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G1-天皇賞・春の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
レース
レース前からディープインパクト一色の状況だったが、レース中もレース後もディープインパクトがすべてというレースだったと思う。これではレース回顧も何もない。ディープインパクトが凄かったということがすべてである。
馬券
強いて言うのであれば、もっと速い流れでレースが進んでほしかったとは思う。私の馬券はスタミナに自信のあるタイプを中心に買っていたので、上がり33〜34秒台となってはあまりに厳しかった。そういう意味では展開の読みが甘かったし、ちょっと先行馬に積極性に欠けたかなあという気持ちはある。でもまあ、スローということも少しは頭にあったし、マッキーマックスの瞬発力であればなんとかなるという気持ちもあったので、それでこの結果ならば素直に負けを認めるしかないだろう。今回はそれなりに納得の負け方だった。
ディープインパクト
いつもどおりに出遅れて後方からの競馬となったものの、慌てず騒がずのんびりと追走し、3コーナーで前の集団がスローダウンしたときに、リズムを崩さないことを優先させてそのまま先行集団を呑み込んでしまい、4コーナーでは単独先頭というとんでもない競馬をした。ふつうこんな強引な競馬をすれば、ゴール前では失速するものであり、結果的に勝つにしてもぎりぎりの勝負となるものである。それなのに、この馬は直線でも他を寄せ付けず、最後は3馬身以上の差をつけての圧勝だから、レベルが違いすぎるとしか言いようがない。3200mで上がり33.5というのも驚きであるが、それよりも上がり4Fで44.8というのが凄すぎる。3200mでこんなタイムを叩き出すなんて私の常識を遥かに超えたパフォーマンスである。この強さなら世界でも通用するのではないか。ぜひともキングジョージと凱旋門賞に参戦してほしいと思う。
リンカーン
横山典騎手としては完璧なレース運びだったと思う。昨年の菊花賞のアドマイヤジャパンでも好騎乗を見せたが、長距離レースでの手綱捌きはさすがである。今回も上がり33.7という末脚を引き出したのだから、馬への負担を最小限に抑えたということになる。3着馬には5馬身という圧倒的な差をつけたのだから、この馬も本当に強い競馬をしたと思う。それなのに、3馬身前にもう1頭いたというのは不運としか言いようがない。でも、この馬も本当に強くなったと思う。ハーツクライとディープインパクトが海外に行くのであれば、宝塚記念以降はこの馬にチャンスが広がるのではないか。
ストラタジェム
リンカーンに5馬身差だから評価が難しい。単なる善戦マンという感じもするが、G1で3着したのだからそれなりに評価してあげないといけないだろう。ただ、3200mでの結果なので、今後2500m以内の重賞でも同じような走りができるかどうかは分からない。勝ちきれないという詰めの甘さは感じるし、次の重賞では人気を背負って負けるということもあるかもしれない。
アイホッパー
前走の阪神大賞典の結果がいまいちだっただけに、よくここまで盛り返してきたな、という印象を持った。こういうスローからの瞬発力勝負というのもこの馬には合っているということかもしれない。昨年の3着馬らしい良い走りだったと思う。
トウカイカムカム
オープン特別を勝ったばかりということを考えれば、よく走っていると言っていいだろう。上位陣にはちょっと離されすぎという感じもするので、次の重賞でも有力視していいかどうかは微妙であるが、G1で掲示板に載ったのだからそれだけのポテンシャルはあるということは確かだと思うので、次からも注意は必要だと思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-天皇賞・春の予想
結論

◎ディープインパクト
○マッキーマックス
 ▲トウカイトリック
 △リンカーン
  △シルクフェイマス
  △ファストタテヤマ
  △デルタブルース
   △ハイフレンドトライ

買い目(3連複) 合計7,000円
  2-7固定--5,11(各2,000円)小計4,000円
  2-7固定--9,13,15(各500円)小計1,500円
  2-4-7(300円)
  2-7固定--1,12,14(各200円)小計600円
  2-7固定--3,6,8,10,16,17(各100円)小計600円
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はディープインパクトである
言わずと知れた昨年の3冠馬なのだから多くを語ることもないだろう。3冠のレースではすべて圧勝だったことからも、この馬が歴史的にみても凄いことは明白である。昨年の有馬記念では敗れたが、そのとき先着したハーツクライがドバイで圧勝したことを考えれば、有馬記念2着を不安材料にすることはまったくない。さらに、前走の阪神大賞典ではハイペースで他のメンバーが失速する中で、この馬だけがペースを落とすことなく、楽々と走りきってしまった。あの内容をみせられては、距離が長い方がかえって良いくらいで、ここで負けるということはほとんど考えられない。「競馬に絶対はない」とよく言うように、圧倒的1人気が不可解な負け方をすることはよくあるので、この馬が仮に負けたとしてもそれほど驚かないとは思うが、それでも予想の段階でこの馬が負けるということは想定しづらく、今回は素直にこの馬を評価することにした。
対抗○はマッキーマックスである。
ディープインパクトは別格として、今回私が大きな期待を寄せているのはこの馬である。ダイヤモンドSの走りを見て私としてはかなりの衝撃を受けた。ラップタイムなど見ていなかったので、この馬が直線であっという間に抜け出し他を引き離すというパフォーマンスを見たときに、超スローの展開からの上がりだけの競馬になったのでは、軽量で瞬発力のある馬が有利だよな、と思ってしまった。しかし、あとから確認すると、ペースはけっこう速いもので、上がりもそれなりにかかっていたというスタミナ重視のレースだったのをあとから知って驚いた。スタミナ勝負となった場合、瞬間的に抜けてくるというシーンはほとんど見られないものである。ところが、マッキーマックスはそういう走りを見せた。ということは、あの速い流れでもマッキーは「速い」とは感じておらず、だから直線でもばてることなく加速したということになる。しかも、4コーナーで大きな不利を受けてのこのパフォーマンスは、レベルが違うと私には感じられた。私としては、もうこの時から天皇賞春では重い印をつけようと思っていた。ただ、ハンデ54kgだったということも事実であり、だからあの走りができたのかもしれない、という気持ちももちろんあった。でも、続く大阪杯で2000m戦だったにもかかわらず2着にきてスピード能力があることも見せてくれて、別定G2でも結果を残してくれた。阪神大賞典がかなり激しいレースだったことを考えれば、本番前の叩き台として2000mを選択したのも正解といえ、臨戦過程としては申し分ないと思う。私の中では、スタミナ・スピードともにレベルの高いものを持っていると思っており、ここはディープインパクト以外には負けてほしくない気持ちが強く、ここは思い切ってこの馬と心中する馬券で勝負することにした。とはいえ、馬連1点というのもかなり恐かったし、実はワイド1点というのも考えた。でも、3倍くらいのオッズだと大きく勝負しないといけなくなるし、そんなことを考えているうちに、2頭固定の3連複が高配当も狙えて、意外においしいかもしれない、ということになってしまい、2頭の固定の3連複で勝負することにした。ディープインパクトに4着以下に負けて、マッキーマックスが1着か2着という結果になれば悔いが残るかもしれないが、マッキーマックスが4着以下に負けて馬券が外れるということであれば、今回は「仕方なし」と開き直っての勝負である。
単穴▲はトウカイトリックである。
前走の阪神大賞典はかなりすばらしい走りだった。長距離レースをハイペースで逃げて、ディープインパクトは別格として、3着以下は直線で逆に引き離すのだから、この馬のスタミナは本当に半端ではない。私はこういうスタミナタイプはかなり好みなだけに、今回もそういうレースをぜひ見せてほしい。阪神大賞典のようなペースとなれば、中距離でしか実績のない馬は必ずばてると私は思う。再びこの馬が直線で後続を引き離すというレースをぜひとも見せてほしい。もちろん、ディープとマッキーだけが悠々と抜いていくというシーンをイメージしているけど。
4番手×はリンカーンである。
これまでも安定してG1でも実績を残しているだけに、どうしても軽視することはできない。個人的には3000m以上の距離はこの馬に合っていないような感じを受けているのであるが、今回のメンバー構成であれば、ディープ以外にはさすがに負けないかもしれないという気持ちもあり、いちおうこの評価にした。
5番手△はシルクフェイマスである。
これでも昨年の1人気である。一昨年は3着という実績を残したし、一昨年の有馬記念ではスタミナも要求されるハイレベルなレースで3着しており、ポテンシャルはかなり高いと私は判断している。適性距離としてはさすがに少し長いかなという感じもするが、マーベラスサンデー産駒なのでスタミナも意外にあると踏んで、この評価にした。人気もないし、面白い存在だと私は思う。
6番手△はファストタテヤマである。
この馬に関してはあまり深くは考えなかった。近走をみた限りではさすがにここでは無理かなと正直思っている。でも「一発あるとすれば」と考えた時に、トウカイトリックのハイペースを前提に考えると、後方からの追い込み馬の方が一発の可能性を秘めると考え、京都コースを得意とし、ダンスインザダーク産駒という長距離適性も考慮して、この馬をこの評価にしてみた。
7番手△はデルタブルースである。
菊花賞を勝っているようにスタミナはあるのだろうし、一昨年のJCで3着だからスピード能力もあると考えていい。でも、前走の阪神大賞典ではトウカイトリックに直線で逆に離されたし、ステイヤーズSも僅差だったことからすれば、この馬は本質的にはステイヤーではないのではないか、と思えてしまう。ここ数戦の走りに勢いも感じなかったし、私は押さえまでの評価にさせてもらった。
8番手△はハイフレンドトライである。
これまでの実績からいってG1ではさすがに役不足だとは思っているが、究極のスタミナ勝負になったときは、この馬のスタミナが生きてしまうのではないか、という考えが少しよぎった。最初から掲示板狙いということは、先行策ではなく後方からの勝負になるのだろうし、先行集団が総崩れとなり、後方に位置した中距離馬が伸びないとなれば、いつのまにかこの馬が3着ということもあるかなと考えた。なので、この馬だけ200円買うことにした。
正直なところは、それ以外の馬には出番はないだろうと思っている。でも、3200m戦は何が起きるか分からないし、流れ一つで形勢は変わってくるということも考えると、念のため総流しをかけておいた方が無難という判断をしてしまった。
まあ、こんなところです。

G1-天皇賞・春

ディープインパクト
(牡4・武豊58)
買い H17皐月賞1着、H17ダービー1着、H17菊花賞1着など。 なんと言っても無敗の3冠馬である。もうすでに歴史に残る名馬といえる存在だけに、ここで能力不足ということはあるはずがない。皐月賞とダービーはともに圧勝、菊花賞も1コーナーで掛かりながら最後は上がり33秒台という信じられない末脚できっちりと差し切り勝ちと、内容も半端でなく強かった。有馬記念ではハーツクライにまさかの敗戦を喫したが、ハーツクライが後にドバイで圧勝したことを考えれば、相手も半端でなく強かったということであり、この馬の評価を下げる材料にはなり得ない。前走の阪神大賞典でも持ったままで圧勝しており、昨年よりもさらに成長していると思われる走りをみせた。阪神大賞典では1頭だけばてていなかったことからすれば、距離延長はかえってプラスという考え方もできるし、ハーツクライやゼンノロブロイがいないこのメンバー構成であれば、再び持ったままで圧勝ということもあるのではないか。
消し これまでの戦績からすれば、マイナスといえるマイナスはほとんどないとは言えるだけに、この馬のマイナスを探すのは大変なことではある。その中で敢えて言うとすれば、まずは気性だろう。菊花賞では1コーナーまでかなり行きたがったように、ゆっくりの流れだと掛かる可能性がある。安定して結果を出す馬というのは基本的に気性が素直であることが多いが、この馬はどちらかといえば激しい気性の持ち主であり、長丁場を走るうえでは危険をはらんでいるというか、一歩間違えれば暴走という状況もあるかもしれない。次に体調である。有馬記念で本来の走りを見せられなかったように、調子が良いようにみえて、思ったように動かないというか、実力を出し切れないということもあるかもしれない。特に気性の難しい馬は、気分が乗らないと走らないとか、自分で走りをやめるとか、そういうこともあるだけに、この馬だって分からない。
トウカイトリック
(牡4・芹沢純58)
買い H18阪神大賞典2着。 前走の阪神大賞典の走りはけっこう凄かった。3000mという距離にもかかわらず、けっこう速い流れを作っての逃げを打ち、ディープインパクトには力の違いを見せつけられたとはいえ、きっちりと2着には残ったのだから、この馬のスタミナは半端ではない。3着以下の馬が直線で逆に引き離されていたいたことも考えれば、3200mに距離が延びるのは大きなプラスといえるし、前走と同じ戦法をとれば、この馬についてこれる馬はいないのではないか。勢いもかなり感じるし、4歳という若さからさらなる成長も見込める。ディープインパクトだって3200mとなるとスタミナ面で絶対的とは言えないだろうし、自分の競馬に徹すれば自然と勲章が転がり込んでくるということも十分にあり得る。
消し 前走の阪神大賞典の走りはそれなりに評価できるが、稍重馬場だったこともあると思うし、相手もディープインパクトばかり気にして、この馬のマークが甘くなったということもあると思う。つまりは、いろんな意味で恵まれたということはあるはずだ。今回は京都コースになることで、瞬発力のある馬の方が有利になるということもあるだろうし、良馬場だとスピード不足で相手にしてもらえないということもあるかもしれない。それに、もともとスタートの良い馬ではないので、前走のようにうまく逃げることができないということも考えられ、そうなると決め手があるタイプではないだけに、一気に苦しくなる。G1級の器という点でも疑問が残るし、さすがにこの大舞台では通用しないかもしれない。
デルタブルース
(牡5・岩田58)
買い H16菊花賞1着、H17ステイヤーズS1着。 一昨年の菊花賞を早めに先頭に立ちそのまま押し切るという強い内容で勝ち、続くジャパンCでも3着、そして有馬記念でも5着という実績からも、G1級の能力は間違いないといえる。何よりも3000mのG1である菊花賞を勝っているということが今回においては最大の魅力であり、中距離でしか結果を残してない馬よりはスタミナの面で信用できることになる。もちろん、ジャパンCで3着したこともあるのだからスピード能力が高いことも明らかであり、スタミナだけのタイプではない。前走の阪神大賞典も3着なら叩き台としては上々といえるし、本番に向けての調整としては悪くはないと思われる。菊花賞を勝った京都コースに替わるのもこの馬にはプラスだろうし、すでにG1を勝っているという器の大きさも考えれば、巻き返しは十分にあり得る。
消し 一昨年の菊花賞を勝っているとはいえ、レースレベルはそれほどでもなかった感じがするだけに、古馬G1を勝ちきるだけの実力を持っているかどうか、ちょっとあやしい。一昨年のジャパンCではゼンノロブロイに3馬身差離されたし、有馬記念では5着に沈んだ。期待された昨年はアルゼンチン共和国杯で5着に負け、ステイヤーズSは勝ったもののエルノヴァにやっと勝ったという内容だったし、有馬記念も惨敗に終わっただけに、ちょっとG1では底を見せつつあるような感じも受ける。前走の阪神大賞典では逃げたトウカイトリックに最後は離され気味だっただけに、本当の意味でのスタミナは持っていないのかもしれない。勢いとしてもいまいちと言わざる得ないし、ステイヤーズSでエルノヴァをつき離せなかったことからすれば、決め手もそれほどあるタイプではないと思われる。
リンカーン
(牡6・横山典58)
買い H18日経賞1着、H17京都大賞典1着、H16阪神大賞典1着、H15有馬記念2着、H15菊花賞2着。 前走の日経賞で力の違いを見せつける横綱相撲で完勝した。スローの展開をきっちりと折り合い、直線では他を引き離すだけだったのだから本当に強い勝ち方だった。昨年のG1でもジャパンCで4着、有馬記念で3着とそれなりの結果を出しており、G1級の能力は間違いない。菊花賞で2着という実績もあるのだから距離3200mもこの馬としては望むところだろう。自在性のある脚質なので、どんな展開にも対応できるだろうし、横山典騎手なら折り合いの心配もないだろう。勢いは十分に感じるし、これまでの実績も申し分ないだけに、そろそろこの馬にG1勝ちの順番がきてもいい頃かもしれない。
消し これまでG1で何度か2着3着という結果を残しているが、いずれも勝ち馬には完敗という内容だっただけに、どうしてもG1ではワンパンチ足りないというか、底力が足りないというか、つまりは絶対的な強さみたいなものが伝わってこなかった。安定度はそれなりに期待できるようにも感じるが、一昨年の天皇賞春で1人気に推されながら惨敗を喫したこともあるように、時として大きく崩れることもあるだけに、気性的にはけっこう難しい馬かもしれない。となると、距離3200mというのもこの馬には少し長いという考え方もでき、ベスト距離は2400〜2500mかもしれない。前走の日経賞は完勝したとはいえ、相手関係を考えればG1の裏付けとしてはちょっと物足りない感じもするし、良くて4着5着という感じがしないでもない。
ストラタジェム
(牡5・ボス58)
買い H18日経賞2着。 前走の日経賞で2着したことは大きい。条件戦でも勝ちきれないレースが続いたが、重賞でも通用する能力を持っていることを証明したといえる。もともと休み明けで菊花賞5着とか、日経新春杯で3着とか、素質の高さは見せていただけに、ここにきてようやく本格化したと言っていいかもしれない。あるいは、こういうタイプは流れが厳しい方が流れに乗れてレースがしやすいのかもしれない。休み明けの菊花賞で5着するくらいだからスタミナはかなりあると思われるし、距離3200mで大爆発ということも十分に考えられる。前走の走りからも決め手はけっこう鋭いし、京都コースだとさらに威力が増すかもしれない。
消し これまでの最高実績が前走の日経賞2着というのはG1を戦うことを考えると、少し物足りないものを感じずにはいられない。前々走は準オープンで負けているということも考えれば、前走の走りもフロックであって、実力としてはもっと下ということも十分にあり得る。相手なりに走るタイプということかもしれないが、G1だとレベルが一気に上がるだけに、重賞を勝ちきれる実力がないと馬券圏内も難しいだけに、G2で好走できてもG1ではそうはうまくはいかないと思われる。菊花賞で5着だから3000m以上の距離の判断は難しいが、ムラがある感じもするだけに、距離延長はマイナスということも十分に考えられる。
マッキーマックス
(牡6・藤田58)
買い H18ダイヤモンドS1着、H18大阪杯2着。 前々走のダイヤモンドSを勝ちきったのは大きな実績である。3400mの重賞を勝ったということはもちろんであるが、平均ペースの流れで最後の直線もけっこう上がりがかかるという過酷なレースで、1頭だけ「力が違う」とばかりに一気に突き抜けたのだから、この馬のスタミナはかなりのものである。しかも、4コーナーで大きな不利を受けていたことも考えると、この馬のステイヤーとしてのポテンシャルは半端でないかもしれない。前走の大阪杯でも2着だからスピード能力もけっこう高いといえるし、決め手もかなりのものである。ここにきての勢いもかなり感じるし、3200mという距離であればG1でも十分に通用すると思われる。
消し 前々走のダイヤモンSを勝ったといっても、しょせんハンデのG3戦だっただけに、G1の裏付けとしては物足りないというか疑問が残るだけに、さすがにG1では通用しないのではないかという不安は小さくはない。前走の大阪杯も結局は2着に負けているわけで、G2でも勝ちきれなかったわけだし、道悪でスタミナのある馬が有利という状況で負けたというのも底を見せた感じがする。ダイヤモンドSは斤量に恵まれたということもあったし、その前の万葉Sではぶつけられてカッときて暴走したというように気性的にもろいところもある。前走の大阪杯も2000mだったにもかかわらず折り合いに専念したというのだから、この馬の気性の激しさはけっこうなものである。流れが厳しくなるG1において、こういう気性は諸刃の剣となるわけだし、一歩間違えれば惨敗のリスクもかなりあると思われる。
アイホッパー
(牡6・福永58)
買い H17阪神大賞典2着、H17万葉S1着。 昨年のこのレースで3着したという実績が光る。昨年は万葉S1着、阪神大賞典2着と3000m以上のレースで結果を残しての参戦だったが、G1でも3着したことでステイヤーとしての資質の高さを証明したといっていい。昨年秋はオーストラリアに遠征し、G1で2着という実績を残したことからも、G1級の能力は間違いないだろう。前走の阪神大賞典は6着に敗れたが、遠征帰りと休養明けということを考えれば、初戦から走れるものではないだろう。一叩きされた上積みは大きいだろうし、一変する可能性は十分である。スタミナには絶対の自信を持つタイプでもあるし、スタミナ勝負の展開になれば台頭してきても不思議のない存在といえる。
消し 前走の阪神大賞典で6着というのはさすがに負けすぎという感じがする。休み明けだったのは確かではあるが、それでもG1で好走しようというのであれば、前哨戦で最低でも掲示板に入るとか、ディープインパクトは別格としても2着馬に1秒以内のタイム差とかでないと巻き返しは難しいのではないか。昨年3着といっても絶好調で挑んでの結果だけに、それ以上の結果を求めるのは酷という考え方もできる。まだ重賞未勝利というのも事実だし、昨年の阪神大賞典で2着とはいえ中距離で活躍したマイソールサウンドに負けたレベルだからG1の器ではないということかもしれない。
ビッグゴールド
(牡8・和田58)
買い H17天皇賞春2着、H17大阪城S1着、H17大阪ハンブルクC1着、H14中山金杯1着など。 昨年のこのレースで2着しているという実績は大きなものである。これまでで最高の結果を残してたのだから距離・コースともベストと考えていいだろう。それに、このときはスタートからハナにたったものの途中でシルクフェイマスが暴走するというアクシデントがあって苦しい展開だったにもかかわらず、4コーナー手前から再び先頭に出てそのまま押し切ったのだから、かなり強い内容だったと思う。トウカイトリックの出方にもよるだろうが、単騎で逃げることができれば、この馬にとっては有利な展開に持っていけるだろうし、トウカイトリックにハナを奪われても、離れた2番手で折り合えれば逃げていることをそれほど変わらないだろう。この距離だと有力馬にも絶対はないだろうし、自分の走りに徹することさえできればチャンスが転がり込んでくるということもあるだろう。
消し 昨年の天皇賞春で2着とはいえ、その後はこれといった結果を残していないだけにフロック視されても仕方ないところがある。特に昨年はシルクフェイマスが1人気だったように、レースレベルが高かったとは思えない。それに、なんだかんだで自分のペースで先行できたという展開がこの馬に合っていたということもいえると思う。近走もこれといった結果は残していないし、年齢的にもかなりきている。勢いという点でもマイナスに感じる。トウカイトリックが阪神大賞典の時のような大逃げをするようだと、この馬には展開的に苦しくなるし、無理にハナを奪えば自滅するということにもなりかねない。G1級の器の大きさを感じるタイプでもないし、2年連続で好走できるほどの器ではないのではないか。
アドマイヤモナーク
(牡5・四位58)
買い 前走準オープンを完勝しており勢いはかなり感じる。3走前の万葉Sでは0.1秒差の2着という実績もあり、スタミナ勝負を得意としている馬でもある。3200mに距離が延長するのはもちろんプラスだろう。万葉SではダイアモンドSを勝ったマッキーマックスに先着したわけだし、前々走は日経賞で2着したストラタジェムに先着したのだから、この馬だってチャンスは十分という考え方はできる。安定したレース運びをする馬で、どんな展開にも対応できそうなのも魅力であり、他の馬が流れに乗れないようだと、この馬が台頭してくることになるのではないか。京都コースで6連対だからコース相性はかなり良いといえるし、何があっても不思議のない3200m戦であれば一発あってもいいだろう。
消し 前走準オープンを勝ったばかりという実績でG1を好走するというのはかなり難しいことである。前走を勝つまでは3戦連続で2着だから安定度はあるとは思うが、勝ちきれない勝負弱さというか、決め手不足みたいなものも感じられるだけに、G1で一発というのは厳しい感じがする。3200mという距離もこの馬に必ずプラスとなるとは限らないだろうし、万葉Sで2着に負けていることからすれば、3000m以上の距離でも底を見せてしまっているともいえる。もしかしたらと思えるような武器というか大きな魅力も見あたらないし、ここはさすがに苦戦を強いられそうだ。
シルクフェイマス
(牡7・柴田善58)
買い H18AJC杯1着、H16宝塚記念2着、H16京都記念1着、H16日経新春杯1着。 一昨年のG1では、天皇賞春3着、宝塚記念2着、有馬記念3着というハイレベルな実績を残した。このとき先着したのが全盛期のタップダンスシチーとゼンノロブロイだったのだから、この馬も十分にG1級の能力を持っていると考えていいはずだ。昨年はこの馬らしい走りが見られなかったが、今年に入ってからは苦手の道悪だったにもかかわらずAJC杯で久々の重賞制覇を果たし、前走の大阪杯も道悪だったことを考えれば4着でも高い評価が必要である。一昨年は3着しているのだから距離が長いということもないし、適性はそれなりに高いと考えていい。ポテンシャルが高いのは明らかなだけに、この大一番で復活劇を演じるということも十分にあり得る。
消し 一昨年はすばらしい走りを見せてくれたが、昨年はそれが嘘のように凡走ばかりだった。急成長を遂げた馬というのはピークが短いというケースもあり、この馬もピークが過ぎたということかもしれない。今年はAJC杯を勝つなど、昨年よりはましという感じはするが、それでも全盛だった一昨年に比べると、走り・結果ともに物足りないものを感じてしまうだけに、一昨年のような走りを期待するのは難しいのではないか。本質的には中距離馬という感じもするので、3200mという距離もこの馬には長いように感じる。決め手が鋭いというタイプでもないので、それなりに頑張っても決め手のある馬に一気に交わされるということにもなりそうだ。
ナリタセンチュリー
(牡7・田島裕58)
買い H16京都大賞典1着、H17京都記念1着。 なんといっても一昨年の京都大賞典の走りが凄かった。好位から完璧なレースをしたゼンノロブロイを後方の位置から直線だけで差し切るのだからこの馬の末脚は半端ではない。その後は天皇賞秋とジャパンCで敗れたが、内容としてはそれほど悪くはなかっただけに、あの走りだけで評価を落とすのはかわいそうである。それに、京都記念では再び勝ちきっていることからすれば、この馬は京都コースで走りが変わるということは十分に考えられ、京都コースというのは大きなプラスといえる。1年以上の休み明けとなるが、ゼンノロブロイに先着したこともある馬で能力としては通用してもおかしくはないだけに、仕上がり万全の状態であれば、いきなり好走しても不思議はない。
消し さすがに14ヶ月の休み明けというのは間隔としては開きすぎだろう。私が記憶している限りでは長期休養明けでG1を勝ったのは有馬記念のトウカイテイオーくらいである。それでも12ヶ月だから14ヶ月というのはあまりに厳しいものだと思う。まして、トウカイテイオーはG1を3勝した大物であったが、この馬はG1では未だに馬券圏内にも入ったことがないというのだから、ここで過去最高の結果を残すというのはあまりに難しいと言わざる得ない。直線だけの競馬をするタイプなので、ステイヤーという感じもしない。3000m以上のレースの経験もないし、距離もこの馬には少し長いのではないか。
ハイフレンドトライ
(牡6・小林淳58)
買い 昨年の暮れのステイヤーズSから3000m以上のレースだけを走ったわけであるが、ステイヤーズS5着、万葉S4着、ダイヤモンドS4着、阪神大賞典4着と安定した結果を残している。特に重賞実績馬が揃った前走の阪神大賞典で4着できたというのは大きな実績であり、3000m以上のレースであれば実績馬相手でも通用することを証明したともいえる。とにかくスタミナには絶対の自信を持つ馬であり、距離は長ければ長いほどプラスとなるだけに、さらに距離が延びるのは大きなプラスだし、流れが厳しくなる方がスタミナが生きるので、かえってG1の方が戦いやすいかもしれない。
消し スタミナがあるのは確かだろうが、重賞で4着ばかりということからすれば、さすがに勝ちきるだけの実力まではないと判断していいのではないか。特に前走の阪神大賞典とダイヤモンドSではスタミナが生きる展開だったはずで、この馬には有利だったはずである。そこで勝馬どころか2着馬3着馬にも大きく離されているのだから、実力不足という結論しか見えてこない。決め手も重要となる京都コースに替わるのもこの馬にはきついと思うし、さらにメンバーは強くなるここで巻き返しというのはさすがに考えづらい。
トウカイカムカム
(牡5・幸58)
買い H18大阪ハンブルクC1着。 前走の大阪ハンブルクCを勝ったのは大きな実績である。準オープンの身で格上挑戦だったにもかかわらず勝ちきったということは、それだけ力が違ったということだと理解していいと思う。現在3連勝中という勢いも買える材料だし、前々走の1000万特別ではハンデ58kgで楽勝したということは、素質はかなり高いと見ていいかもしれない。2500mのオープンを勝ったのだからスタミナはかなり豊富だということだと思うし、距離延長は大きなプラスとなることも十分に考えられる。急成長中という感じがするので、さらに強くなっている可能性も十分だし、昨年2着のビッグゴールドは大阪ハンブルクCを勝った勢いで好走したということを忘れてはいけない。
消し 前走オープン特別を勝ったのは立派だとは思うが、しょせんオープン特別であり重賞ではない。G1で好走するということを考えれば、やはり重賞での実績が欲しいところであり、オープン特別までだと裏付けとしてはちょっと弱いと感じてしまう。それに、前走の大阪ハンブルクCはいかにもメンバーが弱かったという印象を受けただけに、レベルが低かったから勝つことができたと考えるべきではないか。距離延長もプラスかどうかは走らせてみないと分からないわけで、大きなマイナスということも考えられる。メンバーもこれまでにないくらい強くなっているし、ここでの好走を期待するのはさすがに酷かなという感じはする。
ローゼンクロイツ
(牡4・安藤勝58)
買い H18中京記念2着、H17毎日杯1着、H16ラジオたんぱ杯2歳S2着など。 昨年の菊花賞で3着したというのは大きな実績である。このときは、ディープインパクトに敗れたのは仕方ないにしても、アドマイヤジャパンはかなり思い切った先行策をとっていただけに、それを考えれば後方集団の中から伸びてきたという内容は高い評価をしていいと思う。菊花賞で3着だから距離は問題はないだろうし、京都コースも合っていると言っていいだろう。前走の大阪杯は5着に敗れたが、道悪で持ち味の切れ味を発揮できなかったと考えれば、それほど悲観しなくていい。それよりも2度叩かれて体調がアップしているだろうと思われることの方が魅力である。良血馬でもあり2歳時から期待されていた素質馬ということもあるし、ここらへんで大仕事をしてもよさそうである。
消し 菊花賞3着というのは悪いということではないが、判断としては微妙なところはある。アドマイヤジャパンには完敗という内容だったわけだし、皐月賞とダービーでは掲示板にも載れなかったことからすれば、G1級の器の馬ではないのかもしれない。前走の大阪杯で5着というのもいくら道悪でも負けすぎという感じもした。中京記念2着もローカル重賞ということを考えれば、勝ちきってほしかった気もするし、古馬重賞ではまだ実力不足ということも考えられる。血統とか脚質を考えると、長距離よりも中距離の方がいいタイプにも感じるし、3200mという距離はさすがに長いのではないか。
ファストタテヤマ
(牡7・武幸58)
買い H18万葉S1着、H17札幌記念2着、H14菊花賞2着、H14京都新聞杯1着。 まずは4年前の菊花賞で2着しているという実績を忘れてはいけない。直線だけの競馬でヒシミラクルに際どく迫ったのだからこの馬のステイヤーとしての資質はかなりのものである。その後は少し低迷したが、昨年の札幌記念で後に天皇賞秋を制したヘヴンリーロマンスとタイム差なしの2着、そして今年の万葉Sを勝ちきったのだからスランプは脱したと考えていいだろう。前走の阪神大賞典は5着に終わったが、もともと安定度はない馬なので、ここ2戦の結果だけで力不足と判断するのは危険である。京都を得意としているので京都コースに替わるのは大きなプラスとなるし、決め手はかなりのものを持っているので、展開がはまった時の一発はけっこう驚異である。長距離で結果を出すダンスインザダーク産駒というのも魅力の一つである。
消し 菊花賞で2着はしたものの、その後はG1ではこれといった結果を残してないだけに、古馬G1では底を見せてしまっているという感じが強い。ここ2年はG1への出走すらない状況で、G2G3でも結果を残せないレースが続いている。札幌記念も結局は2着に負けているわけだし、万葉Sもしょせんオープン特別である。前走の阪神大賞典の5着というのも負けすぎという感じが強いし、年齢的なものも考えるとここで生涯最高の走りをするというのはかなり厳しいのではないか。どちらかというと、いつ走るか分からないタイプで、何ともいいづらい部分が残る馬ではあるが、逆に言えば、たまにしか好走できないということであり、惨敗の可能性の方が高いということになる。まあ、G1に限って言えば、力を出し切ったところで能力が足りないということになりそうだけど。
ブルートルネード
(牡5・池添58)
買い H17函館記念2着。 前走の日経賞で3着しているのは大きな実績である。勢いはそれなりに感じるし、2500mを好走したことでスタミナがあることも証明した。函館記念2着、札幌記念4着と他にも重賞実績を持っているし、まったく通用しないタイプでもないだろう。先行して押し切るレースを得意としているので、上がりがかかるスタミナ勝負の方がレースはしやすいのだろうし、距離が3200mになったことで走りが一変するということもあるかしれない。まだ底を見せていないというか、もっと強くなりそうな雰囲気を感じるのも魅力である。
消し 前走の日経賞3着はそれなりに立派だとは思うが、完璧なレースをして3着ということは、そこまでの実力ということではないか。リンカーンには完敗という内容だっただけに逆転は難しいのではないか。つまりは底を見せてしまったということであり、さらにメンバーが強くなるG1での好走を期待するのはあまりに酷だと思う。それに、準オープンを勝ったときはマイル戦だったのだから3200mという距離もこの馬には長すぎる感じがする。函館記念も札幌記念も2000mだったわけだし、ステイヤーというタイプではないのではないか。
チャクラ
(牡6・小牧太58)
買い H15ステイヤーズS1着、H16目黒記念1着、H15京都新聞杯2着。 3年前のステイヤーズSを勝っていることを忘れてはいけない。一昨年のこのレースで4着という実績も持っているわけだし、3200mのG1を戦ううえでは、格不足ということもないし、距離適性もかなり高いと判断してよく、ここで能力不足ということはないと思われる。こういうレースで穴が出る時というのは、近走は結果がいまいちだったが、以前は強い競馬をしていたというタイプが大一番で劇走するというパターンがけっこうあるだけに、この馬だって分からない。今回は激しいレース運びになりそうだし、消耗戦をうまく流れに乗って脚を貯めることができれば、直線で抜け出してくるということもあるかもしれない。
消し 2年前にこのレースで4着して、続く目黒記念を勝ったまでは良かったのだが、その後は鳴かず飛ばずのレースが続いている。メンバーが弱かったりすると掲示板には載ってくることもあったが、以前のような強い走りは影を潜め、見せ場すらなく終わるレースが続いている。前走の大阪ハンブルクCもオープン特別にもかかわらず良いところがなかったし、前々走の阪神大賞典も2着のトウカイトリックからでも3秒以上離されたのだから問題が大きすぎる。今回はさらにメンバーが強化されるG1となるわけだし、近走の走りを見る限りでは復活の兆しみたいなものも見あたらないだけに、かなり厳しい戦いになると思われる。

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