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G1-菊花賞の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
まず思ったことは、3冠は本当に難しいことなのだな、ということである。予想の時も少し触れたが、過去の3冠馬は圧倒的な強さというか個性を誇っていた馬ばかりであった。それに比べれば、メイショウサムソンはあまりに地味というか、素朴な存在だったといえる。そういう馬が本当に3冠という称号をとることができるものなのか、という不安はレース前からあったが、いろんな要素がサムソンの3冠を後押ししていたし、皐月賞やダービーよりもかえって戦いやすいという感じもあっただけに、結局1人気という形でこの馬の3冠をみんなが期待するという構図になってしまった。しかし、結果はごらんのとおりである。やはり圧倒的な強さがなければ3冠をとるのは難しいということなのだと思う。今回のメイショウサムソンの負けによって、過去の3冠馬の偉大さを改めて認識することができた。
ソングオブウインド
私の中では完全にノーマークだったのでかなり驚いている。結果論でいえることは、神戸新聞杯でドリームパスポートとメイショウサムソンを相手に僅差の勝負をしていた実力は本物だったということである。それにしても、神戸新聞杯では先行していたのに、今回は後方から追い込んできたというのには驚くしかない。いくら折り合いに専念するといっても、前走は先行していたのであれば、それなりの位置取りはほしいところである。それを開き直って後方でも動かなかったのは、武幸四郎騎手の好判断と言うしかない。ただ、圧倒的人気を背負っていても、このような競馬ができたとは思えない。人気のない気楽な立場だから今回のような思い切った騎乗ができたのだと思う。とはいえ、レコード決着のハイレベルなレースで結果を出したのだから、この馬自身のポテンシャルも半端ではない。追い込みという新たな戦法によりこの馬の本当の実力を引き出せたともいえ、今後もG1戦線で期待していいのではないだろうか。課題としては人気を背負っても強い競馬ができるかどうかであろうが、そこらへんは騎手の問題だけに、幸四郎騎手の成長いかんにかかってくるのではないか。ディープインパクトが引退することも考えれば、来年以降は武豊が騎乗するということもあるかもしれない。
ドリームパスポート
道中の位置取りであるが、私としてはもう少し後ろの方がいいのではないかと思って見ていた。メイショウサムソンをマークしたいという気持ちも理解はできたが、でもこれだと直線ではこの馬の良さが生きずに惨敗もあるのではないかと思ったくらいである。しかし、直線では私の予想に反して一気に弾けた。メイショウサムソンはあっという間に置き去りにして、逃げるアドマイヤメインも軽く捕まえられるだけの伸びを見せた。横山典騎手としては完璧な騎乗だったと思う。しかし、それで勝てなかったというのはあまりに不運だと言わざる得ない。まさかソングオブウインドが大外から伸びてくるとは予想だにしてなかっただろう。もし、レース前からソングオブウインドの追い込みが怖いと思っていたら、位置取りはもう少し後ろだったと思う。しかし、最大の敵はメイショウサムソンだと考えるのは仕方ないことだし、それを考えればあの位置取りは当然のことである。私は前すぎるとは思ったが、直線であれだけ伸びるのであれば前すぎたということはあり得ない。今回の走りをみて、この馬は私が思っていた以上に強い馬だったということがよく分かった。今回は残念な結果に終わったが、これからのG1戦線でもきっと活躍してくれるに違いない。
アドマイヤメイン
前半58秒台というかなりのハイペースでの逃げだったが、そこからうまくペースを落とすことで、後半のスタミナをぎりぎり温存するという、武豊の技が光った走りだったと思う。結果的にレコードタイムの決着だったことからも、スタミナは問題なかったと考えていいだろう。ただ、これ以上長くなるとさすがに苦しいかなという感じはした。それと上位2頭とは決定的な差をつけられたし、もう少し距離が短くなると、今回のように自分で競馬を作るのは難しくなるだけに、今後もG1で勝つというのは難しいかもしれない。
メイショウサムソン
前段も触れたが、やはり3冠をとるというのは簡単なことではない。これまでが僅差で勝ってきたということからも、ずば抜けて強いわけではなかっただけに、どうしても今回のような負け方もあるということだろう。それに勝負根性で走るタイプなので、瞬発力勝負になったのもきつかったといえるかもしれない。あるいは単純に3000mが長すぎただけかもしれない。とにかく大きく離されての4着だから完敗といえる。でも、これでも2冠馬である。底力はあるはずなので、今後もG1戦線で活躍してくれるだろう。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-菊花賞の予想
結論

◎メイショウサムソン
○ドリームパスポート
 ▲ミストラルクルーズ
 ×ネヴァブション
  △アドマイヤメイン
  △マルカシェンク
  △フサイチジャンク
  △トーセンシャナオー
  △トウショウシロッコ

買い目(3連複) 合計1,600円
  2−12−13(400円)
  固定12・13−−5,6,7,10(各200円)
  固定12・13−−11,16(各100円)
  2−6−12(100円)
  2−6−13(100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はメイショウサムソンである
 皐月賞、ダービーを連勝して見事に2冠をゲットしたわけであるが、過去の3冠馬と比較すると、どうしても地味というか、華やかさがないというのはかなり気になった。こういう地味な馬が本当に3冠を達成できるのだろうか?という不安は私の中では小さいものではない。しかし、データ等を調べていくと、かえってこの馬のマイナス要素の少なさに驚嘆するしかない。なので少し考え方を変えた。データ的には3冠の可能性も十分であるが、器の大きさからは負けることもあり得る。しかし、勝てないにしても2着、最低でも3着をはずすことはないだろうということにした。
 対抗○はドリームパスポートである
 皐月賞の走りとダービーの走りを比較すると皐月賞の内容の方が良かったと思う。ということは、この馬のベスト距離は2000m前後と考えられるのではないかとは思った。つまり3000mはこの馬には距離が長いということである。しかし、正直なところ他に魅力的な馬が見あたらなかった。もう一つパッとしないステイヤータイプを選ぶか、敢えてこの馬を選ぶかを悩んだ結果として、この馬を選ぶことにした。ダービーで3着できるのだからスタミナがまったくないわけでもないと思う。長距離得意の横山典騎手ということもあるし、京都の3000mならぎりぎりこなしてくれると信じることにした。配当的なことを考えれば、この馬で勝負するということは、馬連なら1点、3連複なら2頭固定の流しで勝負するしかない。最低でも3着はしてくれるだろうと信じてここは3連複で勝負することにした。
 単穴▲はミストラルクルーズである
 菊花賞で穴を開けるとすれば、ステイヤータイプというのがセオリーである。ステイヤータイプかどうかの判断はやはり長距離レースを勝っているかどうかということになる。かといって重賞未出走というタイプでは実績的に不安も残る。となれば、重賞で好走している実績を持ち、かつ2400m以上のレースを勝っている馬が選択の対象となる。そういうことでこの馬を選んだ。休み明けを一叩きされて、さらに体調はアップしていると思うし、鞍上に池添騎手を起用していることも心強い。データ的にはチャンスは大きいと思う。ただ、私の感覚的な感想としては「G1は厳しいかな」というのがあるので、ドリームパスポートより上には評価できなかった。
 4番手×はネヴァブションである
 この馬を選択したのも単純に前走2500mを勝っているからである。血統的にも明らかにステイヤータイプといえるし、3000mでさらに良くなるかもしれない。とはいえ、これも器としてどうかという不安があったので、こ評価にとどめた。それでも評価しすぎかなとは思っている。
 5番手△はアドマイヤメインである
 ダービーで2着という実績を持っているし、今回は自ら逃げてペースを作ることができるという大きなメリットがあるので、チャンスは大きいとは思っているが、前走7着というのがどうも気になる。春ほどの体調にはないのではないか。
 6番手△はマルカシェンクである
 毎日王冠で4着というのはかなりの実績だと思う。3歳限定戦なら圧勝もあると思うし、器の大きさで言えば、メイショウサムソンよりも上かもしれないとも思っている。しかし、長距離実績がないというのがやはり気になった。ダービー4着というのをどこまで評価するかなのであるが、前走1800mを走っているというのもどうかと思ったので、ここはスタミナ不足でダメという判断をした。
 あとは2200m以上の重賞で好走している馬ということで、トーセンシャナオーとトウショウシロッコを押さえる。勢い、重賞実績、距離実績のすべてをクリアするので、念のため押さえておく。それと、ミストラルクルーズとネヴァブションが人気がないので、この2頭からメイショウサムソンとこの2頭からドリームパスポートという馬券も大穴として押さえることにした。

G1-菊花賞

メイショウサムソン
(牡3・石橋守57)
買い H18皐月賞1着、日本ダービー1着。 クラシックで2冠を獲ったという実績は歴史的にみてもとんでもないことである。皐月賞、ダービーともに完勝といえる内容だっただけに、素直に実力No.1と評価するのが妥当だと思われる。前走の神戸新聞杯は2着に敗れたが、TRで2着なら悲観することもない。春もレースを使いながら良くなってきていたし、一叩きされたことで大きく変わってくるはずである。それに前走は2000mだったが今回は3000mである。血統的にみても距離延長が問題になるとは思えないし、ダービーの内容からも距離延長はプラスと考えていいはずだ。スタートセンスが良く折り合いもつく馬ななので、好位から競馬ができるというのも強みであり、大きく崩れることは考えづらい。3000m戦ならそれなりに上がりがかかるだろうから、そういう点でも好位で競馬ができるというのは大きなアドバンテージとなる。ダービーでも落ち着いて騎乗できたのだから今回プレッシャーに負けるということもないだろう。昨年は派手な3冠馬が誕生したが、今年はそれと対照的な人馬ともにいぶし銀の3冠馬が誕生する可能性はかなり高いのではないか。
消し まずは3000mという距離である。初めてなのだから走らせてみないと分からないだけに、距離が長すぎて惨敗するということも十分にあり得るということになる。また、前走の神戸新聞杯で2着に負けたというのも気になる。直線ではけっこうフラフラしていただけに、春に比べると調子が上がってきていないということもあるのではないか。あるいは、春は調子が良すぎただけで、本当の実力はこんなもんという考え方もできる。先行してそのまま押し切るというレースを得意としているが、京都コースだと一瞬の切れ味勝負になることもあり、瞬発力のある馬に直線で一気に交わされるということもありそうだ。特に超スローの展開となって、直線だけの勝負になると、スタミナのない馬でも末脚を温存できるだけに、瞬発力の違いを見せつけられて負けるということもあるのではないか。これまでの3冠馬に比べると地味な感じがするのもどうだろうか。これまでの3冠馬は派手な馬が多かっただけに、この馬が3冠馬になるにはもう一つ何かが足りない感じもする。
ドリームパスポート
(牡3・横山典57)
買い H18神戸新聞杯1着、H18皐月賞2着、H18きさらぎ賞1着。
前走の神戸新聞杯を勝っていることはもちろんであるが、2冠馬メイショウサムソンに勝ったことを高く評価したい。きさらぎ賞でも先着しているわけであるが、久々に勝ったことでまだまだ決着は着いていないことをアピールできた。この馬の持ち味は、なんといってもその瞬発力である。皐月賞でもダービーでも最後はかなり追い込んできているだけに、この馬の決め手はかなりのものである。前走も直線の短い中京コースにもかかわらず差し切っており、その決め手が半端でないことを改めて証明した。ここで重要と思われるのは、直線でメイショウサムソンと離れたところを走っていたことである。メイショウサムソンは併せる形になると強いところがあり、皐月賞ではインから交わそうとしたらサムソンがさらに伸びたということもあり、大外から追い込んだことが結果に繋がったといえる。であれば、今回も同じように大外から追い込めば、あっさりと交わすことになりそうだ。しかも、京都の外回りコースはそういう作戦がそれほどマイナスにならないコース形態である。きさらぎ賞でメイショウサムソンに勝っているコースでもあるし、京都コースならこの馬の良さがフルに生きるのではないか。
消し この馬の最大の不安は距離だろう。走らせてみないと分からないとはいえ、血統的なことを考えると3000mはこの馬にはちょっと長い感じがする。ダービーでも最後は止まっていたし、2400mでも微妙に長かったようにも感じただけに、3000mではこの馬の良さが出ないのではないか。皐月賞2着、ダービー3着という実績はもちろん悪いということはないが、いずれも負けているだけに大物感としてもいまいちに感じるし、メイショウサムソンとの勝負付けは終わっているという考え方もできる。前走の神戸新聞杯も勝ったとはいえ「強い」という印象はあまり受けなかっただけに、大物感ももう一つというところである。後方から差すタイプなので展開にも左右されるということもありそうだ。
トウショウシロッコ
(牡3・吉田豊57)
買い H18京成杯2着、H18セントライト記念2着。
前走のTRであるセントライト記念で2着に入って実力のあるところは見せた。もともと京成杯で2着した馬であるし、夏場も白百合S3着、ラジオNIKKEI賞4着、古馬準オープン2着と好調な走りを続け、前走の結果に繋げている。そして、どちらかというとスタミナが豊富なタイプで、じわじわと伸びてくるタイプなので、3000mという距離はこの馬には大きなプラスになるのではないか。3000mは長いと思われる馬も多く出走していることも考えれば、距離適性のアドバンテージがあれば上位進出も十分にあり得るはずだ。これまで古馬1000万からの挑戦で結果を出している馬もいることを考えれば、古馬準オープンで結果を出しているというのも実績としては悪くはない。1戦ごとに成長しているようにも感じるし、チャンスは十分にありそうだ。
消し しぶといタイプということもあって大きくは崩れないのだが、その反面「勝ちきれない」というのが最大の問題点となる。現にここ4戦も3着4着2着2着と勝ちきれないレースが続いている。好走はしているのだから2着か3着なら期待してもいいという考え方もできるが、今回はG1となるだけにそううまくいくかどうか。皐月賞でも大きく負けているし、G2G3で勝ちきれない馬が好走できるほどG1は甘いものではないだろう。特に京都コースは決め手のある馬が有利というか、好走する傾向があるだけに、決め手がいまいちのこの馬には合っていない感じもする。脚質が地味だからスタミナがあるとも言えないので距離延長がマイナスということも考えられる。
アドマイヤメイン
(牡3・武豊57)
買い H18ダービー2着、H18青葉賞1着。
ダービーで2着していることは当然に高い評価が必要である。メイショウサムソンに負けたとはいえ、僅差の勝負だったのだから実力差はそれほどあるわけではないと考えていい。東京2400mもかなりスタミナを必要とするコースなので、東京2400mで好走できる馬であれば京都3000mは十分にこなせるだろうし、もちろん距離延長がプラスに出るということも考えられる。自分でペースを作れるというのも強みであり、平均的なラップを刻んで逃げることができれば後続もそうは追い込んでこれないはずである。鞍上が武豊というのも魅力であり、長距離レースは騎手の手綱捌きも非常に重要な要素となるだけに、武豊を確保できたことはかなり大きい。
消し まずは前走の神戸新聞杯で7着に負けたというのは気になる。叩き台のレースだったとはいえ、TRでもそれなりの走りはしておかないと本番に繋がらないものなので、それを考えると内容、結果ともにもう一つだったように感じるだけに、本調子にはほど遠い状態ということも考えられる。血統的にはステイヤーという感じがあまりしないので、2400mまではなんとかこなせるが、3000mはさすがに長いということもあると思う。先行して良さが出るタイプであるが、3000mだとそうは速いラップは刻めないはずで、そうなると後続も楽についてくると思われる。そうなると最後は瞬発力のある馬の方が有利になることも考えられ、この馬の決め手ではあっという間に置いて行かれるということもありそうだ。
マルカシェンク
(牡3・福永57)
買い H18デイリー杯2歳S1着。
2歳時はデビューから3連勝という実績を残しており、重賞のデイリー杯と1800mの京都2歳Sを力の違いを見せつける強い内容で勝っていることからもかなりのポテンシャルの持ち主であることは容易に推測できる。その後は故障で長期休養を余儀なくされたが、もし朝日杯まで駒を進めていれば1人気間違いないと言われたほどの逸材であり、フサイチリシャールの主戦でもある福永騎手が、その時点でマルカシェンクが世代No1と公言していたくらいである。なんとか間に合わせたダービーでも4着という走りはしているし、それより何より前走の毎日王冠で古馬相手に4着したというのが凄いことである。かなりレベルの高いメンバーが集まっていたことを考えれば、3歳世代では抜きんでて強いということになるのではないか。本当は天皇賞を使おうとしていたように、3000mがどうかという懸念はあるが、3歳限定戦ならば、能力の違いで十分にカバーできるという考え方もできる。
消し まずは距離だろう。前走で毎日王冠を走ったように、陣営も適性は2000m前後だと思っているはずである。本当なら天皇賞を使いたかったということからも、距離3000mはこの馬には長いと判断していいのではないか。となれば、スタミナ不足で惨敗に終わるということも十分に考えられることになる。それにダービーでも4着に負けた馬なので、そもそもG1級の器ではないということだって考えられる。前走の毎日王冠で4着というのは頑張っているとは思うが、G1を勝つつもりであれば古馬のG2戦でも馬券圏内は外してほしくないという感じもするだけに、前走4着で底を見せたという考え方もできる。天皇賞に出走することも想定しながらの調整だったので、仕上げが万全とはいかなかったという可能性もある。
トーホウアラン
(牡3・藤田57)
買い H18京都新聞杯1着。 京都新聞杯で重賞を勝っている実績はけっこう大きなものである。2200m以上で結果を出していることで距離の不安があまりないといえるし、今回と同じ京都コースで結果を残していることも魅力といえる。京都新聞杯では先行してそのまま押し切っているように、好位から競馬ができるというのも強みといえる。京都新聞杯は超スローの流れだったが、こういう時は瞬発力のある馬が有利であり、そういう状況で勝ちきったということは、この馬の瞬発力もかなりのものということになる。先行できて瞬発力もあるとなれば、3000m戦ということもあるしチャンスはけっこう大きいのではないか。
消し まずはダービーで9着に負けていることである。少しの不利はあったにしても負けすぎである。展開もこの馬には有利だったと思うし、それで大きく負けたということは、G1では実力不足と考えていいのではないか。次に休み明けである。G1を休み明けで好走するというのは基本的に難しいことである。過去の傾向からいってもG1を休み明けでも好走する馬は以前にG1で結果を残していた場合がほとんどである。ダービーで9着に負けた馬が休み明けで好走するというのはかなり厳しいということになる。
ミストラルクルーズ
(牡3・池添57)
買い H18セントライト記念3着
前走のセントライト記念で3着に入りこのレースへの切符をきっちりとゲットした。先着した2頭が先行していたことを考えれば、中団の競馬からよく詰めているという評価もできるので、内容としても悪くはなかったと思う。前走は3着以内に入らなければいけないというのがあったが、今回は勝つか負けるかの大胆な騎乗も可能になるだけに、また違う走りを見せてくれるかもしれない。それに500万クラスは2400mで勝ち上がっているようにスタミナには問題はないし、気性も素直ということなので、距離延長は大きなプラスと考えていい。典型的なステイヤーという感じもするので、3000mならばG1でも強い競馬を見せるかもしれない。
消し セントライト記念で3着に負けているというのはどうなのだろうか。過去の傾向からいっても神戸新聞杯組が結果を残すことが多いものだし、実際に今年のメンバーを比較しても神戸新聞杯の方が強いメンバーが集まった印象が強い。そうだとすれば、レベルの低いセントライト記念で3着に負けたというのは、底を見せたと評価したくなる。セントライト記念で先着を許した2頭を逆転できたとしても、神戸新聞杯組にも勝つというのはけっこう厳しいのではないか。これまでの実績も地味な感じが強いし、G1の器という雰囲気はいまいち感じられない。
シルククルセイダー
(牡3・秋山57)
買い 前走1000万特別を勝っているわけであるが、ダートだったとはいえ2着に3馬身以上離したのだから力が違いすぎたと評価できる。この走りなら上のクラスでも当然に通用するだろうし、3歳限定なら重賞でも通用する可能性は十分にある。芝はデビュー戦以来なので未知数ということになるが、もしかしたら芝の方が適性が高いということも考えられるだけに、今まで以上の走りを見せるということもあるかもしれない。勢いはかなり感じるし、1戦ごとに成長しているのも感じるだけに、ここで大仕事をしても不思議はない。
消し 前走強い競馬をしたといっても、しょせんダートの1000万のレースである。芝のレースの裏付けにはならないものだし、ダートから芝に挑戦してきて好走した例はあまりないだけに、いままでの実績がダートだけというのは大きなマイナスと考えるべきだろう。それに1000万とG1というのもレベルとして差がある。3歳限定だから1000万を勝ったばかりの馬が好走するケースがあるのも確かではあるが、それは希なケースであり、確率的にいえば1000万からの挑戦でいきなり好走するのは難しいものである。
タガノマーシャル
(牡3・和田57)
買い 前走1000万特別を勝っているので勢いは感じる。G1といっても3歳限定なので1000万を勝つレベルならなんとか通用するところだとは思われる。休み明けを3戦叩かれて徐々に内容が良くなっているので、1戦ごとに成長していると考えていいだろう。この時期の3歳馬は急成長を遂げる馬も多いし、この馬もG1で通用するだけのレベルまで成長している可能性だってある。距離延長がこの馬には大きなプラスとなる可能性もあるわけだし、3000mで走りが一変するということもないとは言えない。
消し しょせん1000万を勝ったばかりの馬である。勝ったとはいえ2着にハナ差という勝負で、力の違いみたいなものは感じられなかっただけに、G1でも通用するかもしれないと思える内容とは言い難い。それに前々走は5人気で6着に負けていることからも、前走はメンバーに恵まれただけという評価が妥当なのではないか。距離経験も2000mまでなので3000mへの距離延長も不安の方が大きい。重賞実績のない馬が菊花賞で好走するパターンのほとんどが、2200m以上の実績があった場合なので、そういう意味でもこの馬がここで好走するのは厳しいということになる。
ネヴァブション
(牡3・石橋脩57)
買い 前走1000万特別を勝っているので勢いは非常に感じる。それに2500mという距離で勝ったのが大きい。スタミナには問題がないということになるし、相手が距離に不安を持っているというか、半信半疑という馬が多いだけに、すでに長距離で結果を残しているというのは安心できる材料になる。しかも2年前のデルターブルースはこの馬と同じ九十九里特別を勝った勢いで菊花賞を制しているわけで、すでに前例があるわけだから、この馬だって十分に通用することになる。もともと京成杯で3着という実績も持っているわけだし、以前から素質のあるところは見せていた馬ではある。ここにきて調子が上がってきているのも感じるし、スタミナが生きる流れになればチャンスはさらに広がる。
消し 前走勝っているといってもしょせん1000万特別なのでG1の裏付けには厳しいものがある。デルタブルースのような例は確かにあるが、だからといって1000万を勝った馬すべてが通用するというわけではない。デルタブルースは例外と考えるべきであり、通常であれば格不足と判断するのが一般的だと思う。それに3走前は1000万特別で5着に負けているので、1000万で力が抜けていたというわけでもないと思う。春の時点では500万で凡走に終わるケースが多かったわけだし、G1級というか大物という感じは伝わってこない。ローテーションもけっこう強行軍なので体調的にもどうだろうか。
マンノレーシング
(牡3・小牧57)
買い 前々走1000万特別を勝って、前走は準オープンで3着という結果を残した。今回はG1となるが、3歳限定戦ということを考えれば、準オープンの初戦で好走できるレベルなら何とか通用するのではないか。マヤノトップガン産駒なので距離延長は大きなプラスとなるかもしれないし、芝に替わったことでダートよりも強い競馬をするということもあるかもしれない。休み明けを2度叩かれて調子はさらに上がっているだろうし、勢いもけっこう感じる。
消し 準オープンで3着というのは悪い結果ではないが、それでもダートでの結果だけに、芝のG1の裏付けにはかなり厳しいものがある。デビューから2戦は芝で凡走に終わっていたことからすれば、芝適性は低いということだと思うだけに、ダート以上の走りを期待するのはあまりに酷だろう。距離延長もプラスに出るかどうか分からないし、近走は1700mばかりということからすれば、この馬には3000mは距離が長いということも十分に考えられる。
インテレット
(牡3・藤岡57)
買い H18毎日杯2着。
重賞で連対している実績を持っているのだから実績としては悪くはない。その毎日杯で勝っているのがダービー2着のアドマイヤメインだったのだから、この馬も同等の力があっても不思議はないということになるし、このときは未勝利を勝ち上がった直後だったというキャリアの浅さを考えれば十分に評価していいと思う。皐月賞でG1を経験しているのは悪いことではないし、3歳春から伸びてきた馬なのでまだまだ成長を期待できる馬である。前走のセントライト記念では9着に敗れたが、休み明けということを考えればやむ得なかったともいえる。叩かれて良くなるタイプなので、一叩きされたことで一変するかもしれない。
消し 前走のセントライト記念で9着に負けているというのはかなり気になる。いくら休み明けとはいえG1で好走するつもりであれば掲示板くらいは確保してほしいところである。休み明けを一叩きされた上積みを見込んだとしても、さすがにG1で馬券圏内に入るレベルまで変わってくるというのは難しいのではないか。まあ、毎日杯で2着というのが最高の実績なので、もともとG1で好走できるだけの実力がないと考えるのが自然かもしれない。それに長距離実績があるわけでもないので3000mという距離も不安の方が大きいと思う。
フサイチジャンク
(牡3・岩田57)
買い H18若葉S1着、H18若駒S1着。
まずは皐月賞で3着していることを高く評価しないといけない。G1で馬券圏内に入っているのだから当然にG1級の能力があるということになるわけで、今回も格不足ということはない。それにこの馬は、3億円で落札された超良血馬であり、その名前もテレビ番組名からとったというように、注目度はかなりのものだった。しかも皐月賞までは4戦4勝と無敗だっただけに、その期待は高まるばかりだった。その4戦の内容も着差はそれほどでもなかったが、いわゆる「着差以上の強さ」といえるもので完勝といっていいものだった。皐月賞も正攻法の競馬で3着だったのだからフロックであるわけがない。ダービーは11着と惨敗に終わったが、中途半端に負けていないことで力は出し切っていないと考えるべきだろう。前走のセントライト記念は6着に敗れたが、休み明けだったうえに他馬の落馬による不利もあっただけにあまり気にすることもないだろう。一叩きされたことで体調は大きくアップしているだろうし、もともと持っているポテンシャルを出すことができれば、あっさりと勝ってしまうということだって十分にあり得る。
消し 前走のセントライト記念で6着というのはどうなのだろうか。多少の不利があったにしても、メンバー的にもそれほど強いといえる構成ではなかっただけに、少し物足りないものを感じた。ダービーでも11着と負けていることからすると、この馬に2200mは長かったということかもしれないし、成長がいまいちで他馬に差をつけられてきているということかもしれない。だとすれば、いずれにしても巻き返しは難しいということになる。この馬は実はまだ重賞を勝っていないということもあるし、話題ばかりが先行したために実力以上に素質があると思いこんでいるのかもしれない。勢いとしてもそれほど感じないし、もちろん距離実績もない。皐月賞とダービーで2人気だった時に比べると、底を見せつつあるかなとどうしても感じてしまう。
トーセンシャナオー
(牡3・イネス57)
買い H18セントライト記念1着
前走のセントライト記念を勝って堂々とこのレースに駒を進めた。TRを勝ったというのは当然に大きなアドバンテージであり、この馬がここを勝っても何の不思議もないということになる。それに前走は2着に1馬身以上離しているのだから内容としても完勝といっていい。少なくてもセントライト記念組に負けることはないのではないか。サンデーサイレンス産駒らしい大レースでの勝負強さを前走で見せているだけに、その勢いでここも連勝するということも十分にありそうだ。唯一の外国人騎手イネスが騎乗するというのも不気味な要素である。
消し 前走のセントライト記念の走りは立派ではあったが、前残りの競馬というか先行馬が有利な流れだったように感じただけに、前走の走りだけで高く評価するのは危険かもしれない。単にレースレベルが低かっただけということも考えられるわけで、神戸新聞杯組には手も足も出ないということも十分にあり得る。サンデーサイレンス産駒ということもあって、気性的に長い距離はどうなのだろうか?という感じもするし、先行タイプなので京都コースでの決め手勝負だと分が悪いという感じもする。
アペリティフ
(牡3・安藤勝57)
買い H18京都新聞杯2着
京都新聞杯で2着しているというのは実績としては悪くはない。2200mの重賞で結果を出していることでスタミナは問題なといえるし、京都コースで結果を残しているというのも大きなアドバンテージである。その前には2500m戦で勝っているのだからスタミナはかなりあるタイプだと思っていいだろう。それらを考えれば京都3000mというのはこの馬にとっては願ってもない舞台かもしれない。ダービーでも6着にきているので、G1実績としてもまあまあといえるだけに、3000mのG1なら十分に射程圏ということになる。前走の神戸新聞杯では9着に負けているが、休み明けだったし2000m戦だったのだから、それほど悲観するほどでもないのではないか。一叩きされたことで今度は変わってくるだろうし、距離が一気に延びることも考えれば巻き返しがあっても不思議はない。
消し 前走の神戸新聞杯で9着に負けているというのはどうなのだろうか。休み明けだったにしてもちょっと負けすぎという感じがするだけに、一叩きの上積みを見込んだにしても巻き返しは厳しいのではないか。京都新聞杯も結局は2着に負けているわけだし、ダービー6着も結局は掲示板にも載れなかった。6着くらいならフロックでも十分に走れるともいえるだけに、もともとG1級の実力はないということではないか。距離が延びることはこの馬にはプラスだとは思うが、根本的な実力に大きな差があるのであれば、距離が延びたからといって逆転できるというものでもない。G1で好走するためには、何か大きな魅力が必要だと思うが、この馬にはそういう器の大きさみたいなものをもう一つ感じない。
アクシオン
(牡3・田中勝57)
買い 前走1000万特別を勝っているので勢いは感じる。G1といっても3歳限定なので1000万を勝つレベルならなんとか通用するところだとは思われる。ここ3戦で1着2着1着と調子の良さも非常に感じるし、1戦ごとに成長しているということも十分に考えられる。大レースに強いサンデーサイレンス産駒というのも大きな魅力といえ、今の勢いならいきなりのG1挑戦でも何とかしてしまうかもしれない。好位で競馬ができるレースセンスのある馬であるし、スタミナ勝負で上がりがかかる展開になれば、早めに抜け出しそのまま押し切るということもあるかもしれない。
消し しょせん1000万を勝ったばかりの馬である。前々走はタガノマーシャルに敗れていることも考えれば、前走の走りだけでG1でも通用すると判断するのはかなり危険だと思われる。重賞未経験ということもあるし、実績的に考えればいきなりのG1で結果を出すというのはかなり厳しいのではないか。距離経験も2000mまでなので3000mでどうかということもある。サンデーサイレンス産駒ということを考えると、距離が長すぎるのもどうかという感じもするので、距離延長がプラスにはならないような気もする。他にこれといった魅力もないし、馬券を買いたくなるような際だった材料が見あたらないというのが痛い。
パッシングマーク
(牡3・四位57)
買い ベンジャミンS1着。
オープン特別を勝っている実績はそれなりに評価しないといけない。スローペースを好位で折り合い、直線の叩き合いを制したのだから内容としても評価できる。前走のセントライト記念は11着に負けているが、休み明けだったことを考えれば、あまり気にしなくていいという考え方もできる。一叩きされて大きく変わることもあり得るし、今回は巻き返してくることも十分に考えられる。芝はまだ4戦しかしていない馬なので、まだまだ底を見せたとは言えないし、社台の馬だからポテンシャルは高いものを持っているということも十分に考えられる。
消し 前走のセントライト記念で11着というのはさすがに負けすぎだろう。一叩きされた上積みを見込んだとしても、さすがに11着から巻き返すのはかなり厳しいと思われる。それにダービーでも13着に負けていることからすれば、もともと重賞で戦えるだけの実力がないということかもしれない。距離も1800mまでしか実績がないので、2200m以上の距離はこの馬には長いということかもしれない。となれば、3000mへの距離延長は大きなマイナスということになる。これといった魅力も見あたらないし、さすがにここは参加するだけで終わるのではないか。
ソングオブウインド
(牡3・武幸57)
買い H18ラジオNIKKEI賞2着、H18神戸新聞杯3着。
前走の神戸新聞杯で3着していることはそれなりに評価しなければいけない。ドリームパスポートとメイショウサムソンを相手に0.1秒差の勝負をしたのだから、この馬も同等の力があると思っていい。ラジオNIKKEI賞で2着しているという実績もあるので、前走の走りがフロックだとは考えづらい。前走は先行して、前々走は差す競馬で結果を出しているので、展開に左右されるタイプでもないといえる。実際にこれまで9戦してまだ3着を外したことがないという安定度はたいしたものである。こういう安定した馬は長距離戦では持ち前のしぶとさを発揮しそうだから、3000mという距離はプラスになる可能性も十分である。休み明けを一叩きされた上積みも当然に見込めるし、それほど人気になっていないことで思い切った競馬をすることも可能なだけに、本番で巻き返すことも十分にあり得るだろう。
消し 前走の神戸新聞杯で3着したのはそれなりに評価できるが、負けたことは事実である。特にメイショウサムソンには力の違いを見せつけられたという感じもするだけに、さすがに逆転は難しいのではないか。距離経験も2000mまでしかないので、距離延長がプラスとなるかどうかは分からない。距離経験がないのだから基本的にはマイナスと考えるべきだと思う。ラジオNIKKEI賞でも2着に負けているので、勝負弱いというイメージもあるし、G1級の器の大きさみたいなものも、もう一つ伝わってこない。ここ2戦は小回りコースで結果を出しているが、京都コースだと力のある馬がきっちりと実力を発揮してくるという意味で、この馬にはマイナスになるという感じもする。

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