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G1-宝塚記念の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券
ゼンノロブロイとタップダンスシチーの2強対決と言われたが、終わってみれば2強とも敗れるという結果になった。ゼンノロブロイは休み明けだったし、タップダンスシチーも時々不可解な惨敗を喫するので、こういうこともあるかな、とは思ってはいただけに、やはり穴狙いに行くべきだったかもしれない、ということについて少し反省してみたが、タップダンスシチーには死角はほとんどないという結論に達した以上は、たとえ人気でもタップダンスシチーから勝負するのはやむ得なかったと思う。なので、今回の予想について悔いが残ったということはない。ただ、今後のことを考えた場合に、逃げることで結果を出すことが多い馬については、今回のように先行馬が揃ったレースでは少しは苦しくなるということを認識した方がいいのかもしれない。好位から中団で競馬をするタイプの馬に死角がない場合は素直に信じていいだろうが、速い流れで先行するタイプの馬については、相手関係によっては馬券の買い方を考えないといけないと思った方がいいかもしれない。
スイープトウショウ
先行馬が総崩れということを考えれば展開に恵まれた部分もあるとは思うが、中団の位置取りから4コーナーでもけっこう前にいたことを考えれば、実力は本物と判断した方がいいだろう。安田記念でも2着しており、今回が1着ということからすれば、距離延長もこの馬にはプラスだったということだろうし、昨年から大きく成長していることは明らかである。これだけ強い内容であれば、当然に天皇賞秋でも有力ということになる。これだけ厳しいペースで勝ちきったのだからジャパンCも問題ないだろう。今年の秋のG1戦線はこの馬が主役ということになりそうだ。
ハーツクライ
ほぼ最後方の位置から直線だけで一気に伸びてきた。鋭い末脚を武器にしていた馬なので、やはり速い流れで前が崩れると、この馬の出番である。結果的には2着に終わったが、この展開で差し切れないのだから、相手の強さを認めるしかないだろう。それでも古馬G1で通用することを証明できたわけだし、この馬にとっては大きな成果といえる。今後も展開次第ということになりそうではあるが、G1では注意は必要ということになる。
ゼンノロブロイ
4コーナーで窮屈になり、追い出しがワンテンポ遅くなったのが痛かった。とはいえ、あれだけラチ沿いにいれば、ああいうことになる可能性は十分だったわけで、そういう不利が嫌であれば、最初から外に位置取ればいいだけの話だし、自分の馬に自信があれば普通はそういう騎乗をするものである。インにいて不利を受けたというのは理由にならないと私は思う。結局は、ああいうロスのない競馬でないとタップダンスシチーに勝てないと思ったからああいう騎乗になったのだと思う。結果的にはタップダンスは自滅したのだから、もっと自分の競馬に徹した方が良かったかもしれない。でもまあ、それなりの実力は見せたわけだし、今年の初戦ということを考えれば悪い内容ではなかったと思う。
リンカーン
惜しい競馬だった。ゼンノロブロイ同様にタップダンスを意識しすぎたために、早めに仕掛けることとなり、早めに仕掛けたことで最後は止まってしまったわけだから、もう少し仕掛けを我慢すれば違う結果だったかもしれない。でもまあ、勝ちを意識しての仕掛けだったろうから、消極的な戦法で負けるよりはずっとましである。この馬もやはり強いと改めて思った。
タップダンスシチー
結果論になるが、先行馬もすべて大敗していることからすれば、ペースが速すぎたということだと思う。単純な時計の問題ではなく、馬場の問題とか、他の先行馬との絡みで、佐藤哲騎手が思った以上に馬に負担がかかっていたということだと思う。強い時はとてつもなく強い競馬をするのだが、時々こういう負け方をするから、この馬は困るのである。凱旋門賞でも同じように惨敗していることからすると、基本的には単騎で逃げることができる時以外は怪しいと思った方がいいかもしれない。
シルクフェイマス
先行馬に厳しい流れになったとはいえ、これだけの惨敗はさすがに予想できなかった。これは完全にスランプに陥ったと考えていいのではないか。秋の復活もあまり期待できないかもしれない。ただ、能力はある馬だから復活の兆しがあれば注意した方がいいだろう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-宝塚記念の予想
結論

◎タップダンスシチー
 ○シルクフェイマス
 ▲リンカーン
  ×コスモバルク


買い目(馬連) 合計6,000円
  1-15(2,000円)
  9-15(2,000円)
  1-9(1,000円)
  7-15(1,000円)
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はタップダンスシチーである
昨年の宝塚記念で圧勝を演じ、昨年の有馬記念でも凱旋門賞帰りという厳しい条件の中で僅差2着という結果を残していることからして、この馬のポテンシャルが半端でないことは明らかである。前走の金鯱賞でも危なげなく勝っていることからしてもこの馬のマイナスポイントを見つけることの方が難しい。一昨年の有馬記念や昨年の凱旋門賞のように、自分のリズムを崩されると惨敗するケースもあるので、意外に安定度はないタイプとは言えるが、それでもこれだけの実績を残している馬であれば、しっかりと結果を出すという方に賭けるしかない。
対抗○はシルクフェイマスである。
昨年のこのレースの2着馬であるし、昨年の有馬記念でも3着している実力馬である。G1勝ちこそないものの、そのポテンシャルはかなりのものである。私個人的には、今の日本の古馬陣においてはゼンノロブロイとタップダンスシチーの東西の横綱の次に強い、いわゆるNo.3の存在だと思っている。京都記念と天皇賞春は降雨のため、前走は左回りが苦手ということで結果を出せなかったが、良馬場の右回りならタップダンスシチーとゼンノロブロイ以外には負けないと思っている。もちろん今回ロブロイより上に評価したのはロブロイが休み明けなので、それならばこの馬が先着する可能性の方が高いと思ったということである。
単穴▲はリンカーンである。
菊花賞2着、有馬記念2着、宝塚記念3着というG1実績から考えても、この馬の実力はG1級であることは間違いない。前走の天皇賞春は6着に負けたが、かなり後方の位置取りから、最後はかなり追い込んできたものの、前の馬を捕まえることができなかったという感じだったので内容としては悪くはなかった。この内容であれば体調はかなり良くなって着ると思うし、基本的にはこの馬は今回の距離の方が合っているような気もする。今回はかなり面白い存在だと思っている。
4番手×はコスモバルクである。
ジャパンCで2着したのだから、なんだかんだでポテンシャルは半端でない馬なのだと思う。気性的にどうしても折り合えず自滅するケースが多いが、2200mなら多少掛かっても最後まで保つのではないかということもあって、思い切ってこの評価にした。ただ、この馬の気性の難しさは半端でないだけに、やはり今回も自滅する可能性の方が高いとは思っている。でもまあ、昨年に比べると人気があまりないことも考えると押さえる価値はあると思ってしまった。
5番手はゼンノロブロイである。
昨年の秋のG1を3連勝したほどの馬だから、そのポテンシャルは半端でないのは明らかである。どう考えてもこの馬の馬券を買わないというのはおかしな話ということになるが、私としては6ヶ月ぶりの休み明けでG1というのはさすがに厳しいと思う。まあそれでも押さえるくらいはするべきなのだろうが、タップダンスとの組み合わせが3倍を切るオッズでは買っても買わなくても大差はない。であれば、すでに何回か使っている馬をその分買った方がいいと思って、敢えて消しという大胆な作戦をとった。
6番手はスイープトウショウである。
前走の安田記念で2着したことで、牡馬混合戦でも通用することを証明できたのは大きい。距離はなんとも言えないが、追い込み馬なのでマイナスではないと私は思うし、今回はハイペースが予想されるので、この馬の決め手はかなりの驚異に感じている。本当なら押さえたいという気持ちもあったが、まあ上5頭の方が実力は上だろうなということもあったし、手を広げることはできなかった。
7番手はアドマイヤグルーヴである。
牡馬混合のG1ではなかなか結果を残せないでいるので、さすがに厳しいだろうということで馬券にはできなかったが、けっこう調子良いみたいだし、天皇賞秋で3着しているようにまったく通用しないとも思えないし、それより何より武豊が思い切った騎乗をするのが恐い。先行馬が崩れるところを一気に差し切るということもあるかもれない。
8番手はサンライズペガサスである。
天皇賞秋で3着という実績を持っているので、G1でも能力は通用するはずである。それにこの馬は阪神コースで好成績を残しているので、阪神コースだと強い競馬をするということかもしれない。でもまあ、故障から復帰してきた馬だし年齢的にも上積みは見込めない。距離も1F長いと思うし、ここではちょっと厳しいかなと判断した。
9番手はハーツクライである。
古馬G1では結果を出していない馬なので、個人的にはあまり評価していないが、ハイペースになるのは間違いないだけに、この馬の追い込みはけっこう驚異には感じている。
10番手はトウショウナイトである。
天皇賞春でも4着したように、ここにきての成長を非常に感じる。相手なりに走るところもあり、勝てないまでも2着するということがけっこう恐いが、この程度の実績ならG1連対はないだろうと判断した。
11番手はヴィータローザである。
前走の金鯱賞で2着だから今回もチャンスは大きいという考え方もできるが、私としてはこの馬からG1級という印象を受けないだけに、G1では苦しい戦いになると思っている。
12番手はビッグゴールドである。
天皇賞春で2着しているのだから今回好走しても何の不思議もないわけだし、そういう馬がこれだけ人気がないというのもどうかと思うだけに、狙って面白い存在だとは思っている。でも、やっぱり前走は3200mだったから好走できたと思うし、2200mだとさすがにスピード不足だと私は思う。
まあ、こんなところです。

G1-宝塚記念

ゼンノロブロイ
(牡5・デザーモ58)
買い H16有馬記念1着、H16ジャパンC1着、H16天皇賞秋1着、H16天皇賞春2着など。 昨年の秋のG1シリーズを3連勝したという実績はあまりに凄いものである。この偉業を成し遂げているのは他にはテイエムオペラオーしかいないのだから、歴史的名馬ということになる。内容としても3レースとも完勝といっていい内容だっただけに、実力が抜けていると判断していいだろう。2000〜2500mで勝っているので距離も問題にならないし、あとは休み明けがどうかということくらいであるが、仕上げのうまい藤沢和厩舎であれば問題なく仕上げてくるだろうし、少し割引にしても能力の違いでなんとかしてしまうかもしれない。
消し やはり休み明けというのは大きな不安と言わざる得ない。この馬は日経賞や京都大賞典などG2でも休み明けでは勝てなかったことからすれば、休み明けは苦手なのかもしれない。しかも、今回はタップダンスシチーが絶好の状態で臨んでくるだけに、有馬記念の時のようにうまくはいかないだろう。秋のG1で3連勝もすべて関東であり、昨年の宝塚記念で4着だったことからすると輸送が苦手ということもあるかもしれない。それとペリエじゃないと走らないということも考えられ、デザーモでどうかというのもある。
タップダンスシチー
(牡8・佐藤哲58)
買い H16宝塚記念1着、H15ジャパンC1着、H17H16H15金鯱賞1着、H15京都大賞典1着など。 昨年の宝塚記念で2着に2馬身差、しかも自分から動いていってこの着差は力が違うとしか言いようがないという内容だった。有馬記念では、凱旋門賞帰りだったこともあり体調不十分だったにもかかわらず、ハイペースの逃げを展開し、最後はゼンノロブロイに差されたものの、レコードを叩き出しての2着だから、その能力は半端でないことは証明した。今回は、前走の金鯱賞を楽勝し、昨年の宝塚記念の時のように絶好の状態でのレースとなるだけに、休み明けのゼンノロブロイより上をいっても不思議ないというか、その可能性は高いのではないか。自分で競馬を作れるというのも大きな強みであるし、ここは負けられない一戦と言えそうだ。
消し この馬は一昨年の有馬記念で8着に負けおり、その時もそうだったが、負ける時はけっこうあっさりと負けるのもこの馬の特徴といえる。今回はこの馬を楽に逃がしてはいけないことを他の馬たちの騎手も思っているはずで、この馬にプレッシャーをかけてくる可能性も十分であり、早めに競りかけられるようだと、凱旋門賞の時のように直線では余力がないということも十分に考えられる。この馬は人気になる時に限って、かえって走らないというイメージもあり、そういう意味では今回は意外に凡走の番かもしれない。
シルクフェイマス
(牡6・四位58)
買い H16宝塚記念2着、H16京都記念1着、H16日経新春杯1着。 昨年は破竹の5連勝(G2連勝を含む)から、天皇賞春3着、宝塚記念2着、有馬記念3着という実績を残した。ここで先着を許したのはタップダンスシチーとゼンノロブロイであり、それ以外の馬に対してはその力の違いを見せたといえる。気性的に考えても距離はこのくらいが合っていると思われるし、脚質的に安定度も期待できる。今年は、京都記念、天皇賞春と惨敗しているが、この馬は少しでも雨が降るとまったくダメというタイプであり、そういう意味では度外視でかまわない。前走の金鯱賞では3着しているわけだし、今回はさらなる上積みも見込めるだろう。昨年のG1で好走した実績から考えても巻き返しは十分に考えられる。
消し 前走の金鯱賞で3着に負けているのをどう考えるかであるが、良馬場でヴィータローザに先着を許したというのは痛恨ではないか。今年はここまで京都記念と天皇賞春で惨敗しているし、昨年に比べると勢いという点で疑問を感じる。昨年、急成長を遂げたわけであるが、こういう急成長した馬は意外にピークが短かったりするものだけに、昨年ほどの力はないのかもしれない。タップダンスシチーとゼンノロブロイには力の違いを見せつけられているだけに、逆転は難しそうだし、脚質的にあまり決め手がないので、格下の馬に脚をすくわれる可能性もある。
ヴィータローザ
(牡5・小牧太58)
買い H17金鯱賞2着、H16朝日CC2着、H15セントライト記念1着など。 前走の金鯱賞で休み明けにもかかわらず2着したというのは高い評価が必要だ。シルクフェイマスはきっちりと交わしただけにその価値はかなり高い。一叩きされた上積みは大きいだろうし、今回はさらに上の走りを期待してもいい。5歳になって成長してきたということも考えられるだけに、G1でも再び好走ということは十分に考えられる。セントライト記念を勝っているし、2200m以上で結果を出しているので距離延長もプラスだろう。血統的な裏付けもしっかりしているし、この大舞台での一発も十分にあり得る。
消し 前走の2着は立派だったとは思うが、タップダンスシチーには完敗という内容だっただけに逆転は難しいのではないか。まあ、それでもそれ以外の馬には先着できるという考え方もできるが、これまでの実績がG1には一歩足りないというものなだけに、G1でどこまでという感じは否めない。前走も無欲の2着という感じがするし、これだけメンバーが揃っての一戦となると、そうはうまくはいかないのではないか。決め手が極端に鋭いという感じでもないし、展開による一発というのも考えづらい。
アドマイヤグルーヴ
(牝5・武豊56
買い H15H16エリザベス女王杯1着、H15ローズS1着。 2年連続でエリザベス女王杯を勝っているように牝馬では現役No.1と言っていい馬である。牡馬相手でも昨年の天皇賞秋で3着しているのだからここでも当然に通用するということになる。前々走は天皇賞春に挑戦して惨敗したが、さすがに3200mは長すぎた。エリザベス女王杯と同じ2200mはこの馬にとってはベストといえるし、この条件であれば巻き返しがあっても不思議はない。決め手が鋭い馬でもあるし、流れ一つで追い込んできても不思議ないだけに一発の魅力も十分である。
消し 前走の金鯱賞で4着に負けているし、これまでも牡馬相手だと馬券圏内に入れないことが多いだけに、牡馬相手では底を見せたという印象が強い。天皇賞秋で3着という実績はあるが、東京コースが合っていたことと、あのときはインコースが伸びる馬場だったということもあった。そういうことからすれば、やはり牡馬相手では基本的には厳しいと考えた方がいいと思う。直線の短い阪神コースもどうかと思うし、気性が激しいタイプなので安定度も期待できない。年齢的に大きな成長も期待できないだろうし、メンバーもけっこう揃っただけに苦しい戦いになりそうだ。
コスモバルク
(牡4・千葉津58)
買い H16ジャパンC2着、H16セントライト記念1着、H16皐月賞2着など。 昨年のジャパンCで2着している実績を忘れてはいけない。古馬相手どころか世界相手でも通用することを証明できたわけだからこの馬のポテンシャルはかなりのものと考えなければいけない。2400mで好走したことと、この馬の気性を考えれば、2200mはこの馬のベストの距離かもしれないし、タップダンスシチーが飛ばす展開であれば、折り合いも問題ないという考え方もできる。前走の香港戦は距離が短すぎたと考えれば度外視でいいし、得意の条件であれば、そのポテンシャルを見せつけるということになるのではないか。
消し この馬の最大の不安は、やはり掛かりやすい気性である。これまでも再三にわたって行きたがってしまい敗れ去っている。特に今年の日経賞ではそのせいで惨敗に終わっており、気性的に成長していないことを露呈してしまった。前走の香港も惨敗に終わっているし、今年に入ってからの流れが悪すぎる。昨年のJCでゼンノロブロイには力の違いを見せつけられているので、現4歳馬のレベルが低いという考え方もできるわけで、昨年のJC以上にメンバーが揃った今回はかなり厳しい戦いになると思われる。
サイレントディール
(牡5・渡辺58)
買い H17オーストラリアT1着、H15シンザン記念1着、H16フェブラリーS2着など。 トゥザヴィクトリーの全弟ということもあってデビュー当初から期待されていた馬である。クラシック戦線では結局はそれほど結果を残せず終わったが、その素質からもいつかは本格化すると思われた。その後は、武蔵野S、フェブラリーSとダートで好走しているが、今年は大阪杯で3着、オーストラリアTでは久々に勝つなど、芝でも強いことを改めて証明した。前走のエプソムCで4着に負けたように、少しムラのあるタイプではあるが、その能力をフルに出し切るようであれば、このメンバー相手でも勝ち負けしても不思議ないだろう。
消し 前走エプソムCで4着に負けたというのは痛恨である。メンバー的にもそれほど強くなかっただけに、しっかりと勝ちきるくらいでないとG1では通用しないと考えるべきである。休み明けから3戦しているし、前々走は勝っていることからすると、上積みはあまり期待できないし、かえって調子が落ちているということも考えられる。距離的にも1800m以下の方が合っていると思うし、気性的にも難しいところがあり安定度も期待できない。これだけのメンバーが揃うとさすがに苦しい戦いとなりそうだ。
サンライズペガサス
(牡7・松永58)
買い H16H14大阪杯1着、H13神戸新聞杯2着など。 4月の大阪杯で別定G2を勝っていることは当然に評価しないといけない。そのこと自体もちろん凄いことであるが、屈腱炎で長期休養していただけに、完全復活を証明できたということがこの馬にとっては特に大きい。天皇賞秋で3着というG1実績を持っているし、神戸新聞杯ではクロフネやダンツフレームに先着したほどの馬である。完全復活ということであれば、G1でも当然に通用するはずである。上がり33秒台は当たり前という切れ味を武器にしている馬だし、阪神コースを得意としているということもある。一発の魅力は十分といえるだろう。
消し 大阪杯は見事ではあったが、牡馬G1で常に結果を出しているという馬がいない中での好走だけにこれをG1の裏付けにできるかどうかはあやしい。全盛期として活躍していたのもずいぶん前の話だし、屈腱炎で休んでいたことを考えると、以前と同じレベルの走りを期待するのは無理のような気もするし、年齢も考えると、これまでの最高実績である天皇賞秋3着以上の走りはさすがに難しいのではないか。 2000mでの好走が目立つので2200mもこの馬には微妙に長いということも考えられる。
スイープトウショウ
(牝4・池添56)
買い H17安田記念2着、H16秋華賞1着、H16オークス2着など。 前走の安田記念で2着したというのは大きい。古馬G1のしかも牡馬混合戦で結果を出したのだから、この馬のポテンシャルはかなりのものといえる。秋華賞、オークスと2000m以上のG1で結果を出しているので距離延長も問題ない。勢いは感じるし、まだ4歳という若さも魅力であり、さらなる成長も期待できるのではないか。そしてこの馬の魅力はなんといってもその鋭い決め手であり、はまった時の破壊力は半端ではない。タップダンスシチーが引っ張る速い流れで、先行陣が潰れるようであれば、この馬が一気に伸びてくる可能性は十分である。
消し 前走の安田記念で2着したのは凄いことであるが、マイル戦だったというのが気になる。今回は一気に2200mに伸びるだけに、マイルG1の実績をどこまで信じていいか分からない。血統的にはもともとマイラーと言われていた馬だし、秋華賞とオークスは3歳牝馬限定だったから好走できたと考えた方がいいのではないか。現にエリザベス女王杯では5着に負けている。中長距離の有力馬がけっこう揃ったメンバー構成だけに、牝馬がどこまでという感じは否めない。後ろからしか競馬をできないタイプなので、どうしても展開に左右されるというのも気になるところではある。
スティルウンラヴ
(牝5・幸56)
買い H15秋華賞1着、H15桜花賞1着、H15オークス1着など。 一昨年牝馬3冠を達成していることを忘れてはいけない。その年のエリザベス女王杯でも2着しているわけだし、この馬のポテンシャルが半端でないことは明らかである。昨年は不調のまま終わってしまったが、陣営としても今年は巻き返しの年と思っているはずである。前走の金鯱賞では6着に敗れているが、この馬は休み明け初戦は走らないのはいつものことである。一叩きされると大きく変わるタイプでもあり、巻き返しの可能性は十分にある。どんな展開にも対応できる器用さを持っているし、流れにうまく乗れれば、このメンバーでも十分にやれるはずだ。
消し 一昨年は輝かしい結果を残したものの、昨年はまったくいいところがなく終わってしまった。一言で言えば、古馬戦線ではこの馬の力は通用しなかったということになると思う。あるいは早熟で成長力がなかったということかもしれない。前走の金鯱賞でも6着に負けているわけだし、とにかく4歳以降は結果を出していないのだから、古馬戦線では底は見せたと言っていいのではないか。逃げるとか追い込みとか極端な競馬をするタイプでもないので、展開による一発というのも考えづらい。
トウショウナイト
(牡4・武士沢58)
買い H17京都記念2着、H17日経賞2着。 前走の天皇賞春で4着したというのはこの馬にとっては大きい。着差も2着からハナ・ハナという僅差だっただけにG1級の能力を見せたと言っていいだろう。京都記念で2着だから距離も問題ないし、それより何より4歳馬という若さというか、勢いというか、ここにきての成長力が凄まじいだけに、前走よりもさらに強くなっていることも期待できる。今回はこれまでで最も強いメンバーを相手にすることとなるが、底を見せたとは言えないし、無欲で挑めば結果はあとからついてくるかもしれない。
消し 別定G2で連続で連対し、天皇賞春でも4着と、実績としては悪いということではないが、G2を勝てなかったということと、G1で馬券圏内に入れなかったということも事実であり、ここらへんがこの馬の限界という感じがしないでもない。スタミナに自信のあるタイプだから、前走は距離3200mが合っていたということかもしれないし、2200mというのはこの馬には少し短いかもしれない。相手もさらに強くなるわけだし、善戦をしているという程度の実績では苦戦を強いられるのではないだろうか。
ハーツクライ
(牡4・横山典58)
買い H16日本ダービー2着、H16京都新聞杯1着。 昨年のダービーで2着しておりG1連対の実績を持っているのだから能力は通用しても不思議はない。この馬の持ち味はなんといっても切れ味鋭い末脚であり、最後方から直線だけで追い込んでくる決め手はかなりのものである。こういうタイプはどうしても不器用なもので、安定した結果を出すことができないが、展開や流れ一つで変わってくるだけに、近走の戦績はあまり気にしなくてもいい。タップダンスシチーが早めに仕掛け、有力馬がそれを追いかけるようだと、ゴール前で先行馬が失速するということも十分に考えられるわけだし、久々にこの馬の追い込みを見ることができるかもしれない。
消し ダービーで2着して以降はこれといった結果を残せていない。古馬G1では力の違いを見せつけられる惨敗を繰り返しているだけに、古馬G1級の実力はないということかもしれない。不器用なタイプだから直線が広くて長い東京コースや京都コースが合うタイプだと思うので、阪神コースというのもどうだろうか。展開による一発というのもないとは言えないが、逆に言えば展開の助けがないと好走は難しいということであり、安定度は期待できないということになる。このレベルになると先行馬もそうはばてないだけに、展開が味方するとも思えないし、近走の走りから勢いも感じることはできない。
ビッグゴールド
(牡7・和田58)
買い H17天皇賞春2着、H17大阪城S1着、H17大阪ハンブルクC1着、H14中山金杯1着など。 前走の天皇賞春でなんと2着に食い込んできた。スタートからハナにたったものの途中でシルクフェイマスが暴走するというアクシデントがあって苦しい展開だったにもかかわらず、4コーナー手前から先頭に出てそのまま押し切ったのだから「強い」と言っていい内容だった。タイムもけっこう良かったしフロックと考えない方がいいだろう。今回はタップダンスシチーとの先行争いとなるが、前走の走りからもハナにこだわるタイプではない。かえっていいペースメーカーになって、さらに強い競馬をするかもしれない。
消し 天皇賞春で2着とはいえ、年々レベルが低くなってきているという3200mのG1ということもあるので、どこまで評価していいか分からない。3200mという距離が良かっただけかもしれないし、3200mということで他の馬が力を出せなかっただけかもしれない。となると、2200mの今回はこの馬には距離が短いということになるし、他の有力馬も今回は力を出し切ってくるはずである。しかも、天皇賞春には出走してこなかった東西の横綱が今回は参戦してくるだけに、前走よりも苦しい戦いになるのは間違いない。
ボーンキング
(牡7・武幸58)
買い H13京成杯優勝、H13弥生賞2着など。 4年前にダービーで4着した実績を持っている馬である。弥生賞でもアグネスタキオンの2着などクラシック戦線ではそこそこ活躍した馬だけに、ポテンシャルはかなりのものを持っていると考えていい。フサイチコンコルドの半弟という血統背景もあるし、素質はかなり高い可能性がある。しかも、前走のエプソムCでは、3年ぶりというあまりに長い休み明け初戦だったにもかかわらず5着したというのはかなり凄い。しかも前残りのところを追い込んでの5着だけに内容としても価値は高い。今回は一気に相手が強くなるが、一叩きされた上積みはかなり大きい。スタミナには自信のあるタイプなので距離延長も大きなプラスだろう。G1で華やかに復活するということも十分に考えられる。
消し 前走エプソムCで5着ということはG1では力不足ということになる。3年ぶりの休み明けだったとはいえ、しょせんG3で馬券圏内にも入れなかったわけだし、上積みは大きいにしても、今回はG1だけに勝ち負けできるレベルまで変わってくるとは考えづらい。もともと決め手がいまいちなところがあるだけに、以前もG1では一歩足りないという競馬が多かったし、展開による一発というのも期待しづらい。もともとG1勝ちがあったというならともかく、3年ぶりの復帰2戦目でこれまでの最高実績を残すというのはさすがに厳しいものがある。
リンカーン
(牡5・福永58)
買い H16阪神大賞典1着、H15有馬記念2着、H15菊花賞2着。 一昨年の有馬記念で2着していることを忘れてはいけない。ゼンノロブロイに菊花賞に続いて先着していたことからしても、そのポテンシャルはかなりのレベルである。阪神大賞典や菊花賞の実績からステイヤーというイメージがあるが、天皇賞春で2年連続で惨敗していることと、昨年の宝塚記念で3着していることからすれば、距離適性は2200〜2500mくらいかもしれない。そういう意味では今回は条件としては大きなチャンスといえる。昨年の秋から低迷が続いているが、勢いとしても徐々に取り戻しつつあるのを感じるだけに、この大舞台で巻き返しがあっても不思議はない。
消し 昨年の天皇賞春で1人気を裏切り惨敗を喫してから、この馬の歯車が完全に狂った。宝塚記念では3着したものの、昨年の天皇賞秋でも惨敗を喫し、今年の天皇賞春でも6着と、以前の強さが陰を潜めてしまった。この原因としては、成長していないとか、馬が走ることに前向きでなくなったとか、気性的にテンションが高くなってきているとか、いくつか考えられるが、いずれにしても今回はその原因を克服できるとは限らないし、近走と同じような感じで負ける可能性の方が高いと考えるべきではないか。勢いもそれほどでもないし、距離もやっぱり2500m以上あった方がいいという考え方もできる。

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