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G2-毎日王冠の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
ハイレベルなメンバーが集まったこともあって熱いレースとなった。ダイワメジャーとダンスインザムードは少し抜け出していたものの、3着以下は大混戦という状況になり、さすがにG1級のレースは違うと感じた。今回のレースは特に有利不利はなかったと思う。東京1800mではダイワメジャーとダンスインザムードが強かったという結論でいいと思う。ただ、本番は東京2000mである。この1Fの延長がある以上は、本番も今回の結果どおりになるとは限らない。本番ではまた違う結果になるのではないか。
ダイワメジャー
外枠スタートからゆっくりと先行集団にとりつき、あとは直線まで脚を貯めて、直線に入ったところで早めに抜けだしで後続を完封するという、この馬の勝ちパターンにうまく持っていくことができた。ゴール前では1度はダンスインザムードに交わされたが、差し返してしまうのだから、今は本当に充実しているということなのだろう。苦手と言われていた東京コースでついに結果を出したし、天皇賞に向けてこれ以上ないレースをしたと思う。あとは距離が1F伸びることがどう影響するかだろう。皐月賞を勝っているのだから距離が長いということはないとは思うが、相手も2000mだとレースがしやすくなるということもあるだろうし、そんなに楽な競馬にはならないとは思う。
ダンスインザムード
中団の位置取りから直線でもしっかりと抜けてきたし、ほぼ完璧なレースだったと思う。1度は先頭に立ったものの、差し返されるところが、牡馬と牝馬の差なのかもしれない。北村宏騎手のコメントだと、もう少し追い出しを我慢したかったが、隣の馬とぶつかって怒ってしまい行ってしまった、ということだから、それがなければ勝っていたかもしれない。でも、その程度のことはよくあることだし、敗因にはならないと思う。あそこまでいって勝てないということは、ダイワメジャーとは力の違いがあるのかもしれない。まあ、2000mなら分からないけど。
ローエングリン
G3でも勝ちきれていなかっただけに、年齢的な衰えがあるんだろうな、と思っていたが、このメンバーを相手にこれだけの走りをするのだから、この馬のポテンシャルはまだまだ見限れないレベルということだろう。差す競馬ができるようになって本当に安定してきた。まだ気性的に難しい面は残っているようで、それが解消されればもっと良くなる感じもするので、天皇賞秋でも期待していいかもしれない。とはいえ、かえって以前のような怖さがなくなっている感じもするし、今度はさらにレベルが高くなるG1だけに、さすがに苦しい戦いになるかなとは思う。
マルカシェンク
3歳馬ということを考えれば、この走りは本当に立派である。かなりの素質を持っていると思っていいのではないか。これからさらに成長することが予想されるし、今年はともかく来年はG1で活躍できるだけの素材ではなかろうか。今後の成長に期待したい。
カンパニー
休み明けということを考えれば、悪くない内容だったとは思うが、やはりハイレベルな戦いになると、ワンパンチ足りないというところが出てしまったような気がする。次は一叩きされた上積みが見込めるので巻き返しもあるかもしれないが、距離が1F延びるということもあるし、けっこう厳しい戦いになるかもしれない。
アサクサデンエン
道中は非常に良い感じだったので、私は内心「やったか」と思っていたが、直線では意外なほどに伸びなかった。藤田騎手も「敗因が分からない」というのだから、けっこう深刻かもしれない。G1馬だから一叩きで一変するということもあるかもしれないが、これだけ負けるとさすがにそれも難しいのではないかなと思えてしまう。年齢的なことも考えると、もう復活はないのかもしれない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G2-毎日王冠の予想
結論

◎アサクサデンエン
 ○カンパニー
 ▲ハットトリック
 ×オースミグラスワン
  △ダイワメジャー
  △ダンスインザムード
  △テレグノシス
  △マルカシェンク
  △ロジック
  △クラフトワーク

買い目(馬連) 合計7,000円
  軸7--4,5,10,11,16(各1,000円)小計5,000円
  軸7--6,8,12,15(各500円)小計2,000円

にへいの見解
 本命◎はアサクサデンエンである
 今回はかなりのメンバーが揃っただけに、予想がかなり難しい。どの馬が勝っても不思議がないのであれば、人気のない馬から勝負する方がいいかもしれないとも思ったが、G2といってもG1に近いレベルの高いレースだけに、ここは素直に強い馬から勝負することにした。この馬は昨年の安田記念を制しているし、今年の安田記念でも休み明けにもかかわらず2着という走りをみせた。昨年の天皇賞秋でも休み明けで4着しており、とにかく東京コースでの走りはかなり安定している。昨年の天皇賞秋と今年の安田記念の走りから、休み明けでもそれなりに力を出せるタイプというのも、この馬から勝負できる要因である。G1実績があり、東京コースも得意で、休み明けも心配ないとなれば、このハイレベルメンバーが相手でも、何とか2着には来てくれるのではないかと私は判断した。7歳という年齢だけに、若い馬にやられるというか、世代交代のレースになるかもしれないということも思ったが、この馬は昨年から本格化してきた馬でいわゆる晩成型といえるので、今年いっぱいくらいは強い競馬をしてくれると期待した。
 対抗○はカンパニーである
 この馬のベスト距離は1800mだと私は思っている。この馬のとんでもない瞬発力を考えれば、東京コースの適性も高いと思うし、ここはかなり期待していいと思う。でも、昨年のこのレースでも超スローペースに泣かされて結果を出せなかったことからも展開に左右されるタイプだとは思う。安田記念でも結果を出せなかったし、G1ではワンパンチ足りないという感じもする。それだけに本命◎という判断はできなかったが、個人的にはこの馬のポテンシャルはかなり高いと思っており、得意の1800mならこのメンバー相手でも十分に勝ち負けできると判断した。
 単穴▲はハットトリックである
 昨年のマイルCSと香港マイルを勝っている馬なのだから、その実力は間違いなくG1級である。この馬もとんでもない瞬発力の持ち主なので、東京コースの適性は当然に高いはずである。これだけの馬があまり人気になっていないというのは、私にはかなり不自然に感じる。確かに今年は惨敗続きで良い走りがまったくできていないだけに、敬遠したくなる気持ちも分からないでもない。でも、G1を2勝している馬がここまで舐めていいわけがない。リフレッシュされたことで体調が戻っているかもしれないし、今回はそのポテンシャルを見せつけるかもしれない。私はそれに期待した。
 4番手×はオースミグラスワンである
 新潟大賞典でみせた末脚はかなりのものだったと思う。前走の新潟記念では結果を出せなかったが、休み明けだったことを考えれば今回はまだ狙って面白いタイプだと思う。さすがにここまでメンバーが揃うと厳しいかもしれないとは思うが、若さと成長力で何とかならないかなと思ってしまった。
 5番手△はダイワメジャーである
 昨年のマイルCSで2着していることからも強い馬であることは間違いない。今年は安定した走りをしているし、ここでも当然にチャンスが大きいと考えるのが自然だと思う。でも、私は個人的にどうもウマが合わないというか、魅力を感じないというか、強さが伝わらないというか、とにかく馬券を買う気にならない馬なのである。強いことは分かっているが、私の気持ちからするとこの順番になってしまう。
 6番手△はダンスインザムードである
 本当は◎本命にすることも考えていた。天皇賞秋で2年連続で好走していることを考えれば、東京1800mなら無敵かもしれないと思ったからである。しかし、戦績を確認したらこの馬はここ数戦はダイワメジャーに連敗を喫しているのである。となれば、ダイワメジャーよりも上の評価にするわけにはいかない。マイル戦では勝てないが、1800mなら逆転できるのではないかということも考えたが、牡馬混合の重賞を勝った実績はないことを考えれば、今回も勝ちきるのは難しいのかなと思ったし、であれば2着だってあやしいと思ってここまで評価を落としてしまった。
 7番手△はテレグノシスである
 東京の重賞ではとにかく強い馬だけに、今回も当然にチャンスは大きいとは思っている。しかし、鞍上が大野騎手というのにはさすがに不安を感じる。ただでさえ乗り方が難しい馬なので、大野騎手で本当に大丈夫なのかという気持ちが強い。馬の力の違いで何とかしてしまうということもあるだろうから、いちおう押さえることにはしたが、さすがに今回は厳しい競馬になるのではないかと思っている。
 8番手△はマルカシェンクである
 ダービーで4着に負けている馬であるが、なんとか間に合ったという感じでの出走だっただけに、素質だけで4着したという評価もできる。それだけに、本当はもっと強い馬であり、実はとんでもない大物という可能性もまだ残っている馬だけに、これだけのメンバーが揃った古馬G2戦でも何とかしてしまうかもしれない。そういうことで押さえることにはした。でも、本当に強い馬かどうかはまだはっきりと証明されたわけではない。未知の部分を期待しての勝負はできないので、押さえにとどめた。
 9番手△はロジックである
 NHKマイルCを勝っていることを考えれば、ここで好走しても何の不思議もないということは確かではある。でも、個人的にはあまり強い馬には感じていない。本当は消しという判断でも良かったのであるが、鞍上が武豊だからいちおう押さえることにした。でも凱旋門賞のショックもあるだろうから武豊だからという理由で買うのはかえって危険かもしれない。
 10番手△はクラフトワークである
 函館記念でファインモーションを競り落とし、中山金杯とAJC杯を連勝した時は、G1でも通用するだけのポテンシャルを持っていると思ったが、体質が弱いのか長期休養ばかりでなかなか順調にレースが使えないでいる。万全の状態であればここでも通用するとは思うが、走っては休むの繰り返しだけに、いきなり万全の仕上がりということは期待できないのではないか。そういう意味ではかなり苦戦するとは思っている。でも、体調が万全である可能性だって否定はできない。完全に体調が戻っているのであれば、勝ち負けしても不思議ないだけに、念のため押さえることにした。

G2-毎日王冠

アサクサデンエン
(牡7・藤田58)
H17安田記念1着、H18安田記念2着、H17京王杯SC1着。 昨年の安田記念を勝っているという実績を持っているだけに、別定G2で格不足ということはあり得ない。それに、昨年の天皇賞秋で4着、今年の安田記念でも2着という実績があり、G1で安定した走りを見せている。しかも、天皇賞秋と今年の安田記念は休み明けでこれだけの走りをするのだから、この馬の場合は休み明けはマイナスと考えない方がいい。東京コースを得意としており、G1好走もすべて東京コースであることも忘れてはいけない。天皇賞秋で好走しているのだから1800mで距離が長いということもあり得ない。これだけ好材料が揃っていれば、当然に勝ち負けを期待していいことになる。しかし、休み明けというのは何だかんだいっても不安としては小さくない。これまでのG1ではそれなりの走りはしたが、今回も同じように仕上がっているかは分からない。この後に天皇賞が控えていることを考えれば、今回は余裕残しの仕上げになるのではないか。まして、今回はG1級の馬がかなり揃っており、メンバー的にはかなりレベルが高い。この馬と同等のポテンシャルを持っていそうな馬もけっこういるだけに、実力を出し切ったとしても、さらにその上をいく馬がいても不思議はないくらいである。そういう状況で休み明けで仕上がりが余裕残しとなれば、さすがにこの馬でも馬券圏内に届かないということもあり得ることである。
オースミグラスワン
(牡4・四位57)
H18新潟大賞典1着。 春の新潟大賞典で重賞を制覇しているが、ほぼ最後方の位置から直線でメンバー最速の上がり33.9という鋭い末脚を繰り出して差し切るという内容だっただけに、勝ち方としてはけっこうインパクトがあった。これだけの競馬ができるということは、少なくても新潟大賞典のメンバーにおいては力が抜けていたと評価していいだろう。問題はすでにG1で好走しているようなメンバーを相手にどこまで通用するかということになるが、まだ重賞におけるキャリアが浅いだけに、現時点で底を見せたとは言えず、G1でも通用するだけのポテンシャルを持っているということも十分に考えられるわけで、であれば別定G2のここで通用しても不思議ないということになる。前走の新潟大賞典は6着に敗れているが、休み明けだったし、ハンデ戦でハンデを背負っていたことを考えれば、0.4秒差の6着ならそれほど悲観する必要もない。一叩きされた上積みは大きいだろうし、今回は変わってくることも十分に考えられる。まだ4歳という若さも魅力でさらなる成長力も期待できる。ここで好走して一気に天皇賞の主役に躍り出たいところだろう。とはいえ、オープン入りして4戦したが、勝ったのは新潟大賞典だけというのは、別定G2を戦うことを考えれば、ちょっと物足りないものは感じてしまう。ローカル重賞レベルでしかないということも十分に考えられるだけに、G1級が揃った今回のレースではちょっと荷が重いかな、という感じはしてしまう。ポテンシャルは高いかもしれない、というのはしょせん推測であって、現実的に証明されているわけではないだけに、信用度はどうしても低くなってしまう。
カンパニー
(牡5・福永58)
H18大阪杯1着、H17京阪杯1着、H17中山記念2着、H16京阪杯2着など。 この馬の持ち味はなんといってもその瞬発力である。上がり33秒台はもちろんのこと、32秒台もふつうに出せるくらいだからこの馬の切れ味は半端ではない。現に昨年の京阪杯ではスローの展開で先行馬有利だっったにもかかわらず後方から一気に差し切ってしまっている。こういう脚質だから東京コースは合っているはずであり、長い直線を味方にこの馬が大外から一気に突っ込んでくるシーンは十分にあり得る。別定G2の大阪杯を勝っているということで格不足ということもない。これまでの実績からは1800mがベスト距離であると思われるだけに、この馬にとっては願ってもない条件といえる。メンバーは確かに強いが、この馬の破壊力のある末脚を持ってすればチャンスは十分といえる。とはいえ、G1だとなかなか結果を出せないというか、もう一つ上に行けないのはやはりそういう器ではないということかもしれない。となれば、G1級のメンバーが揃った今回のレースで結果を出すというのはかなり厳しいという考え方もできる。ここまでレベルが高くなると先行馬もそうは失速しないし、追い込み一辺倒という脚質ではなかなか難しいのかもしれない。休み明けなのでどこまで仕上がっているのか分からないという不安もある。もうワンランク上に行けないことに、地味な血統も影響しているのかもしれない。
クラフトワーク
(牡6・横山典57)
H17アメリカJCC1着、H17中山金杯1着、H16函館記念1着、H16東京新聞杯2着。
昨年は中山金杯とAJC杯を強い内容で連勝して、そのポテンシャルの高さを見せつけている。函館記念でもファインモーションを相手に勝ちきった実績を持っているだけに、G1級の実力を持っていると考えるべきである。この馬の持ち味は鋭く切れる末脚であり、後方からあっという間に先頭に立てる瞬発力はかなりのレベルである。そういう脚質だから東京コースも合っているはずで、この馬の能力を出し切れる状態であれば十分に勝ち負けできるはずである。しかし、問題はその体調である。昨年のAJC杯を勝ってから1年以上休んでしまい、今年の中山記念で復帰するも12着に敗れ、また3ヶ月も間隔が開きエプソムCを走ったが、ここでも11着に敗れた。今回もまた約4ヶ月ぶりということになるし、どうしても順調にレースを走れないでいる。ここ2戦が惨敗に終わっているだけに、今回も同じ休み明けとなる以上は、同じように負けるような気がしてしまう。つまりは、この馬の本来の姿に戻っていることを期待するのは難しいのではないか、ということである。それに期待は高かったとはいえG1で結果を出したことがないというのも事実であり、G1で好走した経験のある馬が多く出走しているメンバー構成を考えれば、力を出し切れたにしても実力不足で通用しないということも十分に考えられることになる。
グレイトジャーニー
(牡5・蛯名57)
H18ダービー卿CT1着、H16シンザン記念1着、H17ディセンバーS1着。
2歳時から重賞戦線でそれなりに走っていた馬ではあるが、今年に入ってから特に調子が良い。ダービー卿CTで斤量56kgを背負いながら完勝したのをはじめ、京王杯SCでも5着、G1の安田記念でも8着と、1線級と対等に走れるようになってきている。G1ではちょっと足りないかなという感じは否めないものの、別定G2なら通用しても不思議ない走りは見せているだけに、今回もチャンスはあるはずだ。他の有力馬が休み明けが多いだけに、札幌記念で1度叩かれていることは大きなアドバンテージになるはずで、体調の良さを生かして好走してしまうということは十分にあり得る。今年は一戦ごとに成長しているようにも感じるし、ここらへんで大仕事をすることもあるかもしれない。しかし、前走の札幌記念で7着に負けているというのはちょっと負けすぎという感じはする。メンバー構成も今回のメンバーに比べれば、それほど高くはなかったと思うし、ここで好走するつもりならば掲示板くらいは確保してほしかった感じはする。京王杯も安田記念も着順としては中途半端という感じがするし、もう一つ強さが伝わってこないのも気になるところだ。地味ではあるが堅実に走るタイプではあるので、うまく流れに乗れればチャンスはありそうな感じもするが、G1級の馬がこれだけ集まると、いくらG2でもこの馬には厳しい感じはする。
サイドワインダー
(牡8・長谷川57)
H17関屋記念1着、H17スワンS2着、H15京都金杯1着、H14京阪杯1着など。
2年前のマイルCSでは1人気に推されたほどの馬である。全盛期においては、後方から直線だけで一気に差し切るという豪快な競馬を見せており、その末脚の破壊力は半端ではなかった。昨年も関屋記念で力の違いを見せつけ、後にマイルCSで2着するダイワメジャーを完封している。しかし、今年に入ってからは米子Sで4着はしたものの、それ以外は鳴かず飛ばずのレースが続いており、さすがに年齢的な衰えが出てきたという感じは否めない。ピークが過ぎてもう以前のような力はないということであれば、ここでの巻き返しはかなり厳しいということになるのだろうが、まだ調子が上がってきていなかっただけということであれば、このレースで以前のような強い走りを再び見せてくれる可能性も残る。ただ、近走の走りがあまりにだらしないだけに、復活してくるにしてもいきなり勝ち負けというのは難しいという考え方もできる。直線が長い東京コースに替わるのはプラスだろうから、本来の走りを取り戻すということもあるかもしれないが、さすがに厳しいかなという感じがしてしまう。
サクラメガワンダー
(牡3・後藤55)
H17ラジオたんぱ杯1着。
クラシックの登竜門と言われる暮れのラジオたんぱ杯を勝っている実績は持っている。このとき先日の札幌記念を3歳ながら勝ち切ったアドマイヤムーンを力でねじ伏せているだけに、この馬のポテンシャルもかなり高いと考えた方がいい。その後はこれといった結果を残していないが、レベルの高いクラシック戦線だっただけに、底を見せたという評価を下すのはまだ早い。素質が高いのは感じるだけに、今までは力を出し切れていなかっただけで、本当の実力はもっと上にあるということも考えられる。まだ3歳だから夏を越して大きく成長しているということもあり得るわけだし、古馬相手に強い競馬をしてしまうこともあるかもしれない。とはいえ、皐月賞6着、ダービー10着という結果からすれば、G1ではワンパンチ足りないと判断するのが妥当のような感じはする。今回はG2ではあるが、古馬のG1級がかなり揃っているだけに、3歳G1で掲示板にも載れなかったレベルの馬には出番はないという考え方も十分にできる。弥生賞ではあまり良い走りをしていなかったので、休み明けというのもどうかという感じがするし、これだけのメンバーを相手にすることも考えると、厳しい競馬になることは間違いない。
ダイワバンディット
(牡5・小野57)
H18関屋記念2着など。 前走の関屋記念で2着していることは評価しないといけない。今回も一緒に走るローエングリンやテレグノシスにも先着しているのだからフロックではないと考えるべきである。前々走の七夕賞では13着に敗れているが、距離が長かったと考えれば度外視でいい。1800m以下であれば2戦連続で2着していることになるし、勢いもそれなりに感じられる。この2戦の好走は、先行して早めに抜け出しそのまま粘りきるというものだったので、プレッシャーなく気分良く走ることができれば、強い走りができるということではないか。であれば、今回も気分良く先行できれば、そのまま粘りきってしまうということもあるかもしれない。しかし、好走した2戦はいずれもスローペースにうまく嵌ったという感じがするだけに、実力で勝ちきったという感じがいまいちしない。ローカルの重賞だったから好走できたが、G1の前哨戦となればメンバーも一気に強くなるし、流れも厳しくなるはずである。2戦とも勝っているならともかく2戦とも2着というのだから器の大きさも感じることができない。直線に坂のないコースの方が合っているということも考えられるし、さすがに今回は相手が強すぎるという感じはする。
ダイワメジャー
(牡5・安藤勝58)
H17マイルCS2着、H16皐月賞1着、H18マイラーズC1着、H18中山記念2着など。
もともと皐月賞を勝っている馬なのでG1級であることは間違いないが、その皐月賞の実績よりも、最近の走りの方が評価できる。昨年のマイルCSでは2着に敗れたものの、タイレコードをタイム差なしという内容だっただけにポテンシャルはかなり高いと考えた方がいい。今年のマイラーズCは完勝しているし、安田記念でも4着とそこそこの走りはしている。この2戦でダンスインザムードを完封しているわけだし、今の日本のマイル路線のトップレベルの存在であることは間違いない。昨年暮れからの充実度を考えれば、ここも大きくは崩れないだろう。先行タイプなので荒れていない開幕週の馬場は大きな味方となるし、ここは大きなチャンスといえる。しかし、この馬は東京では結果を出せないでいるというのが少し気になる。安田記念で4着だから苦手というレベルではないと思うが、昨年のこのレースでも5着に負けているように、決め手のある馬にどうしても交わされてしまう。ダービー卿CTやマイラーズCでは強い競馬をしていることも考えれば、やはり右回りで直線の短いコースの方が合っているということではないか。昨年のような超スローの展開からの瞬発力勝負になるとかなり苦しくなるし、今年は目標にされるというのもきついところではないか。
ダンスインザムード
(牝5・北村宏56)
H18ヴィクトリアマイル1着、H16桜花賞1着、H18マイラーズC2着、H16天皇賞秋2着、H16マイルCS2着など。
今年のヴィクトリアマイルで久々のG1制覇を成し遂げ、牝馬マイル女王の称号を獲得しており、牝馬ではNo1の実力ということになる。ただ、そのことよりも、この馬の場合は天皇賞秋で一昨年2着、昨年3着と2年連続で好走していることの方を高く評価したい。牡馬混合のG1でこれだけの走りをするのだから牡馬が相手となっても当然にチャンスということになる。G1の好走のほとんどが東京コースということも大きく、東京コースの適性はかなり高いはずである。前走はアメリカ遠征だったが、ここでも圧勝したように、今年に入ってから安定してきている。気性的にずいぶんと大人になったということがその要因だと思われる。となれば、今回も当然に勝ち負けということになる。しかし、安田記念で5着に負けているというのは少し気になる。他のレースでもそうであるが、牡馬が相手になるとどうしても勝ちきれず、良くて2着という成績ばかりである。やはり牡馬相手では好走までが精一杯で勝ちきれるだけの力はないということかもしれない。もともと気性の難しい馬で、自滅して惨敗することも多かった馬なので、休み明けだとまたそういうところを出してしまうのではないかという不安もある。
テレグノシス
(牡7・大野58)
H17毎日王冠2着、H16毎日王冠1着、H16安田記念2着、H14NHKマイルC1着、H15京王杯SC1着など。
言わずとしれた東京巧者であり、重賞での好走のほとんどが東京コースというのだから、東京コースだと馬が一変する典型的なタイプである。G1もNHKマイルCを勝っているし、2年前の安田記念で2着という実績もある。今年で7歳となったが、昨年の毎日王冠で2着、今年の京王杯SCでも3着と相変わらず東京コースでは強いところを見せている。前走の関屋記念も左回りということで3着にはきており、まだまだ力が衰えていないところをみせている。一叩きされているのは大きな強みといえるし、東京コースでG2あればどんな相手であっても下手な競馬はしないのではないか。とはいえ、安田記念で6着に負けているように、徐々にではあるが年齢的な衰えが見え隠れする。近走も好走はしているが、なかなか勝ちきれないというのもそういうことが影響しているのではないか。そして今回で言えば大野騎手が鞍上というのがちょっと理解できない。これだけの馬であれば他にもっと実績のある騎手がいると思うのだが、陣営はあまり勝ちにはきていないということなのだろうか、G2とはいえそれほど実績のない騎手に乗せるというのは、なにがなんでも勝つという姿勢が感じられなくなる。例年になくメンバーが揃ったという感じもするので、G1では結果を出せないことが多いことも考えると、このメンバー相手だといつものような好走を期待するのは難しいかもしれない。
ハットトリック
(牡5・岩田59)
H17香港マイル1着、H17マイルCS1着、H17東京新聞杯1着など。 昨年のマイルCSでG1を勝ち、続く香港マイルでも世界の強豪を相手にきっちりと勝ちきって、一躍世界のトップマイラーに躍進した。格としては当然に最上位ということになる。この馬の持ち味はなんといっても、その切れ味鋭い末脚である。上がり33秒台はもちろん、32秒台も何度も出しているその決め手は他の追随を許さない。昨年の東京新聞杯を勝った時は上がり32秒台で超スローの展開を差し切っていることからすれば、直線の長い東京コースはこの馬の脚質に合っている。となれば、この馬の持っている実力を出し切れるのであれば、圧勝もあり得るということになるわけで、当然に勝ち負けしなければいけないレベルの馬である。しかし、今年の春は惨敗ばかりで調子が上がらないで終わってしまった。もし、夏を越しても体調が上がってきていないのであれば、春と同じような惨敗を喫するという可能性も十分ということになる。どちらかというと不器用なタイプなので、休み明け初戦から力を出せるというタイプではない感じもする。単純にピークが短く、力が落ちてきているということもあるかもしれない。追い込み一辺倒なので展開に左右されやすいということもあるし、典型的なマイラーという感じもするので、距離1800mもどうかという感じもする。ただ、こういう馬の取捨は非常に難しいものである。ポテンシャルの低い馬はどんなに頑張っても勝てないが、ポテンシャルの高い馬は力を出し切れれば勝ってしまうのだから、力を出し切れるかどうかを判断しないといけないわけだが、レース前にそれを判断をするのはあまりに難しい。
マルカシェンク
(牡3・柴田善55)
H18デイリー杯2歳S1着。
2歳時はデビューから3連勝という実績を残した。重賞のデイリー杯と1800mの京都2歳Sを力の違いを見せつける強い内容で勝っていることからもかなりのポテンシャルの持ち主であることは容易に推測できる。故障で長期休養を余儀なくされたが、もし朝日杯まで駒を進めていれば1人気間違いないと言われたほどの逸材であり、フサイチリシャールの主戦でもある福永騎手が、マルカシェンクが世代No1と公言していたくらいだから、G1級の能力はあると思っていいだろう。なんとか間に合わせたダービーでも4着という走りはしており、能力が高いことを改めて証明した。3歳になってからは順調に使われていないので、まだまだ底を見せたとは言えない。この馬が万全の状態であれば、もっと強い競馬をする可能性は十分であるし、今後のG1戦線の主役になることもあるかもしれない。そういう未知の魅力はたっぷりの馬である。しかし、3歳になってからは京都新聞杯5着とダービー4着しかないだけに、本当に強いのかどうかは何とも言えないということになる。2歳時の実績はあまりアテにはならないし、3歳以降の実績がいまいちということになれば、実際にはそれほど強い馬ではなく、G1では通用しないレベルということも十分に考えられる。今回はG2ではあるが、メンバー構成からすればG1みたいなものである。初めての古馬との対戦ということを考えても、ここでいきなり結果を出すというのはけっこう厳しいのではないか。ここをきっちりと勝ちきるようであれば本当に大物である可能性が高くなるとは思うが、他のメンバーも相当に強いだけに、なかなかうまくはいかないのではないか。
メジロマントル
(牡9・吉田豊57)
H17鳴尾記念1着
この馬のベストレースはなんといっても昨年の鳴尾記念である。平均的な自分のペースで逃げることができたとはいえ、2着に2馬身以上離したのだからたいしたものである。相手もまさかこの馬が逃げ残れるとは思ってなかったのだろうが、気持ちよく走らせると強い競馬をするという証明であり、能力そのものは高いと考えた方がいい。そういう意味では、今回もこの馬が他を大きく引き離して逃げるようだと分からない。今回もこの馬を甘くみて、どの馬も追いかけないと、鳴尾記念のようなことになるかもしれない。まあ、そうは言っても、今回は距離が1800mだし、スローペースになったとしても、そんなに楽には逃がしてくれないだろう。G1級のメンバーが揃っていることを考えても、今回はさすがに相手が強すぎる感じはする。休み明けを一叩きされた上積みはあるだろうから走りが一変する可能性も否定はできないが、すでに9歳という年齢を考えれば、G1レベルのレースで生涯最高の走りを期待するというのはあまりに酷だと思われる。
ローエングリン
(牡7・田中勝57)
H17H15マイラーズC1着、H16毎日王冠2着、H15ジャックルマロワ賞2着、H15中山記念1着など。
ジャックルマロワ賞で2着、香港マイルで3着、一昨年の安田記念で3着、さらに3年前の宝塚記念でも3着とG1での好走があるのだからG1級の能力は間違いない。ムラがあるタイプで惨敗を喫することも多いが、勝つ時は強い勝ち方をする馬だけに、今回も気分よく走れるかどうかが大きなポイントになると思われる。今年の春は結果がもう一つで、さすがに年齢的な衰えが出てきたと思われたが、前々走の関屋記念では斤量59kgを背負って4着、前走の京王杯SCも斤量58kgを背負って4着と復調気配を感じる。それに、速い流れでも先行していた馬がここ2戦は後方から差す競馬で結果を出しており、ここにきて競馬がうまくなってきた。今までは気性の関係でマイルがベストだと思われていたが、血統的にはもっと長い方がいいタイプだから、差す競馬ができるのであれば距離延長はプラスとなるはずだ。今回は別定戦だから斤量の不利はないというか、有力馬が斤量を背負っている分だけ、この馬の方が有利ということになる。ここでの好走は十分にあり得ると考えていいだろう。まあ、そうは言ってもハンデ戦とはいえG3で連続4着というのは、今回のこのメンバーを相手に戦うことを考えれば、物足りないと言わざる得ない。もう7歳という年齢だし、やはり往年の力はもうないと考えるのが自然かもしれない。ここ2戦はうまく後方で脚を貯めることができたが、今回も同じ競馬ができるかどうかは分からない。気性に難のある馬は、いつ暴走するか分からないだけに、信用しづらい面が残る。まあ、同じような競馬ができたとしても、決め手のある馬が多数いるだけに、この馬の決め手では通用しないということになりそうである。
ロジック
(牡3・武豊57)
H18NHKマイルC1着。 やはり今年のNHKマイルCを勝っているというのは大きな実績である。現3歳のマイルチャンピオンなのだから、別定G2のここで実力不足ということは考えづらい。NHKマイルCまでは重賞で勝ち切れていなかったので、まぐれで勝ってしまったという印象もあったが、ダービーに果敢に挑戦してそこで5着に入ったことで、完全に本格化したということを印象づけた。戦績が徐々に上がってきているということは、それだけ成長力が凄いということであり、夏を越してさらに大きく成長していることも期待できる。ダービーで5着だから距離1800mが長いということもあり得ない。NHKマイルCとダービーで好走しているということは、東京コースを得意としているということかもしれない。今回は古馬相手となるので楽な競馬はさせてもらいえないだろうが、それでもここを勝ちきって一気に古馬G1の中心的存在になるということも考えられる。とはいえ、初めての古馬戦だけに不安もかなり大きい。NHKマイルCまではなかなか勝ち切れていなかったことからすれば、どうしても大物感がいまいちに感じてしまう。NHKマイルCはうまくインコースを突けたのが勝因という感じもするし、ダービーも5着なら相手なりに走っているだけという評価もできる。武豊がわざわざ乗りに来るのだから、本当に強いということかもしれないが、ここまでG1級のメンバーが揃っていることを考えると、まったく相手にしてもらえないということも十分に考えられる。

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