時間の都合上簡単にさせていただきます。 全体の感想(レース・馬券など) ステキシンスケクン カンファーベスト マイネルスケルツィ ローエングリン マイネルモルゲン インセンティブガイ
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結論 |
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本命◎はインセンティブガイである 対抗○はカンファーベストである 単穴▲はペールギュントである 4番手×はローエングリンである 5番手△はキネティクスである 6番手△はマイネルスケルツィである 7番手△はフォーカルポイントである 8番手△はワディラムである 9番手はマイネサマンサである 10番手△はマイネルモルゲンである 11番手△はマイネルハーティーである 12番手△はサイドワインダーである |
インセンティブガイ (牡5・横山典57) |
H18京王杯SC2着。 安田記念の前哨戦となる別定G2の京王杯SCで2着したという実績は、このメンバー構成であれば上位ということになる。安田記念でも道中で不利を受けながら6着なら高く評価していい。それを考えれば、ハンデ戦でもG3レベルでは負けるわけにはいかない。目標は当然にG1なのだろうし、ここはきっちりと力の違いを見せつけて、次のレースに挑みたいところだろう。なお、この馬は以前は速い流れでも先行して押し切るというレースを得意としていたが、京王杯SCと安田記念では後方から差す競馬で結果を出した。これはこの馬が気性的に成長したと評価していいと思う。そういう意味ではダービー卿CTの時のような惨敗はもう考えられないかもしれない。しかし、今回は休み明けとなるだけに、いろんな意味で不安は出てくる。最も心配なのはやはり気性である。ハイペースでも先行していた馬だけに、基本的には気性の激しい馬だと思う。京王杯SCと安田記念では後方で折り合えたが、休み明けとなると同じように折り合えるかどうか分からない。テンションが上がりすぎて、以前のように前半から飛ばしてしまうということもあるかもしれない。それに今回はハンデ戦である。実績からすれば重い斤量は仕方ないことであるが、それでも斤量が重いというのは、マイナス材料であることに変わりはない。軽量馬に脚をすくわれるということも十分にあり得る。しょせん重賞未勝利ということもある。ダービー卿CTで惨敗を喫しているが、今回も同じ中山マイル戦でハンデ戦というのだから、同じような結果になるということも考えられる。 |
ローエングリン (牡7・田中勝58) |
H17H15マイラーズC1着、H16毎日王冠2着、H15ジャックルマロワ賞2着、H15中山記念1着など。 ジャックルマロワ賞で2着、香港マイルで3着、一昨年の安田記念で3着、さらに3年前の宝塚記念でも3着とG1での好走があるのだからG1級の能力は間違いない。ムラがあるタイプで惨敗を喫することも多いが、勝つ時は強い勝ち方をする馬だけに、今回も気分よく走れるかどうかが大きなポイントになると思われる。今年に入ってからは結果がもう一つで、さすがに年齢的な衰えが出てきたと思われたが、前走の関屋記念では斤量59kgを背負って4着、しかも荒れたインコースを通っていたことを考えれば高く評価していい。それに、速い流れでも先行していた馬がスローの展開で後方から差してきたというのも注目する点である。こういう競馬ができるのであれば、今回も大きくは崩れないだろうし、ハンデ58kgも前走よりは1kg減となるのだから大きな問題ではない。しかし、しょせん4着は4着であり馬券圏内にも絡めなかったわけだから、以前のような強い走りを求めるのは酷という考え方もできるわけだし、もともと気性的にムラのあるタイプだけに、アテにできないのも事実である。実績馬がスランプに陥って、少し着順が良くなって「復活か!」と思わせたところで、また惨敗というケースもよくあることなので、今回のこの馬の判断はかなり難しい。 |
カンファーベスト (牡7・江田照57) |
H18関屋記念1着、H17鳴尾記念2着、H17新潟大賞典2着、H15朝日CC1着など。 もともと2年前の天皇賞秋で5着という実績を持っている馬で、シンボリクリスエス、ツルマルボーイなどを相手に掲示板に載ったのだからこの馬の能力が高いことは以前から分かっていたことではある。とはいえ、今年に入ってからは泣かず飛ばずという状況で、さすがに年齢的な衰えが出てきたと思われていた。そういうこともあって人気にもなっていなかった前走の関屋記念で上がり32.9という決め手を見せて勝ちきったことは、けっこう衝撃的だった。もともとポテンシャルが高いことは分かっていたとはいえ、まさかいきなりこういう復活劇を見せてくれるとは普通は思わない。問題はもちろん今回のレースの評価である。能力が高い馬が復活したのだから今回も当然に勝ち負けと考えるのは自然のことだと思う。そういう意味ではチャンスは当然に大きいといえる。ただ、この馬はもともとムラのあるタイプで、人気で裏切ることも多いのも特徴の一つなのである。(もちろん人気に応えたこともある。)新潟マイルと中山マイルではコース形態が大きく変わるというのも気になるところで、新潟マイルだったから好走できたという考え方も十分にできる。前走を「復活」と考えるのか、「たまたま条件が合った」と考えるのかで、今回の判断が変わってくるということになると思う。 |
マイネルスケルティ (牡3・柴田善54) |
H18NZT1着 今年のNHKマイルCの前哨戦であるNZTを完勝している実績を持っていることは当然に高い評価をしないといけない。3歳限定とはいえ別定G2を勝っているわけだし、NHKマイルCでも2人気に推されたほどである。そういう意味では初めての古馬相手でもハンデG3なら楽勝してしまっても不思議ないということになる。さらにこの馬にとっては中山マイルというのが大きな材料となる。NZTを勝った条件でもあるし、中山マイルは2戦2勝とかなり相性が良いだけに、中山マイルならば強い走りをするという考え方は十分にできる。マイネル軍団を率いる岡田師が、デビュー前に将来のダービー馬と指名したほどの馬であることからも、本当の実力をまだ見せていないという可能性も十分であり、3歳という若さを考えれば夏を越して大きく成長していることも期待できる。でもまあ、しょせん3歳限定の重賞を勝っているだけなので、古馬相手で通用するかどうかは走らせてみないと分からない。NHKマイルCでは結局は10着に負けているわけだし、今年の3歳マイル路線はちょっとレベルが低かった感じもするだけに、古馬G1でも好走したことがある馬が数頭いるメンバー構成でどこまでやれるか、不安の方が大きいと考えるのも当然のことだとは思う。休み明けというのも割引と考えるべきだろうし、いきなり古馬と戦うというのは厳しいことだろう。とにかく、3歳馬は未知数が多いだけに、その未知数を「期待」するのか、「不安」に感じるかで、判断が大きく変わってくる。 |
キネティクス (牡7・勝浦55) |
H16キャピタルS1着、H17東京新聞杯2着。 この馬のベストレースはやはり昨年の東京新聞杯である。スローの展開だったにもかかわらず上がり33.2というとんでもない末脚を繰り出して2着した。直線でのヨーイドンの競馬だっただけに、瞬発力の違いを見せつける格好になった。これで負けたのは運がなかった。何せこのとき勝ったのは後にマイルCSと香港マイルを制したハットトリックだったのだから相手が悪かったとしか言いようがない。それを考えれば、勝ちに等しい評価をしてあげないとかわいそうである。ハットトリックに比べれば、今回のメンバーはそれほどでもないといえるし、であれば十分に勝ち負けできるということになる。今年に入ってからはスランプが続いていたが、ダービー卿CTで3着と復活の兆しを見せているだけに、以前のような強さが戻っているということも考えられる。ハンデも手頃なところだし、けっこうチャンスとしては大きいと考えていいのではないか。ただ、前走のダービー卿CT以来の休み明けというのは大きな不安ではある。前走好走してすぐのレースであれば、勢いとか上積みとかを計算できるが、休み明けとなるとその勢いがリセットされてしまったと考えたくなる。叩かれながら調子を上げていたことを考えれば、休み明け初戦から好走を期待するのは厳しいかもしれない。それに、ダービー卿CTも結局は3着に負けているわけだし、戦法も先行策だったのでこの馬らしいという感じはしなかった。やはり年齢的な衰えがあるということかもしれない。となれば、昨年の東京新聞杯のような走りを期待するのは酷ということになる。 |
マイネルモルゲン (牡6・吉田隼57.5) |
H16H17京成杯AH1着、H16ダービー卿CT1着。 なんと言っても、このレースを連覇しているということがとてつもなく大きな好材料である。さらに2年前であるが、ダービー卿CTも勝っているのだから、なんと中山マイルの重賞を3勝しているということになる。これはどう考えても中山マイルの適性がやたら高いということだろう。であれば、今回も当然に大きなチャンスということになる。昨年は57kgで勝っているのだから57.5kgならそれほどマイナスと考えなくてもいいだろう。前走の関越Sは3着だったが、休み明けでダート戦だったことを考えれば上々の結果と評価できる。一叩きされた上積みと得意のコースということを考えれば、3連覇も夢ではないということになる。しかし、G3のハンデ戦でしか勝っていないというか、それ以外のレースでこれといった結果を残していないということを考えると、今回のメンバーでポテンシャルが抜けているという評価は難しい。気性的に難しいところがある馬なので、惨敗だって十分に考えられる。2連覇中だからハンデ57.5kgは仕方のないところではあるが、それでもさすがに厳しい数字だと思う。57kg以上になると0.5kgの差もけっこう堪えるものだし、ハンデ戦ではハンデの重い馬が、理屈抜きで凡走することがあり、逆に軽量馬が理屈抜きで好走することだってあるだけに、ハンデ57.5kgというのはやはり大きな不安材料と言わざる得ない。 |
サイドワインダー (牡8・長谷川57.5) |
H17関屋記念1着、H17スワンS2着、H15京都金杯1着、H14京阪杯1着など。 2年前のマイルCSでは1人気に推されたほどの馬である。全盛期においては、後方から直線だけで一気に差し切るという豪快な競馬を見せており、その末脚の破壊力は半端ではなかった。昨年も関屋記念で力の違いを見せつけ、後にマイルCSで2着するダイワメジャーを完封している。今年に入ってからは米子Sで4着はしたものの、それ以外は鳴かず飛ばずのレースが続いており、さすがに年齢的な衰えが出てきたという感じは否めない。ピークが過ぎてもう以前のような力はないということであれば、ここでの巻き返しはかなり厳しいということになるのだろうが、まだ調子が上がってきていなかっただけということであれば、このレースで以前のような強い走りを再び見せてくれる可能性も残る。ただ、近走の走りがあまりにだらしないし、ハンデ57.5kgということもあるだけに、復活してくるにしてもいきなり勝ち負けというのは難しいという考え方もできる。直線が長いコースを得意としているので中山コースでどうかというのもある。でも実績馬は、ちょっとしたきっかけで本来の走りを取り戻すということがあるだけに、実績馬の取捨は難しいものである。 |
スクールボーイ (牡6・小野53) |
前走、準オープンを勝ってオープン入りした上がり馬である。中団よりやや前の位置から抜け出し2着に0.2秒差を離したのだから完勝といえる内容だったと評価できる。前々走は9着に負けていることを考えれば、調子がかなり良くなってきたということだろうし、暑い時期はこういう勢いのついた馬が怖いものである。初めての重賞とはいえハンデ戦で斤量も53kgということを考えれば、まったく通用しないということはないだろうし、斤量が軽いことで前走以上のパフォーマンスを見せてくれることも十分に考えられる。しかし、前走勝っているとはいえ9人気だったことからすれば、それほど期待されていた馬ではないというか、素質の高い馬がオープン入りしたというよりは、準オープンでやっと好走できるレベルの馬がたまたま勝ってしまったという感じがしてしまう。そういうことを考えれば、いくらハンデ戦でも重賞で通用する器ではないような感じがする。どちらかというと先行タイプで、それで勝ちきれないレースが多かったことからすれば、決め手があるタイプとも思えないので、展開による一発というのも期待しづらい。ハンデ戦だけに何が起きるか分からないのも確かではあるが、こういうレベル(実績)の馬がいきなり好走できるほど重賞は甘くはないような気はする。 |
ステキシンスケクン (牡3・後藤54) |
H18アーリントンC1着 今年のアーリントンCを勝っているが、1000m通過が59.1というけっこう速い流れで逃げて、最後は2着に3馬身以上の差をつけたのだからかなり強い内容だったといえる。しかも、このとき2着だったのが、後にNHKマイルCを勝ったロジックだったのだから、この馬はもしかしたらロジック以上のポテンシャルを持っているということも十分に考えられる。前走のアイビスSDは惨敗に終わったが、久々のうえに直線1000mというのは、この馬にはさすがに厳しすぎた。マイル戦の方が自分のペースで走れるだろうし、うまく単騎の逃げに持ち込めればチャンスは大きくなるはずだ。しかし、皐月賞12着、NHKマイルC17着という結果はいくらG1でも負けすぎという感じがする。3歳限定のG1でこれだけ大きく負けるようでは、古馬相手では通用しないとどうしても思えてしまう。前走のアイビスSDの12着もG3ということを考えれば負けすぎである。となると、アーリントンCはたまたまこの馬向きの展開となった、あるいは、プレッシャーをかけられなかったことで最後まで気持ち良く走れたということなのかもしれない。もしかしたら、アーリントンCのような単騎で逃げられるということもあるかもしれないので、そういう意味での一発は十分に期待していいとは思うが、それでも、相手が古馬となるだけに、マイペースの楽な逃げはなかなかさせてもらえないとは思う。 |
ストーミーカフェ (牡4・吉永56) |
H17共同通信杯1着、H16朝日杯FS2着、H16札幌2歳S1着 この馬のベストパフォーマンスはやはり一昨年の朝日杯FSである。このときは、かなりのハイペースで逃げていて、ふつうであれば直線で失速するところを、そのまま2着に押し切ったのだから、負けてなお強しという内容だった。これだけのパフォーマンスを見せた馬なのだから、ポテンシャルはかなり高いと考えていいはずだ。近走はこれといった結果を出していないが、気性の難しさが影響している感じがする。そういう意味ではマイルに距離が短縮するのは大きなプラスと考えていいのではないか。今回は朝日杯と同じ中山マイルとなるし、巻き返しがあっても不思議はない状況といえると思う。しかし、共同通信杯以降は好走と言えるレースがないだけに、単に早熟だったという考え方は十分にできる。気性的な問題だとしても、マイルに距離が短縮されたからといって矯正されるものでもないだろう。先行馬がけっこう揃ったことを考えれば、展開としても有利にはなりそうにない。鞍上が吉永騎手というのも頼りない感じは否めないし、これだけ気性の難しい馬を制御できるのか心配になる。とにかく、古馬戦線ではこれといった結果を残してない以上は、底を見せてしまっているという評価が妥当だということになるだけに、ここでの巻き返しはけっこう厳しいという考え方は十分にできる。 |
フォーカルポイント (牡5・吉田豊55) |
H16京成杯1着 3歳時の京成杯を勝った時の走りがけっこう衝撃的だった。ハイペースで流れる展開を中団で追走し、直線では他を引き離すだけという内容だったのだから凄いことである。1分59秒2という時計も明け3歳馬にしては驚異的なもので、2着に1馬身差、後にダービーを勝ったキングカメハメハには約5馬身差離したのだから、この馬のポテンシャルの高さはこの時点で証明されていると言っていいだろう。結局、クラシックでは活躍することができず、その後もなかなか結果を出せないでいたが、前走(9ヶ月前であるが)のキャピタルSでは後に高松宮記念を制するオレハマッテルゼとハナ差の2着だから復調してきたと考えていいだろう。ハンデ戦で55kgというのは恵まれたという感じはしないが、それでも不利ということはなく、有力馬が57kg以上を背負っていることを考えれば、相対的にプラス材料といえるとは思う。しかし、古馬重賞では未だに結果を出していないというのはかなり気になる。古馬重賞を走った回数が少ないということもあるが、それでも古馬になってからは、オープン特別で1度だけ2着したことがあるという程度だけに、いくらハンデ重賞でもそれほど強気にはなれない。まして9ヶ月の休み明けとなるだけに、いきなり好走するというのは考えづらいのではないか。まだ底を見せていない感じもするので、この馬の本当の底力を信じてみるのもありだろうし、これまでの実績を重く受け止めて好走は厳しいと判断するのもありだと思う。 |
ペールギュント (牡4・蛯名55) |
H17シンザン記念1着、H16デイリー杯2歳S1着。 朝日杯FSで3着、NHKマイルCで4着というG1実績を持っている馬である。それを考えればG3レベルならいつ勝っても不思議はないということになる。古馬として戦うようになってからはこれといった結果を残していないが、前走の関屋記念は6着に負けているとはいえ、ほぼ最後方の位置からメンバー最速の上がり32.8という末脚を繰り出してこの着順なのだから展開が不運だったというしかない。上がり32.8で走れるということは、この馬自身の調子はかなり良いと思うし、ようやく調子が上がってきたということではないか。今回は先行馬が揃って速い流れが予想されるだけに、この馬の追い込みが炸裂するということは十分に考えられる。直線に坂がある中山コースに替わるのも、追い込み脚質のこの馬にはプラスになるはずだ。ハンデ55kgも恵まれたとまでは言えないが、決して重いという斤量ではない。有力馬が57kgを背負っていることを考えれば、相対的に有利と考えていいだろう。とはいえ、古馬戦線では実績を残していないのも事実である。前走だって結局は掲示板にも載れなかったわけだし、重賞では実力不足という判断も十分にできる。展開に左右されるという不器用なところも基本的にはマイナスということになるし、安定度もあまり期待できない。好走しても勝ちきれないところがあり、なんというか勝負弱いイメージがあるのも気になるところである。まだ4歳馬で素質をもてあましているという感じもするので、そろそろ本格化してもいい頃だとは思うが、今までの実績がこの馬の本当の実力ということも十分に考えられるだけに、勝ち負けまでは難しいという判断も十分にできる。 |
マイネサマンサ (牝6・安藤勝55) |
H18京都牝馬S1着、H17阪神牝馬S2着、H17府中牝馬S2着など。 今年の京都牝馬Sで念願の重賞初制覇を果たしていることは当然に評価しないといけないが、それよりも阪神牝馬Sで2着していることを高く評価すべきである。アドマイやグルーヴには及ばなかったものの0.1秒差の勝負をしたのだからたいしたものである。行く馬がいなければ自分でレースを作ることもできるし、他に行く馬がいれば好位からの競馬もできる馬で、レースセンスがあるというか、どんな流れにも対応できるというのは評価しないといけない。得意のマイル戦となるし、鞍上も安藤勝騎手がわざわざ中山まで乗りに来るのだから、陣営としてもけっこう自信があるということかもしれない。しかし、牝馬限定の重賞でしか実績がないというのはどうなのだろうか。牡馬相手でも対等に戦ってきたとか、牝馬限定のG1を勝っているという実績を持っているならともかく、そうでないとすれば、さすがに牡馬相手では厳しいとどうしても思えてしまう。まして、牝馬で55kgということは牡馬でいえば57kgということになるのだから、ハンデとしてもかなり厳しい数字である。先行タイプなのでどうしても決め手に欠けるところがあるように感じてしまうし、惨敗することもたまにあるので安定度も意外にない。 |
ワディラム (牝5・中館53) |
6月に休み明けで1000万を勝ち、格上挑戦となった前々走の米子Sも見事に勝ってしまった。そして前走の関屋記念でも5着と掲示板を確保し、順調に力をつけていることを感じずにはいられない。上がり馬の勢いは感じるし、関屋記念は別定戦だったことを考えれば、ハンデ53kgならさらに上を目指せるということになる。レースセンスのある馬で好位に難なく取り付けるというのも好感が持てる。安定度はありそうで大きく崩れないのも魅力である。ハンデ戦ではこういう勢いのある軽量馬が怖いものである。しかし、米子Sは重馬場だったのでハンデ51kgというのが大きな味方となったといえるし、関屋記念も結局は馬券に絡んではいない、そういうことを考えれば、重賞では底を見せてしまったというか、重賞で上位にくるにはもう少し成長がほしいという感じもする。勢いでここまできたが、それ以上というのはさすがに難しいのではないか、といったところである。条件的には悪くはないとは思うが、根本的な実力が通用するかどうかだろう。 |
マイネルハーティー (牡4・木幡55) |
H17NZT1着、H17シンザン記念2着 昨年のNZTを勝っている実績を忘れてはいけない。このときは、ほぼ最後方の位置から直線だけで差し切るという豪快な競馬をみせた。中山マイルの重賞を勝っている実績を考えれば、同じ中山マイルというのはこの馬には大きな材料といえるし、先行馬がかなり揃って速い流れになりそうなので、追い込み一辺倒のこの馬には願ってもない展開になりそうなのも良い。古馬重賞もスワンSで4着があるのだから古馬重賞で通用しないというわけでもない。近走はこれといった結果を残してないが、1200mばかりだったのだからあまり参考にしなくていいだろう。やはり重賞を勝っているマイルがベストと考えるべきで、距離延長は大きなプラスと考えていいだろう。でもまあ、スワンSで4着はあるといっても、古馬として戦うようになってからの戦績にはかなり物足りないものを感じる。重賞を勝っているといっても3歳限定戦の話なので古馬重賞の参考にはできないという考え方もできる。スワンS4着もまあ4着5着くらいなら実力不足の馬でも流れ次第で走れるということもあるし、つまりは古馬重賞で通用するだけの実力はない、という判断もできるということである。それに追い込み一辺倒の脚質で展開に左右されやすいタイプで安定度がもともと期待できないということもある。極端な追い込み馬なので一発がありそうな感じがするのが不気味ではあるが、これまでの実績を考えればあまり強気にはなれないだろう。 |