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G1-マイルCSの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
レース・馬券
1000m通過が57秒だからどちらかと言えばハイペースだったと言っていいと思う。しかし、掲示板に先行馬が3頭も残っていることと追い込みのデュランダルが8着に敗れていることからすれば、明らかに先行有利の展開だったと言っていいと思う。最終的にタイレコードだったことからも、先行馬が最後まで失速せずに走りきれるギリギリのペースだったといえ、こういう展開になると追い込み馬は手も足も出ないもので、追い込み馬にとっては最悪の展開だったと言っていいと思う。そういうペースを読み切って、しかも騎乗馬の能力を見事に引き出した外国人騎手のワンツーは、ある意味では当然のことだったのかもしれない。馬券は完敗に終わったが、こういうレコード決着のレースは見ていて気持ちがいいものである。追い込み馬のデュランダルから勝負した以上は、こういうリスクは最初からあったのだから運がなかったと諦めるしかない。
ハットトリック
さすがペリエである。速い流れだったとはいえ先行有利の展開で差し切れるギリギリのポジションから、計ったように差し切るのだから「凄い」としか言いようがない。もちろん先行有利の展開を差し切ったハットトリックのポテンシャルも褒めなければならない。まだまだ荒削りなところはあるが、G1を1度勝つと不思議に貫禄が出てくるもので、今後はどのレースでも強い競馬を見せてくれると思う。
ダイワメジャー
正直この馬がここまで好走するとは思ってなかった。皐月賞を勝っているとはいえ、古馬戦線ではこれといった結果を残せていなかったので、古馬G1では通用しないと私は思っていた。皐月賞を勝った時がデムーロで、今回はルメールだったということからすれば、この馬を乗りこなすのはかなり難しく、外国人騎手でないと乗りこなせないということかもしれない。あるいは、この馬が好走しているのは右回りである。右回りでないと走らないタイプなのかもしれない。
ラインクラフト
先行馬がなかなかばてなかった展開で3着まで差してきたというのは3歳牝馬ということを考えるとかなり凄いことだと思う。さすがに古馬相手では厳しいのではないかと私は思っていたが、こんな走りを見せられては能力を認めざる得ない。来年もかなり活躍するのではないか。
ダンスインザムード
今回も気むずかしい面を見せずによく頑張ったと思う。けっこう速い流れだったので最後は一杯一杯になってしまったが、この馬の力は出し切れたのではないか。ただ、気性の難しい馬だけに一回休みに入ると、休み明けからまた気性難で惨敗することもあるかもしれない。
デュランダル
基本的には展開に負けたと考えていいのではないか。上がり33.2で8着ではどうしようもない。ハイペースだから必ずしも追い込み馬が有利にならないという典型的なレースだったと思う。そういう意味では追い込み馬のマイナス面がもろに出てしまったと言っていいと思う。ただ、以前のデュランダルであれば32秒の脚を使えたのではないか、という考え方もできるので、年齢的に力が衰えているという考え方もできるとは思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-マイルCSの予想
結論

◎デュランダル
 ○テレグノシス
  ▲サイドワインダー
  ☆キネティクス
  △ダンスインザムード
  △ハットトリック
  △ラインクラフト
   △ダイワメジャー
   △アドマイヤマックス
   △ウインラディウス

買い目(馬連) 合計7,000円
  14-15(1,500円)
  軸14--1,5,9,13(各1,000円)
  14-16(500円)
  12-14(600円)
  2-14(300円)
  3-14(100円)
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はデュランダルである
このレース2連覇している馬だから今さらこの馬の強さを説明する必要はないだろう。問題は昨年同様の力を維持しているかどうかであるが、前走のスプリンターズSで9ヶ月の休み明けで上がり32秒台の豪脚を繰り出すのだから力が落ちているとは到底考えられない。2着に負けたとはいえ、相手は香港の英雄だったわけだし、日本馬には力の違いを見せつけている。脚質的に距離が延びるマイル戦の方が競馬はしやすいはずだし、京都のマイル戦はベストの条件だと思う。強いて言えば、年齢的に回復力が落ちていて、スプリンターズSの劇走の疲れが取り切れていない、いわゆる2走ボケが一番の不安であるが、G1でこれだけ連対を続けている馬だから、それを期待して評価を落とすという判断は私にはできなかった。この馬から勝負する以上は縦目を買う気もない。
対抗○はテレグノシスである。
前回もそうだったが、この馬をこの評価にした最大の理由はオッズである。とはいえ、昨年の3着馬だし、毎日王冠でもエリザベス女王杯を勝ったスイープトウショウと今回人気になっているハットトリックにも先着しており、まだまだG1で好走できるだけの実力は持っているはずである。これだけの馬がここまで人気がないというのはちょっと不思議な感じがする。G1ではワンパンチ足りない感じがするので、もしオッズがもっと低かったらこんなに高くは評価していなかったというのも確かではあるが、私のためにもなんとかここで巻き返しの走りを見せてほしい。
単穴▲はサイドワインダーである。
前走のスワンSで2着したのは個人的にはけっこう驚いた。骨折して数ヶ月で復帰してこの走りをされてはポテンシャルが違うと判断したくなる。今年は関屋記念を勝っているということもあるし、マイルに距離が延びるのも大きなプラスである。今回はけっこうチャンスだと私も思う。ただ、G1ではワンパンチ足りないイメージも否めないし、年齢的にもG1ではどうかという感じもする。オッズが低いのでこの評価にしたが、気持ち的には半信半疑というのが本音である。
4番手☆はキネティクスである。
重賞勝ちの実績のない馬だから格としては厳しいものがあるのは確かであるが、ハットトリックと好勝負したり、前走もコース取りの差で3着ということを考えれば、まったく通用しないというレベルではないと思う。それなりに瞬発力はあると思うし、位置取りと流れ次第では2着ならあってもいいと私は思っている。今回も的中重視で馬券を広く買うことにしたので金額的には500円にしたが、気持ちとしてはこの馬が勝負馬券である。
5番手△はダンスインザムードである。
前走の天皇賞秋で3着して復活した。気性に難のあったこの馬が超スローの展開に折り合ったのだから完全復活といっていいだろう。そういう意味では昨年と同じローテーションとなる今回も昨年くらいの走りは期待できることになる。なので、この馬との組み合わせを勝負馬券にしようとも正直考えた。しかし、このオッズだとそれなりに厚く買わないと儲けはない。当然にその他の馬券は絞らないといけないし、リスクがどうしても大きくなる。気性に難のある馬だから今回は真面目に走るという保証はないし、さすがにこの馬に心中するする気にはなれなかった。
6番手△はハットトリックである。
東京新聞杯でみせた豪脚は今でも鮮明に覚えている。その後はこれといった結果を出していないが、前走の天皇賞秋で上がり32.6という決め手をみせており復調の兆しを見せた。マイルへの距離短縮は大きなプラスだし、鞍上のペリエもこの馬に慣れてきたはずである。今回は巻き返しの絶好のチャンスだと思う。本当ならこの馬から勝負しようと思っていたが、思っていた以上に人気になっていて少し驚いている。G1とG2での実績がないことを考えると、ここまで人気になるとさすがに魅力が失せる。
7番手△はラインクラフトである。
牡馬混合のNHKマイルCを勝っているのだから今回も通用するという考え方は分かるが、3歳牡馬が弱かっただけだと私は思う。古馬相手でいきなり通用するほど甘くはないと私は思っているので、ここまで人気になるのであれば軽視するしかない。本当は「消し」という判断をしたかったが、スランプ中の身なので念のため押さえることにはした。
8番手△はダイワメジャーである。
安田記念8着がこの馬の実力だと思っている。そういう意味では今回もかなり厳しいと私は思っている。でもまあ確かに右回りだと走りが変わるという可能性も否定できないので、念のため押さえる。
9番手△はアドマイヤマックスである。
安田記念の惨敗で完全にスプリンターに変貌したと評価しているが、安田記念で2着した実績を持っているのは事実だし、鞍上が武豊なので念のため押さえる。
10番手△はウインラディウスである。
前走重賞を勝っており勢いは感じる。G1では力不足だと思うし、年齢的にも厳しいと思っているが、仕上げのうまい藤沢和厩舎の馬だし、ちょっと不気味に感じたので100円だけ押さえることにした。
あとはローエングリンとバランスオブゲームが気になったが、ここで生涯最高の走りを期待するのは難しいと判断した。
まあ、こんなところです。

G1-マイルCS

アズマサンダース
(牝4・藤岡55)
買い H16桜花賞2着、H17京都牝馬S1着。 昨年の桜花賞で2着している実績を持っているのだから高い評価が必要だ。しかも、この世代の牝馬はスイープトウショウ、ダンスインザムードと牡馬相手でも好勝負しているのだから、この馬だって十分に通用するはずだ。オークスと秋華賞では結果を残せなかったが、その後に阪神牝馬S5着、京都金杯3着、京都牝馬S1着という実績からもこの馬のベスト距離はマイルだと考えていいだろう。前走の府中牝馬Sは12着に敗れたが、休み明けで瞬発力勝負になったのがきつかった。一叩きされた上積みは見込めるし、距離短縮もプラスと考えられるから今回巻き返しがあっても不思議はない。京都金杯と京都牝馬Sの走りから京都コースも合っていると思われる。
消し 前走の府中牝馬Sで12着に負けているのはかなり気になる。休み明けで重め残りだったとはいえ負けすぎという感じは否めない。京都府中牝馬Sを勝っているといってもしょせん牝馬限定戦だったわけだし、桜花賞2着も牝馬限定のうえに負けているのだから牡馬混合G1の裏付けには少し厳しいものがある。オーソドックスな競馬をする馬なので展開による一発も考えづらい。古馬になって牡馬と一緒に走るのは初めてということを考えても、この大舞台で巻き返すというのはかなり厳しいのではないか。
アドマイヤマックス
(牡6・武豊57)
買い H17高松宮記念1着、H15安田記念2着など。 今年の高松宮記念を制しているというのは当然に大きな実績である。しかも、そのときの内容が2着に2馬身以上離すという強い勝ち方だっただけに、力の違いを見せつけたという評価ができる。そもそもは安田記念で2着したり、マイル重賞の富士Sを勝ったこともあるマイラーだっただけに、距離延長がマイナスになることはない。前走のスプリンターズSは4着に敗れたが、休み明けだったことを考えれば内容としては悪くはなかった。脚質に自在性があるのでどんな展開にも対応できるし、引き続き武豊が騎乗してくれるのも大きく、安田記念とスプリンターズSの敗因を踏まえて、今度は何か作戦を考えてくるのではないか。
消し G1で2度連対している実績を持つのだからポテンシャルが高いのは明らかだとは思うが、京王杯SC、安田記念、阪急杯とこの馬らしい走りが見られなかったりして、つまりはムラがあるというか、安定度に欠けるところがあるのが気になる。それに左回りで結果を出すことが多く、高松宮記念も左回りだったから勝てたという考え方もできる。前走のスプリンターズSは大きくは負けなかったが、力の違いを見せつけられたという内容だったし、安田記念の負け方からするとマイラーからスプリンターに変貌してしまっているという考え方もできる。そういう意味では、右回りのマイル戦で再びG1を勝つというのはかなり難しいのではないかと思えてしまう。
アルビレオ
(牡5・岩田57)
買い H17岡部騎手引退記念1着、H17京都金杯2着。 前走の富士Sで4着、中山記念で3着、京都金杯で2着と重賞で大崩れしない安定した走りを見せている。オープン特別でも岡部騎手引退記念を勝ち、前々走のポートアイランドSでも2着と結果を出しているし、常に安定した走りをするのがこの馬の持ち味といえる。京都金杯ではハットトリックと僅差の勝負をしているのだから、少なくてもハットトリックとは同等の能力があると思っていいだろうし、京都金杯がこの馬の最高実績だから京都のマイル戦というのはベストの条件かもしれない。極端に上がりが速いのはあまり得意としていないようなのでG1の厳しい流れはこの馬に合っていると思うし、重賞オープンのキャリアもけっこう積んだだけに、流れ一つで台頭してきても不思議ないと思われる。
消し 前走の富士Sで4着に負けたというのは気になる。3着馬から1馬身以上離されたことかすれば、さすがに力の違いを見せつけられたという感じがする。これまでも重賞で好走しているとはいえ、内容としては力の違いを見せつけられたという感じが強いだけに、G1級の能力があるとも考えづらい。どちらかというと中団からというオーソドックスな競馬をするタイプなので、展開による一発も考えづらい。大崩れしないのは悪いことではないが、これまでの実績をからすれば、頑張って掲示板に届くかどうかという評価が妥当なところではないか。
ウインラディウス
(牡7・田中勝57)
買い H17富士S1着、H16京王杯SC1着、H16東京新聞杯1着など。 前走の富士Sを勝っているのは大きい。勢いは感じるし、同じマイル戦なのだから条件としても申し分ないことになる。昨年の京王杯SCを勝っているので別定G2勝ちという実績を持っており格としてもトップレベルということになる。前走の内容も中団からきっちりと抜け出すという横綱相撲だったし、力が違ったと評価していいと思う。ちょっとムラがあるので成績は安定していないが、前々から素質の高さはかなりものと評価されていた馬なので、この勢いなら一気にG1を制覇してに不思議はない。
消し 別定G2を勝っている実績を持っているとはいえ、これまでG1では結果が出ていないだけに、G1級の能力はないということかもしれない。距離適性もマイルよりも1400mの方が合っているような感じもする。前走はマイル戦を勝っているが、メンバー的に小粒だったのは否めず、今回のメンバーが相手となるとさすがに厳しいのではないか。関屋記念で11着に負けているように安定度もいまいちというか、気性にムラがあるのも否めないし、すでに7歳という年齢を考えても、ここで生涯最高の走りを期待するのは酷のような感じがする。
キネティクス
(牡6・小牧太57)
買い H16キャピタルS1着、H17東京新聞杯2着。 前走の富士Sで3着に敗れたものの大外を通ったコースロスが大きかったと思われる。直線ではそれなりに伸びていたし、内容としては悪くはなかったはずである。そもそも東京新聞杯では上がり33.2という瞬発力をみせて2着しているわけだし、能力的にも通用しても不思議ないと思う。休み明け3戦目だから調子としても走り頃という感じがするし、オープン入りしてからまだ5戦のキャリアだから底を見せたとも言えないだろう。決め手はそれなりにあるわけだし、流れ一つで台頭してきても不思議ない存在といえる。
消し オープン特別を勝っており、重賞でもそこそこの着順できているのだから、実績としては悪くはないとは思うが、G2以上での結果がないというか出走経験もないし、G3も勝ちきれない実力ということを考えるとさすがにG1では通用しないと考えるべきではないか。昨年くらいから力をつけてきたとはいえ、すでに6歳という年齢を考えると、大きな上積みは期待できない。決め手があるといっても、ハットトリックには決め手の違いを見せつけられているだけに、デュランダルやテレグノシスやサイドワインダーなどの末脚鋭い馬が多いことも考えると、この馬の向きの展開になったとしてもこの馬が台頭してくるのは難しい感じがしてしまう。
サイドワインダー
(牡7・松永57)
買い H17関屋記念1着、H17スワンS2着、H15京都金杯1着、H14京阪杯1着など。 一昨年のマイルCSで1人気に推されたほどの馬である。1年以上の休みもあって、その後は不完全燃焼なレースが続いたが、今年の夏の関屋記念で久々に重賞を勝ち、まだまだ健在であることを証明した。その後軽い骨折が判明したが、前走のスワンSになんとか間に合い2着という結果を出した。骨折明けということを考えれば能力だけで2着したと評価するのが妥当だと思われ、この馬の能力はやはり半端ではないと考えていいだろう。一叩きされた上積みは当然に見込めるし、距離延長も大きなプラスである。切れ味鋭い強烈な追い込みがこの馬の武器であり、決め手勝負も臨むところである。念願のG1制覇も夢ではないというところに再び戻ってきたと考えていいだろう。
消し これまでに重賞を3勝している実績は立派だとは思うが、それ以外の重賞ではけっこう取りこぼしが多いように感じられる。つまりは、重賞を勝てるポテンシャルはあるが、その追い込み脚質もあり、どうしても勝ちきれないというか、届ききれないで終わることが多いともいえ、言ってしまえばどんな展開でも勝ちきれるほどの実力はないといえると思う。一昨年のマイルCSで8着に終わったのがすべてであり、これがこの馬の能力の限界なのではないか。前走のスワンS2着も今回のメンバーと比較すると小粒だったのは否めないし、年齢的にもここで生涯最高の走りを期待するのも酷だと思う。
ダイワメジャー
(牡4・ルメール57)
買い H17ダービー卿CT1着、H16皐月賞1着。 なんといっても皐月賞でクラシックを勝っているという実績はかなり凄いものである。このときのタイムが58秒台だったのだからけっこう強い競馬だった。その後はいまいちの競馬が続いたが、ノドの調子が悪いせいだったらしく、ノドの手術をして矯正した。その初戦となった今年のダービー卿CTでいきなり2着に2馬身差という強い競馬で復活の狼煙を上げた。安田記念は8着に敗れたが、0.5秒差なら巻き返せる範囲だと思うし、このくらいの差なら展開一つだと思う。前走の毎日王冠も超スローの瞬発力勝負がきつかっただけで、G1の厳しい流れになればこの馬のしぶとさが生きると思われる。皐月賞ではデムーロで勝ったが、今回ルメール騎乗ということで外国人騎手が再びこの馬を頂点に導くということを期待してもいいのではないか。
消し ダービー卿CTで復活の狼煙は上げたが、その後の成績がもう一つである。安田記念8着も力の違いを見せつけられたという感じがしたし、関屋記念も展開的にはこの馬向きだったと思うだけにサイドワインダーに差されたというのはどうなのだろうか。前走の毎日王冠も先行馬有利の展開だっただけに、5着までしか粘れなかったというのは物足りなさを感じた。結局、古馬のレベルの高いレースで結果を出せていないのだから、古馬G1では通用しないということではないか。ノド鳴りも手術をしたから完全に矯正されたというわけではないというコメントもあったし、先行脚質なのでどうしても決め手に欠けるところもある。安田記念から大きく成長したという感じもしないし、安田記念くらいの着順がいいところなのではないか。
タニノマティーニ
(牡5・須貝57)
買い H17富士S2着、H17ポートアイランドS1着。 前々走のポートアイランドSでオープン勝ちして、続く前走の富士Sでもしぶとく2着に粘った。ここにきての勢いというか、上昇度では今回のメンバーでは1番と言っていいだろう。スタートセンスが抜群で、逃げることももちろんできるが、ここ2戦のように2番手から競馬するのが理想といえ、逃げる馬の後ろに控えて脚を貯めることができれば、直線で一気に抜け出し粘りきることも可能ではないか。1戦ごとに強くなっているのは感じるし、こういう馬が勢いに乗って好走してしまうことはよくあることである。無欲の逃げで結果を出してしまうという可能性も否定はできないし、不気味というか面白い1頭だとは思う。
消し 前走の富士Sで2着したのはよくがんばったとは思うが、たぶんあれがこの馬の能力の限界だと思う。須貝騎手も「120%の競馬ができた」とコメントしていたし、これ以上の走りと結果を求めるのはこの馬には酷だと思われる。先行脚質なのでどうしても決め手に欠けるところがあるし、有力馬が追い込み脚質だから他の先行馬も早めに仕掛けてくるはずで、そういう意味では展開もかなり厳しいと思う。勢いはあるし、しぶといので、そこそこの走りはするような気はするが、さらにメンバーが強くなり、斤量も増えることも考えると、さすがにG1で馬券圏内を確保するというのは厳しいと思えてしまう。
ダンスインザムード
(牝4・北村宏55)
買い H16桜花賞1着、H16天皇賞秋2着、H16マイルCS2着など。 昨年の天皇賞秋で2着し、その勢いで昨年のこのレースも2着した馬であり、そのポテンシャルは間違いなくG1級である。ところが、これだけの馬が今年に入ってからは惨敗続きと精彩を欠いていた。復調にはまだまだ時間がかかると思われたが、前走の天皇賞秋で3着と好走し復活の兆しを見せた。となれば、今回は当然に完全復活ということになるのではないか。気性的には距離短縮はプラスだと思われるし、昨年2着だから京都コースも問題はない。昨年はデュランダルに敗れたが、相手は年齢的な衰えがあるかもしれないし、こちらは充実の4歳である。そういう意味では逆転の可能性は十分にあると思っていい。
消し 前走の天皇賞秋で3着したのは立派だとは思うが、それまでが惨敗続きだっただけに評価が難しい。ポテンシャルがそれなりにあるのは確かだろうが、その激しい気性のせいかレースに最後まで集中できないというか、前半で行きたがってしまい、直線ではもう力を使い果たしているというケースが多いように感じる。だから、レベルの低いレースでもあっさりと負けてしまいことがあるし、どうしても安定度に欠けるというか、信用しづらいということになってしまう。今回も真面目に走るとは限らないし、前走3着も昨年は2着だったことからすれば、完全復調までは至っていないという考え方もできる。
デュランダル
(牡6・池添57)
買い H15スプリンターズS1着、H16H17スプリンターズS2着、H15H16マイルCS1着、H16高松宮記念2着など。 現在1200mと1600mの日本のG1では6戦連続で連対しているというとんでもない馬である。しかもその内容がまた凄い。常に最後方に近い位置から直線だけで追い込んでくるという豪快な競馬を見せており、その豪脚は見ているだけで惚れ惚れする。前走のスプリンターズSは2着に負けたが、相手が香港の英雄だったし、約10ヶ月の休み明けだったことを考えれば2着でも高い評価が必要だ。3連覇がかかったこのレースであるが、ゆっくりと追走できる分距離が長い方が競馬をしやすいということだと思うし、脚質的にも京都の外回りは合っているのだろう。休み明けを一叩きされた上積みも見込めるし、3連覇の可能性はけっこう高いのではないか。
消し 現在このレースを連勝しているのだから条件的なマイナスは基本的にはないと言うしかない。そのうえで、もし負けるとすれば、考えられるのは2つだろう。1つは展開である。追い込み一辺倒という極端な競馬をする馬なので、超スローの展開になると先行馬も上がり33秒台で走ることも可能になり、そうなると上がり32秒台でも届かないということは十分にあり得る。追い込み脚質である以上はどうしても展開に左右されるものである。2つめは年齢である。すでに連覇しているほどの馬だからさらに成長していることは考えづらいし、逆にピークが過ぎて能力が落ちてきているという可能性は十分に考えられる。前走休み明けで激走しているので年齢的な衰えから疲れが残ってしまうということも考えられる。とにかく3連覇というのはとんでもない記録であり、それを達成できるほど競馬は甘くはないのではないか。
テレグノシス
(牡6・勝浦57)
買い H17毎日王冠2着、H16毎日王冠1着、H16安田記念2着、H14NHKマイルC1着、H15京王杯SC1着など。 前々走の毎日王冠では、超スローの展開だったにもかかわらず、後方から直線だけの競馬で2着した。ほとんどの馬が上がり33秒台で走っている中でそのほとんどを差し切ったのだからこの馬の瞬発力は驚異的である。前走の天皇賞秋は惨敗に終わったが、この馬には距離が長かっただけである。得意のマイル戦に戻れば前走のようなことはないはずで巻き返しは十分に考えられる。昨年のこのレースで3着しているのだからコースも問題ないといえるし、京都の外回りコースであればこの馬の末脚をフルに生かせるはずである。
消し この馬の良績は東京コースに集中している。そういう意味では東京コースでないというのはマイナスと考えざる得ない。昨年のこのレースで3着なのだから苦手ということはないだろうが、東京コースでの実績が凄すぎるだけにどうしても他のコースでは魅力が失せてしまう。まあ、G1実績も昨年の安田記念で2着が最高なので、歳を1つとった今年のレースでそれを上回る結果を残すのは厳しいのではないか。もともとムラがあるというか安定度に欠けるところがあるので、前走のように惨敗に終わる可能性も十分にあると思う。
ハットトリック
(牡4・ペリエ57)
買い H17東京新聞杯1着、H17京都金杯1着。 今年に入って京都金杯と東京新聞杯とマイル重賞を連勝している。いずれも後方から直線だけの競馬で一気に差し切っており、この馬の末脚の破壊力はかなりのものである。特に東京新聞杯では上がり32.9というとんでもない末脚を使って、スローの展開にもかかわらず他馬を一蹴してしまった。これだけの末脚を持っている馬はそうはいないだけに潜在能力は相当に高いと思っていい。その後は結果を出せずに終わって低迷しているが、実力を出し切っての結果とは考えづらく、この馬の本来の能力を引き出すことさえできれば、このメンバー相手でもやれるのではないか。距離が得意のマイルとなるのはもちろん大きなプラスだし、鞍上のペリエも2度目だから今回はうまくこの馬の能力を引き出してくれるのではないか。
消し 東京新聞杯を勝ったまでは良かったが、マイラーズCで9着、安田記念で15着、毎日王冠で9着、前走の天皇賞秋でも7着と大きく負けているのが痛い。G2以上で結果を出せないということは、しょせんG3までの馬という考え方は十分にできる。展開が合わなかったという理由もあるが、他の追い込み馬で上位進出した馬もいるのだから展開を言い訳にはできない。言い方を変えれば、他の追い込み馬の決め手の方が1枚も2枚も上ということになる。追い込みしかできないので展開に左右されるのも否めないし、不器用な感じがするのでG1の厳しいポジション争いにも対応できない感じもする。安定度も期待できないし、一か八かの一発に頼るというのも厳しいものがある。
バランスオブゲーム
(牡6・木幡57)
買い H17中山記念1着、H15中山記念2着、H15毎日王冠1着、H15日経賞2着など。 この馬のベストレースは一昨年の毎日王冠である。中団待機から直線で鋭い伸びを見せて2着に0.4秒差という圧勝を演じた。しかもレコードのおまけつきだったのだから、そのスピード能力はかなりのものである。その後にマイルCSで4着、安田記念でも3着してG1でも通用することも証明した。今年も中山記念を完勝しており、能力が衰えているとは思えない。前走の天皇賞秋は苦手とする超スローの展開だったし距離も少し長かった。マイルなら流れはもっと速くなるだろうからこの馬にとっては競馬はしやすいはずで、うまく流れに乗ることができれば巻き返しがあっても不思議はない。
消し G1では昨年の安田記念で3着したのが最高でそれ以外は馬券に絡んだことはない。つまりはG1級というにはワンパンチ足りないといえる。今回のメンバーもG1実績馬がけっこう揃っているし、この馬の実績ではどうしても見劣りしてしまう。中団から抜け出す競馬を得意としているが、決め手ははそれほど鋭いというものでもないし、展開による一発というのも考えづらいタイプである。それでも昨年くらいまでは大崩れはしないというか、G1でも掲示板前後の着順は常に確保していたが、最近は年齢のせいか惨敗も多くなってきているのも気になるところである。この歳で生涯最高の競馬を期待するのはさすがに難しいのではないか。
ビッグプラネット
(牡3・和田56)
買い H17アーリントンC1着。 アーリントンCで2着に1馬身以上離して完勝している。けっこう速いペースで逃げてそのまま押し切ったのだから内容としてはかなり強かった。その後は惨敗が続いたが、前走のスワンSで勝馬から0.2秒差の5着して復調の兆しをみせた。母がロンドンブリッジで半姉にダイワエルシエーロがいる良血ということを考えても、底を見せたとは思えない。まだ見せていない実力をみせるという可能性もあるわけで、そういう意味では3歳馬の未知の魅力はあるといえる。今回は逃げることになるかどうか分からないが、先行することは間違いないだろうから、自分のペースを崩さずに走ることさえできれば、最後まで粘りきることも十分に考えられる。
消し 朝日CC11着、ポートアイランドS9着、スワンS5着という実績からすれば、古馬相手だとまだ通用しないと考えていいのではないか。前走のスワンS5着はまあまあだったとはいえるが、距離短縮が大きかったと思われ、朝日CCやポートアイランドSで行きたがってしまって惨敗に終わっていることを考えれば、マイル戦で前走以上の結果を期待するのはあまりに酷ということになる。3歳限定のNHKマイルCでも7着に負けた馬だし、古馬G1でそれ以上の走りができるとも思えない。
マイネルハーティー
(牡3・安藤勝53)
買い H17NZT1着、H17シンザン記念2着。 今年のNZTを勝っておりマイル重賞を勝っているという実績は今回のレースに臨むうえでは大きな実績といえる。それにこの時の内容が、ほぼ最後方の位置から直線だけで全馬を抜き去り、最後は1馬身以上離すというとんでもない強さだった。これだけの決め手を持っているというのは大きな武器であり、この決め手を生かすことができれば古馬相手でもチャンスはあるはずだ。NZT以降はこれといった結果を残せていないが、前走のスワンSで4着と復調の気配を見せている。マイルに距離が延びるのはもちろんプラスだし、直線が長くなる京都コースもプラスだろう。G1なので流れも厳しくなるだろうし、先行陣が崩れる展開になればチャンスはさらに広がる。
消し 前走のスワンSで4着といっても馬券圏内にも入れなかったわけだからG1の裏付けにするには厳しい感じもする。前々走のポートアイランドSとその前の京成杯AHでは8着に負けているわけだし、古馬相手ではまだ実力不足ということではないか。というか、3歳限定のNHKマイルCでも12着に負けていたことからすれば、3歳の中でもG1級にはワンパンチ足りないという評価もできる。これだけのメンバーが揃うと、この馬よりも末脚が鋭いと思われる馬が数頭いるし、前崩れの展開になったとしても上位に食い込むことは難しい感じもする。
ラインクラフト
(牝3・福永54)
買い H17NHKマイルC1着、H17桜花賞1着、H17秋華賞2着など。 桜花賞を勝っている実績はもちろんであるが、牡馬が相手となったNHKマイルCを勝ったというのが最も凄い。牡馬相手でも通用するところを既に見せているだけに、牡馬混合戦だからダメということはないはずだ。前走の秋華賞と前々走のローズSでは2着に敗れたが、いずれのレースも2000mの遅い流れに馬が行きたがってしまい、早めに仕掛けざる得ない状況となり、ゴール直前でエアメサイアに差されたという内容だっただけに、負けはしたもののこの馬のポテンシャルの高さは十分に証明したといえる内容であった。2000mで掛かっていたのだからマイルに距離短縮されるのは大きなプラスだし、マイル戦なら思い切った競馬ができるはずだ。先行できる脚質なので安定度も期待できるし、早めに抜け出してそのまま押し切ることも可能だろう。
消し やはり古馬との対戦が初めてというのが不安としては一番大きい。しかも牝馬限定ではなく牡馬混合戦である。先週のエリザベス女王杯でエアメサイアが5着に敗れたことからすれば、古馬相手では苦しいという考え方もできるわけだし、まして牡馬も相手となるとさすがに3歳牝馬には厳しすぎるかなと思えてしまう。秋華賞とローズSで2着に負けたわけであるが、古馬のマイル戦を勝つつもりなら、牝馬限定の2000mでも勝ちきってほしいという気もするし、あの掛かりやすい気性はマイル戦でもマイナスに働くということも考えられる。走らせてみないと分からないことの方が多いが、今まで戦ってきたメンバーと比べると一気にレベルが上がるだけに、厳しい競馬になることは間違いないだろう。
リキアイタイカン
(牡7・武幸57)
買い H17青函S1着、H13CBC賞1着、H14スワンS2着など。 3年前のこのレースで3着している実績を忘れてはいけない。高松宮記念でも3着しているし、別定G2のCBC賞を勝ち、スワンSで2着という実績も持っている。つまりはG1でも通用する能力はすでに証明しているということになる。ここ数年はこの馬らしい走りが見られなかったが、今年は青函Sで久々に勝ち、復活ののろしを上げた。スプリンターズS8着もスワンS6着も内容的には悪くはなかったと思うし、巻き返せる範疇にはいるのではないか。直線だけで追い込んでくる鋭い末脚を武器にしている馬だし、展開ひとつというか、位置取りや流れ次第で一発あっても不思議ない存在だとは思う。
消し 近走の成績があまりにひどすぎる。久々に青函Sを勝ったのは立派だとは思うが、いかにもメンバーが薄かっただけにG1の裏付けには厳しすぎる。年齢的にもピークは過ぎたと考えるべきだろうし、全盛期でもG1で3着だった馬がここで最高の実績を残すというのはあまりに厳しすぎる。展開が向くかもしれないといっても、デュランダルなど他にも決め手のある馬が多いだけに、今のこの馬の末脚でどうかという感じもする。過去の傾向からもこういうタイプが大舞台で復活する可能性は極めて小さいと言わざる得ない。
ローエングリン
(牡6・横山典57)
買い H17H15マイラーズC1着、H16毎日王冠2着、H15ジャックルマロワ賞2着、H15中山記念1着など。 ジャックルマロワ賞で2着、香港マイルで3着、一昨年の安田記念で3着、さらに3年前の宝塚記念でも3着とG1級の能力は間違いない。すでに6歳ということもありピークが過ぎたというか、成績が下降気味という感じも見受けられたが、今年のマイラーズCではきっちりと勝ちきっており、まだまだ「やれる」というところを見せた。歳をとったことで以前よりも折り合いがつくようになってきた感じもするし、この馬のペースで競馬ができればまだまだやれるはずだ。今回はビッグプラネットなど速い馬がいるから、この馬が逃げなくてもいいはずで、逃げる馬を気楽に追いかけて直線で抜け出すことができれば、けっこう最後まで粘るかもしれない。
消し まずは休み明けだろう。安田記念以来となるだけに、いきなりG1で勝ち負けというのはさすがに厳しいのではないか。それに、もともとG1では勝ちきれないレースが続いており、G1級にはワンパンチ足りないという印象が強い。一昨年くらいまではそれなりのパフォーマンスを見せていたが、昨年あたりはなかなか勝ちきれず、何というか小さくまとまってしまっているというか、迫力がもう一つという感じだっただけに、ピークは過ぎたと考えていいかもしれない。現に今年の安田記念では17着と惨敗しているし、年齢的にもここだ生涯最高の走りを期待するのは酷ではないか。

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