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G1-桜花賞の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
レース
1000m通過が58秒後半だったので、ペースとしては平均よりやや速いくらいだった。この流れならば、展開による有利不利はあまりなかったと思う。そういう意味では今回の着順は現時点での実力どおりの結果と言っていいのではないか。レースとしても真の実力勝負になったのだから良いレースだったと評価できる。G1はこういうレースでないといけない。今後もこういう速い流れのレースを見せてほしいものである。
馬券
とりあえず的中はできたのだから最低限の結果は出せたとは思っているが、6人気の馬を本命◎にしてその馬が1着にきたのだから、本当ならそれなりの回収をしなくてはいけないのに、元返しだけで終わってしまったことにかなりショックを受けている。ボックス馬券を併用したのが裏目に出たとも言えるが、ボックスにしなかったために高配当を逃したことも経験しているだけに、ボックス馬券を買ったことは仕方ないとは思っている。それよりも1人気との組み合わせを厚く買わなかったことが問題なのだと思う。ケースバイケースだとは思うが、それなりに安定度が期待できる場合は、厚く押さえるべきなのかもしれない。そのために大穴馬券を買えなくなるというのもどうかとは思うので、そのバランスをどうとるかの判断が勝負の分かれ目ということになるのだろう。
キストゥヘヴン
予想の時にも述べたが、フラワーCの走りが非常に強かったので、ポテンシャルとしては通用するはずと思って本命◎にしたわけであるが、そのとおりの結果を出してくれて非常に嬉しく思う。6人気だったが、敢えて穴を狙ったのではなく、「最も強い」という判断だったので、私としても非常に自信となった。やはりG1では「強い」と思った馬から勝負するのが一番なのだと改めて思った。今回の勝ちっぷりならフロックということはないと思うので、オークスでも期待していいのではないか。距離が長すぎるかもしれないという不安はあるが、それは他の馬も同じことだろう。マイル戦を後方から差し切れるだけの末脚を持っているのだから何とかなると私は思いたい。
アドマイヤキッス
終わってみれば「やっぱり強かった」という評価が妥当だろう。キストゥヘヴンの切れ味には屈したものの、着差はそれほどでもなかったし、レース運びも最も安定していたと思う。正攻法の競馬でこの結果なら「敗れてなお強し」と言えると思う。テンションが高くなりやすいキストゥヘヴンに比べて、こちらは落ち着いた気性ということなので、距離が大幅に延びるオークスでの逆転はかなり期待していいかもしれない。
コイウタ
いつもは先行策をとるところを、流れが少し速いということで、中団でレースを進めたあたりは、さすがに横山典騎手である。直線でも最後までアドマイヤキッスと競り合っていたし、内容としては高い評価が必要だろう。次はオークスということになるだろうが、距離が延びていいタイプかどうかは何とも言えない。この馬の場合は走らせてみないと分からないというのが正直なところである。
アサヒライジング
この馬がハナに立ったときは「それほど速くないペースかも」と思ったが、1000m通過が58.8だから十分に速い流れだったといえる。それで4着に残ったのだから、この馬の走りも高い評価が必要だと思う。こういうタイプは意外に長い距離でもしぶとかったりするので、オークスでもけっこうやるかもしれない。でもまあ、走らせてみないと分からないのは確かである。
シェルズレイ
前走のチューリップ賞でアドマイヤキッスと接戦を演じた実力は本物だった。上位陣の決め手には屈したが、これだけの走りをすれば立派である。脚質的にオークスではどうかという感じもするが、それでも3歳牝馬戦線では今後も期待していいとは思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-桜花賞の予想
結論

◎キストゥヘヴン
 ○フサイチパンドラ
 ▲アルーリングボイス
 ×タッチザピーク
  △アドマイヤキッス
  △ユメノオーラ
  △テイエムプリキュア
  △コイウタ
  △ダイワパッション
  △アサヒライジング

買い目(馬連) 合計7,500円
  軸14--10,17(各1,000円)小計2,000円
  軸14--1,2,4,5,8,12,18(各500円)小計3,500円
  軸14--3,7,11,15,16(各100円)小計500円
  BOX--10,17,18(各500円)小計1,500円
にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
本命◎はキストゥヘヴンである
今回は本当に時間がないので、簡単にいかせていただきます。けっこう混戦模様になったので単に穴狙いということも考えたが、やっぱりG1なのであまり狙いすぎない方がいいというか、自分が気になるというか、十分に勝てるだけの能力を持っている馬から勝負したいとは考えていた。フラワーCのレースを見て、この馬のポテンシャルはかなり高いと感じており、今回のレースで本命◎でないにしても重い印をつけようとは思っていた。そしてこの1週間で魅力的な馬を探してはみたが、この馬以上に魅力を感じる馬は出てこなかった。まあ、あまり深いところまで調べる時間がかなったということもあるが、とにかくこの馬よりも魅力的な馬が出てこなかったのである。もちろん、臨戦過程がけっこう厳しくなっていること、関東馬なので長距離輸送になってしまうこと、鞍上が横山典騎手でないなど、不安な要素もたくさんあり、そういう意味では絶対的な自信を持っているわけではない。でも、私が思っていた以上に人気になっていないことを踏まえれば、魅力をいまいち感じていない他の馬で勝負するよりは、この馬で玉砕した方がまだましと判断した。
対抗○はアルーリングボイスである。
ファンタジーSでみせた末脚はまだ強烈に記憶に残っている。あれだけの競馬をする馬が「もう終わった」とは考えづらい。特に私が感じるのは馬場である。ここ2戦は雨に泣かされたという印象が強い。雨は苦手ではないようであるが、先行馬が有利となったと思うだけに、パンパンの良馬場でこそ力を発揮するタイプだと私は思う。スタートが悪いのもちょっと気になるが、デムーロがうまく出してそれなりのポジションをとれればさらにチャンスは広がるはずである。能力的には通用すると私は思っているので、この人気なら当然に買いだと判断した。
単穴▲はフサイチパンドラである。
デビュー2戦目で阪神JF3着という実績を残した馬だからポテンシャルはかなり高いはずである。前走も掛かってハイペースで飛ばしたにもかかわらずきっちりと2着には残っており、負けはしたが能力の高さは十分に見せてくれたと私は思っている。今の気性であればマイルの方が折り合うし、角田騎手もこの馬の脚質を理解してきたようである。素質の高さはかなりのものだと思うし、G1でも十分に期待できるはずだ。
4番手×はタッチザピークである。
紅梅Sでは1頭だけ抜け出すという強い競馬をみせた。キャリア2戦であれだけの競馬をするのだから能力は高いと私は思う。前走のチューリップ賞では9着に敗れたが、能力の限界のはずはない。むしろマイル重賞を経験できたということが今回に繋がっていると考えれば、今回は能力を発揮してくる可能性は十分である。大外枠というのは気になったが、かえってそれがプラスに出るということもあるだけに、あまり気にせず素直にこの馬のポテンシャルを信じることにした。
5番手△はアドマイヤキッスである。
チューリップ賞の内容が良かったので1人気は仕方ないと思う。でも、きれいにまとまりすぎた印象が強く、なんというかG1馬らしい個性の強さみたいなものがいまいち感じられない。こういう馬は3着に終わる可能性が高いのではないか、と勝手に思いこみ、人気も考えて敢えてこの評価まで落とした。
6番手△はユメノオーラである。
エルフィンS、フィリーズレビューともに渋い末脚で2着した。切れるという感じはしないものの、確実に伸びてくる脚質なので、こういう混戦のG1では意外に持ち味が生きるかもしれないと思った。前走が連闘だったというローテーションは気になるが、そこそこの走りはするのではないかと思った。
7番手△はテイエムプリキュアである。
阪神JFは強い内容だったが、雨が降ったことで37秒台という遅いタイムの決着だっただけに、G1を勝っているということで高い評価をすると危険である。前走の4着も内容としてどうかと思うし、パンパンの良馬場では意外に不甲斐ない競馬をするのではないかと思っている。そういうことで私は敢えて軽視してみた。
8番手△はコイウタである。
ここ2戦は強い競馬だったと思うが、阪神JFでの走りががっかりだったので、私は評価していない。長距離輸送が苦手ということかもしれないし、阪神コースが苦手ということかもしれない。とにかく私はこの馬が好走するイメージを持てない。
9番手△はダイワパッションである。
やはり初めてのマイルというのは不安であるし、長谷川騎手が平常心で騎乗できるのかという不安もある。この人気では狙いづらいと私は判断した。
10番手△はアサヒライジングである。
他に速い馬が逃げるのは難しいかもしれない。そういう意味ではチャンスはあまりないとは思っているが、2番手で折り合ってかえって強い競馬をするということもないとは言えないと思ったので、とりあえず押さえることにはした。
あとは気になる馬を100円だけ押さえた。
まあ、こんなところです。

G1-桜花賞

アドマイヤキッス
(牝3・武豊55)
買い H18チューリップ賞1着。 前走のチューリップ賞を勝ちきったのは大きい。2着シェルズレイとの差はそれほどではなかったが、3着以下には決定的な差をつけたし、シェルズレイとの差についても楽々交わしたという印象が強く着差以上の強さを感じただけに、この馬のポテンシャルはかなりのものと思われる。休み明けでこれだけの競馬をするというのも凄いことだし、中団から競馬ができるレースセンスも高い評価が必要だ。一叩きされた上積みは当然に見込めるし、阪神マイルですでに結果を出しているというのも安心できる材料となる。武豊がこの馬を選択したというのも心強いし、抜けて強いというライバルがいないことを考えても、チャンスはかなり大きいはずである。
消し 重賞実績は前走のチューリップ賞だけである。その前は未勝利戦しか経験していないので、この馬が本当に強いのかどうかは何とも言えない部分も残る。たとえば、チューリップ賞そのもののレベルが低かったということも考えられ、他の路線からの馬にあっさりと敗れるということも考えられる。勝ったチューリップ賞も2着とは僅差だったので、本番では逆転される可能性も否定はできない。堅実という印象は残ったが、「抜けて強い」というほどのインパクトはなかったし、重賞を連勝できるほどの器かどうか分からない。チューリップ賞はたまたまこの馬向きの流れになったということもあるかもしれないし、仮に惨敗に終わっても文句はいえない状況であると思う。
キストゥヘヴン
(牝3・安藤勝55)
買い H18フラワーC1着。 前走のフラワーCは見事だった。前2頭が大きく引き離す中で離れた馬群の中でじっと構え、直線に入ると一気に抜け出し、粘るフサイチパンドラを楽々交わした。フサイチパンドラが2着に残ったことからも差し切ったこの馬のポテンシャルは抜けていたという評価が妥当である。フサイチパンドラが阪神JFで3着という実績を持っていることも考えれば、この馬もG1で通用するということになるし、このとき騎乗した横山典騎手が「マイルならもっと切れる」とコメントしたのだから距離短縮も大きなプラスになりそうだ。
消し 前走の走りは立派だったが1戦だけでは何とも言えない部分が多く残る。まず相手関係であるが、フサイチパンドラ以外はこれといった実績馬はいなかったし、フサイチパンドラも掛かってかなりハイペースで走っていただけに能力を出し切ったとは言い難い。それだけに前走勝っていることだけで高い評価はしない方がいいかもしれない。マイルへの距離短縮も走ってみないと分からないというか、やっぱり1800mの方が適性が高かったということも十分にあり得る。3月で2勝しての中2週というローテーションも3歳牝馬にはかなり厳しそうだ。
アサヒライジング
(牝3・柴田善55)
買い H18アネモネS1着、H18クイーンC2着。 前走のTRアネモネSを勝ちきっているのだから高い評価が必要だ。前々走のクイーンCでも2着は確保しているし、ポテンシャルはそれなりに高いと言っていいだろう。この馬の魅力はなんと言ってもその先行力であり、前走も逃げて勝っているように、気分良く走ることができれば、直線でも失速することなく走りきる。阪神JFでも大きくは負けていなかったことからも、G1で通用するだけの力はあると思われる。こういう大きなレースでは「逃げる」というのは大きな武器だし、有力馬が後方で牽制しあうようだと、楽々逃げ切るということも十分にあり得る。
消し 前走のアネモネSを勝っているといっても、強力なメンバー構成だったという感じでもなかっただけに、レースレベルはそれほどでもなかったという考え方もできる。要は相手が弱かったから勝てただけということも否定できないということである。クイーンCでは2着に負けているし、阪神JFでも5着に負けているのだから重賞ではワンパンチ足りないというか、そういう器ではないということも十分に考えられる。逃げるというのも目標にされるという点では楽なことではないし、逃げられると決まったわけでもない。他にハナを奪われるようだと自分のペースでレースを進められなくなると思われるだけに、かなり苦しくなるのではないか。
シェルズレイ
(牝3・岩田55)
買い H18チューリップ賞2着。 前走のチューリップ賞で2着と今回の権利をきっちりとゲットした。今回1人気が予想されるアドマイヤキッスとクビ差の競馬をしたということは、この馬を能力的にはそれほど変わらないということになるし、この程度の差であれば逆転があってもいいはずである。今までは少し力むところがあったようなので、本番でそれが解消されればもっと切れる脚を使えるはずで、そういう意味ではまだ底を見せていないという考え方はできる。岩田騎手も2度目だから今度はうまくこの馬の能力を引き出してくれるのではないか。
消し チューリップ賞2着、エルフィンS4着という実績は悪いというレベルではないが、勝ち切れていないというのは事実であり、実績としてちょっと物足りないという印象は拭えない。先行して決め手がいまいちで伸びきれないというレース運びも安定度は感じるものの、強さみたいなものがいまいち伝わってこない。少し行きたがるところがあるようなので、気性的にもまだ若さがかなり残っているといえそうだ。となると、G1の厳しい流れだとさらに舞い上がって力を出せないかもしれない。
ダイワパッション
(牝3・長谷川55)
買い H17フェアリーS1着、H18フィリーズレビュー1着。 前走のフィリーズレビューは圧巻だった。中団よりやや前くらいの絶好の位置で流れに乗り、直線ではしっかりとした脚取りで他を引き離してしまった。けっこうハイペースだったことを考えれば、あの位置からしっかりと伸びるのはスタミナ能力が高いという証拠ではないか。そういう意味ではマイルへの距離延長はかえってプラスということも考えられる。これで重賞連勝だから前走の走りがフロックということはあり得ない。重賞を連勝して本番を迎えるのはこの馬だけだろうから格としても最上位ということになる。安定度はかなり高そうだし、阪神コースも経験した。他にこれといった抜けた存在もいないし、チャンスはかなり大きいといえる。
消し 重賞連勝といっても1200mと1400mだっただけに、マイルG1の裏付けになるかどうかは微妙である。1400mとマイルとでは必要とされるスタミナ能力がまったく違うだけに、マイルではスタミナ不足で直線で失速するということも十分にあり得る。前走は稍重馬場だったので、それがこの馬の味方となっただけということもあるかもしれない。関東馬なので中3週で再び阪神への長距離輸送というのもどうなのかと思うし、鞍上の長谷川騎手もかなりのプレッシャーを感じているはずで、いつものように冷静な手綱さばきができるかどうかという不安も小さくはない。
ユメノオーラ
(牝3・渡辺55)
買い H18フィリーズレビュー2着、H18エルフィンS2着。 前走のフィリーズレビューで2着したことで重賞でも通用するところは証明した。中団よりやや後ろの位置から差してきたのだから内容としても良かったというか、今回に繋がる内容と言えるのではないか。エルフィンSで2着していることと脚質を考えれば、マイルへの距離延長はプラスと考えていいだろうし、ここ3戦は連対を外さない安定した走りを見せているだけに、G1の厳しい流れではこういうタイプが意外に台頭するということは十分にあり得る。勢いはそれなりに感じるし、一戦ごとの成長も感じる。
消し 前走2着といっても勝馬には1馬身以上離されただけに、力の違いを見せつけられたという評価もできる。前々走も500万特別で僅差の勝負しかできなかったわけだし、エルフィンSも勝馬から2馬身以上離されていた。なんというか、着順は評価できるのだが、レースの印象からすると強さがもう一つ伝わってこないという感じなのである。決め手も鋭く切れるというよりは、じわりじわりと伸びる感じなので、G1で勝ちきれるだけのものではない感じがする。前走が連闘で馬体重もけっこう減っていただけに、臨戦過程としては好感がいまいち持てないし、疲れが残っているという可能性は十分にあると思う。
フサイチパンドラ
(牝3・角田55)
買い H18フラワーC2着。 前走のフラワーCで2着に敗れたが、ぶつけられて掛かってしまいかなりのハイペースで前半を飛ばしていたことを考えれば、よく2着に残ったという評価をすべきであり、この馬のポテンシャルはかなりのものだと考えられる。そもそも阪神JFで3着という実績を持っており、その素質の高さは以前から見せていた。1800mで飛ばしてしまう気性を考えれば、距離短縮は大きなプラスといえるし、こういうタイプはG1のような厳しい流れの方が折り合いがつくのではないか。徐々に調子を上げているような勢いも感じるし、大物感もそれなりにある。この大一番でその素質を開花させるということは十分に考えられる。
消し 前走のフラワーCで2着だったが、掛かってハイペースで先行してしまったように気性的にまだ若いというか、折り合いの難しいタイプということは言えると思う。気性的には少しでも距離が短くなる方がいいのだろうが、エルフィンSで6着ということを考えると、能力的な適性は1800m以上ということは十分に考えられるわけで、マイルでは結果を出せないかもしれない。気性が難しいということは、折り合えず惨敗するということもあるだろうし、安定度はあまり期待できないのではないか。オープン特別や重賞を勝っていないのも事実だし、そもそも重賞を勝ちきるだけの器がないということも考えられる。
ウインシンシア
(牝3・秋山55)
買い H18チューリップ賞3着。 前走のチューリップ賞で3着したというのはこの馬にとっては大きい。まだキャリアが3戦しかないことを考えても、桜花賞TRで結果を出したというのはこの馬のポテンシャルとその将来性を証明したと言ってもいい。ほぼ最後方からの競馬で3着まで追い込んできたというレース内容も魅力があるというか、本番へに繋がるものだったと言っていいだろう。スタートがいまいちで後方からの競馬になっているが、この大一番でふつうのスタートを切るようだと、決め手がしっかりしているだけに、直線であっという間に抜けてくるということは十分に考えられる。キャリア3戦だから一戦ごとの上積みはかなり大きいだろうし、成長力もかなり期待できるはずで、前走より強い競馬を十分に期待できる。
消し チューリップ賞で3着といっても前2頭とは1馬身以上離されただけに、力の違いを見せつけられたという評価が妥当かもしれない。3戦連続でスタートを失敗していることを考えれば、今回は成功するとはとても言えないというか、今回も失敗する可能性の方が高いと考えるべきだろう。前走も追い込んできたといっても上がりのタイムが極端に凄かったわけでもないだけに、本番で巻き返せるレベルという感じはしなかった。前々走の紅梅Sでは7着と掲示板にも載れなかったことからすれば、前走はたまたま走っただけということも考えられ、安定度はあまり期待できないかもしれない。
ラッシュライフ
(牝3・四位55)
買い H17函館2歳S2着、H17ファンタジーS2着。 この馬のベストレースはファンタジーSだろう。アルーリングボイスの末脚には屈したものの、好位から抜け出しもう少しで押し切るところだった。3着には2馬身差をつけていたし、十分に力の違いを見せたと言っていいと思う。前走のチューリップ賞は5着に敗れたが、休養明けだったし、すでに桜花賞への出走権は持っていただけに、万全の仕上がりではなかったはずである。そういう意味では一叩きの上積みはかなり大きいだろうし、今回は一変する可能性は十分である。ファンタジーSのタイムも優秀だったし、G1で通用しても不思議ないだけのポテンシャルは持っているはずである。
消し 前走のチューリップ賞で5着だったが、勝馬からは約4馬身離されただけに、一叩きされた上積みを見込んだにしても逆転までは難しい感じがした。2番手からの競馬でばてず伸びずという感じだったので、内容としてもいまいちというか、物足りないものだった。蛯名騎手も「距離が少し長い」とコメントしていたので、この馬は1400mまでのスプリンタータイプということかもしれない。ファンタジーSも函館2歳Sも結局は2着に負けているので、器の大きさというのもいまいち感じないし、G1で好走できるレベルではないのではないか。
エイシンアモーレ
(牝3・福永55)
買い H18フィリーズレビュー3着、H17フェニックス賞1着。 前走のフィリーズレビューでなんとか権利をゲットしたわけであるが、もともとは阪神JFで4着という実績も持っており、前走の走りがこの馬の能力の限界とは考えづらい。1400mでも楽に先手をとれるスピードは高い評価が必要だし、阪神JFの実績からもマイルで距離が長いということもあり得ない。今回は速い先行馬がいるので、その後ろを自分のペースでついていけば、今までにないような粘りというか伸びを見せるかもしれない。鞍上もG1で強い福永騎手というのも心強い。
消し 阪神JF4着、紅梅S3着、フィリーズレビュー3着とそれなりの結果は残しているが、連対はしていないというのはかなり気になるというか、強さがもう一つ伝わらない要因となっている。フェアリーSで1人気に推されながら8着に負けたり、エルフィンSで12着に負けたりと惨敗が多いのも気になるところで安定度も期待できない。前走の3着も勝馬には約3馬身離されているので、勝負づけは終わったという考え方もできるし、スピードに勝ったところがあるので距離延長もマイナスと考えた方がいいのではないか。
テイエムプリキュア
(牝3・熊沢55)
買い H17阪神JF1着。 なんといっても昨年の2歳牝馬チャンピオンである。2着に1馬身以上の差をつけたのだから内容としてもかなり強かった。今回のメンバーでは唯一のG1馬だから当然に格は最上位ということになるし、G1で能力不足ということはあり得ない。前走のチューリップ賞は4着に敗れたが、休み明けということを考えればやむ得ないという考え方もできる。今回が本番ということで敢えて仕上げなかったということも考えられ、今回のための単なる叩き台だったということかもしれない。だとすれば、今回はきっちりと変わってくるはずで、巻き返しは当然に期待していいことになる。勝負根性のある馬なのでG1のような厳しいレースの方が合っているということも言えるし、主戦の熊沢騎手が戻ってくるというのも心強い。
消し 前走のチューリップ賞の4着はちょっと負けすぎという感じがした。勝馬からは4馬身くらいの差をつけられただけに、同じ阪神マイルということを考えると巻き返しはかなり厳しいのではないか。阪神JFを勝ったのも良馬場発表だったとはいえ雨が降っていて37秒台の決着になったのがこの馬には良かっただけかもしれない。切れる脚はない感じがするので、良馬場の決め手勝負だと分が悪いという感じもするし、前走4着までだったことからすれば成長がいまいちということも考えられる。阪神JFを制した馬が桜花賞で惨敗するケースは少なくはないし、2歳の時点の実績で高い評価をするのは危険かもしれない。
コイウタ
(牝3・横山典55)
買い H18クイーンC1着、H18菜の花賞1着。 前走のクイーンCで重賞を勝っているのだから当然に高い評価が必要だ。マイルの重賞を勝ったというのも大きく、距離はベストだと考えていいだろう。前々走の菜の花賞も勝っているし、勢いもかなり感じる。好位からきっちりと前を交わすという危なげないレースをしており安定度も期待できる。もともと京王杯2歳Sで牡馬相手に僅差の3着という実績も持っている馬であり、牝馬限定戦なら力が一枚上ということは十分に考えられる。阪神JFでは6着に敗れたが、雨が降ったのがこの馬にはつらかっただけかもしれないだけに、G1で底を見せたとは考えない方がいい。パンパンの良馬場なら雪辱を果たすことになるのではないか。
消し 今年に入ってから連勝しているのはもちろん凄いことではあるが、レースレベル的に高かったとは言い切れないだろう。重賞を勝っているような実績馬に勝ったわけではないし、TR組との力関係は何とも言えない。前走のクイーンCは東京コースだったが、京王杯2歳Sも東京コースだったことからすれば、東京コースが合っているということかもしれない。阪神JFで6着に負けたというのも気になるところで、阪神コースが得意ではない、あるいは関西への輸送がダメということも考えられる。もちろんそもそもG1級の器はないということも考えられる。先行して押し切るというレーススタイルもG1ではどうかという感じもするし、大きくは負けないだろうが、頑張って4着までという感じがしないでもない。
アルーリングボイス
(牝3・デムーロ55)
買い H17ファンタジーS1着、H17小倉2歳S1着など。 重賞2勝、オープン特別1勝を含む通算4勝という実績はこのメンバーではNo1である。特にファンタジーSでは後方から直線だけで前の集団を一気に交わすという力の違いを見せつけるパフォーマンスを見せた。この走りが評価されて阪神JFでは1人気に推されたほどである。結果としては惨敗に終わったが、出遅れと雨が降っていたことが影響したと考えれば度外視でいいはずである。前走のチューリップ賞も4着なら本番への叩き台としては悪くはないという考え方もできるし、前走も道悪で持ち味を発揮できなかっただけとも考えられる。一叩きされた上積みは当然に大きいだろうし、今回はパンパンの良馬場で走れるだろうから、持ち味である豪快な末脚が決まるのではないか。
消し ファンタジーSまでは確かに強かったが、阪神JFで惨敗してからリズムが大きく狂った。出遅れたり、雨が降っていたということはあったものの14着というのはさすがに負けすぎだったといえるだけに、勢いは完全に止まったといえる。前走のフィリーズレビューも4着に負けているし、勝馬とは5馬身差だからやっぱり負けすぎと言いたくなる。単純に考えれば、早熟馬だったということかもしれない。となれば、重賞でこの馬が勝つのはかなり難しいかもしれない。阪神JFの負け方がひどいので、距離適性が1400mまでということも考えられる。勢いも感じないし、武豊がこの馬ではなくアドマイヤキッスを選択したというのもやっぱりマイナスに感じてしまう。
タッチザピーク
(牝3・柴原55)
買い H18紅梅S1着。 前々走の紅梅Sを勝っているわけであるが、好位からの競馬で直線では他を引き離すだけという強い内容だっただけに、この馬のポテンシャルはかなりのものだと思われる。何せデビュー2戦目でこれだけの競馬をするのだから、かなりの大物という可能性も十分にある。前走のチューリップ賞ではまさかの9着に敗れたが、中途半端に負けなかったことで能力を出し切っていないと考えるべきであり、巻き返す余地は十分にあると思っていい。紅梅Sでの決め手はかなりのものだったので、脚を貯めるような競馬に徹すれば直線で弾けることは十分に考えられる。キャリアが3戦だからまだ底を見せたとは言えないし、この大一番でその素質を一気に開花させるということも十分にあり得る。
消し 前走のチューリップ賞で9着に負けたのはかなり痛い。連勝の勢いは止まったとどうしても感じるし、距離延長が大きなマイナスで結果を出せなかったということも考えられる。だとすれば、今回も同じ条件なのだから巻き返しは厳しいということになる。まあ適性があるとしても前走9着からの巻き返しはただでさえ厳しいのである。阪神コースが合わないということももちろん考えられるし、重賞で好走したことがないというのも事実で、実績がオープン特別だけだとどうしても頼りないというか物足りないと感じてしまう。
グレイスティアラ
(牝3・田中勝55)
買い アネモネS2着、全日本2歳優駿1着など。 ダートの地方交流戦とはいえG1を勝っているというのは大きな実績である。ダートでもG1を勝つというのが簡単なことではないのは当然ことであり、格としては上位に見ないといけない。それに芝でも前走のアネモネSで2着しているように、十分にレベルの高い走りができることを証明している。前走は年明け初戦だったことを考えれば、万全の状態ではなかったと考えるべきで、一叩きされた上積みを考えれば大きく変わってくるはずである。前走はうまく逃げられたために捕まえることができなかったが、G1の厳しい流れなら先行馬も失速してくるだろうし、逆転のチャンスはあるはずだ。
消し 重賞を勝っているといってもダートでの話では今回の裏付けにはできない。基本的には芝よりもダート適性の方が高いと考えるべきであり、さすがに芝のG1で通用するとは考えづらい。前走のアネモネSで2着したのはもちろん悪いことではないが、勝馬に2馬身差というのはさすがに離されすぎという感じがするし、レースレベルもそれほど高くなかった感じもしただけに、さらにメンバーが強化される芝のG1で巻き返せるとは考えづらい。実際、阪神JFでは16着に惨敗しているわけだし、芝のG1を期待するのは酷だと思われる。
ウエスタンビーナス
(牝3・藤田55)
買い H18フェアリーS2着。 昨年暮れのフェアリーSではダイワパッションとタイム差なしの2着という走りをしたのだから、少なくてもダイワパッションと同等の能力を持っていると判断していいのではないか。ダイワパッションがフィリーズレビューで完勝したということは、この馬だって今回チャンスは大きいということになる。前走のファルコンSも牡馬混合戦だったことを考えれば、4着でも高い評価が必要だし、菜の花賞で5着という実績を考えればマイルが全くダメということもないと思う。1200mでも先行できるスピードは魅力だし、マイルの流れでうまく脚を貯めることができれば、直線で弾けるということも十分にあり得る。
消し 前々走のクイーンCで11着、その前の菜の花賞で5着ということを考えると、この馬にマイルは距離が長いと判断すべきではないか。前走の内容が良かっただけに、なおさら1200mの適性が高いと考えるのが自然だと思う。まあ、その1200mでも4着に負けていることからすれば、G1でさらに着順を上げるのは厳しいということになるわけで、今回は厳しいレースになりそうだ。1200mでも先行してしまう気性だからマイルで折り合えるかどうかも不安であるし、G1で好走するにしては実績がもう一つという感じも否めない。
アイアムエンジェル
(牝3・柴山55)
買い H18ファルコンS2着。 前走のファルコンSで2着だったわけであるが、5ヶ月の休み明けだったことを考えれば、価値のある2着である。しかも、スピード自慢が揃ったメンバーの中でハナを奪ってそのまま残ったのだから、そのスピード能力はかなりのものである。休み明けを一叩きされた上積みは当然に大きいだろうし、体調はアップしていると考えていい。マイルであれば楽にハナを奪えるだろうし、スプリント戦よりもゆったりとレースを進められるだけに、かえってレースがしやすいということも考えられる。距離延長で大爆発ということもないとは言えないだけに、そういう意味での未知の魅力は十分である。
消し 前走重賞で2着というのは悪いことではないが、やはり1200mではマイルG1の裏付けにはさすがに厳しいものがある。過去の傾向からいってもマイル実績のある馬が好走するパターンが多いし、距離経験が1200mまでの馬が桜花賞で好走したというのは私には記憶がないだけに、常識的には厳しい戦いになると考えるべきだろう。これまで逃げる競馬しかしていないだけに、抑える競馬では持ち味を生かせないだろうし、うまくハナを奪えたにしてもアサヒライジングが早めに競りかけてくるのが予想されるだけに、展開としてもかなり厳しくなりそうだ。脚質的に距離延長がプラスとは思えないし、好走も期待できるという材料があまりに少ないように感じる。
ミッキーコマンド
(牝3・石橋守55)
買い H17ひまわり賞1着。 いちおうオープン特別を勝っているのだからまったく通用しないというレベルではないのではないか。新馬勝ちするだけでも能力が高い証拠ともいえるし、3歳牝馬は何をしでかすか分からないところがある。ここ2戦は惨敗に終わっているが、能力を出し切っていないだけで、秘めてある潜在能力はかなり高いということだってないとは言えないわけで、この大一番でその秘めた潜在能力を爆発させるということもあるかもしれない。
消し オープンを勝っているといっても九州産限定戦ではG1の裏付けにはあまりに厳しい。現にここ2戦は重賞で12着、11着と大きく負けており、巻き返しを期待できそうな見せ場もなかっただけに、重賞級の実力はないと判断したくなる。1200m以下の距離でしか勝っていないので、マイルへの距離延長も疑問だし、この実績で好走するようだと奇跡としか言いようがない。

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