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G1-オークスの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
馬券・レース
今回は1人気と2人気から勝負したが、結果は完敗だった。初めての2400m戦ということを考えれば、こういうことも十分にあるとは思っていたが、結果的にはもっと慎重に考えるべきだったかもしれない。今回のレースを振り返るとヤマニンファビルが暴走し、離れた2番手のアサヒライジングもそこそこのペースで先行していたことからすれば、かなりタフな流れになったといえる。この流れであれば、スタミナのない馬はごまかしがきかなくなるわけで、結果的にはスタミナのある馬が上位にきたということだと思う。逆に言えば、アドマイヤキッスとキストゥヘヴンはスタミナ能力に欠けていたということだと思う。そう考えれば、今回はもっと血統などに注意しなければならなかったとは思うが、もし超スローの展開になっていたら結果はまったく違ったものになっていたと思うだけに、これがオークスの予想の難しいところである。来年以降は、速い流れになるのか、超スローの流れになるのか、をまずは予想することが大切かもしれない。
カワカミプリンセス
「恐れ入りました」としか言いようがない。「無敗」という言葉の重みを改めて思い知らされた。初重賞挑戦でいきなりG1を勝つなんてかなりの大物ではないと成し遂げられない偉業である。速い流れを中団からの競馬で直線でも他を寄せ付けないしっかりした決め手で完勝したのだから、レース内容としても申し分ない。かなりのスタミナがなければこんな競馬はできるはずがないわけで、今回に限っていえば総合力が抜けていたと言っていいと思う。1400〜1800mでも強い競馬を見せていたことからすれば、スタミナだけが今回の勝因であるはずがなく、秋華賞も当然に有力候補ということになるだろう。
フサイチパンドラ
もともと能力のある馬だったので、これくらい走っても不思議はないとは思っていたが、前走の14着からの巻き返しはさすがに厳しいと思っていただけに、立て直した陣営の努力を素直に評価したい。あとは、やはり桜花賞での角田騎手の騎乗があまりに強引だったということだろう。能力で負けたというよりは角田騎手の騎乗に問題があったとすれば、今回福永騎手に乗り替わったことは大きな意味があったと考えるべきだったかもしれない。とはいえ、福永騎手も1人気で連敗していたので、個人的にはそういう不安もあったのでこの馬を軽視したのは仕方ないと思っている。
アサヒライジング
血統的には長距離向きとは分かっていたが、マイルでもハナを奪えるだけのスピードを持っている馬が2400mもこなせるとは考えづらかったので、私は軽視したが、この結果からすればスタミナは十分にあったと判断しないといけないだろう。とはいえ、最後は3着に負けたということは微妙に距離は長かったということになるとは思う。2000mだと本当の強さを発揮するかもしれない。
アドマイヤキッス
この馬の唯一の不安は、母が短距離馬だったことであるが、速い流れを後方から競馬をしたのに直線ではあまり伸びていなかったことからすれば、やはりスタミナ不足で長距離適性がなかったということになると思う。気性がおとなしいから長距離もこなせるというのはやはり短絡的だった。スタミナがあり、かつ気性がおとなしい、そういう馬が長距離適性が高いえることを改めて痛感した。
キストゥヘヴン
掛かるかもしれないと思って見ていたが、意外に折りあっていたようにはみえた。直線入り口では今回も弾けるのかなと思ったが、直線ではまったく伸びなかったことからすれば、やはり根本的なスタミナがなかったということだと思う。フラワーCを勝っていたので、スタミナはあると思っていたが、それも違ったようである。これだから走らせてみないと分からないのである。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-オークスの予想
結論

◎アドマイヤキッス
○キストゥヘヴン
▲コイウタ

買い目(馬連) 合計7,000円
  13-17(4,000円)
  6-13(2,000円)
  6-17(1,000円)
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はアドマイヤキッスである
全馬初めての2400mなので何が起きるか分からないというのは確かである。そういう意味では1人気から勝負するというのもどうだろうかという気持ちもあったが、いくら2400mといってもスタミナだけで勝てるものではない。マイルでも強い競馬をするくらいの馬でないと、G1の2400mは勝てないと私は思う。そういう意味では桜花賞でそれなりの着順をしているか、以前にマイル以上の重賞を勝っているか、TRで強い競馬を見せているということが必要になってくる。まずTR以外でマイル重賞を勝っている馬といえば、キストゥヘヴン、アドマイヤキッス、コイウタ、そしてテイエムプリキュアの4頭だけであるが、このうちの3頭が桜花賞の上位3頭であることには注意しなければならない。そしてTRであるが、忘れな草賞で負けたヤマトマリオンとヤマニンファビルがそれぞれ好走したということは、レベル的にはかなり低かったと私は見たい。となれば、必然的に桜花賞の上位3頭が今回も主役ということになると思う。では、この3頭のうちどの馬が最も勝ちに近いかとなれば、キストゥヘヴンは気性が勝っていて折り合いに不安があるし、コイウタはG1ではワンパンチ足りないところがあるということを踏まえれば、やはり折り合いに問題がなく、決め手もしっかりしているアドマイヤキッスを中心に考えるのは仕方ないことだと思う。鞍上が長距離の武豊ということもあるし、馬券圏内に絡んでくる可能性はかなり高いのではないかと私は判断した。ただ、気性的に問題がないとしても、本質的に長距離向きでないという可能性もあるわけで、母キッスパシオンが短距離で活躍していたことを考えると、意外に大きく負けるということも考えられ、絶対的な信頼までは置けないのも事実ではある。そうなると、桜花賞の上位3頭以外にもチャンスはあるということになるが、私は桜花賞の上位3頭が強いという判断したのだから、開き直ってこの3頭のボックスで勝負するということにした。
対抗○はキストゥヘヴンである。
桜花賞で見せた切れ味はかなりのものだった。あれだけの決め手を持っている馬はそうはいないだけに、直線の長い東京コースということを考えても、今回も当然にチャンスは大きいということになる。ただ、フラワーCで横山典騎手が「マイルの方が切れる」とコメントしたということは、気性的には距離延長はプラスとは言えないのは確かだと思う。でもまあ、フラワーCでも何とか折り合えたのだから今回だって折り合える可能性の方が高いと思う。再びこの馬が突き抜ける可能性はけっこう高いのではないか。
単穴▲はコイウタである。
桜花賞の着差を考えれば、上2頭ともそれほど差はないはずである。ただ、決め手という点で少し劣るというのは否めないとは思う。ただ、上2頭が2400mをこなせるか分からないし、どちらかが崩れればこの馬にチャンスが出てくる。この馬の距離適性も何とも言えないが、長距離得意の横山典騎手だし、東京のマイル重賞を勝っているということもあるので、逆転も十分に可能なはずで、それなりに期待していいと思う。
4番手はアサヒライジングである。
こういうレースで一番怖いのは逃げる馬である。折り合いに専念する馬が多いだろうから、それなりのペースで逃げて、前半で他を引き離してしまえば、その差を最後まで守って勝ってしまうということは十分に考えられる。血統的には長距離向きの感じもするし、桜花賞も4着という実績があるのだから、なおさら可能性は高いと思えてくる。でも、初めての2400mでそんなに無茶なペースで逃げることはできないだろうし、それほど思い切った逃げは打たないのではないか、というのが私の予想である。馬券的には本当は押さえたいところであるが、これ以上は手を広げられないということで、敢えて消しという判断をした。
5番手はニシノフジムスメである。
フローラSを勝ったヤマトマリオンとスイートピーSで2着したヤマニンファビルが忘れな草賞でこの馬に負けていることを考えれば、この馬の方がポテンシャルは上と考えるのは当然のことだと思う。桜花賞組に距離適性がない場合は、2000mで勝っているこの馬が台頭してくるのではないかと私は思っているが、やはり手は広げられず馬券は諦めた。
6番手はブルーメンブラットである。
やはり忘れな草賞で2着していることを高く評価している。スタミナがありそうでオークス向きという感じもするし、可能性は十分にあるとは思っている。でも、ここぞというところで勝ちきれなかったということは、やはりG1では役不足だと判断した。
7番手はフサイチパンドラである。
フラワーCで暴走しても2着していることからもスタミナはかなりあると考えていい。阪神JFで3着という実績もあるし、今回好走しても不思議ないだけの走りはこれまでに見せているのでチャンスはあると思う。でも桜花賞14着は負けすぎである。流れが悪すぎるので巻き返しはないと私は判断した。
8番手はカワカミプリンセスである。
無敗というのはとてつもない魅力であるが、実績が1800mのスイートピーSだけというのは、G1の裏付けにはちょっと物足りないものを感じる。距離適性も分からないし、私はさすがにまだG1では難しいのではないかと思っている。
9番手はシークレットコードである。
デビュー2戦目で阪神JFを2着した高素質馬である。マイルよりも中距離向きという感じもするので、ポテンシャルとしては勝っても不思議ないだけのものを持っているかもしれない。とはいえ、休み明け初戦でいきなり2400mのG1というのは厳しいものだろう。さすがに無理だという判断をした。
3歳牝馬限定の2400mということを考えれば、他の馬にもチャンスはあるとは思うが、今回は桜花賞の上位3頭が強いという判断をした以上は、穴馬の台頭はないとするしかない。
まあ、こんなところです。

G1-オークス

キストゥヘヴン
(牝3・安藤勝55)
買い H18桜花賞1着、H18フラワーC1着。 前走の桜花賞を勝ちきったのだから当然にここでは最上格ということになる。後方で脚を貯めて直線で一気に突っ込んできて差し切ったのだから内容としても強かった。あの内容であれば、展開に恵まれたということではなく実力の違いで勝ちきったと評価していいと思う。となるとあとは2400mでどうかということになるだろうが、距離経験がマイルまでとなると不安も大きいが、この馬は1800mのフラワーCを勝っていることからすれば中長距離への対応も問題はないのではないか。末脚はしっかりしていることを考えれば、直線が長くて広い東京コースはこの馬に合っているだろうし、2冠の可能性はけっこう高いのではないか。
消し フラワーCのレース後に横山典騎手が「マイルならもっと切れる」とコメントしたことからすれば、1800mではけっこう折り合いに苦労していたということではないか。となれば、この馬の距離適性は1800mが限界で、2000m以上になると気性的にストレスが溜まりすぎて持ち味の切れ味を発揮することはできない可能性も十分である。前走はマイルで流れが速かったので後方からの競馬でも届いたが、2400mだと超スローの展開になる可能性が高く、後方からの競馬だと届かないということも考えられる。
アドマイヤキッス
(牝3・武豊55)
買い H18桜花賞2着、H18チューリップ賞1着。 前走の桜花賞で2着には敗れたものの安定してレース運びで実力のあるところはきっちりと見せた。休み明けのチューリップ賞をいきなり勝ちきっていることからもポテンシャルの高さは明らかであるし、今回は一気に距離が延びるわけで、気性がおとなしいというのは大きな魅力であり、この距離になると折り合いが最重要ファクターとなるだけに、掛からない気性というのはあまりに大きなアドバンテージということになる。距離が長いと騎手の手腕も大きな要素となり、鞍上が絶好調の武豊というのも魅力となる。安定度の高い走りをするので大きく崩れることもなさそうだ。
消し 桜花賞で2着はそれなりに立派ではあるが、負けたという事実には変わりはない。展開とか不利とかがあったわけでもないことも考えれば、実力負けと判断するのが妥当だろう。そういう意味ではキストゥヘヴンを逆転するのは難しいかもしれない。さらに、距離が2400mに伸びるのもどうだろうか。気性がおとなしいから適性が高いとも言えないし、本質的にマイルまでの馬であれば、2400mで好走するのは難しいことになる。前走負けたことで底を見せたということになるし、この時期の3歳馬は大きく成長する馬も多いだけに、TRあたりから頭角を現してきた馬に敗れるということだって考えられる。
コイウタ
(牝3・横山典55)
買い H18クイーンC1着、H18菜の花賞1着。 前走の桜花賞で3着しておりG1で通用することを証明しているのは大きい。アドマイヤキッスとは僅差の勝負だったし、4着以下には力の違いを見せた内容だったと思う。前々走のクイーンCを勝っているというのも大きく、このレースではクイーンCを勝った馬が好走するケースが多く、たぶん東京コースの適性が高い馬が好走するということなのだと思う。そういう意味では 、牡馬混合戦の京王杯で好走していることもあるし、この馬の東京コース適性はかなり高いと思われ、逆転も十分に考えられる。鞍上が長距離得意の横山典騎手というのも大きく、少し距離適性が合っていないにしても、馬のスタミナをうまく温存してなんとか最後まで走らせるのではないか。
消し 前走の桜花賞で3着していることはもちろん凄いことではあるが、この3着という着順はけっこう微妙である。少なくても抜けて強いとはとても言えず、ふつうに考えれば、キストゥヘヴンとアドマイヤキッスには再び敗れる可能性は低くはないということになる。特にその2頭には決め手の違いを見せつけられた形になっただけに、直線が広くて長い東京コースでの巻き返しはけっこう厳しいのではないか。まして、この馬にとっても初めての2400mである。相手の適性も分からないが、この馬の適性だって分からないだけに、惨敗の可能性も十分ということになる。脚質的にはマイルまでという感じがしないでもないし、2400mで桜花賞と同じようなパフォーマンスができるかどうかは走らせてみないと分からない。
アサヒライジング
(牝3・柴田善55)
買い H18アネモネS1着、H18クイーンC2着。 前走の桜花賞で4着に終わったが、G1で4着なのだからそれなりに評価しなければならない。それに、上位3頭は後からの競馬だったことからすれば、ペースとしてはかなり速かったはずで、そのペースを自ら作って粘ったのだから内容としてはかなり高く評価していいと思う。距離が2400mとなれば、そんなに速いペースで逃げる必要はないし、後方の馬は折り合いに専念して前を追いかけるということはしないはずである。となれば、平均ペースくらいの逃げでも前半だけで大きく引き離すことも可能ではないか。そうなれば、この馬のしぶとさからいって直線でもそうはばてないはずで、そのまま押し切ってしまうということもありそうだ。血統的には長距離向きという感じもするし、かなり面白い1頭になるのではないか。
消し 桜花賞で4着に負けたというのはやはりイメージとしてはあまり良くない。上位3頭には力の違いを見せつけられたという感じが強かっただけに、再びG1での巻き返しというのはどうだろうか。コイウタにはクイーンCでも完敗していることからしても、前走4着がこの馬の能力の限界という感じがしてしまう。マイルで逃げることができるくらいのスピードを持っているのだから、そういう馬が長距離適性が高いとは考えるのはどうなのだろうか。やはりマイルくらいが合っていると考えるべきではないか。それに長距離戦だとどうしても切れ味勝負になりやすく、切れる脚を持っていないこの馬にはそういう意味でも合っていない感じはする。ハナを奪えなければ脆い感じもするし、2400mを逃げ切るというのも大変なことである。
ヤマトマリオン
(牝3・菊沢55)
買い H18フローラS1着。 前走、TRであるフローラSを勝ったのは当然に高い評価が必要だ。何せ、重賞を勝ったということ、距離2000mで結果を出したこと、東京コースに適性があること、という基本的事項をすべてクリアしたのだからチャンスは大きいということになる。あとは桜花賞組との兼ね合いであるが、今回は2400mとなるだけに、マイルで結果を出した桜花賞組が必ず強いということも言えない。距離適性の違いでこの馬が桜花賞組を圧倒するということも十分に考えられる。
消し 前々走の忘れな草賞で5着に負けているのはかなり気になる。単純に考えれば、忘れな草賞の方がレベルが高く、フローラSはレベルが低かったということかもしれない。その前のチューリップ賞も14着に負けているわけだし、G1でも通用するだろうという大物感みたいなものが、いまいち伝わってこない。基本的に中団からのオーソドックスな競馬をするタイプであり、展開による一発を期待できるタイプでもない。
ブロンコーネ
(牝3・吉田豊55)
買い H18フローラS2着。 まだキャリア3戦だけという馬であり、2戦目で未勝利を勝ち上がり、続くフローラSでいきなり2着するのだから、この馬のポテンシャルはかなり高いかもしれない。叩かれながらさらに成長を続けているということだと思うし、前走からの大きな前進を見込んでいいと思う。中団より前で競馬ができるというのもレースセンスを感じる。血統がブライアンズタイム産駒で母父トニービンということからすれば、長い距離も問題ないと思うし、桜花賞組は2400mという距離は歓迎ではないだろうから、そういう意味では距離延長はこの馬には大きなプラスとなりそうだ。
消し 前走のフローラSで2着に負けたというのはけっこう痛いと思う。スローの展開で先行して、最後はヤマトマリオンに差されたのだから、力の違いを見せつけられたという評価が妥当なのではないか。そういう意味では前走からの巻き返しはけっこう厳しい感じがする。まして今回は桜花賞組が当然に参戦するわけで、前走以上にメンバーが強くなるのだから、前走2着だけを裏付けに通用するとは言いづらいものである。距離延長も本当にプラスかは沸かないし、決め手も少し甘いような印象を受ける。
アクロスザヘイブン
(牝3・小野55)
買い H18フローラS3着。 前走のフローラSでなんとか3着を確保してオークスへの優先出走権をゲットした。前々走で未勝利を勝ち上がっていたことからすれば、いきなりの重賞挑戦でこれだけ走るのだから、この馬の潜在能力はかなり高いかもしれない。自分で競馬を作ってのものなので、フロックとは考えづらい。前々走の未勝利戦も8ヶ月ぶりの休み明けだったにもかかわらず、いきなり勝ったということからも能力の高さが伝わってくる。社台ファーム生産の社台RHの馬ということからも、血統的バックボーンもしっかりしていると考えていいだろうし、一戦ごとに大きく成長していることも感じられるだけに、いきなりのG1でもそこそ走ってくるかもしれない。
消し 前走のフローラSで3着に負けたというのはやはり問題だろう。桜花賞の上位馬が参戦してこなかったことを考えれば、3着ではさすがに心許ない実績ということになる。レース自体も10人気の馬が勝っていることからすれば、レベルが高くはなかったという考え方もできるし、今回は桜花賞上位組も相手となることを考えれば、前走以上に厳しい戦いになることは間違いない。前走も最後は差されたように、先行して押し切るというスタイルなので、直線の長い東京だとどうしても甘さが出るのだと思う。キャリア3戦だけというのもG1を戦ううえでは経験不足という感じがするし、2400mへの距離延長も走らせてみないと分からない。
カワカミプリンセス
(牝3・本田55)
買い H18スイートピーS1着。 前走、TRのスイートピーSを勝ちきったのだから立派なものである。逃げたヤマニンファビルが最後まで粘るところを、鋭い末脚で一気に差し切ったのだから、かなりのポテンシャルの持ち主だと思われる。3戦3勝で無敗というのも凄いことで、まだまだ底を見せていないというのが大きな魅力である。もしかしたらとんでもない大物という可能性も十分にありそうだ。1800m戦で結果を出せたのだから距離が延びても問題ない感じはするし、決め手のしっかりしている馬なので東京コースの適性もかなり高そうだ。
消し 前走のスイートピーSを勝っているとはいえ、しょせんオープン特別なので、G1の裏付けにできるかどうかは微妙である。例年、スイートピーSはレベルが高くないので、今年も同じようにレベルは高くはなかったという考え方は十分にできる。スイートピーSの前は1400mを走っていた馬なので、1800mからの大幅距離延長もマイナスになるかもしれない。今回は桜花賞組が当然に参戦してくるわけだから、相手関係も一気に強くなるわけで、重賞未経験ということからすれば、力の違いを見せつけられて終わるということも十分に考えられる。
ヤマニンファビル
(牝3・石橋守55)
買い 前走のスイートピーSで2着してぎりぎりでオークスの優先出走権をゲットした。忘れな草でも3着したし、ここにきてオープンで2度好走したのだから、この馬自身かなりの成長を遂げていると評価していいだろう。逃げるというのは大きな武器になるものだけに、他を大きく引き離して逃げるとか思い切った乗り方をすれば、そのまま押し切るというシーンは十分にあり得る。特に2400m戦だけに、有力馬が折り合いに専念しているうちに、早めに引き離してしまえば、有力馬が直線に入ってから追い出した頃には時すでに遅しということもあるかもしれない。
消し 前走の2着はそれなりに立派だとは思うが、やはり2着に負けたというのはけっこう痛い。カワカミプリンセスには力の違いを見せつけられたという感じもしただけに、さすがに逆転は難しいのではないか。まして、桜花賞組も参戦してくるわけで、相手関係は前走の比ではないくらい強くなっている。本当に逃げるかどうかは分からないが、思い切った逃げを打ったにしても2400mは初めてなのだからスタミナが保つかどうか不安は残る。決め手が鋭いというタイプではないので、直線の長い東京コースも基本的には合わないと思う。忘れな草賞でも3着に負けているということがあるし、G1という大舞台での巻き返しはさすがに厳しそうだ。
シェルズレイ
(牝3・岩田55)
買い H18チューリップ賞2着。 前走の桜花賞で5着しており、G1で掲示板を確保したのだからそれなりに評価してあげないといけない。桜花賞で惜敗した馬が巻き返すケースも多いだけに、この馬だってチャンスは十分ということになる。母父ウインイングチケットという血統からすれば、長い距離もこなせそうだし、桜花賞の上位馬に距離適性がなかったりしたら、この馬が一気に台頭してくるということだってあり得る。いつも先行していた馬が、桜花賞では後方からの競馬ができたし、それで結果を出したのだから今回もどんな展開でも対応できそうだ。今回はスローの展開が予想されるだけに、先行してそのまま押し切るということもあるかもしれない。
消し 桜花賞の5着というのは悪い結果ではないが、中途半端な感じもする。チューリップ賞も2着に負けているし、堅実だけどワンパンチ足りなくてG3なら2着まで、G1だと4着までというタイプのように感じる。こういうタイプに多いのだが、決め手に欠ける脚質というのも印象としてあまり良くない。これまでのレース振りを見ると、長距離タイプという感じもしないし、決め手が甘いので直線の長い東京コースもどうだろうか。超スローの展開からの瞬発力勝負になったりすると、この馬の決め手では特に厳しくなりそうだ。
シークレットコード
(牝3・ボス55)
買い H17阪神JF2着。 デビュー戦を強い内容で勝ち、2戦目でいきなりG1の阪神JFに挑戦し、なんと2着という結果を出したのだから、この馬のポテンシャルはかなりのものである。いくら能力があっても、それなりの経験がないとG1での好走は難しいのが一般的だけに、デビュー2戦目でのG1連対はこの馬の素質の高さの裏付けといえる。今回はその阪神JF以来となるが、休み明けだと必ず走らないと気まったわけではないし、ポテンシャルの違いでなんとかしてしまうというこもないとは言えない。ペースが速いよりもゆったりとした流れの方が適応しやすいという考え方もできるし、とにかくまだ底を見せていないのだから、何をしでかすか分からない。
消し 常識的に考えて5ヶ月ぶりのレースでG1で好走しようというのはあまりに無茶である。いくら能力が高くても休み明けでG1でしかも2400mという条件をクリアするなんてとても考えられない。阪神JFを圧勝しているというのであれば、その可能性もあると言えるかもしれないが、結局は2着に負けていて、いったんは底を見せた馬なのだから非常識な走りを期待するのはあまりに酷である。その阪神JFを勝ったテイエムプリキュアが今春は結果を出していないことからすれば、阪神JFそのもののレベルも低かったという考え方もできるし、100%の状態なら勝ちきれるだけの実力を持っているかどうかもあやしい。
テイエムプリキュア
(牝3・熊沢55)
買い H17阪神JF1着。 なんといっても昨年の2歳牝馬チャンピオンである。このとき2着に1馬身以上の差をつけたのだから内容としてもかなり強かった。今回のメンバーにおいてG1馬は2頭しかいないのだから当然に格は最上位ランクということになるし、G1で能力不足ということはあり得ない。今年は3戦してこれといった結果を残していないが、大きく負けていることからすれば能力を出し切っていないのは明らかである。だとすれば、能力さえ出し切ることができれば、当然に勝ち負けとなるはずである。こういう馬は大舞台になると本領を発揮するものだし、勝負根性のある馬なので上がりがかかる展開になると持ち味を発揮しそうだ。
消し 前走のフローラSで8着に負けたというのはあまりに痛い。これまで戦ってきたメンバーと比較すると、明らかに格下と思われる相手関係だっただけに、それで8着というのはあまりに負けすぎである。このとき勝ったヤマトマリオンですら桜花賞組相手でどうか、というところなのに、8着に負けた馬が巻き返せるとは考えづらい。G1を勝っているといってもしょせん2歳時の話であるし、一昨年のショウナンパントルもそうであるが、3歳になってから活躍できない馬もけっこう多い。たぶん成長がない、早熟ということだと思うが、とにかく3歳になってから1度も結果を出していない馬は、なかなか復活できないものである。どちらかというとマイルくらいが合っているタイプのような感じもするし、前走のフローラSは距離延長が敗因だったかもしれない。となると、さらに距離が延びる今回はさらに苦しいということになる。
ニシノフジムスメ
(牝3・藤田55)
買い H18忘れな草賞1着。 前走の忘れな草賞を勝ちきったのは大きい。距離2000mのオープンを勝ったのだから距離適性は高いというか、マイルまでしか経験がない馬よりは信用できるといえる。内容も、中団で流れに乗って直線では楽々と突き抜けたのだから力が違ったと言っていいだろう。さらに、このレースで3着だったヤマニンファビルがスイートピーSで2着、5着だったヤマトマリオンがフローラSで1着ということを考えれば、2つのTRよりも忘れな草賞の方がレベルが高かったということになる。そういう意味では桜花賞組以外の1番手はこの馬ということになるし、2400mという距離を考えれば当然に逆転の可能性も高いと言える。
消し 前走忘れな草賞を勝っているのは立派ではあるが、しょせんオープン特別での話だし、当日桜花賞も行われたことで、メンバー的にはかなり恵まれたはずだから、ここを勝ったからといって、桜花賞組よりも上という評価は難しいのではないか。現に、これまでもチューリップ賞で6着、ファンタジーSで4着と負けており、重賞では底を見せているという考え方もできる。距離適性も2000mはこなせたけど、それ以上となるとどうかという感じがしないでもない。とにかく、桜花賞組以外では最先着を果たすかもしれないが、桜花賞組には力の違いを見せつけられるということは十分に考えられる。
フサイチパンドラ
(牝3・福永55)
買い H18フラワーC2着。 前々走のフラワーCでは2着に敗れたとはいえ、ぶつけられて掛かってしまいかなりのハイペースで前半を飛ばしていたことを考えれば、よく2着に残ったという評価をすべきであり、この馬のポテンシャルはかなりのものだと考えるべきである。昨年暮れの阪神JFで3着という実績も持っており、その素質の高さは以前から見せていた。前走の桜花賞で14着に負けているように荒削りなところはあるが、サンデーサイレンス産駒ということからも、底はまだまだ深い可能性が高い。1800mは2戦して1勝2着1回だからスタミナはかなり豊富なタイプだと思われ、そういう意味では2400mというのはこの馬にはプラスではないか。この大一番でその素質を開花させるということは十分に考えられる。
消し 前走の桜花賞で14着というのはさすがに負けすぎだろう。逃げた馬が4着に残っていることを考えても展開とか流れが合わなかったというのは理由にはならないわけで、この馬の精神的な脆さが出てしまったように感じる。だとすれば、長丁場の2400m戦ではさらに折り合いの不安は大きくなるし、気性的には距離が長いと判断すべきではないか。なんだかんだでオープン特別や重賞を勝っていないのも事実だし、そもそも重賞を勝ちきるだけの器がないと考えるのが自然なのかもしれない。
ユメノオーラ
(牝3・渡辺55)
買い H18フィリーズレビュー2着、H18エルフィンS2着。 前々走のフィリーズレビューで2着しており、G2連対という実績は持っていることになる。中団からしっかりと伸びてきていただけに、決め手はそれなりにしっかりしていると考えていいだろう。エルフィンSでも2着しているので短距離馬ということはないし、脚質を考えれば、距離はもう少し長い方が合っているかもしれない。だとすれば、2400mとなる今回は意外に巻き返すということも十分に考えられる。息の長い末脚を使うので東京コースも合っている感じがするし、なんというか一発の魅力を感じる馬である。
消し 前走の桜花賞で13着というのはさすがに負けすぎだろう。後方からの競馬で後方のままに終わったという内容もさすがに評価できない。結局のところオープンやTRではなんとか2着はできるが、この馬の能力はそこまでで、G1となると実力の違いがはっきりするので惨敗に終わるということではないか。ラジオたんぱ杯で11着に負けていることを考えれば、2000m以上の距離に適性があるとは思えないし、マイル以下の距離が合っていると考えるべきではないか。決め手もそれなりにしっかりしているとはいえ、勝ちきるまでの破壊力はないだけに、一発を期待できるほどのものではないと思う。大物感みたいなものも伝わってこないし、さすがにG1では役不足ではないか。
ブルーメゾンブラット
(牝3・川島55)
買い 前走の500万特別矢車賞で2着に6馬身差という圧勝を演じた馬である。そのことも凄いことであるが、忘れな草賞で1人気2着、そしてフラワーCではキストゥヘヴンと0.3秒差の3着という走りをしている馬であり、今回の有力馬と差のない競馬をしていることを考えれば、この馬のポテンシャルは十分に通用すると判断していいはずだ。前走の感じだとスタミナにはかなり自信がありそうな感じは受けたし、そういう意味では2400mというのはこの馬には合っているかもしれない。そんなには速い流れにはならないだろうから先行できるというのも魅力となるし、安定度もかなり高そうである。
消し 前走圧勝といっても相手が弱すぎたという感じはするだけに、G1の裏付けにするのは危険だと思う。前々走の忘れな草賞で2着に負けたわけだし、フラワーCだって暴走したフサイチパンドラすら捕まえられなかったのだから、G1で好走できるほどのレベルの馬ではない感じがする。安定度が高いのは感じるが、決め手に欠けるというか、ワンパンチ足りない感じも否めないし、こういうタイプはG1のような大舞台では頑張って4着5着までではないか。厳しいローテーションが続いているので、体調が維持されているかどうかという不安もある。
キープユアスマイル
(牝3・田中勝55)
買い ダート戦とはいえ現在2連勝中なのだから勢いはかなり感じる。調子自体はかなり良いと思っていいだろう。2戦連続で2馬身差という強い内容だったし、前走はダート戦なのに後方から直線だけの競馬だったのだから、レベルが違ったという評価が妥当である。芝でどうかではあるが、2着2着4着3着だから適性がないということはない。2連勝もダートだからというよりも、体調が上がってきたことが大きいとすれば、芝だともっと強い競馬をする可能性もある。そういう意味では今回通用しても不思議はないということになる。
消し 2連勝中といってもダートでの話では今回の裏付けにはなり得ない。まして、前走勝ったのが500万の平場のレースであれば、なおさらG1の裏付けには厳しいということになる。芝の未勝利戦を勝ち上がれなかったことからすれば、ダート適性の方が高いと考えるべきだろうし、距離も1800mよりもマイルの方が戦績が良いので、2400mという距離はこの馬にはさすがに長い感じはする。重賞を走った経験もないわけだし、それでこの大舞台で結果を出すというのはさすがに考えづらい。
マイネジャーダ
(牝3・四位55)
買い 前走500万とはいえ勝っているので勢いは感じる。オープン重賞では結果を出してはいないものの、レベルの高そうな500万特別でそれなりの結果を出しており、ポテンシャルは高い感じは受ける。以前は気性的に短い距離の方が良かったようだが、前走あたりから落ち着いて走れるようになってきたようなので、馬が成長してきていると判断していいだろう。そういう意味では、いきなりのG1挑戦も何とかする可能性もないとは言えない。相手だって初めての距離で何とも言えないわけだし、実はこの馬は長距離適性が高かったということもあるかもしれない。
消し クイーンCで10着に負けていることを考えても重賞級の器は感じられない。これまでも気性的に問題があって、思いどおりの競馬ができてなかったということからすれば、距離もマイルがぎりぎりと判断するのが妥当ではないか。他にこれといった魅力のある材料も見あたらないし、未知の部分に頼るにしてもこれだけのキャリアがあると底を見せていると判断したくなる。常識的に考えても、この提訴の実績の馬がこの大舞台で好走することはあり得ないのではないか。

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