前ページに戻る
G1-スプリンターズSの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券・レース
まずは香港の怪物サイレントウィットネスの強さに驚嘆した。超ハイペースというほど速くはならなかったとはいえ、かなりの速い流れを先行して、直線で抜け出したのだから「強い!」としか言いようがない。陣営の作戦も完璧で、逃げるカルストンライトオを無理に追いかけず、少し離れた位置で追走し、直線に入ってから一気に伸びてくるという内容は完全に横綱相撲と言っていい走りである。実際、2着以降は後方から差してきた馬が名前を連ねている。つまりは、それだけ先行馬にはきつい流れだったのである。それを1馬身差をつけて勝つのだから「レベルが違う」ということになる。世界の馬が参戦すると予想がしづらくなって困ると私は思うことの方が多いが、こういう競馬を見せられると、やっぱり世界の強豪が参戦してくることも大事なことだと思わずにはいられない。ただ、馬券の方は連敗中という弱気の虫が思いっきり出てしまったと感じている。予想としては◎−○という本線的中ではあるが、配当は元返しというのだからお粗末としか言いようがない。はずれるよりはずっとましではあるが、こんな予想をしているようでは話にならない。
サイレントウィットネス
前述したとおり「強い!」の一言である。本当に凄い馬である。
デュランダル
追い込み一辺倒というレーススタイルの限界を感じた。強い馬がはっきりしている場合は、その馬をマークして走るのが一般的であるが、この馬の場合はどんな時でも後方からしか競馬ができないだけに、こういう負け方は致し方ないといえる。日本ではレベルが違いすぎたから今まで何とかなったが、世界が相手ではやはり厳しすぎた。休み明けということを考慮しても評価していい内容ではあったが、サイレントウィットネスにこれだけの競馬をされると、世界とのレベルの違いを感じずにはいられない。
ダイワレイダース
先着した2頭がインコースを通って先行していたことからすれば、この馬は直線だけで追い込んできたわけだから内容としては、この馬が最も強かったかもしれない。準オープンを勝ち上がったばかりでしかも休み明けでこれだけの走りをするのだから、かなり立派である。思ったより時計がかかったので馬場もあまり良くなくて、それがこの馬には良かったという考え方もできるが、直線の伸びは際だっていただけに、今後も期待できるだろう。
アドマイヤマックス
今回の走りを見る限りでは右回りは関係なかったと言っていいと思う。それよりも安田記念で不可解な惨敗を喫し、今回高松宮記念と同じように結果を出したということは、生粋のスプリンターに完全に変貌したと考えていいだろう。この馬も良いスプリンターになったと思う。ただ、スプリンター路線はしばらく大きなレースがないわけだし、それがちょっともったいないように感じる。
マルカキセキ
デュランダルとアドマイヤマックスに比べると少し前にいた、というか、少し仕掛けが早かったかもしれない。もう少し後ろに位置取っていれば、もっといい勝負ができたのではないか。まあ、いずれにしてもよく頑張ったと思う。まだ4歳という若さからもこれからさらに大きくなることも期待できる。来年の高松宮記念でどんな走りをするか楽しみにしたい。
キーンランドスワン
やっぱりこの馬はG1に強いということなのだろうか。前走のセントウルSで5着に負けていることを考えるとちょっと信じられない好走である。展開は向いたし、厳しい流れの方が合っているということかもしれない。でもまあ、5着に負けているわけだから評価としてはまあまあというところだろう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-スプリンターズSの予想
結論

◎サイレントウィットネス
 ○デュランダル
  ▲ケープオブグッドホープ
  △マルカキセキ
  △タマモホットプレイ
  △リキアイタイカン

買い目(馬連) 合計8,000円
  軸13--4,5(各2,000円)小計4,000円
  4-5(1,000円)
  13-14(1,000円)
  軸13--3,15(各500円)小計1,000円
  軸4--3,15(各300円)小計600円
  軸5--3,15(各100円)小計200円
  3-15(100円)
  5-14(100円)
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はサイレントウィットネスである
香港で17連勝というとんでもない記録を作った怪物である。日本でも安田記念で速い流れを引っ張って、3着に粘りきるのだからそのポテンシャルは半端ではない。マイルでこれだけ強い競馬をする馬が得意の1200m戦で負けることは考えづらい。日本の大将デュランダルがいるとはいえ、さすがにこの馬の方が強いのではないか、と思えてならない。ただ、この馬がもし負けるとすれば、超ハイペースに巻き込まれた場合だとは思う。いちおう休み明けだし、最後の粘りが少し鈍るということもあるかもしれない。でもまあ、ポテンシャルの違いで勝ちきるのではないか。
対抗○はデュランダルである。
日本馬の中ではNo.1の存在と言っていいだろう。もし9ヶ月の休み明けではなければ、さすがの私もこの馬を本命◎にしたと思う。しかし、いくらG1を3勝している馬でも9ヶ月の休み明けというのはけっこう厳しい条件だと思う。とはいえ、展開も合うし、地力でサイレントウィットネスに勝ちきるとすれば、日本ではこの馬しかいないとは思うだけに、評価としてはここにした。でも、馬券的には元返し程度なので実質的には押さえみたいなものである。
単穴▲はケープオブグッドホープである。
昨年の3着馬であり、この馬も実績は十分である。しかも、今年は海外のG1で2勝しての参戦であり、昨年よりも強くなっていると思っていい。個人的には、もし上の2頭が実力を出し切るのであれば、たとえ力を出し切っても3着で終わるような気はしているが、上2頭のどちらか、もしくは両方が連対を外すということもないとは言えないだけに、チャンスはあると思う。ただ、どちらかというと安定度は高くない感じもするので、走らせてみないと分からないところもある。
4番手△はマルカキセキである。
個人的にはここからはドングリの背比べだと思っている。そこで展開をまず考えてみた。サイレントウィットネスがいる以上はハイペースになることは間違いない。テイエムチュラサンやカルストンライトオは、できればサイレントウィットネスよりも前で競馬をしたいと思っているはずで、そうなると展開は超ハイペースになる可能性が高いのではないかと私は思っている。そうなると、サイレント以外の先行馬は総崩れになると私は思っており、後方から差す競馬をする馬が有利になるのではないかと思ったわけである。そこで前走セントウルS3着と勢いも感じ、4歳という若さもあるこの馬に期待してみたということである。
5番手△はタマモホットプレイである。
他にも魅力的な差し馬は存在するが、馬券的にはあまり手を広げても妙味はない。手頃な配当はほどほどにして、あとは全く人気のないところを狙う作戦をとってみた。人気のない追い込み馬となると、やはりこの馬だろう。前走も上がり33秒台で走っているし、超ハイペースの展開で前が総崩れであればチャンスが出てくると私は思っている。これだけ人気がないと狙ってみる価値はあるのではないか。
6番手△はリキアイタイカンである。
この馬も人気のない追い込み馬ということで狙ってみた。年齢的にピークは過ぎたという感じもするが、もともとはけっこう強い競馬をしていた馬なので、追い込み有利の展開にさえなれば、まだまだ分からないのではないかと考えた。武幸騎手もどうせ一発狙いで直線だけの競馬をするのだろうし、そういう開き直った一発が恐いのである。
なお、タマモホットプレイとリキアイタイカンは本当に人気がないので馬券的にはけっこう面白い。この2頭絡みの馬券は遊び程度に押さえさせてもらった。
7番手はアドマイヤマックスである。
展開は合うと思うし、鞍上が武豊だからスプリントG1連勝もあるとは思うが、私は右回りではダメだと思っている。
8番手はプレシャスカフェである。
高松宮記念で3着している実績があるし、今回は展開も合いそうである。春の勢いさえ取り戻していれば、チャンスは十分にあるとは思う。でも、函館SSの9着はどうも気に入らない。勢いも感じないし、今回も自分の競馬ができずに終わるのではないかと思っている。
9番手はシーイズトウショウである。
いい感じでこのレースまで来ているので今回はかなりチャンスのような気はする。でも、どちらかというと前で勝負するタイプなので、今回ハイペースになれば思ったほど直線では伸びないのではないかと思っている。
10番手はゴールデンキャストである。
後ろからでも競馬ができるタイプなので、速い流れであれば一発あっても不思議ないとは思うが、揉まれ弱いタイプだから1枠というのが嫌だし、G1にはちょっと足りないタイプに感じている。
11番手はカルストンライトオである。
アイビスSDで4着に負けたことからしても昨年の勢いは感じない。昨年は道悪に助けられたという感じもするし、良馬場で先行争いが激しくなる展開ではかなり苦しいと思う。
まあ、こんなところです。

G1-スプリンターズS

サイレントウィットネス
(せん6・コーツ57)
買い 香港で破竹の17連勝というとんでもない記録を作った馬である。香港のスプリントG1は総なめという状態であり、世界的に見てもそのポテンシャルは半端でないと断言できる。日本の競馬も安田記念で経験しており、しかもハイペースを先行して3着に粘るというかなりのパフォーマンスを見せた。マイルでこれだけの競馬をするのであれば、得意のスプリント戦となるとレベルの違いを見せつけるのではないだろうか。なんでかんでハナにこだわるタイプではないし、2番手からの競馬でも十分に力を発揮することができる。最近の日本のスプリント戦はちょっとレベルが低い感じがするし、ここは世界の力を見せつけるのではないだろうか。
消し まずは休み明けだろう。安田記念以来の出走となるだけに微妙にレース勘みたいなものが鈍っているかもしれないだけに、持っている力を出し切れずに終わるということもあるかもしれない。まして、アウェーの日本でもあるし、環境が違うという問題もある。日本馬もけっこう先行力のある馬が揃っただけに、超ハイペースに巻き込まれて自滅するということもあるかもしれない。ここ2戦はマイル戦だったとはいえ敗れているわけだし、連勝中の勢いはもうなく、ピークが過ぎたという考え方もできる。
ケープオブグッドホープ
(せん7・プレブル57)
買い H17オーストラリアS1着、H17ゴールデンジュビリー1着。 昨年のこのレースで3着という実績を持っており、日本馬場への適性は問題ない。昨年もかなりの決め手を見せており、良馬場だったらもっと鋭い切れ味を見せていたかもしれない。しかも、その後に世界のG1を2つも勝っており、昨年よりも強くなっての今回の参戦である。実績的には日本馬よりもずっと格上ということになるし、昨年以上の走りを期待していいということは、当然に勝ち負けということになる。鋭い末脚が武器の馬だから、流れが速くなりそうなのもこの馬には好都合である。昨年のリベンジを果たす可能性はけっこう高いのではないか。
消し 昨年の3着であるが、道悪になりソフトば馬場になったのが大きかったかもしれない。世界のG1を勝っているといっても、時計的にはそれほどでもないから、ソフトな馬場でこそ強いという裏付けともいえる。だとすれば、日本の硬い馬場だと力を発揮できないということも十分に考えられる。3ヶ月の休み明けなので、体調がどうなのかという不安もあるし、1度経験しているとはいえ、環境が違うということも事実である。負けることも多いので、安定度は高いと言えないし、走らせてみないと分からない部分もけっこう多いと思う。
アドマイヤマックス
(牡6・武豊57)
買い H17高松宮記念1着、H15安田記念2着など。 なんといっても今年の高松宮記念を制しているというのが大きなアドバンテージである。しかも、そのときの内容が2着に2馬身以上離すという強い勝ち方だっただけに、力の違いを見せつけたという評価もできる。今回はチャンピオンとしての出走となるわけで、当然に期待も大きく、無様な競馬はできない。もともとはマイル戦で活躍してきた経歴を持つが、今年の安田記念では惨敗していることからも、スプリンターとしての適応能力が高まってきていると考えるべきである。休み明けで安田記念2着という実績から休み明けはマイナスにならないタイプだし、1200mなら再び強い競馬を見せてくれそうだ。乗り方が難しい馬なのか、鞍上が武豊だと強い走りをするという傾向にあり、武豊が騎乗できるのも大きな材料といえる。
消し G1で2度連対している実績を持つのだからポテンシャルが高いのは明らかだとは思うが、京王杯SC、安田記念、阪急杯とこの馬らしい走りが見られなかったりして、つまりはムラがあるというか、安定度に欠けるところがあるのが気になる。それに左回りで結果を出すことが多く、高松宮記念も左回りだったから勝てたという考え方もでき、右回りの今回は高松宮記念のような強い走りはできないかもしれない。高松宮記念はメンバー的にもレベルが低かったという見方もでき、デュランダルやサイレントウィットネスなどのG1馬が出走してくる今回は力の違いを見せつけられるかもしれない。休み明けも基本的には割引と考えるべきだろう。
カルストンライトオ
(牡7・大西57)
買い H16スプリンターズS1着、H16H14アイビスSD1着など。 昨年のこのレースを制しているというのは当然に高い評価が必要である。道悪競馬だったとはいえ2着に5馬身差だから力が違ったという評価もできる。この馬の持ち味はなんといってもスタートダッシュの速さである。新潟直線1000mのアイビスSDを2度逃げ切っていることからも、この馬のスピードは半端ではない。とにかく逃げて逃げて逃げまくるというのがこの馬の走りであり、こういうシンプルな走りはけっこう恐いものである。前走は敗れたが、一叩きされた上積みは見込めるはずで、この大一番にピークとなる調整をしているはずだ。
消し 昨年のスプリンターズSを勝っているとはいえ、道悪になったのがこの馬には大きかったと思う。良馬場だったら勝てたかどうかは分からない。実際に、昨年のこのレースを勝って以降は、これといって強い競馬をしていないし、前走は得意のはずの直線1000mでも敗れてしまった。年齢的にも若くはないし、昨年がピークだったという考え方もできる。1200mだと勝負どころで並ばれることも多く、そうなると直線で失速するというケースが目立つだけに、連覇というのはけっこう厳しいのではないか。
キーンランドスワン
(牡6・四位57)
買い H17高松宮記念2着、H16シルクロードS1着、H15淀短距離S1着など。 今年の高松宮記念で2着に入り見事にG1連対という実績を残した。中団から確実に伸びてくる末脚は安定度が高く、流れ一つで勝ちきれるだけのものを持っている。前走のセントウルSは5着に敗れたが、今回の叩き台と考えれば、それほど悪い内容ではなかった。一叩きされた上積みは見込めるだろうし、こういうタイプはG1の厳しい流れの方が良さが出るものである。勝てないまでもしぶとく馬券圏内に入ってくることは十分に考えられる。
消し G1で連対している実績はもちろん悪いということではないが、どうも勝ちきれないというか勝負弱さみたいなのを感じる。現に2着した高松宮記念もアドマイヤマックスには2馬身以上離されているだけに、力の違いを見せつけられたという考え方もできる。2年連続で高松宮記念で好走したということは、中京コースが合っていたということであり、中山コースでは好走できないという考え方もできる。前走の5着もG1で好走するつもりなら負けすぎのように感じるし、さらにメンバーが強くなることも考えると厳しい戦いになるのではないか。
ギャラントアロー
(牡5・横山典57)
買い H15スワンS1着、H16淀短距離S1着など。
別定G2のスワンSを勝っているという実績は大きいものだし、マイルCSでも3着しているのだからG1級の能力はあると考えていいだろう。逃げてしぶといというのがこの馬の持ち味でもあり、単騎で楽に逃げられる展開なら残ってしまうことも十分に考えられる。また、最近は逃げにこだわらなくなってきており、阪急杯では差す競馬で2着しているように、ハナを奪えなくても流れに乗ることができればチャンスはあるはずだ。もともと安定度が高い馬ではないし、前走から走りが一変することも十分に考えられる。
消し 最近は逃げなくてもそこそこ結果を残すようにはなってきているが、強い競馬を見せたのはやはり逃げた時である。G1を勝ちきるとなると、逃げることが必要になるのではないか。ただ、超ハイペースで逃げれば直線まで保たないし、ちょっと速いくらいのペースでは今回のメンバー構成だとプレッシャーはかなり厳しくなる。つまりは逃げても苦しい戦いになりそうだということである。まあ、前走の感じからも逃げることはないだろうし、逃げないのであれば、好走はあっても4着5着までではないかという感じがする。年齢的にもピークは過ぎたかなという感じもする。
ゴールデンキャスト
(牡5・小牧太57)
買い H17H16セントウルS1着。 前哨戦と位置付けられるセントウルSを勝ちきったというのは当然に高い評価が必要である。勢いは感じるし、調子はかなり良いと思っていいだろう。実績を持っている馬は前走で負けていたり、休み明けだったりと、力を出し切れる状態か分からないだけに、体調万全のこの馬が勢いで勝ってしまうということは十分に考えられる。前走は2番手から危なげない勝ち方だったように、この馬自身もかなり成長していると思われる。先行馬が揃ったので前は速くなると思うし、差す競馬を得意としているこの馬にとっては展開も味方となりそうだ。
消し 前走のセントウルSを勝っているのは当然に評価しないといけないが、昨年もセントウルSを勝ちきってこのレースに臨んだものの掲示板にも載れず負けていることからすれば、G1級の力はないと判断していいのではないか。前々走まではオープン特別でも勝てなかったことからすれば、力が抜けているというレベルではないといえるし、阪神コースが得意ということかもしれない。揉まれ弱いタイプということもあり、G1の厳しいレースでは力を出し切れないのではないか、という懸念もある。
ゴールデンロドリゴ
(牡8・赤木57)
買い H16CBC賞2着、H16函館SS2着。 昨年のCBC賞で2着しており別定G2連対という実績は持っているし、今年の高松宮記念で8着とはいえ2着とは0.3秒差だから、G1でも通用しても不思議ないだけの能力はあると思っていいだろう。前走の函館SSでも4着とそれなりの結果は残しているし、衰えは感じない。それに今回は先行馬が揃っており、ペースはかなり速くなると思われ、差す競馬を信条とするこの馬にとっては願ってもない展開になるといえる。うまく流れに乗って直線まで脚を貯めることができれば、一発あってもおかしくないだろう。
消し CBC賞でやっと2着したくらいの実績しか持っていないとなると、さすがにG1では力不足というか、それだけの器はないと考えたくなる。一昨年のCBC賞でも3着していることからすれば、中京コースを得意としているということかもしれないわけで、だとすれば高松宮記念8着がこの馬の限界値ということになる。前走の函館SSでも4着に負けているわけだし、年齢的に衰えがあっても成長は考えられない。ここで大きな仕事を期待するのは酷だと思われる。
シーイズトウショウ
(牝5・安藤勝55)
買い H17H16函館SS1着、H17愛知テレビOP1着、H15CBC賞1着、H15桜花賞2着など。 一昨年のCBC賞を勝っているという別定G2実績はもちろんであるが、サニングデールと僅差の勝負をしたり、高松宮記念でも勝馬から0.2秒差の勝負をするなど、その能力の高さを随所に見せていた馬である。今年もテレビ愛知OPと函館SSで力の違いを見せつけており、G1級の能力は間違いないだろう。流れに乗って直線で抜け出す競馬をするタイプなので、どんな展開にも対応できるというのも強みである。今年は先行馬が揃ったので前崩れとなる展開になりそうで、この馬の差し脚が生きそうだ。いちおう連勝中ということになるし、今回はけっこうチャンスなのではないか。
消し 前走勝っていると言ってもローカルのG3だし、その前もオープン特別だっただけに、G1の裏付けとしては少し弱いものがある。G1ではこれといった結果を残していないことからすれば、G1ではワンパンチ足りないということかもしれない。今回も大きく崩れることはないような感じはするが、良くて4着5着という感じがしないでもない。主戦の池添騎手が騎乗できないというのも影響としては大きいと思うし、間隔が3ヶ月開いたというのもどうだろうか。
シルキーラグーン
(牝5・田中勝55)
買い H17バーデンバーデンC1着、H17H16オーシャンS1着。 前走のバーデンバーデンCはけっこう強い競馬だった。前々走のテレビ愛知OPでもシーイズトウショウには敗れたものの堅実なレースをしていたし、ここにきて安定して力を出し切れるようになってきている。オーシャンSを連覇し、昨年のこのレースでも5着していたことからも中山1200mはこの馬にはベストの条件といえ、勢いなどを考慮しても今回は最大のチャンスといえる。先行馬が揃ったので速い流れで先行陣が崩れる可能性も十分であり、そうなればこの馬の差し脚が生きるかもしれない。
消し 昨年のスプリンターズSで5着といっても道悪はこの馬にはプラスになったと思われるだけに、良馬場だったら大きく負けていたかもしれない。昨年の高松宮記念では12着に負けているわけだし、G1級の器ではないと考えるのが自然かもしれない。今年は調子が良いといっても、すべてオープン特別の話なのでG1の裏付けには厳しいと思うし、テレビ愛知OPではシーイズトウショウに力の違いを見せつけられているというのも痛い。休み明けというのもどちらかといえば割引だろう。
テイエムチュラサン
(牝3・田島翔55)
買い 前走のアイビスSDを勝っているというのは大きな実績である。直線1000mでハナを奪いそのまま押し切るのだから、この馬の持つスピード能力は半端ではない。昨年のチャンピオンであるカルストンライトオを置き去りにしたことからもG1で通用する可能性は十分である。昨年のカルストンライトオもアイビスSDを勝った勢いで、このレースを制していることからも、この馬も今の勢いなら一気にG1制覇ということも十分に考えられる。
消し 前走のアイビスSDを勝っているといっても、メンバー的にはかなり薄かったと思う。昨年の王者カルストンライトオがいたといっても4着に負けたことを考えれば本調子ではなかったことは明らかであり、地力で勝ちきったという内容ではなかったと思われる。となれば、前走の走りをG1の裏付けにはならないということになる。今回は一気にメンバーが強くなるし、距離も1200mに延びる。先行馬も揃ったし、中山コースには坂もある。前走のように逃げ切るには厳しい条件がけっこう揃ってしまっただけに、さすがに苦戦を強いられるのではないだろうか。
タマモホットプレイ
(牡4・和田57)
買い H16スワンS1着、H16青函S1着、H16シンザン記念2着。 別定G2のスワンSを勝っているという実績は当然に評価しないといけない。G2勝ちの実績があるのだからG1で好走しても何の不思議もないということになるし、それだけのポテンシャルは持っていると判断していい。前走のセントウルSでは7着に敗れたが、上がり33秒台は出走メンバーではこの馬だけだった。終いは確実に伸びてくるタイプだけに、先行馬が揃った今年のメンバー構成であれば、ハイペースの前崩れという展開も考えられ、そうなればこの馬の末脚が爆発するかもしれない。
消し スワンSを勝った実績はあるものの、それ以外のレースではほとんど結果を残せていないというのが現状である。前走のセントウルSは7着に負けているわけだし、さらにメンバーが強くなっているG1で巻き返すというのはかなり厳しいのではないか。実績がスワンSだけということからすれば、1400mがベストで1200mはこの馬には短いとも考えられるし、あるいは京都コースが得意ということかもしれない。とにかく1200mの重賞でこれといった実績がない以上は大きな期待はかけづらい。
デュランダル
(牡6・池添57)
買い H15スプリンターズS1着、H16スプリンターズS2着、H15H16マイルCS1着、H16高松宮記念2着など。 1200mのG1で1勝2着2回、マイルのG1で2勝、合計でG1を3勝2着2回という実績は、日本馬に限れば群を抜いている。しかも、その勝ちっぷりが凄い。ほぼ最後方の位置から直線だけで追い込んでくるのだから力が違うとしか言いようがない。ポテンシャルはまず間違いなく日本No.1だろう。直線に坂のある中山コースはこの馬の脚質に合っているし、昨年も休み明け、道悪という厳しい条件で2着だから、どんな状況でも力を出し切れるタイプでもある。ここもきっちりと力を出してG1連続連対を6に伸ばすことになりそうだ。
消し やはり休み明けが大きな問題である。昨年は2着しているからまったくダメというタイプではないだろうが、プラスということはあり得ず、基本的には割引と考えるべきである。それに、これまでの休み明けは昨年の高松宮記念で4ヶ月、昨年のこのレースで6ヶ月だったが、今回はほぼ1年に近い休み明けとなるだけに、今までと同じには考えることはできない。最後方からという極端な競馬をするタイプなだけに、どうしても展開や流れに左右されるというのも気になるところではある。2年も強い競馬を続けた馬だけにピークはすでに過ぎているとも考えられ、今年は実力が落ちているということもあるかもしれない。さすがに3年連続で連対するというのは至難の業なのではないか。
プレシャスカフェ
(牡6・蛯名57)
買い H16CBC賞1着、H17シルクロードS1着。 今年の高松宮記念で3着という実績を持っており、これだけでもG1級の能力があると言っていいわけであるが、この馬の場合は重賞連勝を含む4連勝して堂々の1人気でレースに臨んでいたことからも、3着でも悔いの残る結果だったといえる。つまり、本来ならば勝たなくてはいけなかったということである。中団から差す競馬を得意としているので展開も問わないし、今回は先行馬が揃って速い流れになりそうなので、どちらかというとこの馬向きの流れになりそうである。今回は人気的にもプレッシャーはあまりないだろうし、思い切ったレースができるはずである。
消し 高松宮記念3着までは良かったが、その後京王杯SCで14着、函館SSで9着と惨敗を喫しているのはかなり気になる。特に得意のはずの1200m戦で、しかもローカルのG3で大きく負けたというのは大きな問題のように感じる。体調が不十分だっただけかもしれないが、馬に走ろうという気持ちがなくなっているということも考えられ、もしそうだとすれば数ヶ月で気持ちが戻るということは考えづらい。高松宮記念3着がこの馬の限界という考え方もでき、さらにメンバーが強くなっていることも考えると、今回は馬券圏内も厳しいということになる。
マルカキセキ
(牡4・福永57)
買い H17北九州短距離S1着。 前々走の北九州短距離Sでオープン勝ちしてトップスプリンターの仲間入りを果たした。前走のセントウルSでは実績馬を押さえて1人気に推されており、この馬の資質を高く評価している証拠といえる。結果としては3着に敗れたが、前哨戦で3着なら本番に向けては上々の結果といるし、内容も前2頭にうまく押し切られたというもので展開的に厳しかったという部分もあったと思う。今回は速い流れになりそうだから差す競馬をするこの馬にとっては展開は向きそうで、その鋭い末脚をこの大舞台で爆発させることも十分に考えられる。
消し 前走のセントウルSで3着に負けたというのはけっこう痛い。前哨戦とはいえ意外にメンバーが薄かっただけに、G1で上位争いするつもりであれば、このレベルなら勝ちきってほしいところである。前2頭に押し切られたということは、重賞レベルのスピードにはまだついていけないということかもしれないし、春先はオープン特別でも好走で終わっていたことからすれば、器的に重賞で好走までというレベルかもしれない。今回はG1でメンバーが一気に強化されるだけに、前走の3着以上の結果を求めるのはちょっと酷かもしれない。
リキアイタイカン
(牡7・武幸57)
買い H17青函S1着、H13CBC賞1着、H14スワンS2着など。 数年前となるが高松宮記念で3着している実績を忘れてはいけない。マイルCSでも3着という実績を持っているし、別定G2のCBC賞を勝ち、スワンSで2着という実績もある。とにかく輝かしい実績を持っており、G1級のポテンシャルは持っていると考えていい。ここ数年はこの馬らしい走りが見られなかったが、今年は青函Sで久々に勝ち、復活ののろしを上げた。直線だけで追い込んでくる鋭い末脚を武器にしている馬で、先行馬が揃った今回のメンバー構成であれば、この馬向きの速い流れになると思われるだけに、この大一番で復活劇を見せてくれるかもしれない。
消し 近走の成績があまりにひどすぎる。久々に青函Sを勝ったのは立派だとは思うが、いかにもメンバーが薄かっただけにG1の裏付けには厳しすぎる。年齢的にもピークは過ぎたと考えるべきだろうし、全盛期でもG1で3着だった馬がここで最高の実績を残すというのはあまりに厳しすぎる。展開が向くかもしれないといっても、デュランダルなど他にも決め手のある馬が多いだけに、今のこの馬の末脚でどうかという感じもする。過去の傾向からもこういうタイプが大舞台で復活する可能性は極めて小さいと言わざる得ない。

前ページに戻る