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G1-有馬記念の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
今年の有馬記念は、ディープインパクトの引退レースということもあり、ディープインパクトのためのレースだったと言っていいだろう。こういうときはディープインパクトが勝たないといけないものである。谷亮子(当時田村亮子)は金メダル確実と言われながら敗れたことがあるように、勝負ごとには絶対ということはない。「ここぞ」という時に負けるということも勝負の世界ではよくあることである。だからこそ、金メダル確実と言われた人が、下馬評どおり金メダルをとっても人は感動し、いや、そういう時こそ感動するのである。今回のレースは日本限定戦なのだから、世界のオリンピックの舞台を例として出したのはちょっと次元が違う話かもしれない。でも、そう簡単に勝てるものではない競馬のG1レースで、「絶対負けられない」と宿命づけられるケースは極めて少ないものである。そういうレースできっちりと勝つ、しかも周りが納得する強い勝ち方で勝つというのは、やはり王者としてふさわしいパフォーマンスである。いろんな競馬観があるのだから一概には言えないものであるが、私の中ではやっぱり「史上最強馬」である(少なくても日本馬では)。そういう馬が引退レースで私の期待を裏切らない走りをしてくれたことに非常に満足している。アグネスタキオン、キングカメハメハ、タニノギムレットなどなど、志半ばでターフを去らなければいけなかった馬が多くいる中で、これまでケガなくここまで走ることができたというのも奇跡に近いものも感じる。こういう名馬に言えることは、ただ一言「ありがとう」だけだろう。
ディープインパクト
前述したとおり強い競馬だった。最後まで強い競馬を見せてくれたことに本当に感謝している。ただ、日本の競馬界はディープインパクトの出現だけで満足してはいけないとは思う。ディープインパクトは日本では無敵の強さを見せたとはいえ、海外では結局結果を残せなかった。しょせん日本一であって、世界一ではないのである。オリンピックの金メダルと日本選手権優勝では天と地ほどの差があるように、日本で半端でないパフォーマンスをしただけではもう一つ何かが足りないという感じはどうしても残ってしまう。やはりファンが最終的に望むものはオリンピックの金メダルだと思う。「日本が一番」という名誉である。そういう意味ではディープインパクトは後輩たちに宿題を残したといえる。ディープインパクト以上の馬がすぐに出るとは思えないだけに、凱旋門賞やキングジョージを勝つのはしばらくないかもしれない。でも、それを諦めては前に進むことはできない。私としては「勝てる」から海外に行くだけでなく、「参加する」ために海外に行くでもいいと思う。経験を積み重ねることでノウハウを蓄積し、再びディープインパクト級の馬が出た時に確実に勝てるように、土台作りを今からしておくべきだと思う。何を期待するかはファンによって違うと思う。でも、私はこれからは凱旋門賞やキングジョージという世界最高峰のレースで日本の馬がいつか勝ってくれることを強く意識しながら、これからも競馬に携わっていきたいと思う。
ポップロック
目黒記念を勝っただけでオーストラリア遠征に行ってしまったので、日本の馬場での強さが未知数だったのは確かである。そういう意味ではレース前の段階では半信半疑だったのは仕方ないと思う。しかし、レースが終わって、この大舞台で2着を確保したことで、メルボルンCで2着したことはフロックではなく、実力であることが証明された。ペリエが上手かったということもあるとは思うが、来年の長距離界の主役級になることは間違いないと思う。
ダイワメジャー
前走マイルのG1を勝っていることを考えれば、2500mで3着するというのはとんでもないことだと私は思う。でも、ポップロックに負けたことで、ディープインパクト以外には負けないということもなくなったわけで、やはり2500mはこの馬には長すぎるということは言えると思う。それでも3着したというのは、能力の違いということだと思う。来年も1600〜2200mの距離であれば無敵の走りを見せてくれるのではないか。
ドリームジャーニー
大幅馬体重だったことからも、この中間で少し楽をさせたということだと思う。それはたぶん体調が落ちていたから調教をセーブしたということではないか。であれば、仕上げとしては万全の状態ではなかったと思う。菊花賞、ジャパンCと走っていれば、3歳馬で体調を維持するのは難しかったということなのだろう。そういう意味では仕方のない4着かもしれない。でも、勝負どころで動けなかったということもあり、内田博騎手の手綱捌きにも少し疑問が残った。まあ、それで4着ならポテンシャルの高さは見せたといえるし、来年に繋がるレースではあったと思う。来年の走りに期待したい。
メイショウサムソン
皐月賞、ダービーと2冠をとったまでは良かったが、菊花賞4着、ジャパンC6着と掲示板にも載れないレースが続いていただけに、ここで掲示板の載れたのだから来年に繋がるという意味では悪くはない結果だったといえるのではないか。とはいってもドリームパスポートには4連敗を喫したわけだから勝負付けは終わったのかなという感じはしてしまう。でもまあ、2冠馬であることは事実であるわけだし、来年の巻き返しを期待したい。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-有馬記念の予想
結論

◎ディープインパクト
 ○ドリームパスポート

買い目(馬単)
  4→3(2,000円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はディープインパクトである
 この馬については今さら多くを語ることもないだろう。G1でこれだけ圧勝を続ける馬は歴史上でもそうはいないはずである。そういう意味ではこの馬の実力をそこそこ引き出すことができれば、たぶん負けることはないだろう。この馬の引退レースということもあるし、ここはきっちりと決めてもらいたい。今回だけはこの馬が負けるところを見たくないので、敢えて馬単で勝負する。とはいえ、海外帰りで1戦したことでその反動が出ているかもしれないという不安を私は感じている。昨年の有馬記念で負けていることも考えれば、寒い時期が苦手ということかもしれないし、引退レースではあのタイキシャトルですら3着に負けている。なんというか妙な不安がつきまとうという感じである。でもまあ、だからといってひねくれた馬券も買いたくはない。勝つか負けるかは分からないかもしれない。でも、私は勝つシーンを見たい、というよりも、圧勝するシーンを見たい、ので、今回は素直にこの馬を買う。
 対抗○はドリームパスポートである
 今まで本命◎にしたことはないとはいえ、人気のなかった皐月賞から私はけっこう重い印をつけてきた馬である。距離が不安だった菊花賞で2着、古馬初対戦となったジャパンCでも2着と、どんな逆境でもきっちりと結果を出してきたこの馬には、来年こそ飛躍の年にしてもらいたいと思っている。ディープインパクトがいなくなることで、来年どの馬が競馬界を引っ張るのかとなれば、私はこの馬だと思っている。来年のためにもここはきっちりと2着で締めてほしいと思っている。なので今回はこの馬との馬単1点だけで勝負するのである。もちろん、疲れとか乗り替わりとか中山2500mとか不安材料は多い。それは分かっているので自信があるというわけではない。でも、この馬に2着してほしいという気持ちがある以上は、今回はこの馬券しか買えない。
G1馬や重賞ウイナーが多数揃っているだけに、他にもチャンスのある馬はいくらでもいる。でも私としては魅力が小さい馬ばかりである。たとえば、スイープトウショウは牝馬だから距離が長すぎるように感じる。コスモバルクは最近は迫力不足。デルタブルースは3000m以上でこその馬。ダイワメジャーは距離が長すぎ。メイショウサムソンは成長いまいち。トウショウナイトは器の大きさを感じない。スウィフトカレントも格不足だし距離もどうか。という感じである。まあ、だからといってドリームパスポートが抜けているとも思えないだけに、結果としてはどの馬が上位にきても驚くことはないとは思う。結局は今回はディープインパクトの圧勝と、ドリームパスポートきっちり2着するシーンを見てみたいというだけの話である。

G1-有馬記念

アドマイヤフジ
(牡4・武幸57)
買い H18日経新春杯1着、H17若葉S1着。 昨年の皐月賞で5着、ダービーで4着とクラシック戦線でそれなりの結果を残している馬である。3歳時は結局重賞を勝てずに終わってしまったが、年明けの日経新春杯では見事に重賞制覇を成し遂げた。中団よりやや後方の位置取りからどんな時でもゴール前では伸びてきており、堅実な末脚が魅力の馬である。昨年暮れから大きく成長したのも感じたし、ようやく本格化したところで骨折してしまった印象である。日経新春杯では後に天皇賞で2着するスウィフトカレントに勝ちきっているし、ポテンシャルはここでも通用するだけのものを持っているはずである。2400mの日経新春杯を勝っているのだから2500mは問題ないだろう。休み明けも馬によってはかえってプラスということもあるし、走らせてみないと分からないものである。
消し まずは休み明けが大きな問題である。寒い時期ということもあって、調教だけで体を絞るのはかなり大変のはずである。まして骨折明けの馬であれば、なおさら強い調教はあまりできないものである。ということは万全の状態を期待するのはかなり難しいと思う。まして今回はG1である。8割のデキどころか9割のデキでも勝ち負けは厳しい。もともとG1を勝ったことがあるというのであれば、話は違うかもしれないが、前走でやっとハンデ重賞を勝っているレベルでは、たとえ100%のデキでも厳しいともいえる。菊花賞で6着に負けていることを考えると、距離適性は2000m前後という感じもするので、2500mは少し長いかもしれない。
アドマイヤメイン
(牡3・柴田善55)
買い H18ダービー2着、H18青葉賞1着。
今年のクラシック戦線ではダービーで2着、菊花賞で3着と好成績を残している。ダービーではメイショウサムソンに負けたとはいえ僅差の勝負していたし、菊花賞では3000mにもかかわらず速い流れの大逃げを打って3着に粘りきり、2冠馬メイショウサムソンは抑えており、レース内容も高く評価できる。青葉賞を勝ち、ダービーと菊花賞で結果を残していることからも長距離適性はかなり高いと考えられるし、今回も単騎の逃げが予想されるだけに、自分でレースを作れるというアドバンテージも大きい。ディープインパクトが後方からの競馬になるのであれば、この馬が大逃げを打っても追いかける馬はいないかもしれないわけで、そうなるといつの間にか逃げ切ってしまうということも十分にあり得るわけで、こういう時の逃げ馬は要注意である。
消し 前走は香港遠征を敢行したが結局は惨敗に終わった。スローで逃げることができたし、展開としても悪くはなかったはずである。それなのに惨敗を喫したというのは、いろんな意味での疲れが出たのか、環境が変わったことによる気性的ストレスがあったのかということになりそうではあるが、であれば、香港遠征から中1週というのは、疲れが癒されるわけもないし、精神的なものもしばらくは尾を引くのではないか。いずれにしろ、海外遠征で惨敗の後に中1週で好走しろというのはかなり無茶な話という感じがしてしまう。まして、ダービーで2着というのが最高実績であり、G1勝ちがあるわけでもないことと今回は古馬の強豪が揃っていることも考えれば、絶好調であっても通用するか分からないということにもなる。逃げる展開も目標にされるので楽ではないはずだし、ディープインパクトを意識して早めにスパートする馬もいるかもしれないだけに、かえって早めに潰されるかもしれない。
ウインジェネラーレ
(牡6・津村57)
買い H16日経賞1着、H16AJC杯2着。
2年前であるが別定G2の日経賞を勝っているということを忘れてはいけない。しかも、このときの2着はゼンノロブロイであり、後にG1を3連勝する馬に勝っているのだからこの馬のポテンシャルもかなり高いということになる。今年の秋に約1年3ヶ月ぶりに復帰を果たしたが、オールカマーでは6着とはいえ0.1秒差、アルゼンチンでは8着とはいえ0.6秒差とそんなに悪くない走りをしている。前走の中日新聞杯7着はさすがに距離が短すぎたようだし、長期休養明けにしてはそこそこ頑張っていると思う。叩かれながら調子を上げているのは感じるし、もともと大きなレースを勝っている実績を持っている馬だからここで大復活を遂げるということも十分に考えられる。
消し 日経賞を勝っているといっても2年前の話である。今年の秋に約1年3ヶ月ぶりに復帰したが、6着8着7着とまだ掲示板にも載れないレースが続いている。少しは良くなっているのかもしれないが、そうだとしてもG1で上位を狙えるほどにはまだまだ遠いように感じる。骨折前も日経賞を勝つまでは順調だったが、その後はパッとしないレースが続いていたし、日経賞がフロックだったということも考えられる。以前は先行して押し切るというレースを得意としていたが、最近はオーソドックスに中団からの競馬ばかりで、展開による一発も期待できそうにない。
コスモバルク
(牡5・五十冬57)
買い H18シンガポール国際1着、H16ジャパンC2着、H16セントライト記念1着、H16皐月賞2着など。
なんといってもシンガポール遠征で国際G1を制覇していることを高く評価しないといけない。もともとポテンシャルはかなり高いと言われていた馬であるが、その能力が世界の大舞台で大きく開花したといえる。日本のG1でも皐月賞と2年前のジャパンCで2着しており、その能力の高さを証明している。昨年まではその気性の難しさから力を出し切れず惨敗に終わることも多かったが、ここにきて気性が成長してきたのか、道中で折り合えるようになってきており、成績も安定してきた。特に今年の秋は天皇賞秋で4着、ジャパンCでも4着と結果を残している。ただ、3歳時の走りからすれば、能力を出し切っての結果とは思えないだけに、さらに上を目指すことも可能なはずである。特に前走は上がり33秒台の瞬発力勝負になったのがこの馬には痛かった。そこそこ速い流れになって少し上がりがかかるような展開になれば、チャンスは広がるのではないだろうか。
消し 最近は安定して走るようになってきているので、以前のように自滅して惨敗するということはなくなったが、その反面、好走はするが勝ち切れないという走りばかりであり、以前のようなはまった時の強さというか、気迫というか、勝負根性というか、そういう怖さみたいなものも失せたような感じがする。気性も落ち着いたが、走りも落ち着いてしまったという感じである。前々走の天皇賞秋で4着、前走のジャパンCでも4着、そしてその前のオールカマーも2着に負けていることを考えても、以前のような強さがもう一つ感じられない。ピークが過ぎたということかもしれないし、馬に走る気がなくなってきているということかもしれない。とにかく勢いはもう一つだし、G1で巻き返すだけの力はもうないのかもしれない。距離もこの馬には少し長いような感じもする。
スイープトウショウ
(牝5・池添55)
買い H17宝塚記念1着、H17安田記念2着、H17エリザベス女王杯1着、H18京都大賞典1着など。
この馬のベストレースはなんといっても昨年の宝塚記念である。速い流れでレースが進む中で中団を追走し、直線で一気に弾けたというレース内容からして、まぐれということはあり得ない。何せこのときの2着はあのハーツクライである。それを考えれば、昨年のエリザベス女王杯で楽勝していることも当然のことであるし、今年も京都大賞典をきっちりと勝っている。前々走の天皇賞秋で5着、前走のエリザベス女王杯で3着というのは、この馬にしては物足りない結果だったといえるが、それでもG1で上位にはきているのだから、それほど悲観することもないだろう。有馬記念では、不振が続いた実績馬が巻き返すというケースも多いだけに、この馬だってその可能性は十分にある。前走から少し間隔が開いたし、立て直す時間は十分にあったはずだから、ここで昨年の宝塚記念のような強い走りを見せてくれることは十分に期待できる。
消し 天皇賞秋で5着、エリザベス女王杯で3着に終わっているというのはけっこう微妙である。特に牝馬限定のエリザベス女王杯で3歳馬に負けたというのは痛恨である。確かに相手も強かったということもあるとは思うが、昨年のような走りができたのであれば3歳馬に負けることはなかったと思う。ということは、やはり年齢的な衰えがあるということではないか。つまり、昨年がピークだったということであり、今年は昨年のような走りを期待するのも年齢的に無理ということかもしれない。あるいは、骨折の影響が残っていて、昨年のような走りはもうできないということかもしれない。とにかく、昨年のような勢いが感じられないというのが、現在のこの馬の印象である。それと、牝馬ということもあるし、2500mというのはさすがに長すぎるという感じもする。2000〜2200mがベストという感じがあるし、2400mは守備範囲だとしても、2500mは守備範囲からはずれるような気がする。直線が長い京都や東京を得意としている感じもあるので、中山コースも合わないような気もする。
スウィフトカレント
(牡5・横山典57)
買い H18天皇賞秋2着、H18小倉記念1着、H18日経新春杯2着。
前々走の天皇賞秋で2着していることは大きな実績である。今年の小倉記念で強い内容で勝っていたが、その後のレースではもう一つという結果に終わっていただけに、ローカル重賞までの馬かと思われたが、天皇賞秋で改めて強いことを証明した。やはり小倉記念でレコード勝ちしたのもフロックではなかったということになる。とにかくG1で通用することが証明されただけに、今回も能力不足ということはないはずだ。前走のジャパンCでは大きく負けたが、もともとこの馬は上がりが極端に速い瞬発力勝負になると、後方から競馬をするという脚質なので、どうしても追い込みきれない。G2G3でもそういう流れで負けているのだからG1では手も足も出なかったということになる。しかし、上がりが少しかかるような速い流れになれば、この馬の末脚が生きるはずである。そういう展開になれば天皇賞秋のようにチャンスは出てくるはずである。
消し 前々走の天皇賞秋で2着していることをどう考えるかであるが、G1でも2着3着なら「まぐれ」ということもあるだけに、天皇賞秋で好走したからといって「強い」と認めていいかどうか微妙である。前走のジャパンCでは結局掲示板にも載れなかったわけだし、やはり「まぐれ」だったと考えるべきかもしれない。あるいは、この馬には距離が長すぎたということもあるかもしれないわけで、だとすればさらに距離が延びるのは大きなマイナスということになる。後方からレースを進める馬なので、前走はスローの展開で持ち味を生かせなかったという考え方もできるが、中山2500mで速い流れを期待するのもちょっと難しいのではないか。新潟記念、オールカマーで負けていることを考えれば、ムラがあるタイプという感じもして安定度という点でも不安がある。
ダイワメジャー
(牡5・安藤勝57)
買い H18天皇賞秋1着、H18マイルCS1着、H18毎日王冠1着、H17マイルCS2着、H16皐月賞1着など。
今年の秋は絶好調である。毎日王冠、天皇賞秋、マイルCSとかなりの強者が揃った大レースで3連勝したのだから、今が絶頂期と考えていいだろう。この3戦とも先行して早めに抜け出し、後続の馬が迫ってくると、さらに一伸びして、最後は同じ脚色あるいは差し返すというのだから着差以上に強い競馬といえる。スタミナも要求される天皇賞秋を勝っているのだから、2500mでも距離が長いということはないのではないか。先行脚質なので安定した走りを期待できるということもある。それに、ディープインパクトとはまったく違うタイプということもあるし、今のディープインパクトに勝てる馬とすれば、3連勝中のこの馬しかないという考え方はできる。皐月賞を勝っているのだから中山コースの適性も高いといえるし、安藤勝騎手との相性もかなり良さそうだから、G1-3連勝も十分にあり得る。
消し 今回の最大の不安はやはり2500mという距離である。ふつうに考えてマイルのG1を勝っているということは、マイル適性が高いということになるわけだから、2500mはこの馬には長すぎるということになる。天皇賞秋も勝っているので2000mがベストということもあり得るが、それでもマイルでも対応できるということは、距離の守備範囲は2400mがぎりぎりとなるのではないか。2400mと2500mは近いようでスタミナの必要度が大きく異なるものだけに、やっぱりこの距離はこの馬には厳しいと思う。先行して押し切るというレーススタイルも長距離戦では瞬発力勝負になりやすいだけに長距離戦では通用しないかもしれない。上がりがかかる展開に自ら持ち込めば、この馬自身のスタミナを消耗することになるし、長距離戦でそんな思い切ったこともできないだろう。
ディープインパクト
(牡4・武豊57)
買い H18ジャパンC1着、H18宝塚記念1着、H18天皇賞春1着、H17皐月賞1着、H17ダービー1着、H17菊花賞1着など。
なんと言っても昨年の無敗の3冠馬である。3戦とも他を寄せ付けない圧勝で決めていることからしても、当然に歴史に残るスパーホースであると言っていい。初めての古馬戦となった有馬記念は2着に敗れたものの、今年の天皇賞春では、3200mという長距離レースにもかかわらず、ほぼ最後方の位置から3コーナーで仕掛けて、直線入り口ではすでに先頭に立ち、そこからさらに着差を広げるというのだから、あまりに常識を逸脱しているパフォーマンスを見せた。宝塚記念も道悪にもかかわらず4馬身差という圧勝を演じているし、この馬の強さには驚愕するしかない。日本の期待を背負って挑んだ凱旋門賞は3位入線に終わったが、それでも世界の強豪を相手に好勝負したことに変わりはない。遠征帰りとなった前走のジャパンCもスローの展開にもかかわらず最後方から上がり33.5という豪脚で完封して、改めてそのポテンシャルの高さを見せつけた。今回がラストランということになるが、基本的には死角はないということになるだろう。今までのような圧勝で最後を飾ってほしいものである。
消し 昨年のこのレースで2着に負けているというのは気になるところである。いつものような豪快な走りが見られなかっただけに、今回だって分からない。中山2500mが合わないということかもしれないし、寒い時期は走らないということかもしれない。とにかく昨年凡走しているのだから今年も凡走に終わるということも十分に考えられる。前走のジャパンCも見た目にはそれほど迫力を感じなかったし、遠征帰りの疲れが見え隠れしたような感じもあった。遠征帰りで好走すると、2戦目にはその反動が出ることもあり、タイキシャトルですら引退レースは3着に負けている。そういう意味では負けても不思議ない材料はいくつかあるとはいえる。凱旋門賞を含めて2度負けているのだから、絶対ということはないはずだ。馬券的にもあまりにオッズが低いのでリスクがかえって高いといえる。
デルタブルース
(牡5・岩田57)
買い H18メルボルンC1着、H16菊花賞1着、H17ステイヤーズS1着。 前走のオーストラリア遠征で伝統のG1メルボルンCを制したというのは、とんでもない快挙である。日本でスランプが続いていたが、オーストラリアで完全復活を遂げたと言っていいだろう。海外帰りとはいえ勢いは感じるし、もともと菊花賞を勝ち、ジャパンCでも3着したことのある馬だけに、日本のG1でも通用するだけのものは間違いなく持っている。ステイヤーズSを勝っていることからもスタミナには絶対の自信を持っているし、ジャパンC3着の実績を考えればスピード能力もかなりのものである。前走は早め早めの競馬が功を奏したというか、そういう競馬の方がこの馬の良さが出るということだと思う。昨年のハーツクライのような積極的な競馬から早めに抜け出してそのまま押し切るというレースをすれば、ディープインパクトもうまく抑え込むことができるのではないか。
消し 前走メルボルンCを勝っているというのは、もちろん凄いことである。しかし、だからといって日本のG1でも勝てるかというと、それはまた別の話だと思う。やはり馬場の質の違いはあるし、同厩舎のポップロックが僅差の2着ということを考えれば、たまたま相手が弱かっただけということも考えられる。今年の春はスランプともいえるくらい結果を出せなかったし、有馬記念と天皇賞春は2桁着順というのだから日本のG1で巻き返すというのはけっこう厳しいのではないか。前走はスタミナにものを言わせて押し切ったという内容だっただけに、この馬は3000m以上のレースが合っているということではないか。2500mという距離はこの馬にはちょっと短いかもしれない。あとは海外帰りだけに目に見えない疲れが残っている可能性も十分に考えられる。
トウショウナイト
(牡5・武士沢57)
買い H18アルゼンチン共和国杯1着、H17京都記念2着、H17日経賞2着
前走のアルゼンチン共和国杯で念願の重賞制覇を成し遂げた。ハンデ57.5kgで勝ちきっておりポテンシャルが違ったと評価していいだろう。前々走も京都新聞杯で3着、その前はコスモバルクを相手に4馬身差圧勝を演じている。もともと昨年の天皇賞春で4着したほどの馬だけに、調子が上がってきた今であれば今回も十分に通用するはずだ。スタミナには絶対の自信を持っている馬であるし、今までのことを考えれば今回は無欲で挑めるだろうから、勢いがある馬であれば一発かますということも十分にありそうだ。
消し 前走重賞で勝っているとはいえ、ハンデ戦のアルゼンチン共和国杯だけに、G1の裏付けとしてはもう一つ物足りないものを感じる。京都大賞典では3着に負けているわけだし、G1で活躍する馬というよりは、G2G3で活躍する馬という印象が強い。オーソドックスな競馬をするタイプなので安定度はそこそこ高いといえるが、大きなレースではかえって一発の魅力がなくなるということもある。前走で初めて重賞を勝ったばかりという武士沢騎手が大舞台で平常心で挑めるかどうかという不安も小さくはない。勢いとか実績とかポイント的には悪くない感じはあるが、G1級の器の大きさみたいなものがもう一つだけに、さすがにこのメンバー相手では苦戦を強いられるのではないか。
トーセンシャナオー
(牡3・未定55)
買い H18セントライト記念1着
いちおうセントライト記念を勝っているのだから別定G2勝ちという実績は持っていることにはなる。このときは先行してそのまま押し切るという競馬をみせたが、2着に1馬身離したのだから、かなり強い競馬だったといえると思う。前々走の菊花賞は16着と惨敗に終わったが、距離が長すぎたと考えれば仕方なかったともいるし、前走のジャパンC9着は上がり33秒台の瞬発力勝負になってしまったのがこの馬には痛かったという考え方はできる。まだ3歳ということを考えれば、まだまだ底を見せていないといえるし、さらに成長していることだってあり得る。最後の世代のサンデーサイレンス産駒ということもあるし、この大舞台で血が騒ぐということもあるかもしれない。
消し 実績がセントライト記念だけというのはさすがに物足りないものを感じてしまう。菊花賞で16着、ジャパンCで9着というのも負けすぎといえるし、G1級の実力を持っているとはちょっと考えづらい。セントライト記念も単にレベルが低かっただけと考えるべきだろうし、他にこの馬が好走するかもしれないという材料も見あたらない。まして今回は古馬が相手となるわけだし、世界の強豪も参戦してくることを考えれば、巻き返しを期待するのはあまりに酷である。先行脚質なので決め手が鋭いというわけでもなく、展開による一発というのも期待できない。
ドリームパスポート
(牡3・内田博55)
買い H18菊花賞2着、H18ジャパンC2着、H18神戸新聞杯1着、H18皐月賞2着など。
G1を4度走って1つも勝っていないとはいえ、2着3回、3着1回という結果はこの馬の能力の高さの証明としては十分なものである。特に前走のジャパンCで古馬初対戦だったにもかかわらず、欧州最強牝馬ウィジャボードに先着したのだから高い評価をしていいと思う。菊花賞で上がり33秒台で走っているのだから、2500mで距離が長いということもないはずだし、皐月賞2着だから中山コースも問題ないはずである。春は後方からの競馬しかできなかったが、菊花賞とジャパンCでは中団から競馬ができているように、どんな展開にも対応できるようになっている。これまでに3着を外したことがないという安定度も大きな魅力であるし、上がり33秒台で走れる決め手もかなり優秀である。G1を勝っていないことで「抜けて強い」という感じはしないものの、ここまで高いレベルでマイナス要素が少ない馬というのもめずらしい。鞍上が毎回のように替わっているのに結果を出しているということは、それだけ扱いやすいということだと思う。ディープインパクトを力でねじ伏せるというのは厳しいかもしれないが、相手が自滅するということもあり得るし、陣営としてはそれ以外の馬には負けられないという気持ちが強いはずである。
消し これまでの戦績は立派だとは思うが、それでもG1を勝っていないというのは事実である。G1でいくら好走していても、G1を勝っていないということで、どうしても格不足というか、強さがもう一つというか、絶対的な強さが感じられないということになってしまう。切れ味鋭い瞬発力で勝負するタイプなので、この馬の距離適性は2000〜2400mという感じもする。菊花賞では3歳限定にもかかわらず負け、ジャパンCでは古馬相手でも2着したということは、距離短縮がこの馬には良かったということかもしれない。だとすれば、東京2400mよりも中山2500mはスタミナが必要なだけに、この馬には大きなマイナスということも考えられる。鞍上が定まらないというのも、やっぱり不安といえ、名手内田博騎手とはいえ相性とかもあるだろうから、この馬をきっちりとコントロールできるかどうか分からない。菊花賞、ジャパンCと激しいレースをしてきているだけに、そろそろ疲れが出てもいい頃である。ディープインパクトには力の違いを見せつけられただけに、逆転は難しそうだし、今回はオーストラリア帰りの2頭が参戦してくるだけに、ジャパンCで2着しているからといって安泰とはいえない。
ポップロック
(牡5・ペリエ57)
買い H18メルボルンC2着、H18目黒記念1着。
前走のオーストラリア遠征で伝統のG1メルボルンCで2着という結果を残しているというのはかなり凄いことである。このとき勝ったのが同じ厩舎のデルタブルースであるが、後方からかなり追いつめてタイム差なしの勝負だったのだから、実力は同等と考えていいだろう。この馬は春に1000万を連勝して、その勢いで重賞の目黒記念を制しており、今年に入ってからの活躍はめざましいものがある。急成長を遂げていることは間違いなく、さらに進化している可能性も十分である。スタミナがあるので距離2500mは望むところだろうし、決め手もけっこうしっかりしている。鞍上がペリエというのも不気味であり、一発あっても不思議はない存在である。
消し 前走のメルボルンCで2着していることはもちろん凄いことであるが、タイムが21秒台だったということを考えても、時計のかかるスタミナ重視の馬場だったのがこの馬には良かったようにも感じる。つまり、日本のような高速馬場でこの馬の持ち味が生きるかどうか分からないということである。実際、日本の重賞では目黒記念を勝っただけで、他に日本の重賞の経験がないだけに、日本のG1で通用するかどうかは分からない。前走は3200mの距離が良かったとすれば、2500mはこの馬には少し短いということも考えられる。前走も結局は日本のデルタブルースに負けているわけだし、そのデルタブルースも日本では頭打ちの状態だったことからすれば、日本のG1の方がレベルが高いということも十分にあり得る。
メイショウサムソン
(牡3・石橋守57)
買い H18皐月賞1着、日本ダービー1着。
クラシックで2冠を獲ったという実績は歴史的にみても凄いことである。皐月賞、ダービーともに完勝といえる内容だっただけに、まぐれということはあり得ず、この馬のポテンシャルは半端ではないと考えていい。好位からの競馬を得意としており、直線ではじわりじわりと前の馬を交わし、後方から馬がくるともう一伸びするという根性ある競馬をするタイプである。そういう意味では瞬発力勝負となった菊花賞とジャパンCはこの馬には合わない流れだったといえ、負けたからといって悲観することはないと思う。中山2500mであれば、上がりが33秒台の勝負ということにはなりづらいだろうから、今回はこの馬に合った流れになるのではないか。直線が短いというのも大きなプラスと考えていいだろう。叩き合いになればかなりの強さを発揮するだけに、この馬の向きの流れにさえなれば巻き返しは十分に考えられる。
消し 菊花賞で4着、ジャパンCで6着ということを考えると、さすがに底を見せてしまったかなあとどうしても思ってしまう。皐月賞もそれほど人気があったわけでもなかったし、ダービーも稍重馬場に助けられたという感じもあっただけに、2冠を制したとはいえ、「強い」という印象がもう一つだったということも否めない。ここ2戦は上がり33秒台の瞬発力勝負に対応できなかったということもいえるが、今回も逃げ馬不在という状況を考えれば、速い流れになる可能性は低いのではないか。となれば、またスローの展開からの瞬発力勝負になるということであり、ここ2戦と同じように負けるということも考えられる。菊花賞の感じだと中距離適性の方が高いような感じもあり、2500mという距離はこの馬にはちょっと長い感じもする。

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