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G3-中山牝馬Sの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
レース
逃げにこだわるタイプがいなかったので、超スローの展開になると思っていたら、メイショウオスカルが掛かったようで、けっこう速い流れになったようだ。こうなると、結果的に上位にきた決め手のあるG1実績馬にとっては願ってもない展開になったといえる。ゴール前では4着以下は大きく離されていたことからも、上位3頭が地力が上だったということだと思う。やはりヴィクトリアCという大きな目標ができたことで、実績馬も本気モードだったということも言えるのではないか。来年以降も実績馬の方が結果を出すという可能性が高いかもしれない。
馬券
高配当を狙いにいってこの結果だから「仕方ない」と考えるしかない。ヤマニンシュクルは地力が上と思っていたので、そこらへんが少し悔いは残るが、信用しきれなかった自分が一番問題なのだから反省するしかない。そういう意味での反省であるが、ハンデ戦でもG1実績のある馬は軽視しない方がいいということだと思う。前走で不可解な負け方をしていれば話は別だろうが、シュクルの場合はそれなりに理由があったし、その割には結果も悪くはなかった。この条件であれば巻き返してくるという判断をすべきだったかもしれない。G1実績馬の取捨をもう少し慎重にすべきだったということになる。結果論として言えることかもしれないが、こういう判断力をもっと高めていきたい。
ヤマニンシュクル
スイープトウショウやダンスインザムードと好勝負してきただけあって、さすがにここでは力が違ったようだ。前走4着に負けたのは距離が短かったということでいいと思う。1800mの今回は本当に強い競馬だった。ハンデ戦だったことを考えても高い評価を与えていいと思う。まあ、敢えて言うのであれば、前走もそうだったが、超スローの展開からの瞬発力勝負になると弱いところがあるというのが唯一とも言える問題だと思う。でもまあ、レベルの高いレースだと流れは厳しくなるものだし、この馬にとっては大きなレースの方がレースがしやすいかもしれない。
ディアデラノビア
前走の京都牝馬S5着からの巻き返しだから、この馬も距離延長が良かったということかもしれない。先行馬には厳しい流れになったのもこの馬には恵まれたとは思うが、それでも後続はけっこう離したのだから高い評価を与えていいと思う。ただ、ヤマニンシュクルには力の違いを見せつけられたという感じはする。でも、まだ成長が期待できる4歳馬だし、これからの馬だとは思う。
ヤマニンアラバスタ
新潟記念と府中牝馬Sの実績からいってポテンシャルが高いのは明らかだったので、この結果に驚くということはないが、それでもトップハンデで苦手の右回りということを考えれば、よく頑張っているようには感じた。ヴィクトリアCはマイル戦なので、この馬には少し距離が短いかもしれないけど、得意の左回りなのでチャンスはあるかもしれない。
コスモマーベラス
この馬は本当に中山1800mを得意としている。4着に負けたが、上3頭は実績が違うだけに、この馬なりに頑張ったと評価してあげたい。ただ、中山1800mのレースはしばらくないので、この馬にとっては今後は厳しい戦いになるかもしれない。
メジロトンキニーズ
ターコイズSと同じように出遅れたし、直線も意外に伸びなかった。吉田豊騎手のコメントだと「長距離を使っていたので、追走に苦労した」ということなので、やはり3400mからいきなり1800mというのはさすがに戸惑うということなのだろう。ちょっと狙いすぎたかもしれない。でも、この馬はそれなりに強いと思うので、今後も注目したい。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G3-中山牝馬Sの予想
結論

◎メジロトンキニーズ
 ○チアフルスマイル
 ▲マイネソーサリス
 ×レクレドール
 ☆スターリーヘヴン
  △ウイングレット
  △ヤマニンシュクル
  △コスモマーベラス
  △ヤマニンアラバスタ
  △ディアデラノビア
  △メイショウオスカル

買い目(馬連) 合計6,300円
  BOX--3-6-11-14(各500円)小計3,000円
  軸11--1,10,15(各500円)小計1,500円
  軸11--4,8,13(各200円)小計600円
  軸11--2,5,7,9,12(各100円)小計500円
  軸16--1,3,6,10,11,14,15(各100円)小計700円
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
今回はかなり良いメンバーを揃ったとは思う。しかもハンデ戦である。それだけにどの馬が勝っても不思議がない状況であり、正直なところどの馬を本命◎にするかもかなり悩んだが、ボックス馬券の対象馬をどの馬にするかでもかなり悩んだ。こんな感じだから現時点でも自信度はかなり低い。当たる外れるは別として、今年の予想の中では最も自信度は低いと言っていい。それくらい今回のレースは難解だった。なので、どうせ分からないのであれば穴狙いで勝負して玉砕した方がいいだろう、と判断した。高配当を狙う方が馬券の手を広げられるし、当たった時の収穫も大きくなる。「実力的にはこの馬だろうな」と思っている馬が結果を出した時は悔いが乗るかもしれないが、まあその時はその時。高配当の可能性が高い牝馬のハンデ戦であれば敢えて高配当を狙いにいった方が得策だと判断した。もちろん、高配当を狙うといっても、すべての高配当を買えるわけではない。私の狙いとは違う高配当が出る可能性も高い。まあ、だから自信度が低いわけであるけど。
本命◎はメジロトンキニーズである
ちょっとひねくれすぎたかもしれないが、前走牡馬混合の重賞で2着という実績があること、ハンデが52kgであることを考えれば、牝馬限定の重賞であれば十分にチャンスがあると判断した。問題は距離が短すぎるのではないか?ということだと思うが、この馬はターコイズSで0.2秒差の6着という走りをしているし、しかもこのとき出遅れて最後方からの競馬となり、上がり33.9というメンバー最速の上がりタイムで追い込んできたのである。この内容であれば、出遅れさえなければ勝っていたかもしれない、と私は考えたわけである。ダイヤモンドSもターコイズSもハンデは50kgだったから、そういう意味では2kg増ということになるが、それでも52kgというのは重いというよりは、まだまだ軽い方である。4歳馬の成長力も見込めるし、ここは意外にチャンスがあるとみて、思い切って本命◎にした。
対抗○はチアフルスマイルである。
前走の京都牝馬Sでは前残りの競馬だったにもかかわらず、上がり33.6という鬼脚をみせて2着に突っ込んできた。この馬の瞬発力は半端ではなく、瞬発力勝負になればチャンスが出てくる。こういうタイプは直線が長い方がいいように思われがちであるが、昨年のこのレースで3着、札幌のクイーンSでも3着と意外に小回りの1800mでも結果を出している。一瞬の切れを生かすタイプなので、かえって直線が短い方が合っているということなのかもしれない。勢いは感じるし、ハンデも手頃な54kgならチャンスは大きいと判断した。
単穴▲はマイネソーサリスである。
単純にターコイズSを勝っていることを評価した。中団から抜け出すという完璧な競馬だっただけに、中山1800mが合っているということかもしれない。ターコイズSの時よりも斤量が2kg増えるのは気にはなるが、それでもまだ54kgである。こういうときはコース適性の高い馬が勝つことも多いだけに、この馬ははずせないと思った。
4番手×はレクレドールである。
いろいろと悩んだが、実績に対してそれほど人気がなかったので選択した。この馬はクイーンSを勝ち、阪神牝馬Sで3着しているように地力があるのは間違いないのである。それなのに安定して結果を出せないのは、私は瞬発力に欠ける脚質のせいだと思っている。前走のように上がり33秒台の勝負を苦手としているということである。まあ、今回もスローの流れからの瞬発力勝負になりそうなので、今回もどうなのかなとは思ったが、中山コースなら京都ほど上がりは速くはならないだろうから、うまく流れにさえ乗れれば押し切れるのではないかと考えてみた。
5番手☆はスターリーヘヴンである。
この馬は先行馬であるが、スローで流れると直線ではかなりしぶといタイプである。今回は特にハナにこだわる馬がいないので、この馬がハナを切るか、1枠のウイングレットがハナを切るかだと思うが、どちらに転んでも速い流れになることはないと思う。ゆったりとしたペースで直線まで行ければ、この馬は意外に瞬発力があるので、ハンデ54kgなら押し切れるかもしれないと思ったわけである。順番としてはここにしたが、オッズがかなり高いので、この馬からは上の4頭はもちろんさらに下3頭まで押さえたい。馬券としては100円だけど(^_^;)
6番手△はウイングレットである。
中山1800mはこの馬にとってはベストの条件だと思う。そういう意味ではチャンスは大きいというか、楽勝もあるかもしれない。しかし、高配当を狙うという方針にしたので今回は敢えて軽視した。ハンデ56kgは重かったということを願うしかない。あとは休み明けも気になった。
7番手△はヤマニンシュクルである。
スイープトウショウと好勝負をしてきた馬だけに、この馬の能力も半端でないことは分かっているつもりではある。そういう意味ではハンデ56kgでもチャンスは大きいと言っていいと思うが、前走も伸びそうで伸びないとか、どうも一抹の不安を感じてしまう。心の中では「この馬が一番強い」とは思っているが、今回はハンデ戦なので敢えて軽視した。
8番手△はコスモマーベラスである。
中山1800mでの実績はかなりのものなので、この条件はベストである。ハンデも53kgだし普通ならボックスから外せないということになるのだろうが、思ったより人気になっていたのが妙に気になった。こういうタイプは人気があると走らないような気がする。
9番手△はヤマニンアラバスタである。
昨年の新潟記念と府中牝馬Sの走りはかなり凄かった。あの走りができるのだからこの馬のポテンシャルは今回のメンバーでも1・2を争うレベルだとは思っている。しかし、この馬はどうも右回りはいまいちのようである。直線が短いのも合っていない感じがするし、そういう意味で軽視した。ただ、これだけの実績馬がここまで人気がないというのもどうなのだろうか。馬券的にはこの馬を狙うのも面白いかなとは思った。
10番手△はディアデラノビアである。
オークスで3着という実績を持っているのだからかなり強い馬である。そういう意味では今回楽勝もあるかもしれない。でも私としてはこの馬は直線の長い東京コースが合っていると思う。不器用な印象が強いだけに小回りの中山では持ち味を発揮できないと判断した。
11番手△はメイショウオスカルである。
前走の京都牝馬Sで2着、昨年の中山牝馬Sで2着という実績を考えても、ここで好走する可能性は十分である。好位から競馬できるのも小回りコースでは強みとなるし、チャンスは大きいと考えるべきだとは思っている。でも、ハンデ56kgだという理由だけで私は軽視してしまった。というより、それだけ今回はメンバーが揃ったということだと思う。
他でもカネトシディザイアは前走勝って勢いがあるし、ライラプスはレベルの高い重賞での好走実績を持っているし、プリンセスグレースは休み明けとはいえ連勝中でしかも超良血馬という魅力があるし、アンブロワーズは阪神JF2着の実績を持っているし、ミヤビキララのハンデ50kgというのは理屈抜きで不気味である。このように今回は全16頭にチャンスがあると思っているので、当然に◎本命からの100円総流しは必須である。
まあ、こんなところです。

G3-中山牝馬S

アンブロワーズ
(牝4・小野53)
買い H16阪神JF2着、H16函館2歳S1着。 なんといっても阪神JFで2着というG1実績が光る。G1で結果を出したのだからG3で能力不足ということはあり得ない。それに阪神JFではかかり気味に先行したにもかかわらず、勝馬とタイム差なしというのだから、そのポテンシャルは半端ではなかった。3歳以降はこれといった結果を残していないが、G1であれだけのパフォーマンスを見せた馬だし、中途半端に負けていないことからも能力を出し切っていないのは明らかである。この馬が本気になれば凄い走りができるはずだし、今回は走る気を出して復活ということもあるかもしれない。
消し 3歳以降はこれといった結果を残していないというのはさすがに問題だろう。ダート戦は度外視にしても前々走の京都牝馬Sで10着というのは負けすぎだし、それまでも見せ場すら作れない競馬が続いているだけに、普通に考えれば早熟だったことではないか。復活の兆しも特には見られないし、これまでは気性的に能力を出し切っていないにしても、今回能力を出し切るという保証は何もないし、今までと同じように能力を出し切れない可能性の方が高いと考えるのが一般的だろう。
ウイングレット
(牝5・田中勝56)
買い H17中山牝馬S1着、H16ターコイズS1着など。 まずは昨年のこのレースで勝っていることを高く評価しないといけない。昨年勝っているのだから能力不足ということはあり得ない。それに、一昨年のターコイズSを勝ち、昨年のターコイズS3着ということからも、この馬は中山1800mをかなり得意としていると思われる。小回りで直線が短いので先行脚質のこの馬に合っているということかもしれない。スイートピーSを勝っていることからすれば、1800mという距離も合っていると言える。秋華賞3着というG1実績を考えても、ここは有力の1頭と評価すべきである。今回はハンデ56kgとなるが、昨年が55kgだから大きなマイナスにはならないと思うし、主戦の田中勝騎手に乗り替わるのもプラスと考えていいだろう。
消し ターコイズSで3着に負けているのは気になるところだ。一昨年は勝っていたことからすれば、ピークが過ぎて力が落ちているということも考えられる。あるいは、ハンデが重いためにいつもの走りができなかったということかもしれないが、だとすれば今回もハンデ56kgだからターコイズS以上の走りは難しいということになる。年明け初戦で休み明けというのも気になるところで、昨年の京都牝馬Sからの臨戦過程に比べると割引と考えるべきだと思う。この馬を楽に先行させるとしぶといことは他のジョッキーも分かっているわけだし、早めに競りかけられて潰されるということもあるかもしれない。
カネトシディザイア
(牝7・木幡53)
買い 前走準オープンとはいえ勝っているので勢いは感じる。勢いに乗って重賞を勝つということはよくあることなので、前走で条件を勝ち上がった馬というのはけっこう恐いものである。もともとこの馬はオープン特別でも好走したことがあるし、G1の秋華賞で4着という実績もあるだけに、ハンデのG3なら通用しても不思議ないだけのポテンシャルはあるはずだ。
消し この馬の大きな不安はやはり距離である。マイル以下でしか勝ち星がないということ、ターコイズSで14着に惨敗していることを考えても1800mという距離はこの馬には長いと考えるべきである。前走勝っているといっても準オープンでの話だから重賞の裏付けにはどうかという考え方もできるし、前々走は13着に負けているように安定度も期待できないタイプである。7歳という年齢を考えれば成長というか上積みもあまり期待はできないだろうし、ここで生涯一の結果を残すのは難しいだろう。
コスモマーベラス
(牝4・柴田善53)
買い H17紫苑S1着。 中山1800mは3戦して1勝2着2回とかなり得意としている。しかも、この3戦すべてオープン特別だから価値は高い。スイートピーSでも2着しているので距離1800mが合っているということかもしれない。特に牡馬混合のディセンバーSで2着というのは凄いことで、牡馬混合のオープン特別で連対できる実力があれば、牝馬限定のG3なら楽勝しても不思議はない。中団から競馬をするタイプなので展開もあまり関係ないだろうし、安定度もそれなりに期待できる。まだ4歳という成長力も魅力となるし、ハンデ53kgも魅力といえる。
消し この馬は重賞では結果を出していないというのが気になる。ダートとG1が多いというのも確かではあるが、芝のG2・G3での実績がないことに変わりはない。オープン特別で2着が多いというのも気になるところで、勝負弱いイメージもある。オープン特別ではそこそこ走るのに、重賞ではさっぱりというタイプもいるもので、この馬はそういうタイプかもしれない。特に今回は重賞実績のあるメンバーが揃っただけに、今までのオープン特別よりはレベルが高くなりそうで、さすがに重賞実績馬には力が及ばないかもしれない。
スターリーヘヴン
(牝6・大西54)
買い H17福島牝馬S2着。 重賞は福島牝馬Sで2着しているし、オープン特別もキャピタルS、都大路S、オーロCで3着という実績を持っているだけに、牝馬限定のG3なら能力は通用するはずである。テンが速く先行できるのが魅力の馬であり、スローで直線まで脚を貯めることができると、直線でもかなりの脚を使うタイプであり、そういう流れになるとチャンスが大きくなる。福島牝馬Sで好走しているのだから、ハンデ54kgも距離1800mも問題にはならないし、先行有利の中山1800mも合っていそうだ。ここ3戦はダート戦なので度外視でいいだろうから、ここでの巻き返しは十分に考えられる。
消し ここ3戦のダート戦は度外視としても、クイーンS14着、函館SS11着、愛知杯6着と重賞ではあまり良い結果を出していない。オープン特別ではそこそこ走っていても重賞となると少し力が足りないという感じがする。福島牝馬Sはしょせんローカル戦で、中央場所とはレベルが違うという考え方もできるし、今年のこのレースは新設されたヴィクトリアCの関係で、かなりのメンバーが揃っただけに、この程度の実績ではちょっと足りないかもしれない。先行できないと脆いところがあるし、先行しても息が入らないと惨敗する傾向があるだけに、展開に左右されやすいところもある。オープン重賞で勝ちきれていないというのも気になるところで、決め手もワンパンチ足りない感じがする。
チアフルスマイル
(牝6・藤田54)
買い H18京都牝馬S2着、H17愛知杯2着など。 前走の京都牝馬Sは2着とはいえ、逃げたマイネサマンサが押し切ったようにスローの展開を考えれば、後方からよく追い込んでいる。何せ上がり33.6という瞬発力を見せたのだから内容としては勝ちに等しいものである。この馬の持ち味はもちろんその切れ味鋭い末脚であり、スローでも追い込んでくるだけの破壊力がある。愛知杯2着、クイーンS3着だから距離1800mも問題ないし、昨年のこのレースで3着だから中山コースも問題ではない。一瞬の切れ味を生かすタイプなので、かえって直線が短い方が良さが出るという考え方もできる。これだけの実績を持ちながら斤量54kgというのも意外な感じがするし、このハンデならチャンスは大きいはずだ。
消し 前走2着するなど重賞でそこそこ走っている実績はあるが、勝ちきれないというのがこの馬の問題点だと思う。追い込み脚質なのでどうしても展開に左右されるし、不利を受けるのも結局は後方からしか競馬ができない馬の宿命という考え方もできる。とにかく、展開に左右されるというのは安定度としてはあまり期待できない。中山1800mは先行有利のコースなので、この馬の脚質には合っていないという考え方もできる。距離も1400〜1600mの方が合っているという感じもするので、1800mは微妙に長いかもしれない。
ディアデラノビア
(牝4・岩田55)
買い H17フローラS1着。 昨年のオークスで3着している実績は当然に高い評価が必要である。このとき上がり33.7というかなりの決め手を見せていたし、オークスの前のフローラSでも上がり33.8という瞬発力で最後方から全馬差し切っている。前走の京都牝馬Sは5着に負けたが、逃げ馬が残るというスローの展開でほぼ最後方の競馬では届くはずがない。上がり33.6という決め手は見せていたことからしても実力不足ということはあり得ない。フローラSとオークスの実績から考えれば距離延長はプラスとなるはずだし、叩かれ3戦目だから調子も上がってきていると考えられる。まだ4歳という若さも魅力だし、ここでその素質の高さを見せつけるということは十分に考えられる。
消し なんだかんだで前走の京都牝馬Sで5着に負けていることは事実である。どんな状況でも勝ちきるのが強い馬であり、それができないのだから抜けて強いという評価はできない。前々走の京都金杯も6着に負けていることからすれば、古馬相手では通用しないレベルという考え方もできる。展開さえ向けば力を発揮できるにしても、今回は速い流れになるとは限らないし、前走と同じようにスローの流れになれば同じように負けるということになる。直線の長いコースの方がこの馬の末脚が生きるという感じもするので、小回りの中山コースもどうなのだろうか。明け4歳のハンデ55kgというのもけっこうつらいのではないか。
プリンセスグレース
(牝4・北村宏51)
買い 今回休み明けになるとはいえ、休養前は2連勝しており勢いはそれなりに感じる。母グレースアドマイヤ、リンカーンの全妹という良血馬でもあるし、4歳の春を迎えて大きく成長している可能性は十分である。まだまだ底を見せたとはいえないし、素質の高さを今回いきなり見せるかもしれない。もちろんハンデ51kgというのも大きな魅力であり、ハンデ戦では軽い斤量の馬が理屈抜きで好走することもあるだけに、そういう意味でもチャンスはある。
消し 前走1000万を勝ったばかりという実績だけに、いきなりの重賞挑戦ではさすがに厳しいと考えるのが一般的だろう。しかも休み明けとなればなおさら厳しいということになる。重賞どころかオープン特別の経験すらないわけだし、いきなり通用するほど重賞は甘いものではない。まして今回は重賞実績馬がかなり揃っただけに、相手関係もかなり強い。いくらハンデが軽くてもこの相手ではさすがに力が及ばないのではないか。
マイネソーサリス
(牝5・佐藤哲54)
買い H17愛知杯1着、H17ターコイズS1着。 愛知杯で重賞を勝っているのだから当然に高い評価が必要である。昨年暮れのターコイズSを勝っているというのも大きな実績であり、中山1800mですでに結果を残しているというのは大きな魅力となる。ここ2戦は大きく負けているが、牡馬が相手だったことを考えればやむ得ない面もあった。牝馬限定なら相手が楽になるだけに巻き返してくる可能性は十分である。小回りコースを得意としているイメージが強いし、斤量が軽いと走りが変わるような感じも受ける。ハンデ54kgで牝馬限定ならチャンスはかなりありそうだ。
消し 前走の小倉大賞典で6着に負けているし、前々走の京都金杯では14着である。いくら牡馬相手だったとはいえ、ハンデが53kgだったことを考えるとさすがに負けすぎという感じがした。昨年暮れのターコイズSを勝っていることからすれば、調子が落ちてきているということかもしれない。あるいは、愛知杯を勝った時が51kg、ターコイズSの時は52kgだったが、53kg以上を背負うと極端に結果が悪くなるということは、この馬は52kg以下でないとダメということかもしれない。今回は54kgと前走よりも1kg重くなるわけだし、この馬にはちょっと斤量が重いかもしれない。
ミヤビキララ
(牝4・郷原50)
買い 前走の準オープンでは惨敗に終わっているものの、それまでは未勝利から1000万まで3連勝した馬である。条件クラスとはいえ3連勝はなかなかできるものではなく、その能力はかなり高いと考えた方がいい。前走の敗因も直線で行くところがなく脚を余した形のようだし、前走の結果だけに見切るのは早計かもしれない。ハンデ戦だけにハンデ50kgというのも大きな魅力であり、ハンデ戦ではこういう軽量馬が怖いものである。4歳馬でまだまだ底を見せていないし、成長も見込める。ここで大仕事をするチャンスは十分である。
消し 前走の準オープンで15着というのはさすがに負けすぎである。ハンデ52kgだったこと、距離が1800mだったことからしても、今回重賞で巻き返せるという感じは受けない。オープン、重賞の経験もないし、相手も一気に強くなる。ハンデ50kgとはいえ、それだけで好走できるというものでもないだけに、さすがに背伸びしすぎという感じがする。
メイショウオスカル
(牝5・後藤56)
買い H17福島牝馬S1着、H18京都牝馬S2着、H17中山牝馬S2着など。 前走の京都牝馬Sで2着と好走しており勢いは感じることができる。これまでに重賞で何度も好走しているし、別定G2の阪神牝馬Sで4着という実績を考えても、牝馬同士ならトップレベルの馬である。勢いに乗ると好走を続けるところがあるだけに、前走の2着はそういう意味でも大きい。昨年のこのレースで2着という実績を持っているので距離コースも問題はないし、中団より前で競馬をする馬なので小回りコースは合っているはずである。ハンデ戦となるが、前走も今回と同じ56kgで好走しているわけだし、斤量は気にすることもないのではないか。
消し 京都金杯で11着、愛知杯で12着、マーメイドSで7着など、けっこう成績は安定していない。気性的にムラがあるというか、掛かりやすいというか、折り合いに苦労させられるタイプだけに、好走できるかどうかは折り合い次第ということになるのだと思われる。そういう意味では今回も折り合い次第というか、安定度はあまり期待できないというか、惨敗に終わるということもあり得ることになる。ハンデ戦だけにハンデ56kgも楽ではないし、強いメンバーもけっこう揃っただけに、楽な競馬にさせてもらえない。決め手に欠けるところもあるので、決め手不足で4・5着に終わるということもありそうだ。
メジロトンキニーズ
(牝4・吉田豊52)
買い H18ダイヤモンドS2着。 前走のダイヤモンドSで2着しており重賞でも能力が通用することは証明している。牡馬相手で好走したのだから牝馬限定ならさらに上を目指せることになる。距離短縮がどうかだろうが、ターコイズSで0.2秒差なら差はほとんどないといえる。しかも、このときは出遅れて後方からの競馬となり、上がりは33秒台とメンバー最速を叩き出しての結果だから、まともなら勝っていたかもしれない。前走2着だから勢いは感じるし、ハンデ52kgも前走よりは重いとはいえ他と比べれば軽いのだからまだ有利な方だろう。決め手もしっかりしているし、スタミナもあるのだから、展開次第ではチャンスはあるはずだ。
消し 前走重賞で2着といっても3400m戦だっただけに、1800mの裏付けには難しいという考え方もできる。前々走も2500m戦で3着だったし、この馬は2500mでこそ良さが出るタイプかもしれない。ターコイズSもなんだかんだで6着に負けているわけだし、1800mこなせなくはないのだろうが、少し距離が短いと考えるべきではないか。ハンデ52kgもターコイズSとダイヤモンドSで50kgだったことからすれば、斤量が2kgも増えるわけで、そういう意味ではハンデが恵まれたとも言えないと思う。昨秋からけっこう使われ続けているので、そろそろ疲れが出てきてもいい頃だと思うし、上積みもあまり期待できないのではないか。
ヤマニンアラバスタ
(牝5・江田照56)
買い H17府中牝馬S1着、H17新潟記念1着など。 昨年は新潟記念で古馬を相手に○馬身差という強い内容で完勝し、続く府中牝馬Sでも他を圧倒する走りを見せた。この馬の武器はなんといってもその切れ味鋭い末脚である。超スローの展開でも後方から一気に追い込んでくるその瞬発力はかなりものである。オークスで3着というG1実績もあるし、牡馬混合の重賞を勝ち、牝馬限定の別定G2を勝っていることからしても、そのポテンシャルが半端でないことは明白である。牝馬限定のG3レベルなら楽勝することも十分にあり得る。
消し 前走のターコイズSで1人気に推されながら13着に惨敗したというのは、さすがに痛い。敗因がよく分からないが、常に安定した走りをするタイプではないということは言えると思う。であれば、今回も力を出し切れず惨敗するということも十分に考えられる。前走の敗因がハンデであれば、今回も重いハンデだから同じわけだし、条件も同じ中山1800mというのだから巻き返しは難しいということになる。年明け初戦で休み明けというのも基本的には割引だろうし、昨夏の走りを期待するのは難しいのではないか。
ヤマニンシュクル
(牝5・四位56)
買い H16秋華賞2着、H15阪神JF1着。 一昨年の2歳牝馬チャンピオンであることを忘れてはいけない。このときはスローの展開だったにもかかわらず直線で差し切るというかなり豪快な勝ち方だっただけに、まぐれで勝ったとはとても思えない。秋華賞でも後に宝塚記念を制したスイープトウショウと僅差の勝負をしており、そのポテンシャルの高さを再度見せている。クイーンSで古馬相手に3着した実績も持っているし、昨秋のエリザベス女王杯でも休み明けで4着という走りをみせた。前走は4着に敗れたが、マイルがこの馬には短すぎたようだから、距離延長は大きなプラスとなる。ハンデ56kgも実績を考えればやむ得ないし、それだけ他の馬とは実績が違うということである。決め手もしっかりしているタイプだし、そろそろ復活があってもいいはずだ。
消し 前走の京都牝馬Sで4着に負けたというのはちょっと痛い。牝馬限定のG3であれば楽勝してほしかった気もするだけに、ちょっと物足りないものを感じた。前々走の鳴尾記念も牡馬相手とはいえ7着に敗れているし、どうも復活しきれない。今回も前走と同じハンデ56kgとなるし、前走と同じように軽い馬に脚をすくわれるということもありそうだ。どちらかというと、長く良い脚を使うタイプのようにも感じるので、直線の短い中山コースもどうだろうか。直線で伸びそうで伸びないというシーンがありそうで怖い。
ライラプス
(牝4・デムーロ54)
買い H17クイーンC1着、H17スイートピーS1着。 秋華賞で5着、エリザベス女王杯6着とG1でそこそこの結果を残しているだけに、G3なら通用しても不思議はないはずだ。母がフサイチエアデールという超良血馬でもあることからすれば、まだ本当の実力を見せていないという評価もできるわけで、4歳になって大きな成長を遂げているということもあるかもしれない。どちらかというとしぶといというか、堅実に伸びてくるタイプなので、中山コースは合っているかもしれない。前走はダート戦なので度外視で構わないし、ハンデ戦なら巻き返しがあっても良いと思う。
消し 3歳牝馬戦線では前哨戦だとしっかりと勝ちきるなどそこそこの実績は残しているが、G1だと力の違いを見せつけるという感じで負けており、意外に強さが伝わってこない馬である。まあ今回はG3だからG1の負けは仕方ないとは思うが、G2の阪神牝馬Sでも8着に負けていることからすれば、レベルの高い古馬重賞では通用しないと考えていいのかもしれない。前走ダートとはいえ12着というのは負けすぎという感じがするので勢いとしてもいまいちだし、鋭い決め手を持っているとか、逃げるというタイプでもないので展開による一発も考えづらい。
レクレドール
(牝5・蛯名55)
買い H17クイーンS1着、H16ローズS1着。 昨年のクイーンSでは、後に天皇賞秋を勝ったヘヴンリーロマンスに勝ちきったのだから、この馬も同等の能力があると評価できる。暮れの阪神牝馬Sでも僅差の3着とかなり頑張っていたし、ポテンシャルが高いのは明らかである。札幌コースと阪神コースで好走したということは、中山コースもこの馬に合っている感じがするし、札幌記念の走りを考えれば1800mという距離も合っていると思う。そういう意味では前走の京都牝馬Sからの巻き返しは十分にあり得る。ハンデ55kgも他の有力馬が56kgを背負っていることを考えれば恵まれたという考え方もできる。
消し 前走の京都牝馬Sで6着に負けたのもそうであるが、その前に府中牝馬S7着、マーメイドS5着、愛知杯7着、中山牝馬S8着と、どうも掲示板前後で終わっているケースが多く、もう一つ強さみたいなものが伝わってこない。クイーンSはたまたま流れが向いたというか、この馬にとって良い条件が重なっただけという感じがどうしてもしてしまう。阪神牝馬Sの時のことを考えても、この馬は上がりがかかる展開でないと好走できないということではないか。そういう意味では今回もスローの流れになると今までと同じように掲示板前後までで終わるかもしれない。昨年のこのレースで8着に負けていることを考えれば、中山1800mという条件もどうなのだろうか。
G3-中山牝馬S

アンブロワーズ
(牝4・小野53)
買い H16阪神JF2着、H16函館2歳S1着。 なんといっても阪神JFで2着というG1実績が光る。G1で結果を出したのだからG3で能力不足ということはあり得ない。それに阪神JFではかかり気味に先行したにもかかわらず、勝馬とタイム差なしというのだから、そのポテンシャルは半端ではなかった。3歳以降はこれといった結果を残していないが、G1であれだけのパフォーマンスを見せた馬だし、中途半端に負けていないことからも能力を出し切っていないのは明らかである。この馬が本気になれば凄い走りができるはずだし、今回は走る気を出して復活ということもあるかもしれない。
消し 3歳以降はこれといった結果を残していないというのはさすがに問題だろう。ダート戦は度外視にしても前々走の京都牝馬Sで10着というのは負けすぎだし、それまでも見せ場すら作れない競馬が続いているだけに、普通に考えれば早熟だったことではないか。復活の兆しも特には見られないし、これまでは気性的に能力を出し切っていないにしても、今回能力を出し切るという保証は何もないし、今までと同じように能力を出し切れない可能性の方が高いと考えるのが一般的だろう。
ウイングレット
(牝5・田中勝56)
買い H17中山牝馬S1着、H16ターコイズS1着など。 まずは昨年のこのレースで勝っていることを高く評価しないといけない。昨年勝っているのだから能力不足ということはあり得ない。それに、一昨年のターコイズSを勝ち、昨年のターコイズS3着ということからも、この馬は中山1800mをかなり得意としていると思われる。小回りで直線が短いので先行脚質のこの馬に合っているということかもしれない。スイートピーSを勝っていることからすれば、1800mという距離も合っていると言える。秋華賞3着というG1実績を考えても、ここは有力の1頭と評価すべきである。今回はハンデ56kgとなるが、昨年が55kgだから大きなマイナスにはならないと思うし、主戦の田中勝騎手に乗り替わるのもプラスと考えていいだろう。
消し ターコイズSで3着に負けているのは気になるところだ。一昨年は勝っていたことからすれば、ピークが過ぎて力が落ちているということも考えられる。あるいは、ハンデが重いためにいつもの走りができなかったということかもしれないが、だとすれば今回もハンデ56kgだからターコイズS以上の走りは難しいということになる。年明け初戦で休み明けというのも気になるところで、昨年の京都牝馬Sからの臨戦過程に比べると割引と考えるべきだと思う。この馬を楽に先行させるとしぶといことは他のジョッキーも分かっているわけだし、早めに競りかけられて潰されるということもあるかもしれない。
カネトシディザイア
(牝7・木幡53)
買い 前走準オープンとはいえ勝っているので勢いは感じる。勢いに乗って重賞を勝つということはよくあることなので、前走で条件を勝ち上がった馬というのはけっこう恐いものである。もともとこの馬はオープン特別でも好走したことがあるし、G1の秋華賞で4着という実績もあるだけに、ハンデのG3なら通用しても不思議ないだけのポテンシャルはあるはずだ。
消し この馬の大きな不安はやはり距離である。マイル以下でしか勝ち星がないということ、ターコイズSで14着に惨敗していることを考えても1800mという距離はこの馬には長いと考えるべきである。前走勝っているといっても準オープンでの話だから重賞の裏付けにはどうかという考え方もできるし、前々走は13着に負けているように安定度も期待できないタイプである。7歳という年齢を考えれば成長というか上積みもあまり期待はできないだろうし、ここで生涯一の結果を残すのは難しいだろう。
コスモマーベラス
(牝4・柴田善53)
買い H17紫苑S1着。 中山1800mは3戦して1勝2着2回とかなり得意としている。しかも、この3戦すべてオープン特別だから価値は高い。スイートピーSでも2着しているので距離1800mが合っているということかもしれない。特に牡馬混合のディセンバーSで2着というのは凄いことで、牡馬混合のオープン特別で連対できる実力があれば、牝馬限定のG3なら楽勝しても不思議はない。中団から競馬をするタイプなので展開もあまり関係ないだろうし、安定度もそれなりに期待できる。まだ4歳という成長力も魅力となるし、ハンデ53kgも魅力といえる。
消し この馬は重賞では結果を出していないというのが気になる。ダートとG1が多いというのも確かではあるが、芝のG2・G3での実績がないことに変わりはない。オープン特別で2着が多いというのも気になるところで、勝負弱いイメージもある。オープン特別ではそこそこ走るのに、重賞ではさっぱりというタイプもいるもので、この馬はそういうタイプかもしれない。特に今回は重賞実績のあるメンバーが揃っただけに、今までのオープン特別よりはレベルが高くなりそうで、さすがに重賞実績馬には力が及ばないかもしれない。
スターリーヘヴン
(牝6・大西54)
買い H17福島牝馬S2着。 重賞は福島牝馬Sで2着しているし、オープン特別もキャピタルS、都大路S、オーロCで3着という実績を持っているだけに、牝馬限定のG3なら能力は通用するはずである。テンが速く先行できるのが魅力の馬であり、スローで直線まで脚を貯めることができると、直線でもかなりの脚を使うタイプであり、そういう流れになるとチャンスが大きくなる。福島牝馬Sで好走しているのだから、ハンデ54kgも距離1800mも問題にはならないし、先行有利の中山1800mも合っていそうだ。ここ3戦はダート戦なので度外視でいいだろうから、ここでの巻き返しは十分に考えられる。
消し ここ3戦のダート戦は度外視としても、クイーンS14着、函館SS11着、愛知杯6着と重賞ではあまり良い結果を出していない。オープン特別ではそこそこ走っていても重賞となると少し力が足りないという感じがする。福島牝馬Sはしょせんローカル戦で、中央場所とはレベルが違うという考え方もできるし、今年のこのレースは新設されたヴィクトリアCの関係で、かなりのメンバーが揃っただけに、この程度の実績ではちょっと足りないかもしれない。先行できないと脆いところがあるし、先行しても息が入らないと惨敗する傾向があるだけに、展開に左右されやすいところもある。オープン重賞で勝ちきれていないというのも気になるところで、決め手もワンパンチ足りない感じがする。
チアフルスマイル
(牝6・藤田54)
買い H18京都牝馬S2着、H17愛知杯2着など。 前走の京都牝馬Sは2着とはいえ、逃げたマイネサマンサが押し切ったようにスローの展開を考えれば、後方からよく追い込んでいる。何せ上がり33.6という瞬発力を見せたのだから内容としては勝ちに等しいものである。この馬の持ち味はもちろんその切れ味鋭い末脚であり、スローでも追い込んでくるだけの破壊力がある。愛知杯2着、クイーンS3着だから距離1800mも問題ないし、昨年のこのレースで3着だから中山コースも問題ではない。一瞬の切れ味を生かすタイプなので、かえって直線が短い方が良さが出るという考え方もできる。これだけの実績を持ちながら斤量54kgというのも意外な感じがするし、このハンデならチャンスは大きいはずだ。
消し 前走2着するなど重賞でそこそこ走っている実績はあるが、勝ちきれないというのがこの馬の問題点だと思う。追い込み脚質なのでどうしても展開に左右されるし、不利を受けるのも結局は後方からしか競馬ができない馬の宿命という考え方もできる。とにかく、展開に左右されるというのは安定度としてはあまり期待できない。中山1800mは先行有利のコースなので、この馬の脚質には合っていないという考え方もできる。距離も1400〜1600mの方が合っているという感じもするので、1800mは微妙に長いかもしれない。
ディアデラノビア
(牝4・岩田55)
買い H17フローラS1着。 昨年のオークスで3着している実績は当然に高い評価が必要である。このとき上がり33.7というかなりの決め手を見せていたし、オークスの前のフローラSでも上がり33.8という瞬発力で最後方から全馬差し切っている。前走の京都牝馬Sは5着に負けたが、逃げ馬が残るというスローの展開でほぼ最後方の競馬では届くはずがない。上がり33.6という決め手は見せていたことからしても実力不足ということはあり得ない。フローラSとオークスの実績から考えれば距離延長はプラスとなるはずだし、叩かれ3戦目だから調子も上がってきていると考えられる。まだ4歳という若さも魅力だし、ここでその素質の高さを見せつけるということは十分に考えられる。
消し なんだかんだで前走の京都牝馬Sで5着に負けていることは事実である。どんな状況でも勝ちきるのが強い馬であり、それができないのだから抜けて強いという評価はできない。前々走の京都金杯も6着に負けていることからすれば、古馬相手では通用しないレベルという考え方もできる。展開さえ向けば力を発揮できるにしても、今回は速い流れになるとは限らないし、前走と同じようにスローの流れになれば同じように負けるということになる。直線の長いコースの方がこの馬の末脚が生きるという感じもするので、小回りの中山コースもどうなのだろうか。明け4歳のハンデ55kgというのもけっこうつらいのではないか。
プリンセスグレース
(牝4・北村宏51)
買い 今回休み明けになるとはいえ、休養前は2連勝しており勢いはそれなりに感じる。母グレースアドマイヤ、リンカーンの全妹という良血馬でもあるし、4歳の春を迎えて大きく成長している可能性は十分である。まだまだ底を見せたとはいえないし、素質の高さを今回いきなり見せるかもしれない。もちろんハンデ51kgというのも大きな魅力であり、ハンデ戦では軽い斤量の馬が理屈抜きで好走することもあるだけに、そういう意味でもチャンスはある。
消し 前走1000万を勝ったばかりという実績だけに、いきなりの重賞挑戦ではさすがに厳しいと考えるのが一般的だろう。しかも休み明けとなればなおさら厳しいということになる。重賞どころかオープン特別の経験すらないわけだし、いきなり通用するほど重賞は甘いものではない。まして今回は重賞実績馬がかなり揃っただけに、相手関係もかなり強い。いくらハンデが軽くてもこの相手ではさすがに力が及ばないのではないか。
マイネソーサリス
(牝5・佐藤哲54)
買い H17愛知杯1着、H17ターコイズS1着。 愛知杯で重賞を勝っているのだから当然に高い評価が必要である。昨年暮れのターコイズSを勝っているというのも大きな実績であり、中山1800mですでに結果を残しているというのは大きな魅力となる。ここ2戦は大きく負けているが、牡馬が相手だったことを考えればやむ得ない面もあった。牝馬限定なら相手が楽になるだけに巻き返してくる可能性は十分である。小回りコースを得意としているイメージが強いし、斤量が軽いと走りが変わるような感じも受ける。ハンデ54kgで牝馬限定ならチャンスはかなりありそうだ。
消し 前走の小倉大賞典で6着に負けているし、前々走の京都金杯では14着である。いくら牡馬相手だったとはいえ、ハンデが53kgだったことを考えるとさすがに負けすぎという感じがした。昨年暮れのターコイズSを勝っていることからすれば、調子が落ちてきているということかもしれない。あるいは、愛知杯を勝った時が51kg、ターコイズSの時は52kgだったが、53kg以上を背負うと極端に結果が悪くなるということは、この馬は52kg以下でないとダメということかもしれない。今回は54kgと前走よりも1kg重くなるわけだし、この馬にはちょっと斤量が重いかもしれない。
ミヤビキララ
(牝4・郷原50)
買い 前走の準オープンでは惨敗に終わっているものの、それまでは未勝利から1000万まで3連勝した馬である。条件クラスとはいえ3連勝はなかなかできるものではなく、その能力はかなり高いと考えた方がいい。前走の敗因も直線で行くところがなく脚を余した形のようだし、前走の結果だけに見切るのは早計かもしれない。ハンデ戦だけにハンデ50kgというのも大きな魅力であり、ハンデ戦ではこういう軽量馬が怖いものである。4歳馬でまだまだ底を見せていないし、成長も見込める。ここで大仕事をするチャンスは十分である。
消し 前走の準オープンで15着というのはさすがに負けすぎである。ハンデ52kgだったこと、距離が1800mだったことからしても、今回重賞で巻き返せるという感じは受けない。オープン、重賞の経験もないし、相手も一気に強くなる。ハンデ50kgとはいえ、それだけで好走できるというものでもないだけに、さすがに背伸びしすぎという感じがする。
メイショウオスカル
(牝5・後藤56)
買い H17福島牝馬S1着、H18京都牝馬S2着、H17中山牝馬S2着など。 前走の京都牝馬Sで2着と好走しており勢いは感じることができる。これまでに重賞で何度も好走しているし、別定G2の阪神牝馬Sで4着という実績を考えても、牝馬同士ならトップレベルの馬である。勢いに乗ると好走を続けるところがあるだけに、前走の2着はそういう意味でも大きい。昨年のこのレースで2着という実績を持っているので距離コースも問題はないし、中団より前で競馬をする馬なので小回りコースは合っているはずである。ハンデ戦となるが、前走も今回と同じ56kgで好走しているわけだし、斤量は気にすることもないのではないか。
消し 京都金杯で11着、愛知杯で12着、マーメイドSで7着など、けっこう成績は安定していない。気性的にムラがあるというか、掛かりやすいというか、折り合いに苦労させられるタイプだけに、好走できるかどうかは折り合い次第ということになるのだと思われる。そういう意味では今回も折り合い次第というか、安定度はあまり期待できないというか、惨敗に終わるということもあり得ることになる。ハンデ戦だけにハンデ56kgも楽ではないし、強いメンバーもけっこう揃っただけに、楽な競馬にさせてもらえない。決め手に欠けるところもあるので、決め手不足で4・5着に終わるということもありそうだ。
メジロトンキニーズ
(牝4・吉田豊52)
買い H18ダイヤモンドS2着。 前走のダイヤモンドSで2着しており重賞でも能力が通用することは証明している。牡馬相手で好走したのだから牝馬限定ならさらに上を目指せることになる。距離短縮がどうかだろうが、ターコイズSで0.2秒差なら差はほとんどないといえる。しかも、このときは出遅れて後方からの競馬となり、上がりは33秒台とメンバー最速を叩き出しての結果だから、まともなら勝っていたかもしれない。前走2着だから勢いは感じるし、ハンデ52kgも前走よりは重いとはいえ他と比べれば軽いのだからまだ有利な方だろう。決め手もしっかりしているし、スタミナもあるのだから、展開次第ではチャンスはあるはずだ。
消し 前走重賞で2着といっても3400m戦だっただけに、1800mの裏付けには難しいという考え方もできる。前々走も2500m戦で3着だったし、この馬は2500mでこそ良さが出るタイプかもしれない。ターコイズSもなんだかんだで6着に負けているわけだし、1800mこなせなくはないのだろうが、少し距離が短いと考えるべきではないか。ハンデ52kgもターコイズSとダイヤモンドSで50kgだったことからすれば、斤量が2kgも増えるわけで、そういう意味ではハンデが恵まれたとも言えないと思う。昨秋からけっこう使われ続けているので、そろそろ疲れが出てきてもいい頃だと思うし、上積みもあまり期待できないのではないか。
ヤマニンアラバスタ
(牝5・江田照56)
買い H17府中牝馬S1着、H17新潟記念1着など。 昨年は新潟記念で古馬を相手に○馬身差という強い内容で完勝し、続く府中牝馬Sでも他を圧倒する走りを見せた。この馬の武器はなんといってもその切れ味鋭い末脚である。超スローの展開でも後方から一気に追い込んでくるその瞬発力はかなりものである。オークスで3着というG1実績もあるし、牡馬混合の重賞を勝ち、牝馬限定の別定G2を勝っていることからしても、そのポテンシャルが半端でないことは明白である。牝馬限定のG3レベルなら楽勝することも十分にあり得る。
消し 前走のターコイズSで1人気に推されながら13着に惨敗したというのは、さすがに痛い。敗因がよく分からないが、常に安定した走りをするタイプではないということは言えると思う。であれば、今回も力を出し切れず惨敗するということも十分に考えられる。前走の敗因がハンデであれば、今回も重いハンデだから同じわけだし、条件も同じ中山1800mというのだから巻き返しは難しいということになる。年明け初戦で休み明けというのも基本的には割引だろうし、昨夏の走りを期待するのは難しいのではないか。
ヤマニンシュクル
(牝5・四位56)
買い H16秋華賞2着、H15阪神JF1着。 一昨年の2歳牝馬チャンピオンであることを忘れてはいけない。このときはスローの展開だったにもかかわらず直線で差し切るというかなり豪快な勝ち方だっただけに、まぐれで勝ったとはとても思えない。秋華賞でも後に宝塚記念を制したスイープトウショウと僅差の勝負をしており、そのポテンシャルの高さを再度見せている。クイーンSで古馬相手に3着した実績も持っているし、昨秋のエリザベス女王杯でも休み明けで4着という走りをみせた。前走は4着に敗れたが、マイルがこの馬には短すぎたようだから、距離延長は大きなプラスとなる。ハンデ56kgも実績を考えればやむ得ないし、それだけ他の馬とは実績が違うということである。決め手もしっかりしているタイプだし、そろそろ復活があってもいいはずだ。
消し 前走の京都牝馬Sで4着に負けたというのはちょっと痛い。牝馬限定のG3であれば楽勝してほしかった気もするだけに、ちょっと物足りないものを感じた。前々走の鳴尾記念も牡馬相手とはいえ7着に敗れているし、どうも復活しきれない。今回も前走と同じハンデ56kgとなるし、前走と同じように軽い馬に脚をすくわれるということもありそうだ。どちらかというと、長く良い脚を使うタイプのようにも感じるので、直線の短い中山コースもどうだろうか。直線で伸びそうで伸びないというシーンがありそうで怖い。
ライラプス
(牝4・デムーロ54)
買い H17クイーンC1着、H17スイートピーS1着。 秋華賞で5着、エリザベス女王杯6着とG1でそこそこの結果を残しているだけに、G3なら通用しても不思議はないはずだ。母がフサイチエアデールという超良血馬でもあることからすれば、まだ本当の実力を見せていないという評価もできるわけで、4歳になって大きな成長を遂げているということもあるかもしれない。どちらかというとしぶといというか、堅実に伸びてくるタイプなので、中山コースは合っているかもしれない。前走はダート戦なので度外視で構わないし、ハンデ戦なら巻き返しがあっても良いと思う。
消し 3歳牝馬戦線では前哨戦だとしっかりと勝ちきるなどそこそこの実績は残しているが、G1だと力の違いを見せつけるという感じで負けており、意外に強さが伝わってこない馬である。まあ今回はG3だからG1の負けは仕方ないとは思うが、G2の阪神牝馬Sでも8着に負けていることからすれば、レベルの高い古馬重賞では通用しないと考えていいのかもしれない。前走ダートとはいえ12着というのは負けすぎという感じがするので勢いとしてもいまいちだし、鋭い決め手を持っているとか、逃げるというタイプでもないので展開による一発も考えづらい。
レクレドール
(牝5・蛯名55)
買い H17クイーンS1着、H16ローズS1着。 昨年のクイーンSでは、後に天皇賞秋を勝ったヘヴンリーロマンスに勝ちきったのだから、この馬も同等の能力があると評価できる。暮れの阪神牝馬Sでも僅差の3着とかなり頑張っていたし、ポテンシャルが高いのは明らかである。札幌コースと阪神コースで好走したということは、中山コースもこの馬に合っている感じがするし、札幌記念の走りを考えれば1800mという距離も合っていると思う。そういう意味では前走の京都牝馬Sからの巻き返しは十分にあり得る。ハンデ55kgも他の有力馬が56kgを背負っていることを考えれば恵まれたという考え方もできる。
消し 前走の京都牝馬Sで6着に負けたのもそうであるが、その前に府中牝馬S7着、マーメイドS5着、愛知杯7着、中山牝馬S8着と、どうも掲示板前後で終わっているケースが多く、もう一つ強さみたいなものが伝わってこない。クイーンSはたまたま流れが向いたというか、この馬にとって良い条件が重なっただけという感じがどうしてもしてしまう。阪神牝馬Sの時のことを考えても、この馬は上がりがかかる展開でないと好走できないということではないか。そういう意味では今回もスローの流れになると今までと同じように掲示板前後までで終わるかもしれない。昨年のこのレースで8着に負けていることを考えれば、中山1800mという条件もどうなのだろうか。

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