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G2-札幌記念の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券)
 3歳馬の古馬初挑戦だからあまり鵜呑みにはできないと思っていたが、アドマイヤムーンにここまで完璧なレースをされると、3歳馬だから通用しないという考え方はもう古いと考えた方がいいのかもしれない。まあ、相手関係も弱かったということもあるので、古馬相手だからというのではなく、古馬で強い馬がいるのかどうかというところをもっとしっかりと見極めるべきだったかもしれない。あとは、アドマイヤムーンもそうであるが、札幌の重賞を勝った実績を持つレクレドールが2着にきたことも今回のポイントだったような気がする。小倉のメイショウカイドウもそうであるが、ローカル重賞だとなぜかコース巧者というのがいて、そのコースだと一変するという馬がいる。ローカル重賞ではそういうことにも注意した方がいいということを改めて感じた。馬券の方はレクレドールを高く評価していただけに、また詰めの甘さを出してしまったと反省している。
アドマイヤムーン
これだけ完璧なレースをされるとこの馬の能力を認めないといけない。ただ、今回はメンバーがそれほど強くなかったので勝ち切れたという考え方もできるので、古馬G1でも同じような競馬ができるとは限らないだろう。気性的にあまり問題のない馬なので大きく負けることは今後もないだろうが、それでも古馬G1を勝ちきれるだけの実力があるかどうかは何とも言えない。皐月賞で4着に負けていることを考えると、さすがに古馬G1では厳しいのではないかと思ってしまう。
レクレドール
この馬は単純に札幌コースの適性が高いということだと思う。なぜ得意なのかは見当がつかないが、とにかく札幌では走ると覚えていた方がいいだろう。まあ逆に言えば、秋の重賞戦線では必ずしも活躍するとは限らないということになるのであるが。
マチカネキララ
スローの展開を好位でレースを進めていたことを考えれば、この3着はちょっと底を見せてしまったかなあという感じがする。エプソムCは道悪だったから仕方ないにしても、オーストラリアTでも決め手の差で負けていることを考えれば、この馬は決め手がもう一つというタイプといえるのではないか。G3レベルならいつ勝っても不思議はないと評価していいと思うが、G2以上となると今後も厳しい戦いになるかもしれない。もう少し長い目で見てあげた方がいいと思う。
マヤノライジン
今回は好位からの競馬ができたし、この馬の競馬はできたとは思う。それでこの着順は底を見せたという感じもするが、オープンに入って2戦目ということを考えれば高い評価をしていいと思う。G3レベルならいつ勝っても不思議はないと考えていいのではないか。
エリモハリアー
函館記念の時も勝負どころでもたついた感じがあったが、今回もそんな感じだった。前走は速い流れで先行馬が止まってくれたが、今回はスローの展開から瞬発力勝負となってしまったので、さすがに間に合わなかったというところだろう。でも昨年よりは力をつけているのは感じたので、中央の重賞でもそこそこやれるのではないか。
シルクフェイマス
基本的には逃げることを期待していただけに、逃げなかったことには少し不満は感じている。でも、全盛期は逃げる馬ではなかったので、レースを見ている時は「なんで逃げないんだ?」とまでは思わなかった。ただ、結果論から言えば、直線だけの瞬発力勝負になったというのはこの馬にとっては最悪の流れといえる。上がりだけの勝負になるのであれば、やはり逃げるのがベターだったと言わざる得ない。でもまあ、全盛期のこの馬であればそれでも何とかしたとは思うので、やはりピークが過ぎたと考えるべきだと思う。今後も展開に恵まれない限り勝つことは難しいかもしれない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G2-札幌記念の予想
結論

◎シルクフェイマス
 ○エリモハリアー
  ▲レクレドール
  ×アドマイヤムーン
  △マチカネキララ
   △ファストタテヤマ
   △マヤノライジン
   △タガノデンジャラス
   △グレイトジャーニー
   △マイソールサウンド

買い目(馬連) 合計6,300円
  10-14(2,000円)
  軸10--7,8,11(各1,000円)小計3,000円
  3-10(500円)
  軸10--12,13,15,16(各200円)小計800円

にへいの見解
いろいろと多忙のため簡単にさせていただきます。
 本命◎はシルクフェイマスである
 この馬を選択することに今回はそれほど迷わなかった。2年前にはゼンノロブロイやタップダンスシチーと好勝負した馬であり、G1でも3度も馬券に絡んだ馬である。G1で馬券に絡んだこともない馬が多いこのメンバーにおいては、この馬の実績はあまりに抜けている。ただ、ここ2年はこれといった結果を残していないのも事実であり、さすがにピークが過ぎたかな、という感じも否めないだけに、別定G2を勝つのはもう難しいという考え方も十分にできるとは思う。でも、今年はアメリカJCCを勝つなど、そこそこの結果を残しているだけに、このメンバーが相手なら何とかなるのではないかと私は考えた。今年はハナを切る競馬でも結果を出しているので、逃げ馬がおらずこの馬が楽に逃げることができそうというのも大きい。とにかく、このメンバーであれば格が違うということである。不安も小さくはないが、これだけの馬が4人気であれば、思い切って勝負するしかない。
 対抗○はエリモハリアーである
 函館で強いという印象が強いので、札幌でどうかという感じはするが、金鯱賞で3着していることも考えれば、昨年よりも実力をつけていると考えていいのではないか。前走で函館記念を勝って勢いがあるし、鞍上が勝負強い安藤勝騎手ということもある。昨年はこのレースで結果を出せなかったが、今年は結果を出してくれるのではないかと私は思っている。少なくても古馬初挑戦となる3歳馬と重賞勝ちのない上がり馬よりは私はこの馬の方に魅力を感じた。
 単穴▲はレクレドールである
 昨年のクイーンSでヘヴンリーロマンスに勝ち、今年も3着にきていることからすれば、この馬は札幌コースを得意としていると考えていいと思う。連闘となるが、かえって調子は上がっているようにも感じるし、夏は牝馬が強いということもある。実績から考えれば、さすがに厳しいと判断するのが一般的だとは思うが、私はどうも気になってしまった。なので、思い切ってこの馬を狙ってみた。
 4番手×はアドマイヤムーンである
 皐月賞で1人気になった馬だけに実力はG1級と考えていいとは思う。でもG1で馬券に絡んでいないことを考えれば、高く評価しすぎるのも問題とは思った。鞍上が武豊で斤量54kgということも考えると、どうしても気持ちがこの馬に行きそうになるが、3歳G1を勝った馬が初めての古馬挑戦で負けている例が多いことを考えれば、この馬も古馬初挑戦でいきなり好走するのは難しいという考え方もできる。走らせてみないとわからないのであれば、今回は様子を見るのがいいのではないかと判断した。
 5番手△はマチカネキララである
 藤沢和厩舎の期待馬だけに、ポテンシャルはG1級という評価は正当なのかもしれないが、オーストラリアTとエプソムCで3着に負けていることを考えれば、まだ別定G2を勝てるだけの実力はないのではない、という判断をすべきなのではないか。実績を重視する私としては、重賞を勝っていないこの馬を高く評価することはできない。もし人気がないのであれば、狙っておもしろいということになるが、これだけ人気になっていると、かえって魅力が小さくなる。
 6番手△はファストタテヤマである
 昨年2着しているし、前走のオープン特別を勝っているので、意外にこの馬は札幌コースを得意としているのではないか、と考えた。この馬はG1で連対した実績もあるわけだし、昨年2着しているということもあるだけに、実績としては十分なものを持っている。こういう馬は押さえとかないといけないと判断した。
 基本的にはチャンスのある馬はここまでかなと思っているが、今年に入ってから力をつけてきた上がり馬と、重賞を勝った実績のある馬は可能性としてはあり得るとは思ったので、いちおう押さえることにはした。

G2-札幌記念

アドマイヤムーン
(牡3・武豊54)
買い H18弥生賞1着、H18共同通信杯1着など。 皐月賞TRの弥生賞を完勝した実績を持ち、皐月賞でも1人気に推されて4着という結果を残しているだけに、現3歳馬のトップクラスの存在といえる。 中団からオーソドックスな差す競馬を得意としており、安定度もかなり高い。 共同通信杯では上がり33秒台の末脚を見せており、決め手もかなりのものを持っている。 武豊がわざわざ札幌まで行って乗るというのだから勝ちにきていると見ていいだろう。 3歳馬は斤量が54kgというのも魅力であり、古馬との差が3kgというのはけっこう大きいように感じる。 札幌2歳Sを勝っている実績もあり、札幌コースで結果を出しているというのも見逃せない。
消し G2までは強い競馬をするのに、G1になると実力を出し切れないのか、なぜか結果を出せないという馬はいるもので、この馬もそういうタイプに見える。今回はG2であるが、古馬戦ということを考えれば、3歳限定のG1よりもレベルが高い可能性は十分であり、3歳限定のG1で通用しないのだから、古馬相手では実力不足という考え方は十分にできる。もちろん古馬初挑戦というのも割引と考えるべきだろう。ダービー以来という休み明けも割引である。ベストは1800mで2000mは微妙に長いという感じもする。皐月賞とダービーで馬券に絡めなかったことからすれば、勢いが止まったというか、成長が止まったようにも感じられるし、今まで連勝してきたときも大物感みたいなものがいまいち伝わってこなかった。
エリモハリアー
(騙6・安藤勝57)
買い H17函館記念1着、H17朝日CC2着など。 前走の函館記念で完勝しているので勢いはかなり感じる。昨年に続き函館記念を連覇していることからすれば、この馬は夏に調子を上げてくるタイプと言っていいだろう。 今年の金鯱賞で3着していることも考えれば、昨年よりも成長してさらに強くなっているということも考えられる。 近走は3着2着1着と安定して結果を残しているので、大きく崩れることは考えづらい。 中団くらいから競馬をするタイプなので小回りが合っているということもあると思う。 ここを勝てばサマー2000シリーズ初代王者に決定するという目標もある。 鞍上が勝負強い安藤勝というのも魅力である。
消し 最も気になるのは昨年の札幌記念では6着に負けていることである。巴賞、函館記念を連勝した勢いで臨んだにも関わらず掲示板にも載れなかったということは、別定G2では力不足ということかもしれない。 今年の金鯱賞では3着にはきているものの、中央場所の重賞ではそれほど活躍していないことを考えても、絶対的な強さはもう一つ感じない。 単なる函館巧者ということで、札幌コースでは函館ほどの強さは見せられないという考え方も十分にできる。 前走は得意の道悪になったというのもこの馬には大きな味方となったはずで、前走の走りをそのまま評価するのも危険だと思う。 別定G2ということで相手もそれなりに強くなるし、前走よりは厳しいレースになるのは間違いない。
グレイトジャーニー
(牡5・佐藤哲57)
買い H18ダービー卿CT1着、H16シンザン記念1着、H17ディセンバーS1着。 今年はダービー卿CTで久々に重賞を勝っている。ハンデ戦だったが斤量56kgで圧勝という内容だったのだから高く評価していいと思う。続く京王杯SCもこの馬には距離が短かかったことを考えれば5着は上々の結果といえる。前走の安田記念8着もG1ということを考えれば、そこそこがんばっているといえるし、ローカルで比較的メンバーが薄いG2であれば、勝ち負けしても不思議はないということになる。気性的に成長してきたのか、中団からの競馬でも折り合えるようになって、安定した走りをするようになった。オーソドックスな競馬をするので小回りコースも合っていると思う。
消し 今年はダービー卿CTを勝っているとはいえ、4着5着に終わるケースがかなり多く、なんというか、好走はするのだけど、ワンパンチ足りずに馬券圏内には届かないというイメージがけっこう強い。言ってしまえば、もう一つ強さみたいなものが伝わってこないいのである。G3までなら何とか勝ち負けも可能であるが、G2以上では通用しないということかもしれない。1600〜1800mがベストだと思うので、2000mは微妙に長いと思う。安田記念以来ということで間隔が少し開いたというのも気になる。秋のレースを睨んでの出走なのだろうし、ここで100%の仕上げというのは考えづらいと思う。
シェイクマイハート
(牡6・柴山57)
買い 前走の函館記念は5着だったが、道悪で後方からの競馬だったことを考えれば、よく頑張っている方だろう。前々走の巴賞でもかなりの追い込みをみせての4着だったし、その前は新潟大賞典で4着というのもある。昨年まではオープン重賞で惨敗することが多かったことを考えれば、ここにきての充実度はかなりのものであり、こういう勢いのある馬が夏は怖いものである。実績からいえば地力で勝ちきるというのは難しいかもしれないが、それでも流れ一つでこの馬にもチャンスはあるはずで、この馬向きの流れになれば一発あってもいいかもしれない。
消し この馬にしては、最近の結果はよく頑張っている方だと思う。とはいえ、函館記念で5着、新潟大賞典で4着と馬券圏内には入れないでいるというのが、この馬の能力の限界を証明している感じが強く、ハンデ戦でこの結果なのだから別定G2でさらに上を目指すというのはあまりに酷と言わざる得ない。調子が良いのも確かだろうが、相手もさらに強くなるわけだし、この馬にはかなり厳しい戦いになると思われる。逃げるとか追い込むというタイプでもないので、展開による一発も考えづらい。
シルクフェイマス
(牡7・五十冬57)
買い H18AJC杯1着、H16宝塚記念2着、H16京都記念1着、H16日経新春杯1着。 一昨年のG1では、天皇賞春3着、宝塚記念2着、有馬記念3着というハイレベルな実績を残した。このとき先着していたのが全盛期のタップダンスシチーとゼンノロブロイだったのだから、この馬も十分にG1級の能力を持っていると考えていいはずだ。昨年はこの馬らしい走りが見られなかったが、今年に入ってからはAJC杯で久々の重賞制覇を果たし、その後の重賞でもそこそこの走りを見せているだけに、復調気配は感じられる。鉄砲がきくタイプなので休み明けもそれほど気にしなくていいし、これまでにこの馬が戦ってきた相手を考えれば、今回のメンバーはかなり恵まれたという考え方もできる。先行タイプなので、小回りコースの適性も高そうだ。別定G2なので斤量の不利もないし、力を出し切るようであれば圧勝もあり得る。
消し 一昨年はすばらしい走りを見せてくれたが、昨年はそれが嘘のように凡走ばかりだった。急成長を遂げた馬というのはピークが短いというケースもあり、この馬もピークが過ぎたということかもしれない。今年はAJC杯を勝つなど、昨年よりはましという感じはするが、それでも全盛だった一昨年に比べると、走り・結果ともに物足りないものを感じてしまうし、一昨年のような迫力も感じない。先行脚質で決め手に欠けるところがあるのも気になる。宝塚記念以来という休み明けも一般的に割り引きと考えるべきだろう。
スプリングシオン
(牡9・芹沢57)
買い H17福島テレビオープン1着。 昨年オープン特別を勝っているのだから、なんとか通用するレベルにはあるとは思う。小回りコースで先行してそのまま粘りきるというのがこの馬の好走パターンなので、札幌コースの適性は高いといえる。ただ、これといった大きなプラス材料は見いだせないというのが実情だとは思う。
消し 出走した重賞やオープンの数はけっこう多いが、そこでほとんどが掲示板にも載れないで終わっていることからも、別定G2で通用するだけの実力を持っているとは考えづらい。昨年の福島テレビオープンを勝った時も11頭中9人気だった。オープン特別だから何とか勝つことができたが、重賞ではそんなには甘くはない。まして、長期休養明けとなるのだからなおさら厳しい。9歳という年齢だけに成長しているということもないだおるし、かえってさらに力が落ちていると考えるべきだろう。
セフティーエンペラ
(騙7・長谷川57)
買い H16福島記念1着、H17小倉大賞典2着。 重賞を1勝、2着1回という実績があるし、他にも金鯱賞で5着、朝日CCで5着とレベルの高い重賞で好走した実績もあるのだから、ここで通用しても不思議はないとはいえる。 福島、小倉、中京で好走しているということは小回りコースが合っていると思われ、札幌コースも合うのではないか。 休み明けから3戦したので、そろそろ調子が上がってきてもいい頃だと思うだけに、走りが変わってくるということも十分に考えられる。積極的な競馬をするのが持ち味だし、早め早めの仕掛けから気持ちさえ切れなければ、そのまま粘りきるということもあるかもしれない。
消し 前走の函館記念で13着というのはさすがに負けすぎといえる。道悪が苦手というタイプでもないことを考えれば、調子が上がってきていないと考えるのが妥当ではないか。前々走の巴賞もその前の金鯱賞も内容としてはいまいちだっただけに、年齢的な衰えがあるのかもしれない。まして、これまでもローカル重賞でたまに好走するくらいのレベルだったことを考えれば、別定G2で巻き返すというのはかなり厳しいと思われる。決め手が鋭いという感じもしないし、いろんな意味で中途半端なところが多いだけに、そういう意味での魅力も薄い。
タイガーカフェ
(牡7・須貝57)
買い H14皐月賞2着。 忘れてはいけないのはクラシックで連対を果たしているという事実である。内容も速い流れを先行してしぶとく粘るというものでけっこう強かったと思う。その後はこれといった結果は残せずに、今年になってやっと準オープンを勝ち上がったわけであるが、この馬の場合は相手なりに走るところがあって、好走はするのだがなかなか勝ちきれないというパターンに陥っていた。こういうタイプは常に相手なりに走るもので、重賞でも流れ次第で好走してしまうことがある。現に金鯱賞で5着という走りを見せており別定G2でも通用するところは見せている。中団から差す競馬を得意としているので、小回りコースの適性は高いと思うし、極端に上がりが速くならない札幌の重い芝も味方となりそうだ。
消し 7歳にしてやっと準オープンを勝ち上がったということからすれば、重賞ですぐに通用するとは考えづらい。金鯱賞で5着しているが、しょせん5着であり馬券圏内に入ったわけではない。もともと相手なりに走るところがある馬なので、5着くらいの走りはできるが、それ以上の走りができないというのが、この馬の最大の問題点なのである。それに、エプソムCでは15着に負けているように、重賞では常に好走しているわけではなく、たまに好走する時があるというレベルである。となれば、別定G2の今回はかなり厳しい戦いになると考えるべきだろう。決めてに欠けるタイプなので、展開による一発も期待しづらい。
タガノデンジャラス
(牡4・岩田57)
買い H18オーストラリアT1着。 前々走オープン特別を勝ったわけであるが、準オープンを勝ち上がって、オープン初戦でいきなり勝つというのはポテンシャルがかなり高くないとできないものである。まだ4歳という若さからいっても、まだまだ底を見せたとは到底言えず、さらなる成長は当然に期待していいはずである。前走の函館記念は道悪ということもあって力を出せなかったが、それまでは6戦して3勝2着3回という走りを見せていただけに、前走の着順がこの馬の実力の限界とは考えづらい。休み明けを一叩きされた上積みは大きいだろうし、末脚の切れ味で勝負するタイプなので良馬場だと走りが一変するということも考えられる。
消し 前走の函館記念で9着に負けたというのをどう考えるかであるが、着順的にも負けすぎという感じはするし、内容的にも見せ場なく終わっているだけに、今回に繋がる走りという感じはしなかった。ふつうに考えれば、まだ重賞で通用するだけの実力はないということかもしれない。あるいは小回りコースが合っていないということも考えられる。いずれにしても、今回は別定G2だからレベルがさらに上がるわけだし、札幌コースなので再び小回りとなるわけだから、巻き返しはけっこう厳しいということになる。未知数の部分も多いとは思うが、レベルの高いレースで好走した実績を持っていないというのも事実なだけに、大きな期待はかけづらいといえる。
ファストタテヤマ
(牡7・武幸57)
買い H18万葉S1着、H17札幌記念2着、H14菊花賞2着、H14京都新聞杯1着。 まずは4年前の菊花賞で2着しているという実績を忘れてはいけない。直線だけの競馬でヒシミラクルに際どく迫ったのだから、はまった時のこの馬の爆発力はかなりのものである。その後は少し低迷したが、昨年の札幌記念で後に天皇賞秋を制したヘヴンリーロマンスとタイム差なしの2着という走りを見せて、まだまだ元気なところを見せた。前走もオープン特別を勝っているので勢いも感じる。昨年2着だから距離コースともに問題はない。もしかしたら札幌コースの適性が高いということかもしれない。決め手は凄いものを持っているので、前崩れの展開ならさらにチャンスが広がるはずだ。
消し 前走のオープン特別を勝っているのは悪いことではないが、しょせんオープン特別であり重賞ではない。条件戦を勝ち上がってきた馬がオープン特別を勝つのであれば価値は高いが、これまでにG1G2を走ってきた馬がオープン特別を勝ってもそれほど高い評価はしない方がいい。特にこの馬の場合は、重賞ではなかなか結果を出せなくなってきているだけに、なおさらである。昨年2着しているので条件としては悪くはないのだろうが、基本的にはこの馬には距離が短いと思うし、小回りコースも脚質的には合っていないと思う。年齢的には昨年よりも力が衰えていると考えるべきだろうし、昨年同様の結果を求めるのは酷ではないか。
ブリットレーン
(牡7・菊沢徳57)
買い アルゼンチン共和国杯で4着という実績を持っているのだからまったく通用しないというレベルではないと思われる。スタミナが豊富というのがこの馬の持ち味なので、スタミナが生きる展開になればチャンスが出てくるのではないか。休み明けとなるが、リフレッシュ効果の方が大きいということも考えられる。重い芝で上がりが速くならない札幌コースというのもこの馬には合っていると思う。
消し これまでの最高実績がアルゼンチン共和国杯で4着というのは、さすがに物足りないものを感じる。他の重賞でも5着とかしていれば、また話は違うのだろうが、それ以外の重賞では惨敗に終わっていることを考えれば、重賞では実力不足と考えるべきだろう。しかも、この馬はステイヤーであり、その実績のほとんどが2500m以上のレースであるだけに、2000mというのは明らかに距離が短い。3ヶ月の休み明けというのも当然に割り引きだろう。決め手が鋭いというタイプでもないので展開による一発も考えづらい。年齢的に大きな成長も期待できない。
ブルートルネード
(牡5・秋山57)
買い H17函館記念2着。 先行してとにかくしぶといというのがこの馬の持ち味である。ちょっと勝ちきれないところはあるが、大きく崩れないのは大きな魅力であり、安定度は期待していいと思う。金鯱賞4着、巴賞3着、函館記念6着とそこそこの走りはしており、勢いもそれなりに感じることはできる。自分で競馬を作れるというのも魅力といえ、短い直線を味方に早めに抜け出すことができれば、そのまま押し切るということも可能であろう。特に今年は日経賞3着、金鯱賞4着と別定G2でそれなりの結果を出しているというのが大きな魅力であり、ローカルで比較的メンバーが薄いことを考えれば、チャンスは十分と言えるだろう。
消し 先行してそのまま粘るというのがこの馬の持ち味であるが、逆にそれが決め手不足となってしまい、最後の最後でどうしても差されてしまうという結果になっている感じがする。 大きくは崩れないとは思うが、そうはいっても決め手に不安がある以上は、馬券圏内というのはけっこう厳しい感じがする。前走の函館記念では6着と掲示板にも乗れなかったことからすると勢いという点でも魅力を感じない。 G3でも勝ちきれない馬だけに、G2で通用するとも考えづらい。
マイソールサウンド
(牡7・本田57)
買い H17阪神大賞典1着、H16マイラーズC1着、H16京都金杯1着など。 別定G2を2勝している実績はこのメンバーであれば上位ということになる。しかも、3000mと1600mとまったく異なった距離で勝っているのだから、この馬のポテンシャルはかなり凄い。もちろん、距離2000mが問題になるはずがない。昨年秋はこれといった結果を残せなかったが、G2・G1ばかりで相手も強かっただけに仕方ない面もあったし、前走も休み明けのうえに道悪では凡走に終わっても仕方なかったといえる。好走する時とそうでない時とのギャップが大きいのもこの馬の特徴なので、最近の走りがいまいちだからといって侮らない方がいい。相手が弱いと良い走りをするという感じもするだけに、今回は力の違いを見せつけるということもあるかもしれない。
消し 前走の函館記念で16着というのはさすがに負けすぎだろう。いくら休み明けで斤量が58kgで道悪競馬だったにしても、しんがり負けというのは負け方としてはひどいと思う。一叩きされた上積みはあるだろうが、前走16着ということを考えれば、一叩きだけで馬券圏内まで巻き返してくるというのは考えづらいだろう。昨年の秋はいいところなく終わっていることからすれば、ピークが過ぎたという考え方も十分にできる。まあ、それ以前から負けるときはあっさり負けるという感じだったし、勝つ時も「強い」というよりは何かに恵まれたという感じを受けただけに、絶対的に能力が高いというわけでもない感じもする。
マチカネキララ
(牡4・横山典57)
買い H18エイプリルS1着。 藤沢和厩舎の期待の4歳馬である。昨年は、5月にデビューして5戦4勝という結果を残した。唯一敗れたのも神戸新聞杯4着であり、キャリア3戦目だったことを考えれば凄いことである。古馬相手の準オープンも難なくクリアしていることからも、この馬のポテンシャルは半端でないことがわかる。今年も初戦のエイプリルSをきっちりと勝ち、その後のオーストラリアTとエプソムCでも3着と好走している。1戦ごとの上積みは当然に見込めるし、まだ4歳という年齢からも大きな成長も見込める。藤沢和調教師も秋はG1を狙わせたい意向のようであるし、そういう意味ではここは挑戦者というよりも、勝たなければいけない戦いというつもりのはずである。好位から競馬ができるセンスの高さも魅力であり、安定度も期待していい。
消し まだキャリアが浅いということもあるが、重賞未勝利というのも事実である。重賞を勝っている馬が何頭もいることを考えれば、別定G2ではまだ通用するレベルではないという可能性も十分である。エプソムCでは3着に負けているわけだし、それで底を見せてしまったという考え方だってできる。これまでにも期待ばかりが多く、レースでは結果が出せないという馬もけっこういたことも考えれば、現時点でポテンシャルが高いと判断するのは危険である。オーストラリアTの負け方からすると、決め手がもう一つという感じもするし、別定G2を勝つにはまだ時間がかかるのではないか。未知数が多い場合は、期待と不安のどちらもあるわけであるが、基本的には不安の方が大きいと考えるべきである。
マヤノライジン
(牡5・四位57)
買い 前走の函館記念で3着だったわけであるが、準オープンを勝ち上がったばかりだったことを考えれば、上々の結果だったといえる。後方からの競馬で3角あたりから先行集団に詰め寄り、直線でもしぶとく伸びるという正攻法の競馬だったので、内容も高く評価していいと思う。 その前は4連勝で一気にオープンまで上り詰めており、条件戦ではレベルが違うことをみせているだけに、ポテンシャルとしては重賞でも通用するものは持っているはずである。 前走は少し間隔が開いていたので、今回は一叩きされた上積みが見込める。
消し 前走の函館記念で3着に負けたというのは、今回のレースを占う意味では不安材料と言わざる得ない。ハンデ55kgだったにもかかわらず、重い斤量を背負った馬に完敗したのだから、現時点ではまだ力不足と判断していいのではないか。まして、今回は別定G2でレベルがさらに高くなるのだから、前走以上の結果を求めるのは酷ということになる。重賞オープンでのキャリアがほとんどないので、何とも言えない部分が多いのも確かではあるが、実績がないことに変わりはないのだから、過度な期待はかけない方がいいのではないか。
レクレドール
(牝5・藤田55)
買い H17クイーンS1着、H16ローズS1着。 昨年のクイーンSでは、後に天皇賞秋を勝ったヘヴンリーロマンスに勝ちきったのだから、この馬も同等の能力があると評価できる。暮れの阪神牝馬Sでも僅差の3着とかなり頑張っていたし、このときラインクラフトに先着していることも忘れてはいけない。前走のクイーンSでも3着しているので、札幌コースの適性が高いということかもしれない。であれば、連闘してきた意図もわかる。夏は牝馬が強いということもあるし、そういえば昨年のヘヴンリーロマンスも連闘で勝っているではないか。鞍上が勝負強い藤田騎手に替わるのもプラスと言えるだろうし、けっこうチャンスは大きいのではないか。
消し 前走のクイーンS3着をどう考えるかであるが、牝馬限定重賞で3着に負けていることを考えれば、牡馬混合の別定G2でさらに上を目指すというのはかなり厳しいのではないか。ヴィクトリアマイルで18着、マーメイドSでも12着に負けていることからすれば、安定度も期待できないし、レベルの高いレースだと惨敗するケースが多いようにも感じる。それ以外の重賞でも馬券圏内に入ってくることはほとんどないだけに、別定G2では力不足と判断したくなる。切れる脚がないので決め手もいまいちといえ、一発というのもどうだろうか。

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