追い込み脚質なのでどうしても展開に左右されるわけで、スローの展開になる追い込みきれず馬券圏内に入ってこられないということになりそうだ。G2といってもG1馬が数頭いるというレベルの高さだし、未だに重賞勝ちがないということも踏まえると、ここで好走するというのはけっこう難しいかもしれない。
グラスエイコウオー
(牡7・藤田57)
買い H15AJC杯2着、H13NHKマイルC2着など。 一昨年は別定G2のAJC杯で2着しているし、3歳時にはG1のNHKマイルG1で2着という実績を持っており、実績をみるかぎりでは今回好走しても何の不思議もないことになる。NHKマイルCで好走しているのだから1800mで距離が短いということはないし、かえってこのくらいの距離の方が合っているということも考えられる。行く馬がいないのであれば個人的には久々に逃げてみるのも面白いと思っているが、いつものように追い込みに徹したにしても、展開が向けば一発あってもいいと思う。
消し 1年以上の休み明けというのはさすがに大きな問題だろう。これだけのメンバーが揃うとさすがに1年ぶりというのはあまりにつらいと言わざる得ない。それに、古馬になってから芝の重賞で連対したのはAJC杯だけであるが、冬場のG2ということからもレベルとしてはそれほどでもなかったと思われる。現にその後は芝の重賞の最高実績は昨年のオールカマーの4着だけであ り、体調万全にしても実力的に通用しないという考え方は十分にできる。7歳という年齢からしてピークは過ぎたと考えるべきだろうし、ここで生涯一の結果を残すというのはあまりに厳しい。追い込みしかできないというのも問題で、他にも決め手の鋭い馬が多いことを考えると、かなり厳しい状況といえると思う。
ケイアイガード
(牡4・柴山57)
買い H16ラジオたんぱ賞1着、H16神戸新聞杯2着、H17都大路S1着。 昨年の神戸新聞杯ではキングカメハメハには屈したもののハーツクライには先着して実力のあるところをみせた。その前のラジオたんぱ賞では今回けっこう人気になっているカンパニーに完勝しているし、このレベルの重賞であれば十分に通用すると思われるだけの実績は残している。今年も都大路Sを勝って、力のあるところを見せているし、何よりも1800mは2戦2勝ということからベストの距離と考えられる。前走の関屋記念では8着に敗れたが、この馬にしてはちょっと位置取りが後ろすぎた。得意の先行策でうまく流れに乗れれば、早めに抜け出してそのまま押し切るということも十分に考えられる。
消し キャリアがまだ浅いので何とも言えないことも多いが、とりあえず重賞勝ちはラジオたんぱ賞だけであり、レベル的にはそれほどでもないという考え方は十分にできる。都大路Sを勝っているといってもオープン特別ということもあり、今回のメンバーとは大きく違うわけだし、先行して押し切るレースを得意としており、決め手という点ではもう一つである。直線の長い東京コースも脚質的には苦しいと思う。前走の関屋記念も8着に負けており、勢いという点でも魅力は薄い。
コスモバルク
(牡4・安藤勝57)
買い H16ジャパンC2着、H16セントライト記念1着、H16皐月賞2着など。 昨年のジャパンCで2着している実績を忘れてはいけない。古馬相手どころか世界相手でも通用することを証明できたわけだからこの馬のポテンシャルはかなりのものと考えなければいけない。その後は惨敗が続いたが、前に行きたがる激しい気性から自滅しており長い距離が合っていないと考えるべきである。ただ、マイルだと距離が短すぎると思われ、そういう意味では1800mがこの馬には合っているかもしれない。千葉騎手から安藤勝騎手に乗り替わるのも大きく、ジャパンCではルメール騎手で好走していることからしても、トップジョッキー騎乗であれば、この馬の潜在能力を引き出してくれるに違いない。とにかく、この馬の場合は気持ちよく走ることができるかどうかが全てであり、力を出し切ることさえできれば圧勝ということも考えられる。
消し この馬の最大の不安は、やはり掛かりやすい気性である。これまでも再三にわたって行きたがってしまい敗れ去っている。今年も日経賞と宝塚記念でその悪い気性を出して惨敗に終わっており、気性的に成長していないことを露呈してしまった。昨年の有馬記念から惨敗続きなので流れが悪いというか、勢いを感じないというか、スランプに陥ったという感じがしてしまうだけに、ここも同じように惨敗に終わる可能性も十分である。スローの展開を無理に抑えれば、折り合いを欠くことになるだろうし、安藤勝騎手なら制御できるという保証もない。今までの負けが騎手のせいではなく、馬の問題であれば騎手が替わっても結果は変わらないことになる。
サイレントグリーン
(牡5・板垣57)
買い 地方代表として出てくるのだから弱い馬ではないのだろう。ただ、昨年の走りを見てしまうと、好材料といえるものが何もないと言いたくなる。
消し 昨年も参戦してきて惨敗に終わっていることからすれば、中央のレベルにあるとは考えづらい。しかも、メンバーも昨年より揃ったといえるだけに、ここで好走するというのはかなり厳しい。走らせてみないと分からない部分もあるとは思うが、常識的にみて見せ場すら作れず終わる可能性が高いと思われる。
サンライズペガサス
(牡7・後藤58)
買い H16H14大阪杯1着、H13神戸新聞杯2着など。 4月の大阪杯で別定G2を勝っていることは当然に評価しないといけない。そのこと自体もちろん凄いことであるが、屈腱炎で長期休養していただけに、完全復活を証明できたということがこの馬にとっては特に大きい。天皇賞秋で3着というG1実績を持っているし、神戸新聞杯ではクロフネやダンツフレームに先着したほどの馬である。上がり33秒台は当たり前という切れ味を武器にしており、決め手もかなりのものを持っている。そういう意味では直線の長い東京コースも合っているといえる。これまでの実績からいっても当然に勝ち負けできるはずである。
消し 大阪杯は見事ではあったが、牡馬G1で常に結果を出しているという馬がいない中での好走だっただけに、あまり高い評価もできないと思う。今回も同じG2とはいえG1級のメンバーが揃っているだけに、大阪杯のようにうまくはいかないのではないか。全盛期として活躍していたのもずいぶん前の話だし、屈腱炎で休んでいたことを考えると、以前と同じレベルの走りを期待するのは無理のような気もするし、年齢的な衰えもあるはずである。 2000mでの好走が目立つので1800mはこの馬には少し短いのではないか。阪神コースでしか走らないという印象もある。
スイープトウショウ
(牝4・池添57)
買い H17宝塚記念1着、H17安田記念2着、H16秋華賞1着、H16オークス2着など。 なんといっても今年の宝塚記念で勝っているというのはとてつもなく大きな実績である。タップダンスシチー、ゼンノロブロイなどの牡馬の強豪を相手に正攻法の競馬で完勝したのだから強さも本物である。安田記念でも2着していることからして1800mで距離が短いということはあり得ないし、もともとはマイラーと言われていたことからすれば1800mくらいがベストかもしれない。切れ味鋭い末脚を武器としているので直線の長い東京コースはこの馬に合っている。実績もポテンシャルも条件も問題ないとすれば、当然にこのレベルなら勝ち負けということになる。
消し 不安は3つある。1つは休み明けということである。宝塚記念以来となるだけにいきなり能力を出し切れる状態かどうかはけっこう怪しい。特に今後のG1戦線をにらんでいるのは明らかであり、100%の仕上げはないはずで、こういう隙を突かれることは考えられる。2つめは斤量である。牝馬で57kgというのはかなり厳しい数字である。特に牝馬は斤量に敏感な馬が多く、少しでも重く感じると走らなくなる馬もいるだけに、この斤量でG1と同じパフォーマンスを期待するのはどうだろうか。3つめは展開である。この馬は後方からの追い込み一辺倒という脚質である。都大路Sでは上がり33秒台で5着に負けているように、展開がスローだとその時点でレースが終わるということが多い。宝塚記念と安田記念は速い流れだったからこの馬の末脚が生きたが、スローの展開になるとけっこう苦しくなるのではないか。
スズノマーチ
(牡5・北村宏57)
買い H17エプソムC1着、H17エイプリルS1着など。 前々走のエプソムCを勝っているのは大きい。今回と同じ東京1800mで結果を出していることを考えれば、条件はベストといえるわけで、この条件であれば別定G2でも強い競馬をするかもしれない。もともとは弥生賞で2着という実績を持っている馬だし、ここにきて本格化してきたとも考えられる。前走の札幌記念は惨敗に終わったが、少し間隔が開いたので、やむ得ない面もあったと思う。一叩きされた今回は一変してきても不思議はない。
消し 前走の札幌記念で11着というのはさすがに負けすぎだろう。エプソムCを勝っているといっても、メンバー的にはそれほどでもなかったしレベルの高いレースだったとは言えなかっただけに、やはり別定G2では実力不足と考えるべきではないか。しかも、今回は前走よりもさらにメンバーが強化されているのだから、前走よりも厳しい戦いが予想される。決め手が鋭いというほどでもないし、逃げるタイプでもないだけに、展開による一発も考えづらい。
ダイワメジャー
(牡4・横山典58)
買い H17ダービー卿CT1着、H16皐月賞1着。 なんといっても皐月賞でクラシックを勝っているという実績はかなり凄いものである。このときのタイムが58秒台だったのだからけっこう強い競馬だった。その後はいまいちの競馬が続いたが、ノドの調子が悪いせいだったらしく、ノドの手術をして矯正した。その初戦となった今年のダービー卿CTで2着に2馬身差という強い競馬で復活の狼煙を上げた。安田記念は8着に敗れたが、タイム差はそれほどでもなかっただけにG2レベルなら当然に勝ち負けできるはずである。皐月賞を勝っているのだから1800mで距離が長いということはあり得ないし、かえってこのくらいの距離の方が合っているかもしれない。関屋記念を叩いての参戦というのもローテーション的にはいいと思うし、本当の意味での復活をここで果たすのではないか。
消し 前走の関屋記念で2着に負けているのをどう考えるかであるが、相手がマイルCSで1人気になったこともあるサイドワインダーだったとはいえ、ピークは過ぎたと思われるだけに、今回のようなレベルの高いG2で好走するつもりであれば、きっちりと勝ちきってほしいところである。安田記念で8着に負けていることを考えても、どうしても皐月賞がフロックだったのではという疑念は残ってしまう。先行タイプなのでどうしてもラストの決め手が甘くなるという印象もあるし、直線の長いコースはこの馬には合っていないかもしれない。
テレグノシス
(牡6・勝浦58)
買い H16毎日王冠1着、H16安田記念2着、H14NHKマイルC1着、H15京王杯SC1着など。 NHKマイルCを勝っていることはもちろんであるが、昨年の安田記念で2着、マイルCSで3着という古馬G1実績も持っており、G2でも昨年のこのレースを勝ち、京王杯SC勝ちという実績を持つ。これだけの実績があればトップレベルの実力を間違いなく持っていると考えていい。そして強い競馬を見せるのはいつも東京コースであり、東京コースだと半端でない強さを見せる。スローの展開でも最後方から差し切ってしまう瞬発力が武器であり、その破壊力は半端でない。昨年勝っているのだから条件はベストといえるし、連覇も十分に考えられる。
消し 東京では確かに強いが、他のコースでは結果がいまいちということからすれば、実力が抜けているというレベルではなく、ちょっとしたことで凡走に終わる危険は大きいということになる。それに今年の安田記念では6着に負けており、得意の条件だったことを考えるとちょっと物足りない内容だったともいえ、年齢的な衰えも見え隠れする。今年は昨年に比べるとG1馬が多くレベルが高そうだし、昨年のようにうまくいくかどうか分からない。追い込み一辺倒の脚質だから、展開に左右されるというのも否めないし、不器用だからちょっとした不利も大きく影響しそうだ。
ハイアーゲーム
(牡4・柴田善57)
買い H16青葉賞1着。 昨年のダービーでは3着に負けたものの、キングカメハメハに早めに競りかけるという積極的な競馬での3着だから内容としては悪くはなかったと思うし、結果としてハーツクライに差されたが、もう少しじっくりと乗っていれば2着は楽に確保できたと思われるだけに、G1級の能力はあると思っていいだろう。昨秋以降は結果がもう一つであったが、力を出し切れなかっただけで、ポテンシャルそのものは高いと思われるだけに、きっかけ一つで変わってくる可能性は十分である。4歳という若さと成長力も魅力だし、東京コースをめっぽう得意としており東京コースだと走りが一変するところがある。距離もこのくらいの方が実は合っていたということも考えられるだけに、チャンスはけっこう大きいのではないか。
消し 昨秋のG1シリーズで掲示板すら確保できなかったというのはある程度は仕方ないにしても、ダイヤモンドSで馬券圏内も確保できなかったというのはあまりに問題だろう。ハンデが重かったといっても57kg程度だったわけだし、得意の東京コースでもあった。メンバーを考えても負けてはいけない状況だったと思われる。それを4着に終わったということは、ダービーからの成長がなく、古馬重賞では通用しないということではないか。スタミナ豊富なタイプなので1800mというのもこの馬には距離が短い感じがする。休み明けというのもG1級のメンバーを相手にすることを考えればけっこうきついだろう。
ハットトリック
(牡4・蛯名57)
買い H17東京新聞杯1着、H17京都金杯1着。 今年に入って京都金杯と東京新聞杯とマイル重賞を連勝した実績は高い評価が必要である。いずれも後方から直線だけの競馬で一気に差し切っており、この馬の末脚の破壊力は半端ではない。特に東京新聞杯では上がり32.9というとんでもない末脚を使って、スローの展開にもかかわらず他馬を一蹴してしまった。これだけの末脚を持っている馬はそうはいないだけに潜在能力は相当に高いと思っていい。マイラーズCと安田記念は惨敗に終わったが、実力を出し切っての結果とは考えづらい。休みを挟んで仕切直しの一戦となる今回は本当のこの馬の実力を見せつけるということも十分にありそうだ。
消し 東京新聞杯を勝ったまでは良かったが、マイラーズCで9着、安田記念では15着と大きく負けているのが痛い。 G2以上で結果を出せなかったということは、しょせんG3までの馬という考え方は十分にできる。末脚が鋭いといってもマイラーズCや安田記念で上位まで進出してきた追い込み馬の方が切れ味が上という考え方もでき、G2レベルだと決め手が甘いということになるのかもしれない。追い込みしかできないので展開に左右されるのも否めないし、不器用な感じがするので休み明けというのもどうなのだろうか。そして典型的なマイラーという感じもするだけに1800mという距離もどうだろうか。
バランスオブゲーム
(牡6・田中勝58)
買い H17中山記念1着、H15中山記念2着、H15毎日王冠1着、H15日経賞2着など。 一昨年のこのレースで中団待機から直線で鋭い伸びを見せて2着に0.4秒差離し圧勝を演じたことがある。しかもレコードのおまけつきで、そのスピード能力を見せつけた。今年も中山記念を完勝し安田記念でも7着はしており年齢的な衰えは感じられない。東京コースを得意としているし、1800mで良績を残していることからも条件はベストといえる。G1ではワンパンチ足りないのは否めないが、G2では4勝6連対と半端でない強さをみせる。休み明けもなぜか得意だし、この条件であればG1馬を一蹴してしまう可能性は十分である。
消し G1では昨年の安田記念で3着したのが最高でそれ以外は馬券に絡んだことはない。つまりはG1級というにはワンパンチ足りないといえる。今回のメンバーをみるとG1を勝っている馬がけっこういるだけに、今までのG2戦と一緒には考えられない。これだけのメンバーが揃うと頑張っても掲示板が精一杯ということも十分にあり得る。それに昨年の安田記念では3着だったが、今年の安田記念では7着だった。昨年のマイルCSでも着順を落としていたことからすれば、年齢的な衰えも見え隠れする。休み明けというのも今までは走っていたが今回も走るとは限らない。
メイショウカイドウ
(牡6・幸57)
買い H17H16小倉記念1着、H17北九州記念1着、H17小倉大賞典1着。 現在重賞連勝中と勢いは非常にある。特に前走の小倉記念はハンデ58.5kgを背負って完勝しているだけに力が違いすぎたと評価できる。小倉での好走が目立つだけに小倉巧者というイメージが強いが、小倉コースが得意というだけで重賞を4勝もできるものではないだろう。根本的な能力があってはじめて勝てるものであり、潜在能力そのものもかなり高いと考えなければいけない。であれば、今の勢いからして別定G2のここで好走しても何の不思議もないことになる。後方から差す競馬が得意なので東京コースもかえって合うと思うし、好走できるチャンスは十分にあると思う。
消し 小倉でしか重賞を勝っていないというのはさすがに極端すぎる。やはり小倉でしか走らないタイプと考えていいのではないか。それに小倉の重賞は2月は裏開催、7月8月は夏場ということで、メンバー的にはそれほどでもないというのが現状である。つまり相手が弱かったから勝てただけであり、今回のようなG1に近いメンバーが揃うG2となると、さすがにワンパンチ足りないような気がしてしまう。それと、この馬は鞍上が武豊だと力を出すというか、難しい馬で武豊でないと力を引き出せないという感じがしないでもない。今回は武豊でないというのも大きなマイナスと考えていいのではないか。
ロードフラッグ
(騙8・二本柳57)
買い H16関屋記念2着。 昨年の夏から秋にかけては関屋記念で2着したのを始め、富士S4着、カシオペアS2着そしてマイルCS出走とかなり充実した走りを見せていた。それを考えれば能力的には通用しても不思議ないといえる。1600〜1800mで良績が集中しているので距離もベストといえるし、東京・新潟で結果を出すことが多いので左回りも合っていると思われる。昨年の関屋記念では前走6着からの巻き返しだったように、ちょっとしたきっかけで走りが変わるというか、一発屋的な走りをするときがある。
消し ここ2戦は10着、13着と2桁着順に終わっているだけに、昨年までの勢いはとても感じられない。それにこれまでもローカル重賞で2着というのが最高実績ということを考えると、G1に近い別定G2で通用する器とも思えない。年齢的にもピークは過ぎたと考えるのが自然だと思うし、ここで生涯一番の走りを期待するのはあまりに酷だと思う。決め手が鋭いというほどのタイプではないので展開による一発というのも考えづらいし、他に好走できるかもしれないという材料が少ないと言わざる得ない。

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