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G1-ジャパンカップの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
久々にコスモバルクがハナを切ったが、他に競りかける馬もなく、ゆったりとした流れでレースは進んだ。そういうスローペースにもかかわらずディープインパクトは最後方から悠然とレースを進めた。スタートがいまいちだったということもあるとは思うが、少頭数だったこともあり、最初から最後方からのレースをイメージしていたのではないだろうかと私は思う。そうは言ってもスローペースとなると最後方から追い込むというのはけっこう厳しい状況である。にもかかわらず3コーナーまで動かなかったのは、ディープインパクトのポテンシャルを信じていたことと、こういう形がディープインパクトの能力を最大限に生かせる最良の作戦だという武豊の判断があったからではないか。スローペースになったことで先行馬が圧倒的有利な状況ではあったが、それでもラスト7〜800mのところで仕掛けるとあっという間に先行集団を射程圏に入れ、直線では楽々と交わして最後も余裕を持って走っていたように見えた。上がり34秒台前半という瞬発力勝負になったにもかかわらず、最後方から楽々と差し切るのだから、この馬の瞬発力は非常識である。今の東京2400mで上がり33.5というのは信じられない数字である。昨年のようなタフなレースではなく、どちらかというと淡泊なレースだったと言えるが、それでもポテンシャルの違いを見せたという点においては、やはりディープインパクトのためのレースだったと言っていいだろう。
ディープインパクト
ゴールした瞬間は、2着のドリームパスポートと2馬身くらいの差しかなかったので「思ったほど伸びなかったな」と思ってしまった。なんとか勝ったけど、まだこの馬の本当の力を出し切っていないのでは?と感じたということである。でも、スローペースからの瞬発力勝負になったことを考えれば、上がり33.5よりも速いタイムで走るのはそれこそ無理である。逆にいえば、上がりだけの勝負になったにもかかわらず最後方からの追い込みで2馬身も離していることだけで十分に常識はずれの走りと評価していいはずだ。やはりこの馬の強さは半端ではない。引退まで残り1戦となったが、次は昨年苦杯をなめた有馬記念だけに、再び今回のような強さを見せつけて有終の美を飾ってほしいものである。
ドリームパスポート
ジャパンカップで2着できたというのはこの馬にとっては大きな結果だったと思う。クラシックでは結局勝つことはできなかったが、古馬の1流馬とも対等に戦えるというか、ディープインパクト以外には勝っていることを考えれば、古馬を含めても超1流であることを証明したといえる。これだけの競馬をしていながら未だにG1未勝利というのは本当に不運としか言いようがない。でも、今回これだけの走りができたことで、来年は間違いなくG1戦線で主役級の活躍をするだろう。今から来年の走りが楽しみになった。
ウィジャボード
さすがに欧州牝馬最強馬である。ディープインパクトには及ばなかったが、後方からよく追い込んでいる。アメリカのBCから中2週でこれだけの走りをするのだから、この馬のポテンシャルには驚くばかりである。本当に凄い馬である。
コスモバルク
この馬としてはできるだけのことはやっての結果だったと言っていいと思う。このメンバーであれば「逃げる」という選択は当然のことだと思うし、無理に抑えていれば、さらに遅いペースになっていただろうから、直線ではもっと厳しくなっていたと思う。自分のペースでは走れたと思うし、この馬も直線ではけっこう伸びていると思う。それを差し切る馬の方が凄いと考えてあげないとかわいそうである。年齢的にはそろそろピークは過ぎたという感じもするけど、ディープインパクトが引退する来年のレースであれば、もしかしたらチャンスが巡ってくるかもしれない。
フサイチパンドラ
3歳牝馬であるし、エリザベス女王杯から中1週での挑戦だったことを考えれば、よく健闘していると思う。牡馬相手にこれだけやれるのだから、この馬は本当に力をつけているといえる。でもそうなると、この馬に完勝しているカワカミプリンセスはさらにその上の実力ということになる。来年は牡馬戦線に殴り込んでくるのだろうが、十分に戦えるというよりも、ウィジャボードのような主役級の活躍を期待していいかもしれない。
ハーツクライ
休み明けだったし、喉鳴りの症状もあったということなので、惨敗もあり得るとは思っていたが、まさか本当に惨敗に終わるとは思ってもいなかった。休み明けという理由だけでここまで惨敗することも考えづらいので、やはり喉鳴りが影響していると考えるしかないのではないか。とにかく、ディープインパクトとの一騎打ちを期待していた私としては、こういう終わり方になってしまったことに残念でならない。馬が悪いわけではないが、物足りないレースなってしまったという印象は拭えない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-ジャパンカップの予想
結論

◎ディープインパクト
○ハーツクライ

買い目(馬連) 合計2,000円
  1−6(2,000円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
ドバイシーマCで圧勝を演じ、キングジョージでも3着に入ったハーツクライ、最終的には失格となったものの凱旋門賞で3位入線を果たしたディープインパクト、現在の日本のエースは間違いなくこの2頭である。この2頭が揃ってジャパンカップに出てきたというのは競馬ファンにとってはたまらないことである。世界の強豪がもっと集まってくれれば、もっと盛り上がったと思うだけに、それだけが残念なことであるが、それでも欧州牝馬最強馬のウイジャボードが来日してくれただけでもありがたいことである。これに天皇賞秋で2着したスウィフトカレント、シンガポール国際を勝ったコスモバルク、そしてクラシックで活躍した3歳馬がどこまで割って入れるかということになると思う。私は正直な気持ちとして、世界に挑戦したハーツクライとディープインパクトにその力を改めて証明してほしいし、その実力を日本で再び見せてほしいと思う。どちらに勝ってほしいという気持ちではなく、この2頭がその実力をぶつけ合うのを見てみたいという気持ちである。海外から帰ってきての調整だったので、仕上がり具合がどうかという不安はあり、どちらかが力を出し切れずに終わる、あるいは両頭とも勝てないということもあるかもしれない。相手だってG1で好勝負してきた馬ばかりなのだから、そういうことだって十分にあり得るはずである。しかし、私としてはこの2頭が強い競馬をするシーンを再び見てみたいのである。だから私は今回はハーツクライとディープインパクトの馬連1点しか買うつもりはない。
 本命◎はディープインパクトである
 前述したとおり、どちらに勝ってほしいということはあまり思っていない。でも、こういう予想では1頭に本命◎を打たないといけないという鉄則みたいなものがある(本当にあるかどうか分からないけど)。なので、強いて言うのであれば、ディープインパクトになる。やはり、これまでの日本でのレースぶりがあまりに非常識だっただけに、また非常識な走りを見せてほしいという気持ちが強い。「こんな馬は見たことがない」という思いがあって凱旋門賞でも期待したわけだし、凱旋門賞は力を出し切ってのものではない、ということころを見せてほしいと思う。ただ、有馬記念と凱旋門賞で負けていることを考えれば、常に強い競馬をできるタイプではない、あるいは、たまたま相手が弱かっただけで、本当は常識の範囲内の強い馬ということだって十分に考えられる。しかし、私は「強いディープインパクト」をまた見てみたいという気持ちが強い。そういうことで、私はこの馬に◎本命を打った。
 対抗○はハーツクライである
 有馬記念を勝った直後は、ディープインパクトが力を出し切れていなかったために勝てたと理解していたが、ドバイシーマCで圧勝を演じたのを見て、その考えが大きな誤りであることに気づいた。続くキングジョージも体調が万全でないながらも3着と奮闘していたし、この馬の実力は歴史的にみてもとんでもないものだと言わなければならない。有馬記念でディープインパクトを破っていること、国際G1を勝っていることを考えれば、ディープインパクトよりも格上の存在ということになるし、実際にディープインパクトよりも実力も上ということも十分にあり得ると思う。そういう意味では再びディープインパクトに先着することも十分に考えられる。なので、私はこの馬が勝ったとしても驚かないし、悔しいという気持ちも出ないと思う。どちらが勝つかは大きな問題ではなく、この2頭が強い競馬を見せてくれればそれで満足なのである。
もちろん、他の馬にもチャンスはあるとは思っている。G1で好走を演じてきた馬ばかりなのだから当然のことである。私は上の2頭が実力的に上だと思っているが、実は他の馬の実力の方が上だったということも十分に考えられるわけで、たとえばウイジャボードが世界のレベルを見せつけるとか、3歳馬が世代交代を宣告するということだって十分にあり得るのである。なので、上の2頭が必ずワンツーを決めるだろうとまでは思っていない。本当にワンツーを決めてくれるだろうか?という不安の方が大きいというのが本音である。でも、世界に挑戦しそこでそれなりの結果を出したことに敬意を表して私はハーツクライとディープインパクトの馬連1点勝負をする。

G1-ジャパンカップ

ウィジャボード
(牝5・デットリ55)
買い H18BCフィリー&メアターフ1着など。 G1を7勝している実績はあまりに凄すぎる。前走のBCフィリー&メアターフを圧勝していることはもちろん、昨年の香港ヴァーズを勝っていること、2年前の凱旋門賞で3着していることなど、とにかく世界の強豪を相手に強い競馬を見せている実績はここでは抜けたものである。これだけの実績を持った馬であれば、ハーツクライとディープインパクトよりも強いということも十分に考えられる。昨年もジャパンカップを走っており、5着に終わっているが、それでもハーツクライと0.3秒差の競馬はしており、巻き返しは十分にあり得る。前走圧勝していることで勢いも感じる。とにかく、牝馬では世界の現役No.1と言っても過言でない実力の持ち主だけに、ここでそのポテンシャルを見せつけるということもありそうだ。
消し これまでの戦績は文句のつけようがないが、それでも昨年のジャパンカップで5着に負けていること、ドバイでも4着に負けていることからすれば、ハーツクライよりも実力が上ということはないのではないか。昨年よりも年を1つとっているわけだし、昨年以上の走りを期待するのは少し酷ではないか。長距離遠征にもかかわらずブリダーズカップからの中2週というのはローテーションとしてもかなり厳しい。環境の違いということもあるし、アウェイというのはやはり大きなマイナスと考えるべきだろう。
フリードニア
(牝4・ジレ55)
買い 前走のG1で2着していることからすれば、日本のG1であれば通用しても不思議はない。日本の馬場の適性が高くて今まで見せたことのない強い走りを見せるということもあるかもしれない。外国馬は前評判の高い馬よりもかえって人気のない馬の方が好走するというパターンも少なくはないだけに、そういう意味ではこの馬だって分からない。世界の大きさをこの馬が改めて証明してくれるかもしれない。
消し まだキャリア7戦だけの馬であるし、G1を勝っている実績もない。前走はG1で2着だったとはいえ5馬身も離されているし、前々走もけっこう大きく負けているだけに、大物感ももう一つ感じない。日本馬もこの程度の馬に負けているわけにはいかないだろう。環境の違いということもあるし、アウェイで戦うこと自体がマイナスともいえるし、ここでこれまでの最高の実績を残すというのはあまりに厳しいと言えそうだ。
ハーツクライ
(牡5・ルメール57)
買い H17有馬記念1着、H18ドバイシーマC1着など。 昨年の有馬記念で念願のG1制覇を果たしたが、ディープインパクトを破っての勝利だけにその価値は非常に高い。その前のジャパンカップではアルカセットとハナ差の2着しかもタイレコードという走りを見せていただけに、ここで完全に本格化したということなのだろう。今年は2戦とも海外遠征だったが、ドバイシーマCでは世界の強豪を相手になんと5馬身差という強い内容で勝ってしまった。続くキングジョージも敗れはしたものの僅差の3着と世界の強豪と互角に渡り合った。これだけの競馬ができるのだから、歴史的にみてもとんでもない強さである。ディープインパクトがどうしても注目されてしまうが、実績から言えば明らかにこの馬の方が格上である。そういう意味では実力としてもこの馬の方が上ということも十分に考えられるし、そのことを今回はっきりと証明してくれるかもしれない。
消し キングジョージから帰ってきての初戦となるだけに、休み明けという不安は小さくはない。もともと叩かれつつ調子を上げていたという感じがあった馬だけに、力を出し切れる状態かどうか走らせてみないと分からないというところはある。のど鳴りの症状がみられるという情報もあるし、実力を出し切れないで終わるということもあるかもしれない。昨年のジャパンカップまではG1でなかなか勝てなかったし、大きく負けることもあった馬だけに、たまたま昨秋から今春にかけて調子が良かっただけかもしれない。また以前のようなG1でワンパンチ足りないという競馬しかできないということもあるかもしれない。
ディープインパクト
(牡4・武豊57)
買い H18宝塚記念1着、H18天皇賞春1着、H17皐月賞1着、H17ダービー1着、H17菊花賞1着など。
なんと言っても無敗の3冠馬である。3戦とも他を寄せ付けない圧勝で決めていることからしても、当然に歴史に残るスパーホースであると言っていい。初めての古馬戦となった有馬記念は2着に敗れたものの、今年の天皇賞春では、3200mという長距離レースにもかかわらず、ほぼ最後方の位置から3コーナーで仕掛けて、直線入り口ではすでに先頭に立ち、そこからさらに着差を広げるというのだから、あまりに常識を逸脱しているパフォーマンスを見せた。宝塚記念も道悪にもかかわらず4馬身差という圧勝を演じているし、この馬の強さには驚愕するしかない。日本の期待を背負って挑んだ凱旋門賞は3位入線に終わったが、それでも世界の強豪を相手に好勝負したことに変わりはない。これだけの馬がホームで負けることは考えづらい。東京2400mというのはこの馬にとってもベストの条件だろうし、これまで以上のパフォーマンスを見せてくれるということも十分にあり得る。
消し 凱旋門賞で2頭に先着を許したことで、この馬の伝説が終わったというか、この馬も常識の範囲内の馬であったことが証明されてしまった。単に力を出し切れなかっただけということも考えられるが、だとすれば今回だって力を出し切れずに負けることもあり得るということになる。現に昨年の有馬記念ではハーツクライに負けているのだから、日本だから力を出し切れると決まったわけではないし、ハーツクライの実力の方がこの馬よりも上という可能性も十分に残されている。海外遠征から帰ってきてからの調整だけに、万全の仕上げができているのかどうかという不安もあるし、凱旋門賞で負けたことで馬の気持ちというかテンションが下がってしまっているということもあるのではないか。今年の3歳馬とは当然に初対戦となるわけで、3歳馬の方が力が上ということもないとは言えない。
コスモバルク
(牡5・五十嵐冬57)
買い H18シンガポール国際1着、H16ジャパンC2着、H16セントライト記念1着、H16皐月賞2着など。
なんといってもシンガポール遠征で国際G1を制覇していることを高く評価しないといけない。もともとポテンシャルはかなり高いと言われていた馬であるが、その能力が世界の大舞台で大きく開花したといえる。日本のG1でも皐月賞と2年前のこのレースで2着しており、その能力の高さを証明している。特に2年前のこのレースで2着していることで、距離コースともに問題ないことを証明していることであり、今回の条件はベストといえるのではないか。これまでは、その気性の難しさから力を出し切れず惨敗に終わることも多かったが、ここにきて気性が成長してきたのか、道中で折り合えるようになってきており、成績も安定してきた。前走の天皇賞秋4着も勝馬からそれほど離されていないし、距離延長を考えれば巻き返しがあっても不思議はない。
消し 最近は安定して走るようになってきているので、以前のように自滅して惨敗するということはなくなったが、その反面、好走はするが勝ち切れないという走りばかりであり、以前のようなはまった時の強さというか、気迫というか、勝負根性というか、そういう怖さみたいなものも失せたような感じがする。気性も落ち着いたが、走りも落ち着いてしまったという感じである。前走の天皇賞秋も4着に終わっているし、前々走のオールカマーも2着に負けていることを考えても、以前のような強さがもう一つ感じられない。ピークが過ぎたということかもしれないし、馬に走る気がなくなってきているということかもしれない。とにかく勢いはもう一つだし、G1で巻き返すだけの力はもうないのかもしれない。
スウィフトカレント
(牡5・横山典57)
買い H18天皇賞秋2着、H18小倉記念1着、H18日経新春杯2着。
前走の天皇賞秋で2着していることは大きな実績である。今年の小倉記念で強い内容で勝っていたが、その後のレースではもう一つという結果に終わっていただけに、ローカル重賞までの馬かと思われたが、前走の走りで改めて強いことを証明した。やはり小倉記念でレコード勝ちしたのもフロックではなかったということになる。とにかくG1で通用することが証明されただけに、今回も能力不足ということはないはずだ。前走先着を許したダイワメジャーがいないこと、距離がさらに延びることを考えれば、今回はこの馬が最先着するということも十分に考えられる。決め手がしっかりしているので直線の長い東京コースが合っているということもあると思う。前走はいつもよりは前で競馬していたので、横山典騎手がこの馬のことを分かってきたということもあるのではないか。
消し 前走の天皇賞秋で2着していることをどう考えるかであるが、G1でも2着3着なら「まぐれ」ということもあるだけに、前走で好走したからといって「強い」と認めていいかどうか微妙である。結局は2着に負けていることを考えれば、世界の強豪が集結するこのレースで前走以上の走りを期待するのは厳しい感じもする。ましてハーツクライとディープインパクトが相手となると、この程度の実績では太刀打ちできないのではないか。新潟記念、オールカマーで負けていることを考えれば、ムラがあるタイプという感じもして安定度という点でも不安がある。
ドリームパスポート
(牡3・岩田55)
買い H18菊花賞2着、H18神戸新聞杯1着、H18皐月賞2着、H18きさらぎ賞1着。
皐月賞2着、ダービー3着そして菊花賞2着とクラシックのすべてのレースで馬券に絡んだ馬である。G1制覇はあと一歩届かなかったが、そのパフォーマンスはすばらしく、いつG1を勝っても不思議はないと思えるだけのものだった。特に前走の菊花賞ではメイショウサムソンをマークして、直線ではメイショウサムソンを置き去りにしたのだから立場は逆転したと言っていいだろう。最後はソングオブウインドに差されたが、これはメイショウサムソンをマークしなければならなかった立場と、気楽に後方から競馬ができた立場との差が出てしまったものと考えていいのではないか。そういう意味では最も強い競馬をしたのはこの馬だったと評価していいと思う。今回は古馬が相手となるが、皐月賞4着のアドマイヤムーンが天皇賞秋で3着していることを考えれば、今年の3歳世代はかなり強いという考え方は十分にできる。切れ味鋭い末脚を武器にしていることからすれば、直線の長い東京コースはこの馬に合っているといえるし、血統的なことを考えれば距離短縮もプラスだろう。この大舞台で念願のG1制覇ということは十分に考えられる。
消し これまでの戦績は立派だとは思うが、それでもG1を勝っていないというのは事実である。世界のG1馬が集結するこのレースにおいて、G1を勝っていないというのは、やはり格不足と感じてしまう。3歳限定のG1でも勝てなかったことからすれば、世界のG1馬を相手に好走するというのはかなり厳しいかもしれない。まして今回は世界でも通用したハーツクライとディープインパクトがおり、この2頭を力でねじ伏せるというのは並大抵のことではない。これだけの強豪を相手に好走するにはもうワンパンチ足りないような感じがしてしまうのである。鞍上がまた替わるというのも気になるところで、この大舞台でテン乗りというのはリスクとしては小さくはない。一瞬の切れ味を武器にしている馬なので、坂があって直線が長いという東京コースはこの馬には意外に合っていないかもしれない。ダービーでは直線の途中で止まったという感じもあったので、今回も伸びきれないということになるのではないか。
フサイチパンドラ
(牝3・福永57)
買い H18エリザベス女王杯1着、H18オークス2着、H18フラワーC2着
カワカミプリンセスの降着があったにしてもG1を勝ったことは事実である。古馬も合流して最も厳しいレースだったはずなのに、これまでで最も良い競馬をするのだから、この馬の成長力はかなりのものである。今回もさらに成長していることを期待していいだろう。今回は牡馬が相手となるが、3歳牝馬だから通用しないということはない。過去にはファビラスラフインが2着したこともあるだけに、この馬だって分からない。何せ2200m以上の距離であれば、カワカミプリンセス以外には負けたことがないわけだし、カワカミプリンセスが出てこないということは、この馬が牡馬相手でも勝ってしまうということも十分にあり得るということになる。ここにきて安定感も出てきたし、まだまだ底がありそうな未完の大器という雰囲気があるのも魅力といえる。
消し 前走のエリザベス女王杯ではカワカミプリンセスに完敗という内容だっただけに、さすがに底を見せてしまったという感じがする。今回は牡馬が相手となるだけに、牝馬限定戦でもG1を勝てなかった馬がいきなり牡馬混合のG1で好走できるとは思えない。まして世界の強豪がいて、日本馬も世界で好走を演じたハーツクライとディープインパクトが出てくるだけに、これまで戦ってきた相手よりも1枚も2枚も上という感じがするだけに、3歳牝馬にはさすがに厳しいという感じがしてしまう。前走から中1週というローテーションも牝馬には厳しいものだと思う。
メイショウサムソン
(牡3・石橋守57)
買い H18皐月賞1着、日本ダービー1着。 クラシックで2冠を獲ったという実績は歴史的にみてもとんでもないことである。皐月賞、ダービーともに完勝といえる内容だっただけに、まぐれということはあり得ず、この馬のポテンシャルは半端ではないと考えていい。菊花賞では4着に負けてしまったが、アドマイヤメインの大逃げに惑わされた感じもあったし、ソングオブウインドとドリームパスポートの上がり33秒台の切れ味に屈したという感じだったので、一概に実力負けと判断しない方がいいだろう。距離が長すぎただけということかもしれないし、ダービーを勝った東京2400mならまた強い競馬を見せてくれるかもしれない。この馬の良さは、並ばれても決して抜かせない勝負根性だけに、やや速い流れからの叩き合いになると強さを発揮する。東京2400mは、切れ味勝負よりは多少上がりがかかる根性勝負になることが多いだけに、流れとしてはこの馬に合うと思う。好位で競馬ができるので安定度も高い。
消し 前走の菊花賞で4着に負けたことで「抜けて強いわけではない」ことがはっきりした。後方にいた2頭に突き放され、前にいたアドマイヤメインを交わすこともできなかったことからすると、完敗と言っていい内容だったといえる。ダービーや皐月賞のような流れだと強い競馬をするが、瞬発力勝負だと脆さを出すというタイプなのだと思う。今回もスローの展開からの瞬発力勝負になることも十分に考えられるだけに、菊花賞のような負け方をする可能性もある。まして今回は古馬が相手となるし、世界の強豪までいる。今年はハーツクライとディープインパクトという世界でも好勝負した日本のエースもいるだけに、さすがに相手が強すぎるという感じもする。ダービーは稍重だったので粘りきったが、良馬場だと直線の長い東京コースだけに、決め手の鋭い馬に一気に差されるということもありそうだ。
トーセンシャナオー
(牡3・後藤55)
買い H18セントライト記念1着
いちおうセントライト記念を勝っているのだから別定G2勝ちという実績は持っていることにはなる。このときは先行してそのまま押し切るという競馬をみせたが、2着に1馬身離したのだから、かなり強い競馬だったといえると思う。前走の菊花賞は16着と惨敗に終わったが、距離が長すぎたと考えれば仕方なかったともいるし、1度惨敗しただけで「弱い」と判断するのは危険だと思われる。まだ3歳ということを考えれば、まだまだ底を見せていないといえるし、さらに成長していることだってあり得る。最後の世代のサンデーサイレンス産駒ということもあるし、この大舞台で血が騒ぐということもあるかもしれない。
消し 実績がセントライト記念だけというのはさすがに物足りないものを感じてしまう。前走の菊花賞で16着というのも負けすぎといえるし、G1級の実力を持っているとはちょっと考えづらい。セントライト記念も単にレベルが低かっただけと考えるべきだろうし、他にこの馬が好走するかもしれないという材料も見あたらない。まして今回は古馬が相手となるわけだし、世界の強豪も参戦してくることを考えれば、巻き返しを期待するのはあまりに酷である。先行脚質なので決め手が鋭いというわけでもなく、展開による一発というのも期待できない。
ユキノサンロイヤル
(牡9・田中勝57)
買い H17日経賞1着
昨年の日経賞を勝っており、別定G2勝ちという大きな実績を持っているのだから、まったく通用しないとも言えないだろう。今年も日経賞で5着という走りは見せているし、能力が極端に落ちているとも考えづらいので、気持ち一つで走りが変わるということもあるのではないか。もともとは根性のある走りを売りにしていた馬であるし、この馬の闘志に火がつけば、以前のようなしぶとい走りを見せてくれるかもしれない。
消し 正直なところなぜ出走してくるかすら理解できない。最後の思い出として出走させたいというオーナーの意向なのだろうか。だとしても、これだけの大きなレースで、今年に入ってから重賞で1度も馬券に絡んでおらず、掲示板に載ったのも1度だけという馬が出走してくることは、あまりに常識を逸脱しているように感じる。過去にG1を勝った馬であれば、まだ理解できるが、G2をたまたま1度勝っただけというレベルだけに、本当に理解できない。でもまあ、出走頭数がこれだけ少ないことの方が問題であり、そうでなければこのような馬の出走が可能になるはずがない。そういう意味では、そこそこの実績を持っている馬がジャパンカップに挑戦してこないことの方が問題であるとはいえる。とにかく、この馬が好走するかもしれないという材料を私はまったく見いだせない。競馬は何が起きるか分からないとはいえ、この馬が馬券に絡むようであれば奇跡としか言いようがないし、それを許すようでは日本の競馬に未来はない。

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