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G1-秋華賞の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
オークスの上位陣がそのまま上位を独占していることからしても、この世代ではこれらの馬の実力が抜けているということだと判断していいと思う。けっこう速い流れになったこともあって、展開の有利不利もそれほどなかったと思うので、今回の着順が実力順と言えるのではないか。レベルの高い良いレースだったと思う。馬券的には、休み明けの取捨が大きなポイントだったが、休み明けの2頭でワンツーなのだから、やはり休み明けを気にしてはいけない時代になってきているのかもしれない。とはいえ、これまでもG1を休み明けで勝つ馬は、以前にG1で結果を残しているというパターンが圧倒的に多い。G1馬のぶっつけは気にしない方がいいということかもしれない。
カワカミプリンセス
強かった。本当に強かった。休み明けでこれだけ走るのだからこの馬はかなりの大物と言っていいだろう。まだ無敗ということになるし、どこまでこの連勝記録を続けるのか楽しみである。これだけの競馬をできる馬であれば、エリザベス女王杯でも当然にチャンスということになる。古馬最強のスイープトウショウがエリザベス女王杯に出走してくるかどうかにもよるだろうが、スイープトウショウがJCに向かうのであれば、この馬の独壇場となる可能性が高くなる。もちろん仮にスイープトウショウが出走してきたとしても、一気に世代交代を宣言してしまう可能性もそれほど低くはないだろう。
アサヒライジング
さすがにアメリカンオークスで2着しただけのことはある。速い流れで先行する3頭から少し離れたポジションで折り合い、直線では一気に抜け出した。結局カワカミプリンセスには差されたが、相手が悪すぎたと考えるべきであり、高く評価していい内容だったと思う。マイルでも先行できるスピード、2400mでも粘れるスタミナを持っていることからしても、2000mがこの馬には合っているということもあると思う。今後の活躍に期待したい。
フサイチパンドラ
この馬は本当に難しい馬である。TRではアドマイヤキッスに完敗を喫しながら、本番ではきっちりと巻き返すのだから本当に計算しづらい馬である。やはり今までにG1で結果を出している馬はTRで惨敗していない限りは、見限ってはいけないということなのだろう。この馬にはどんな時でも注意しないといけない。
アドマイヤキッス
結局、オークスで敗れた3頭にまた負けたのだから、これが実力と考えるべきなのだろう。TRの時と同じようにシェルズレイはきっちりと差し切っているのだから、TRと同じような競馬はしていることになる。それより前に強い馬が3頭いたというだけのことだろう。この馬も弱いとは思わないが、G1ではワンパンチ足りないことが証明されてしまったと言っていいのではないか。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-秋華賞の予想
結論

◎アドマイヤキッス
 ○シェルズレイ
  △カワカミプリンセス
  △キストゥヘヴン
  △アサヒライジング

買い目(馬連) 合計1,600円
  4−9(1,000円)
  9−12(300円)
  1−9(200円)
  9−16(100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はアドマイヤキッスである
 やはり前走のローズSの内容を高く評価した。完全に勝ちパターンに持ち込んだシェルズレイを、とても届きそうにない位置から追い込んで、最後はきっちりと差し切ったのだから強い内容だった。あの内容であれば、少なくてもローズS組に逆転されることはないのではないか。別路線組に桜花賞馬とオークス馬がいるので、そことの兼ね合いということになるとは思うが、それでも順調度からいけばこの馬が一番だと思うので、素直にこの馬から勝負することにした。
 対抗○はシェルズレイである
 牝馬はやはり勢いが大事である。そういう意味では休み明けの馬からは勝負しづらいものである。なので前走ローズSで2着だったこの馬で勝負することにした。アドマイヤキッスには敗れたものの、3着には4馬身という決定的な差をつけているのだから、今回もそういう強い競馬をしてくれることを期待したい。無難に乗ったのでは、桜花賞やオークスのような中途半端な負け方になると思うので、前走のような思い切った競馬をしてもらいたい。
 単穴▲はカワカミプリンセスである
 このレースの傾向として、休み明けの馬は苦戦するということがあるので、休み明けの馬から勝負するのは危険だと判断した。ただ、無敗のオークス馬であり、ポテンシャルの高さはかなりのものだと思うので、さすがに消しという判断はできなかった。
 4番手△はキストゥヘヴンである
 桜花賞での切れ味はかなりのものだったので、今回も展開にはまればチャンスはあると思うし、力でねじ伏せるということもあるとは思う。でも、前走のセントライト記念の伸び脚からすると、2000m以上では持ち味が出ない感じもしたので、押さえまでという評価にした。
 5番手△はアサヒライジングである
 アメリカンオークスで2着という実績を持っているのだから、能力としては十分に通用すると思う。ただ、この馬も休み明けになるので、押さえまでの評価にした。
 3歳牝馬のレースなので、他にもチャンスのある馬はいるとは思っているが、ローズS組の2頭を中心に考える以上は、ローズS3着以下の馬はいらないと判断するしかないし、別路線組もG1で実績を残した馬まで押さえておけば十分という判断をした。

G1-秋華賞

アサヒライジング
(牝3・柴田善55)
買い H18アメリカンオークス2着、H18アネモネS1着、H18クイーンC2着。
桜花賞では果敢に逃げて4着、オークスでも2番手追走から3着と、牝馬クラシック戦線で上位の成績を残しており、この世代のトップクラスの地位を確固たるものとしている。前走はアメリカンオークスに挑み2着という好結果を残しており、この馬のポテンシャルが半端でないことを証明した。マイル戦でも先行できるスピードと、2400mでも失速しないスタミナを持ち合わせているだけに、距離2000mの適性はかなり高いと思われる。京都コースといっても内回りコースなので直線は短いし、直線に坂もない。この馬にとっては京都2000mは最高の舞台といえるかもしれない。先行してばてないので安定度も期待でき、もし勝てないにしても2着3着に残る可能性はけっこう高いのではないか。
消し 先行馬の宿命ともいえるが、G1のような大きなレースとなると、どうしても最後の最後で決め手のある馬に差されるという形で負けてしまう。大きくは負けていないのだから、こういう脚質が悪いということはないのだが、G1のような大舞台となると、決め手に欠けるタイプは魅力としてはいまいちということになってしまう。アメリカ遠征後の休み明けだから体調が戻っているかどうかというのも心配だし、そもそもG1を休み明けで勝つというのは、レベル的に抜けていないとなかなかできるものではない。G1勝ちの実績がないことを考えれば、抜けた存在とはとても言えないだけに、やはり休み明けというのは大きなマイナスと考えていいのではないか。
アドマイヤキッス
(牝3・武豊55)
買い H18ローズS1着、H18桜花賞2着、H18チューリップ賞1着。
チューリップ賞で強い競馬を見せて牝馬クラシックの主役級の存在となり、桜花賞、オークスともに1人気に推されたほどの馬である。桜花賞は2着、オークスは4着と敗れ、結局クラシックを勝つことはできなかったが、それでも大きく崩れない走りを見せて、それなりにポテンシャルの高さは見せた。そういう馬が前哨戦となったローズSでこれ以上ない完璧なレースを見せた。早めに抜け出したシェルズレイがセフティリードを保ちながら逃げ粘ろうというところを、1頭だけ次元の違う末脚を繰り出して、ゴール直前できっちりと差し切った。2着と3着の差が3馬身以上あったことから考えても、今回のメンバーにおいては力が違いすぎたと評価していいだろう。前哨戦を勝ったのだから体調面の心配はないし、当然に距離の心配もない。折り合える気性なので安定度もかなり高い。完成度の高さがこの馬の最大の魅力であり、最後の1冠はなんとしてでも勝ち取りたいところだろう。
消し 減点方式で考えるのであれば、この馬のマイナスはあまりないと言える。しかし、桜花賞2着、オークス4着とG1で勝てないということは、根本的な器の大きさがないと考えていいのではないか。つまり、実力を出し切ったとしても、G1だと好走で終わるレベルの馬でしかないという考え方である。こういう馬はTRはきっちりと勝つので、本番でも人気を背負うが、本番だとワンパンチ足りず惜敗するというパターンが多いものである。前走の勝ち方は強かったが、桜花賞とオークスの上位陣のほとんどが走っておらず、ローズS組には負けないにしても、それ以外のメンバーに力の違いを見せつけられるということも十分にあり得る。あとは前走がけっこう厳しいレースだったので、疲れが残っていての2走ボケがあるかもしれない。
カワカミプリンセス
(牝3・本田55)
買い H18オークス1着、H18スイートピーS1着。
なんといってもオークスを勝っているのがここでは大きな実績である。G1を勝っていることはもちろんであるが、2400mで勝っていることで、スタミナ面に心配がないというのが馬券を買う方としては安心できる材料となる。1800mのスイートピーSも完勝しているのだから2000mで距離が短いということも考えづらい。適性としては2000mくらいの方が合っているくらいではないか。4戦4勝で未だに無敗というのも大きな魅力である。まだまだ底を見せていないのだから、歴史に残る名牝に成長する可能性も十分ということになる。中団からレースができるので展開に左右されるタイプでもない。ポテンシャルが高いのは明白だし、力を出し切れる状態に仕上がっていれば、2冠の可能性はかなり高いと言えるかもしれない。
消し 今回もっとも不安なことは休み明けである。夏場に無理をしたくないという気持ちも分かるので、ぶっつけでレースに挑むのは仕方ないことだとは思うが、それでもオークス以来というのは、基本的には割引と考えるべきだろう。3歳牝馬だけに、レース間隔が開いたことで、気持ちがもう一つ乗らないとか、気性的な難しさを出すということもあるかもしれないわけで、春では考えられないような凡走に終わるということも可能性としてはあると思う。一叩きされていれば、だいたいの体調がつかめるものであるが、ぶっつけだと走らせてみないと分からないだけに、馬券を買う方としてはどうしてもリスクが大きいと感じてしまう。それにG1を勝っているといっても2400mだっただけに、2000mでも同じように強いかは分からない。2000mだと桜花賞好走組が巻き返してくるということも考えられるだけに、この距離短縮は結果としてマイナスということもあるかもしれない。
キープユアスマイル
(牝3・田中勝55)
買い H18紫苑S2着。
前走の紫苑Sで2着に入り、なんとか秋華賞出走の切符を手に入れた。上がり33.4というなかなかの決め手を見せており、今回は2着に負けたが、本番では展開次第ではチャンスは十分という内容だったといえるのではないか。休み明けを一叩きされた上積みも見込めるだろうし、G1だと厳しい流れになるだろうから、展開も合うのではないか。うまく脚を貯めることができれば、直線で一気に弾けるということも十分にあり得る。夏を越して大きく成長していることも感じるし、3歳牝馬はこういう成長力が最も怖いものである。
消し 前走の紫苑Sで2着しているとはいえ、負けていることには変わりはない。メンバーのレベルもそれほど高くはなかったと感じるだけに、それで勝てなかったというのは「底を見せた」と判断していいのではないか。オークスでも12着に負けていることからすれば、G1級の器はこの馬にはないとも考えられる。オープンで好走したのは前走だけなので、裏付けとしてはどうしても物足りないということになるし、メンバーは当然に前走より強くなるのだから、前回と同じ着順を守ることすら厳しいということになる。勝って本番であればまだしも、負けて本番だから勢いとしてもいまいちだし、G1でも期待できるというには、ちょっと材料が足りない感じがする。
キストゥヘヴン
(牝3・安藤勝55)
買い H18桜花賞1着、H18フラワーC1着。
桜花賞を勝っているという実績は当然に凄いことであり、ここでは最上位の実績ということになる。このときは、後方で脚を貯めて直線で一気に突っ込んできて差し切ており、内容としてもかなり強い競馬だった。オークスは6着に敗れたが、さすがにこの馬には距離が長かったのかもしれない。フラワーCでオークス2着のフサイチパンドラに勝っていることと、前走のセントライト記念の内容からすれば、距離2000mなら長いということはないと思われ、オークスからの距離短縮はこの馬には大きなプラスになるはずだ。前走のセントライト記念であるが、5着に敗れたとはいえ、牡馬相手だっただけに5着でも上々の結果と言っていいだろう。ラストの伸び脚はかなり良かったし、叩き台としては悪くない内容だった。一叩きされた上積みもあるし、今度は牝馬限定になることも考えれば、巻き返しは十分に考えられる。
消し オークスで6着に負けているというのはかなり気になるところではある。桜花賞を勝っていて、オークスで6着ということは、ふつうに考えれば「距離が長かった」ということになる。今回は2000mに距離が短縮されるとはいえ、オークスで6着ということを考えれば、この馬は典型的なマイラーであり、2000mでもまだ距離が長いという可能性は十分にある。前走のセントライト記念も牡馬が相手だったとはいえ、レベル的にはそれほど高くはなかったと感じもするので、5着というのはちょっと物足りないものを感じる。京都の内回りコースは先行馬が有利と言われているコースなので、後方で脚を貯めるタイプのこの馬にはちょっと厳しいコースかもしれない。直線に坂があれば、前の馬も止まってくれるのだろうが、京都の直線には坂がないので、追い込むも届かずという競馬になることも十分に考えられる。
シークレットコード
(牝3・横山典55)
買い H17阪神JF2着。
デビュー戦を強い内容で勝ち、2戦目でいきなりG1の阪神JFに挑戦し、なんと2着という結果を出したのだから、この馬のポテンシャルはかなりのものである。いくら能力があっても、それなりの経験がないとG1での好走は難しいのが一般的だけに、デビュー2戦目でのG1連対はこの馬の素質の高さの裏付けといえる。その後はオークス10着、ローズS11着と結果を残していないが、いずれも休み明けだったし、中途半端に負けていないことで、力を出し切っていないことは明らかなだけに、まだまだ底を見せたとは言えない。一叩きされたことで馬が一変することも考えられ、実力を出し切れる状態に戻っていれば、この大舞台で一発かますということも十分にあり得る。
消し 前走のローズSで11着に負けたというのは、さすがに痛い。オークスの惨敗は長期休養明けでG1だっただけに、惨敗も仕方なかったといえるが、今回は言い訳ができないだけに、この11着はかなり問題だと思う。今回も休み明けだったという理由はあるだろうが、それは他のメンバーも同じことであり、完調一歩手前だったにしてもG1で好走するつもりなら掲示板くらいは確保してほしいところである。それを11着に負けたということは、体調がまだ戻っていないということなのか、もともと実力がないのか、どちらかになると思う。阪神JFのレベルが低かったという考え方もできるだけに、もともと実力がなかったのかもしれないし、能力は高いとしても一叩きされただけでG1を好走できるレベルまで体調を戻せるとも考えづらい。いずれにしても今回はかなり厳しい競馬になることが予想される。
ソリッドプラチナム
(牝3・小牧太55)
買い H18マーメイドS1着。
古馬重賞のマーメイドSを3歳の身で勝ってしまった。ふつうに考えて3歳6月の時点であれば、古馬と3歳馬の実力差はかなりあるものである。それを実際に勝ったのだから、この馬のポテンシャルは3歳レベルではないということになる。内容も直線だけで差し切るという豪快なものだったし、この馬の決め手はかなりのものである。距離2000mも当然にベストということになるだろうし、それより何より京都2000mの重賞をすでに勝っているということが大きい。前走のローズSは5着に敗れたが、賞金のあるこの馬にとっては叩き台としての位置づけでしかなかったはずであり、それで5着なら上々の結果といえる。追い込み脚質なので、中京コースよりは京都コースの方が合っているわけだし、一叩きの上積みも考慮すれば巻き返しは十分にあり得る。
消し マーメイドSを勝っているが、それまでの実績がそれほど凄いというほどのものではなかったので、どうしてもまぐれというかフロックだと思えてしまう。ハンデ戦だと軽ハンデの馬が理屈抜きで好走する時があるので、この馬も斤量49kgということで爆走してしまっただけではないか。現に前走のローズSでは5着に敗れている。古馬重賞を勝っていることを考えれば、ふつうなら連対くらいは外さないものである。それを5着に負けたということは、やっぱりそれほど強い馬ではないと考えていいのではないか。追い込み脚質なので展開に左右されるというのも気になる。アドマイヤキッスには力の違いを見せつけられたという感じもするし、さらにメンバーが強くなることも考えれば、G1での巻き返しはかなり厳しいかもしれない。
ニシノフジムスメ
(牝3・藤田55)
買い H18忘れな草賞1着
2000mのオープン特別を勝っているのだから実績としては十分に通用すると考えていいだろう。オークスで5着というのもまあまあの実績であるし、前走のローズSも4着なら巻き返せる守備範囲と考えられる。実績としては少し地味な感じはするが、好走しても不思議ないといえるだけの結果は残しており、チャンスは十分と考えていいと思う。中団からしっかりと伸びる馬なので安定度はかなり高いタイプといえる。どんな展開にも対応できそうだし、大きく崩れることはないだろう。京都2000mは直線が短いこともあって、こういう器用な馬が抜けてくることは十分に考えられる。休み明けを一叩きされた上積みも見込めるだろうし、走りが一変する可能性もある。
消し オークス5着、ローズS4着というのは悪いということはないのだが、それでも中途半端というか、絶対的な強さみたいなものは感じられない。こういうタイプはどんな相手でもそこそこの競馬はするけど、勝ちきるまではいかないというのがパターンであり、ましてG1となると、良くて4着5着までという感じがしてしまう。言ってしまえば、パンチ不足ということである。前走のローズSもアドマイヤキッスには完敗という内容だっただけに、巻き返すのはかなり厳しいようにも感じる。
コイウタ
(牝3・吉田準55)
買い H18クイーンC1着、H18菜の花賞1着。
桜花賞で3着しておりG1で通用することを証明しているのは大きい。このときアドマイヤキッスとは僅差の勝負だったし、4着以下には力の違いを見せた内容だったと思う。桜花賞とクイーンCでアサヒライジングに先着していることを考えても、能力的には十分に通用すると判断していいはずである。大きく崩れない安定した走りをする馬なので、1600mよりは2000mの方が競馬はしやすいという感じもする。まだ底を見せたとも言えないし、夏を越しての成長が大きければ、一気に頂点に上り詰めることも十分にあり得る。
消し 桜花賞で3着していることはもちろん凄いことではあるが、この3着という着順はけっこう微妙である。印象としては「弱くはないが、強くもない」となってしまうだけに、どうしても魅力としてはいまいちになってしまう。特に、安定した走りはするが、決め手がいまいちという印象が強く、G1でも勝ちきれるという感じがいまいち伝わってこない。オークスで競争中止しているのも、印象としては良くはないし、1800m以上のレースでの実績がないというのも気になるところである。休み明けというのも大きな不安であるし、この程度の実績の馬が休み明けでG1を勝つというのはかなり難しいことではないか。
サンドリオン
(牝3・秋山55)
買い H18紫苑S1着。
前走、TRの紫苑Sを勝っているのは当然に高い評価が必要である。TRを勝ったのだから本番だって期待できるということになる。中団からしっかりと伸びるという安定した内容だっただけに、展開に恵まれたとか、そういうことはないと思われ、実力で勝ちきったと判断していいだろう。休みを挟んで3連勝中ということもあり、勢いはかなり感じる。前々走は500万下のダート戦だったとはいえ5馬身離すという強い競馬をしていたし、前走は上がり33秒台の決め手を繰り出している。相手はさらに強くはなるが、この馬もまだ底を見せたとは言えない。1戦ごとに成長しているのも感じるし、もしかしたらとんでもない大物という可能性も否定はできない。
消し 前走の紫苑Sを勝っているのは立派だとは思うが、メンバー的にレースレベルはそれほど高くなかったという考え方も十分にできる。前々走まではダートで走っていたので、芝ではまだキャリアが浅いというか、実績が少し足りないという感じがする。今回は当然にメンバーが一気に強くなるわけだし、キープユアスマイルとクビ差くらいの競馬をしているようでは、G1では通用しないという考え方もできる。実際に重賞で好走したという実績もないわけだし、G1でも通用するという裏付けがちょっと少ない感じもする。未知の部分があるのも確かではあるが、逆にいえばそれほど強くないという可能性も十分ということになる。
シェルズレイ
(牝3・岩田55)
買い H18ローズS2着、H18チューリップ賞2着
前走のローズSはなかなかの走りだった。行きたがるこの馬を無理に抑えずマイペースで走らせ、後続を大きく引き離して逃げる格好となったが、直線でも失速することなく、最後まできっちりと粘りきった。アドマイヤキッスには差されたものの、3着馬には4馬身という決定的な差をつけたわけだし、タイムも58秒台という優秀なものだっただけに、この馬の実力はかなりのものだと判断していいだろう。もともと桜花賞5着、オークス7着とそこそこの結果は残していた馬だし、逃げるという新味を見いだしたことも加味すれば、今回もチャンスは大きいということになる。前走は半信半疑だっただろうが、今回は思い切って行けるはずだから、この馬のスピードを生かす積極的な競馬をすれば、前走以上の成果を上げることも十分に可能だろう。
消し 前走の走りは確かに良かったとは思うが、相手もまさか逃げ粘るとは思っていなかったはずで、だからこそ追いかけなかったわけだから、展開に恵まれたというのも否定できないと思う。今回は相手もこの馬を楽に逃がしてはいけないと考えるはずだから、前走のようなマイペースの走りは難しくなる。そうなると当然に道中のプレッシャーが厳しくなるのだから、直線では大きく失速するということも十分に考えられるということになる。もともと決め手はいまいちの馬だから、前走のように早めに差をつけられないとかなり苦しくなるだろうし、うまく走ったにもかかわらず最後はアドマイヤキッスに差されたということは、アドマイヤキッスに勝つのはかなり厳しいということになる。別路線組がその上をいけば、この馬が馬券に絡むのは難しいということになるし、G1で好走できる器ではないという感じもする。
フサイチパンドラ
(牝3・福永55)
買い H18オークス2着、H18フラワーC2着
オークスで2着していることは当然に大きな実績である。G1でも通用することをすでに証明しているのだから今回も当然に通用するということになる。前走のローズSは3着に敗れたが、あくまで前哨戦と考えれば、3着なら上々の結果ともいえる。阪神JFで3着したのに条件戦であっさりと負けたり、フラワーCでは暴走しながら2着に粘ったり、桜花賞14着からオークス2着と巻き返してみせたりと、良くも悪くも何をしでかすか分からないのがこの馬の持ち味というか特徴である。そういう意味では前走の3着も良い意味でも悪い意味でもあまり参考にならない。G1で2度馬券に絡んでいることを考えれば、大舞台に強いタイプということも考えられ、きっちりと巻き返してくることは十分に考えられる。スタミナはあるが、気性的には難しいところがあるということを考えれば、2000mという距離も合っている感じがする。
消し 何をしでかすか分からない馬だけに、何とも言えない部分も多いのであるが、桜花賞で14着に惨敗しているように、大敗する危険もはらんでいるということは理解しておいた方がいい。つまりは安定度はあまり期待できないということである。G1で好走はしているとはいえ重賞勝ちの実績はまだないというのも気になるところで、意外に勝負弱いという感じも受ける。前走のローズSも前2頭には決定的な差をつけられたという感じがしただけに、ふつうに考えれば逆転は難しいということになるのではないか。成長がいまいちという感じもしたし、良くも悪くも大味なこの馬にしてはおとなしい競馬だったようにも感じた。
ブルーメンブラット
(牝3・川島55)
買い 前走の1000万特別でレコード勝ちしているというのはかなり凄い。2着には2馬身差という決定的な差をつけているし、1000万ではレベルが違ったという評価でいいだろう。今回はG1となるが、3歳牝馬限定だけに、古馬の1000万を勝てるレベルなら十分に通用するといえる。過去にも1000万を勝った勢いでここを好走した馬もいるのだから、この馬だってチャンスは十分ということになる。前走はたまたま逃げたが、特に逃げにこだわるタイプでもないので、他に行く馬がいれば行かせればいいし、行く馬がいなければ自分でペースを作ればいい。そういう意味では展開は問わないタイプといえる。フラワーCで3着、忘れな草賞で2着など、春もレベルの高いレースで好走した経験があるので、オープンでも通用することをすでに証明している。夏場使われたことによる上積みと勢いを考えれば、ここで一気に3歳牝馬の頂点にたっても、それほど驚くことでもないだろう。
消し 前走勝っているとはいえ、しょせん1000万である。いくら3歳限定でも今回はG1となるだけに、1000万を勝ったばかりというのは実績としては、少し物足りないものを感じる。距離が1500mだったというのも気になるところで、このくらいの距離の方が合っているということも考えられ、2000mというのはこの馬には長いかもしれない。春はフラワーCと忘れな草賞で負けているということは、その時点ですでに底を見せているという考え方もできるし、G1級のレベルではない感じもする。前走は楽に逃げることができたというのも大きいと思うので、速い流れを好位で追走という形だと良さが出ないかもしれない。G1だと決め手不足という感じもする。
ブロンコーネ
(牝3・和田55)
買い H18フローラS2着
2戦目で未勝利を勝ち上がり、続くオークスTRのフローラSでいきなり2着するのだから、この馬のポテンシャルはなかなかのものである。2000mの重賞で連対している実績というのは、ここでは大きな実績といえるし、今回好走しても不思議ないと言えるだけの実績は持っているということになる。オークスとラジオNIKKEI賞は惨敗に終わっているが、キャリアが浅いことを考えれば、底を見せたとは考えない方がいいだろう。いきなりレベルの高いレースを連戦したことによる戸惑いがあったという考え方もできるし、間隔を開けたことでリフレッシュされて、さらに大きく成長していれば、G1のここでも通用するかもしれない。
消し オークス16着、ラジオNIKKEI賞13着ということを考えると、さすがにG1レベルの馬ではない感じがしてしまう。フローラSはレースレベルがそれほど高くはなかったという感じがするだけに、そこで2着に負けているというのも実績としては物足りないと感じてしまう。まして今回は休み明けである。G1で実績のある馬でも、休み明けでG1を戦うというのは厳しいことなのに、G1での好走がないこの馬が休み明けでG1を好走できるとは考えづらい。逃げるとか追い込むというタイプでもないので、展開による一発も期待しづらい。
ホウショウルビー
(牝3・藤岡55)
買い 6月の1000万特別エーデルワイスSを勝っており、3歳牝馬限定のG1であれば1000万勝ちの実績があれば、なんとか通用するとは思われる。前走のローズSも3着フサイチパンドラとは僅差の勝負をしていたし、6着といっても内容はそれほど悲観するものではなかった。一叩きされた上積みも見込めるだろうし、距離2000mでも目処は立った。うまく流れに乗ることができれば、上位に顔を出してきても不思議はないといえる。
消し 最高実績が3歳限定の1000万特別勝ちというのは、ちょっと実績としては物足りないものを感じる。それ以前はマーガレットS5着、フローラS12着と負けているわけだし、前走のローズSでも6着に負けている。大きく離されてはいないとはいえ、着順としては「強い」という感じを受けないだけに、さすがにG1で戦うのは厳しい感じがする。
ヤマトマリオン
(牝3・幸55)
買い H18フローラS1着。
オークスTRのフローラSを勝っていることは当然に高い評価が必要だ。距離2000mの重賞を勝っていることになるのだから、条件はベストということになる。前走のローズSは惨敗に終わっているが、休み明けだったことを考えれば仕方ないという考え方もできる。牝馬は一叩きされただけで一変する馬も多いだけに、この馬だって大きく変わってくるかもしれない。重賞を勝っているという底力はこういう大きな舞台で発揮されるものである。
消し フローラSを勝っていることはもちろん一目を置かなければいけないが、それでもレースレベルとしてはそれほど高かったとも思えないだけに、フローラSを勝っていることだけで高く評価するのはかなり危険だと思われる。実際にオークス13着、ローズS12着とハイレベルな重賞では大きく負けており、これがこの馬の実力と判断していいのではないか。休み明けを一叩きされた上積みを見込めるとしても、前走12着から巻き返すというのはかなり厳しい。逃げるとか追い込むというタイプでもないので、展開による一発も期待しづらい。
タッチザピーク
(牝3・池添55)
買い 紅梅Sでオープン特別を勝っている実績がある。オープン特別を勝っているのだから、3歳牝馬限定のG1なら何とか通用するのではないか。前走のクイーンSでは11着に負けているが、休み明けだったうえに古馬が相手だったことを考えれば、やむ得ない面も多かったといえる。一叩きされた上積みは見込めるし、相手は楽になるわけだから、巻き返しがあっても不思議ないということになる。
消し チューリップ賞9着、桜花賞10着という重賞実績からすれば、重賞では通用しないレベルと考えたくなる。前走のクイーンSも古馬相手だったとはいえ11着というのは負けすぎだと思うし、ちょっと底を見せてしまったかなという感じはする。距離2000mの経験もないし、連対したのは1400mまでということも考えれば、2000mはこの馬には長いと思われる。他にこれといった魅力的な材料も見あたらないし、さすがにここで結果を出すのはかなり厳しいのではないか。
トシザサンサン
(牝3・小牧太55)
買い 前走1000万特別を勝っているので勢いは感じる。G1とはいえ3歳牝馬限定戦であれば、1000万特別勝ちの実績があれば十分に戦えるものである。1400mを逃げ切ったのだからスピード能力はかなりのものといえるし、今回もうまく逃げることができればチャンスは出てくるだろう。
消し 前走1000万特別を勝っているとはいえ、1400m戦では2000mのG1の裏付けには厳しいものがある。それ以前も短距離でしか結果を出していないわけだし、2000mという距離に対する不安はどうしても大きくなる。オープン特別でもやっと3着している程度だから、大物感はそれほど感じない。前走はうまく逃げ切ったが、今回は距離2000mということもあるし、先行馬が揃ったということもあるので、展開としてもけっこう厳しくなりそうだ。

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