前ページに戻る
G1-スプリンターズSの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
今回は人気が割れていたことからも分かるとおり、どの馬が勝っても不思議がないという状況だった。それだけに今回の結果を見ても特にこれといった感想を抱けないでいる。外国馬が勝ったことで日本のスプリンター陣の層の薄さが明白になったということは言えると思う。2着3着馬は人気薄だったことからもそれがはっきりと分かる。こういう時は、きっちりと予想をして的中させることはかなり困難である。今振り返っても私には的中は無理というレースだったといえる。
テイクオーバーターゲット
これを勝ったことでグローバルスプリントチャレンジのチャンピオンに決まった。そういう意味でも意気込みが他の外国馬とはまったく違ったということだと思う。セントウルSで足馴らしをして本番できっちりと結果を出すという臨戦過程も憎いくらいの調整である。それにしても速い流れを先行してそのまま押し切るのだから「強い」の一言である。例年に比較して時計がかかる馬場だったのもこの馬には味方となったかもしれないが、それを考慮しても力が違ったと評価していいと思う。
メイショウボーラー
以前から高い素質を評価されていた馬ではあるが、最近はダートしか走っていなかっただけに、まさか芝のG1でここまで好走できるとは思わなかった。意外に時計がかかる馬場がこの馬の味方となったとは思うが、それでも速い流れをけっこう先行していてここまで粘るのだから立派だと思う。こういうタイプは人気になると分からないところもあるので、次も好走できるかどうかは分からないが、少なくてもポテンシャルは芝でもG1級であることは認識しておいた方がいいだろう。
タガノバスティーユ
ファルコンSではかなりの追い込みを決めていた馬なので、嵌ったら一発あるかもしれないとは思っていたが、まさか本当に一発かますとは。未知数の多い3歳馬はこれだから怖いのである。とりあえずG1で結果を出したのだからこれからのスプリンター路線では中心的存在になってくると考えていいだろうが、常に結果を出せるタイプかどうか、G1ウイナーになれるだけの器があるかどうかは、現時点では何とも言えない。これからの走りに注目したい。
サイレントウィットネス
やはり昨年ほどの体調ではなかったようである。それでも速い流れを先行していたことを考えれば、よく4着に粘っていると評価できる。地力の違いは見せてくれたと思う。ただ年齢的に来年の挑戦は無理だとは思う。昨年の強さを胸にしまっておきたい。
チアフルスマイル
結果論であるが、意外に外の馬が伸びず、インコースにいた馬が伸びていたように見えた。直前の雨の影響か、少し馬場の影響があったのかもしれない。でも、外国馬3頭を除けば日本馬では3番目である。上2頭がまったくの人気薄だったことを考えれば、他の有力どころには先着しているのだから、それなりに評価してあげていいだろう。やはりこの馬は1200mでいい馬だと考えていいと思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-スプリンターズSの予想
結論

◎チアフルスマイル
 ○レザーク
 ▲オレハマッテルゼ
 ×サイレントウィットネス
  △ビーナスライン
  △シーイズトウショウ
  △テイクオーバーターゲット
  △その他気になる馬

買い目(馬連) 合計6,400円
  軸16--3,7,14(各1,000円)小計3,000円
  軸16--1,5,13(各500円)小計1,500円
  軸16--9,10,11,12(各200円)小計800円
  軸16--6,15(各100円)小計200円
  BOX---3,7,14(各300円)小計900円

にへいの見解
 本命◎はチアフルスマイルである
 いろいろと考えはしたが、その他の有力馬にも不安がそれなりにあり、自信を持って◎本命を打てる馬がいなかったというのが本音である。その中で最終的にこの馬を選んだのは、やはりキーンランドCの内容が良かったからである。これまで1600〜1800mを中心に使われてきた馬であるが、前走のキーンランドCでは中団からきっちり差し切るという強い内容だっただけに、この馬のベスト距離は1200mと判断して間違いないのではないかと考えた。このとき2着だったシーイズトウショウがセントウルSで圧勝しているというのも、この馬を推す理由の1つとなっている。それと展開の利があると思う。前走も久々の1200mだったにもかかわらず中団から競馬ができたというレースセンスから今回も位置取りは後ろすぎず前すぎずというところを取れると思うし、中山コースは外枠が有利と言われているので大外枠というのも良い材料である。勝負強いサンデーサイレンス産駒というのも気になったし、1200mでは底を見せていない未知の魅力に賭けてみることにした。大外から一気に差してくるのを期待したい。
 対抗○はレザークである
 やはりG1を連勝している実績を買った。本当に強い馬なのかどうかは分からないが、G1馬の少ないこのメンバー構成であれば、実績No.1と言っていいと思う。前走のジュライCでテイクオーバーターゲットに先着しているし、外国馬ではこの馬を最上位に持ってくるのは自然のことだと私は思う。ただ、外国馬はアテにできないので◎本命にはできなかった。
 単穴▲はオレハマッテルゼである
 単純に今年の高松宮記念を勝っていることを評価した。このメンバー構成であれば、やはり1200mで強いのはこの馬だと思う。ただ、休み明けというのはかなり気になった。それと左回りが合っている馬のような感じもしたので、ちょっと本命◎にすることはためらってしまった。
 4番手×はサイレントウィットネスである
 昨年のディフェンディングチャンピオンであり、昨年のレース内容からすれば、この馬のポテンシャルが抜けていることは明白だとは思う。そういう意味では連覇の可能性も十分だとは思ったが、今年は4戦して1度も勝っていないというのはかなり気になった。立て直しの休み明けなので復活してくることも考えられるが、それは走らせてみないと分からないだけに、今回は不安の方がどうしても大きくなる。なのでこの評価にとどめた。
 5番手△はビーナスラインである
 函館SSで強い競馬を見せて、キーンランドCでもせまいところを抜けてきて僅差の3着だから内容としては強かっただけに、シーイズトウショウがセントウルSで圧勝していることも考えれば、この馬だって十分に通用するはずである。でもまあ、ちょっとG1級ではないかなという感じがあって、これ以上の評価はできなかった。
 6番手△はシーイズトウショウである
 今までのスプリンターズSの負け方からすると、直線に坂のあるコースが苦手なのではないかと思えてしまう。セントウルSで圧勝しているのは事実としてあるので、この馬が勝ってしまっても驚くことはないが、それでも中山1200mで好走するシーンをイメージできない。中1週でセントウルSを使ったというのは個人的にはマイナスに感じているし、今回は苦しい競馬になると私は思っている。
 7番手△はテイクオーバーターゲットである
 グローバル・スプリント・チャレンジのトップに立っていることを考えれば、本気度もかなりものだろうし、前走のセントウルSで2着と日本の馬場適性も証明しているだけに、チャンスは十分とは思う。でも、ジュライCで7着に負けていることを考えれば、アウェイでそれほど強い馬ではないような気がしてくる。これだけ人気になっていることも考えて、今回は思い切って軽視という判断をした。
 けっこう有力どころが先行タイプなので、先行陣総崩れということも考えて、差し馬を中心に気になるところを少額だけ流してみた。

G1-スプリンターズS

オレハマッテルゼ
(牡5・柴田善57)
買い H18高松宮記念1着、H18京王杯SC1着、H18東京新聞杯2着など。 今年の高松宮記念を制しているのだから日本馬の中では最上格ということになるし、春のメンバー構成と比べても大きく変わっていないことを考えれば、この馬が日本の大将格という位置づけは変わらないと判断していいだろう。以前はマイル戦で活躍していたが、気性的にどうしても前に行ってしまい、ゴール直前で差されるという競馬が多かったが、流れの速い1200mを走らせたら好位で折り合い直線で抜け出すという強い競馬をした。1400mの京王杯SCも勝っているし、この馬は1200〜1400mで実力を発揮できるタイプと考えていいだろう。今回でいえば1400mも走れるというのが大きいと思う。中山1200mは直線に坂があるし、G1となるとどうしても流れが厳しくなる。そうなると、スタミナもそれなりに必要となってくるだけに、1400mでの実績は心強い材料となる。休み明けとなるが、デュランダルも休み明けで何度も好走しているのだから、この馬だってマイナスとは限らない。
消し やはり休み明けというのが大きな不安となる。前哨戦でそれなりの結果を出していれば「大丈夫」という裏付けとなるが、走っていないということは、この馬の体調や調子がどんな状況なのか、走らせてみないと分からないということになる。それなりに走れる状況だったとしても、休み明けで100%の力を発揮するというのは難しいことであり、100%の力を出せない状況で勝ちきれるほどこの馬のレベルが高いかどうか分からない。春は勢いでG1を勝ってしまったという感じもするので、本当の意味での実力ではないという考え方もできる。1200mのスペシャリストという感じもしないし、こういうタイプが1年に2度もG1を勝てるものなのかという感じもある。今回は外国馬という新たな強敵もいるわけだし、いろんな意味で高松宮記念よりは条件はかなり厳しくなっている。
シーイズトウショウ
(牝6・池添55)
買い H18セントウルS1着、H18CBC賞1着、H18キーンランドC2着、H18函館SS2着など。 前哨戦の位置づけである前走のセントウルSを勝っているというのは当然に大きな実績である。夏のスプリントシリーズで優勝しているように、ここ4戦は2着を外さない安定した走りを見せているし、別定G2のCBC賞とセントウルSはきっちりと勝ちきっていることからすれば、実力は抜けていると判断していいだろう。高松宮記念で3着しているのだからG1実績もあるわけだし、今の勢いであれば念願のG1制覇も夢ではない。
消し 前走は確かに強い競馬だったが、中京コースを得意としているコース適性が大きかったと思う。CBC賞も中京コースだったし、中京だととにかく強い競馬をするのである。しかし、高松宮記念ではその得意のコースで3着に負けており、得意のコースで3着なのだから他のコースでのG1でそれ以上の結果を求めるのは酷かもしれない。特に直線に坂のある中山コースはこの馬には向いていない感じがするだけに、今回は意外に苦戦を強いられるのではないか。夏場使ってきた疲れもあると思うし、調子が落ちてきているということもあるかもしれない。
キーンランドスワン
(牡7・イネス57)
買い H17高松宮記念2着、H16シルクロードS1着、H15淀短距離S1着など。 昨年の高松宮記念で2着しているのだからG1級の実力があることは確かである。後方からしぶとく差してくるというのがこの馬の持ち味であり、中団に位置する馬が有利になる展開であればチャンスは大きくなる。近走はこれといった結果を残していないが、けっこうムラがあるタイプで成績が安定していないのも特徴なので、この大一番で一変するということも十分に考えられる。それに、こういう渋いタイプはG1の厳しい流れの方が良さが出るという考え方もできる。
消し 前走のセントウルSで17着というのはさすがに負けすぎである。休み明けだったわけでもないだけに、17着からの巻き返しというのはあまりに厳しいものがある。まあ前走に限らず今年はほんとんど2桁着順で、地方交流戦で1度だけ4着した程度だけに、あまりに調子が悪いというか、年齢的にピークが過ぎたと考えるのが妥当なのかもしれない。中山コースよりは中京コースの方が得意という感じもするので、今のこの馬に一昨年と昨年のような高松宮記念の走りを期待するのは厳しいのではないか。
ゴールデンキャスト
(牡6・小牧太57)
買い H17H16セントウルS1着、H18北九州短距離1着、H18福島民報杯1着など。 今年は8着に敗れたものの、昨年までは2年連続でセントウルSを勝っている。スプリンターズSの前哨戦となるレースで連覇しているのだからポテンシャルは高いと考えていい。昨年まではそのセントウルSしか勝っていなかったが、今年は福島民報杯と北九州短距離Sを勝ち、北九州記念でも2着に好走しており、例年以上に元気なところをみせている。前走のセントウルSで負けてはいるが、今年は本番への調整と考えたのかもしれない。昨年まではセントウルSを勝っても本番ではダメだったので、今年はその逆を狙っているのでは。中団から差すというオーソドックスな競馬をするタイプで、ちょうど良い流れになればチャンスは出てくると思われる。
消し 前走のセントウルSで8着に負けているというのはやはり痛い。スプリンター戦線は「勢い」というのも重要な要素となるだけに、前走で8着に負けているというのは、予想をする方としては不安の方がどうしても大きくなる。夏場は比較的元気が良かっただけに、調子が落ちてきているということかもしれない。それにCBC賞では11着に負けていることを考えれば、オープン特別では通用するが、重賞ではもう通用しないということかもしれない。もともとG1での好走実績はない馬だし、だいたい底を見せてきたという感じも強い。年齢的に大きな上積みも見込めないだろうし、これまで以上の結果を求めるのは酷という感じはする。
サイレントウィットネス
(騙7・コーツィ57)
買い H17スプリンターズS1着など。 香港の怪物スプリンターであり、昨年のこのレースではこの馬の強さをまざまざと見せつけられた。ディフェンディングチャンピオンなのだから、馬場適性などの条件に問題はないし、今年もこの馬の強さを見せつけられる可能性は十分である。何せあのデュランダルですら勝てなかったのだから日本の馬が地力で勝ちきるのはかなり難しいということになる。今年は昨年ほどの勢いがないのは確かであるが、春は早々と休みに入ってこのレースでの復活に標準を絞って調整されてきたようなので、久々に強い競馬をしてくれるのではないか。ポテンシャルはたぶんメンバーNo.1だろうから、持っている力を出し切ることができるかどうかがすべてだろう。
消し 昨年までの実績であれば文句の言いようがなく、あまりの強さにあきれていたが、今年は昨年とはかなり違っている。2月から始動したものの4戦して1度も勝てないというまさかの状況である。これをどう考えるかであるが、ピークが過ぎてしまい力が落ちているということであれば、今回の復活は難しいということになる。すでに7歳という年齢で、今まで勝ち続けてきたという肉体的疲労を考えれば、ピークが過ぎたという考えはかなり正しいのではないか。立て直しのための休み明けなので、何とも言えないのは確かであるが、少なくても昨年よりは信用度としては低いのは確かである。
シンボリエスケープ
(牡5・蛯名57)
買い H18NSTオープン1着。 前走オープン特別を勝っているので勢いは感じられる。3月に準オープンを勝ってオープン入りしたばかりだけに、今年になってから本格化したと言っていいだろう。CBC賞でも5着にはきているし、一戦ごとに強くなっているのを感じるだけに、G1挑戦も勢いと成長力で好走してしまうということも考えられる。特にスプリンター戦は、勢いに乗ると一気に大きなレースでも好走してしまうケースが多いだけに、この馬だって分からない。まだ底を見せていない馬というのはけっこう怖いものである。
消し しょせんオープン特別を勝っただけの馬である。重賞のCBC賞では5着に負けていることを考えれば、まだG1で好走するレベルには達していないと考えた方がいいのではないか。CBC賞ではハンデ55kgと斤量が軽かったこと、NSTオープンはメンバーが手薄だったことからも、G1の裏付けとしてはかなり厳しいものがある。どちらかというとオーソドックスな競馬をするタイプなので大きくは負けないとは思うが、かえって展開に左右されない分、展開による一発も考えづらいということになるわけで、良くて4着5着までという感じがしてしまう。
ステキシンスケクン
(牡3・後藤55)
買い H18京成杯AH1着、H18アーリントンC1着。 前走の京成杯AHで逃げ切ったというのは大きな実績である。3歳馬で古馬の重賞を勝ったのだから高く評価しないといけない。アーリントンCも勝っているが、このときは後にNHKマイルCを勝つロジックを相手に3馬身差というのだから、フロックではなくポテンシャルがもともと高かったと考えるべきである。マイルを逃げ切るくらいだからスピード能力はかなり高いし、1200mでもG1となるとスタミナも重要となるわけで、マイル重賞を2勝しているスタミナがこの大舞台で生きる可能性は十分にある。前走重賞を勝っている勢いは大きな魅力であるし、まだ3歳馬でさらなる成長が見込めるというのも魅力である。
消し 前走勝っているといってもマイル戦での話である。1200m戦は流れがまったく違うだけに、マイル重賞を勝っていることを1200mのG1の裏付けにするのは厳しいものがある。これが追い込み差しタイプであれば話は少し違ってくるが、この馬は逃げて結果を出してきた馬だけに、マイルでは楽にハナを切れても、1200m戦でハナを奪うのは半端でないスピードが要求されるだけに、この馬がハナを奪うのはかなり厳しいだろうし、仮にハナを切れたにしても、スピードオーバーで最後は失速することになるのではないか。好位からの競馬ではこの馬の良さは出ない感じがするし、そういうことも含めて基本的にはマイラーということなのではないか。
タガノバスティーユ
(牡3・勝浦55)
買い H18ファルコンS1着。 いちおう1200mの重賞を勝っている実績を持っているのだから、ここで好走しても不思議はない存在とはいえる。後方からの追い込みを得意としている馬なので、展開一つで突っ込んでくるということも考えられる。特に中山1200mは差し馬が有利と言われているコースだけに、こういう馬が一発かますということは十分に考えられる。まだ3歳馬なので底を見せたとは言えないし、秘めた能力を隠している可能性も否定はできない。ブライアンズタイム産駒なのでスタミナもそれなりにありそうだし、G1のような厳しい流れの方が良い走りをするかもしれない。
消し これといった実績が3歳限定のファルコンSだけというのはG1の裏付けとしては弱いものがある。北九州記念で9着に負けていることを考えれば、古馬相手ではまだ通用しないと考えていいのではないか。まして今回はG1となるだけに、相手はさらに強くなるわけで、成長力などを見込んだにしても、古馬の1級線を相手に好走するのはかなり難しいのではないか。このレベルになると前もそうは止まらないし、スローでも差し切れるくらいの決め手がないと厳しいもので、この馬にそこまでの決め手があるとは思えない。
タマモホットプレイ
(牡5・渡辺57)
買い H18シルクロードS1着、H16スワンS1着、H16青函S1着、H16シンザン記念2着。 今年は春のシルクロードSを勝って久々の重賞をゲットした。このときはいつになく走る気まんまんでこの馬にしては早め早めの競馬できっちりと差し切った。もともと一昨年のスワンSを勝っているというG2実績を持っているのだから、ポテンシャルはもともと高い馬であり、能力さえ出し切れれば強い競馬をする馬なのである。昨年のスプリンターズSも勝馬と0.6秒差の6着とまあまあの走りはしているし、追い込み馬が有利な展開になればチャンスはさらに大きくなる。中山1200mはもともと差し馬が有利ということもあるし、G1だと流れが厳しくなりやすいということもあるだけに、一発かますということは十分に考えられる。
消し けっこうムラのあるタイプでアテにできないところがある。どちらかというと追い込み一辺倒のところがあり、どうしても展開に左右されるということもあるが、気分屋で走る気がないと押しても前に行かないところがあり、そういう気性的な難しさを持っている馬である。こういうタイプはいつ走る気を出すか分からないだけに、安定度はとても期待できない。それに今までもG1では掲示板にも載ったことがないことからすれば、G1では単純に実力不足と考えていいのではないか。昨年のこのレースも力を出し切っての6着という感じもするし、それ以上の走りを期待するのはけっこう厳しいのではないか。
チアフルスマイル
(牝6・岩田55)
買い H18キーンランドC1着、H18谷川岳S1着など。 これまで1600〜1800mを使われることが多かった馬だが、前走のキーンランドCで1200mを走らせたら鋭い末脚を使って差し切ってしまった。マイル戦でもかなり鋭い末脚を使って何度か好走しているが、1200mでこれだけ切れるのだから、気性的にこのくらいの距離の方が合っていると考えた方がいいのではないか。1400mの谷川岳Sもきっちりと勝っていることを考えても、マイルで我慢させるよりも短距離で気分良く走らせた方がいいということだと思われる。1200mでは底を見せていないという魅力があるし、中山1200mは差し馬が有利ということもある。1200mで一気にG1制覇ということも十分にありだろう。
消し 前走のキーンランドCを勝っているとはいえ、1200mの実績がこの1戦だけでは判断は難しい。たまたま好走しただけという考え方もできるし、展開がうまく嵌っただけということも考えられるだけに、この1戦だけで高く評価するのは危険かもしれない。しかも今回はG1である。これまでも牝馬限定戦で時々結果を出す程度の馬だっただけに、G3では何とかなってもG1では通用しないということも十分に考えられる。追い込み脚質なので展開がスローだと苦しくなると思うし、G1となると前もそうは止まらない。前走はたまたま勝ったが、本質はやっぱりマイラーということも考えられる。
テイクオーバーターゲット
(騙7・フォード57)
買い 現在グローバル・スプリント・チャレンジのトップに立っているのが実はこの馬である。ここを勝てばチャンピオンになることを決まるだけに、当然に本気モードでの挑戦である。それを裏付けるように早々と来日し、セントウルSにも出走して2着という結果を残している。本番はもちろん今回のレースだから単なる調整にすぎなかったわけだし、それでもきっちりと2着で走ったというのは価値が高い。日本の馬場にも対応できることは証明できたし、上積みも当然に見込んでいいだろう。ここまでは筋書き通りにきているだけに、きっちりと勝ちきる可能性はけっこう高いかもしれない。
消し 前走のセントウルSで2着というのをどう考えるかであるが、シーイズトウショウに完敗していることは事実である。日本の馬場の適性はそれほど高くないということなのか、調子がいまいちなのか、もともとそれほど実力があるわけでないのか、そこらへんはよく分からないが、とにかく日本勢に比べて抜けて強いというほどの存在ではないとは言えるのではないか。前走よりは当然にメンバーは強くなるわけだし、それを考えれば今回は馬券圏内を外すということもあるかもしれない。
ビーナスライン
(牝5・秋山55)
買い H18函館SS1着。 前々走の函館SSで13頭立ての13人気でありながら、2着のシーイズトウショウに2馬身以上離す強い競馬で勝ってしまった。続くキーンランドCでも勝馬から0.1秒差の3着なのだから、ここにきて完全本格したと言っていいだろう。この2戦とも後方からの追い込みで結果を出しており、いずれも上がり33秒台というかなりの決め手をみせている。勢いは非常に感じるし、中山コースは差し馬に有利なコースなので、この馬に合っていると思われる。こういう上がり馬が一気にG1を制覇するということもあるだけに、この馬だってチャンスはあると考えていいだろう。
消し 函館SSを勝っているのは立派ではあるが、とりあえずG3での話なので、G1の裏付けになるとまでは言いづらい。13人気だったということは、それまではあまり良い走りをしていなかったということだし、いくら急成長を遂げたといっても、G1で好走できるところまでの成長は難しいのではないか。前走のキーンランドCでは3着に負けているわけだし、これで底を見せてしまったという考え方もできる。ローカルの北海道シリーズで好走しているということは、小回りの平坦コースが合っているということかもしれない。中山コースには直線に坂があるので、それがこの馬には大きなマイナスになるということもあり得る。追い込み脚質なので展開に左右されやすいということもある。
ブルーショットガン
(牡7・藤岡57)
買い H18阪急杯1着。 今年の阪急杯では11人気ながら勝ち切り、松永幹騎手の引退に花を飾った馬である。重賞を勝っているのだから嵌った時はかなり強さを見せる馬と考えていいだろう。それに近走も悪くない。函館SSで3着、キーンランドC4着とそこそこの結果を出しており、いずれもセントウルSを圧勝したシーイズトウショウとは僅差の勝負だった。特に前走のキーンランドCでは後方から上がり33.6という決め手を見せて、かなり追い込んでいた。中山コースは差し馬有利のコースであるし、G1だと流れもけっこう速くなるだろうから、そういうことも考えれば、今回はこの馬にとってはけっこう条件が揃ったと言えるのではないか。少なくても日本の有力馬とは実力差はそれほどないと判断していいと思う。
消し 阪急杯を勝っているといっても道悪での結果だけにあまり高くは評価できない。高松宮記念では11着に負けているわけだし、阪急杯はいろんな意味で恵まれた勝利だったと考えた方がいいのではないか。近走も悪くはないが、3着4着に終わっているあたりが、勝負弱いというか、ワンパンチ足りないというか、つまりはもう一つ強さが伝わってこないのである。年齢的にも7歳であるし、成長というか、上積みもそんなには期待できないだろうし、ここでG1を勝てるという器はない感じはする。
ベンバウン
(騙5・オドノ57)
買い ここ5戦は2着を外さない安定した走りを見せている。前走はきっちりと勝っているし、そういう意味での勢いは感じる。1000m戦を中心に使われているようなのでスピード能力はかなり高いと思われる。G1実績はないようであるが、重賞ではけっこう結果を残しているので、そんなに弱いという感じはしない。日本の馬場の適性が高ければ、意外に他の外国馬よりも強い競馬をみせるかもしれない。
消し 外国馬は実力があっても、長距離輸送や環境が変わることで、実力を出し切れずに終わるというケースはかなり多い。そういう意味ではこの馬も力を出し切れずに惨敗に終わるということも十分に考えられる。日本の馬場が合わないということもあるだろうし、言ってしまえば未知数が多すぎるということである。なので、走らせてみないと分からないというのが正直なところであり、全面的に信用するのはリスクが大きい。それに、この馬の場合はG1勝ちもないのだから、実力を出し切れたとしても通用するかどうか分からない。
メイショウボーラー
(牡5・福永57)
買い H17フェブラリーS1着、H16弥生賞2着、H15朝日杯FS2着など。 2歳時は4連勝して朝日杯では圧倒的1人気に推された馬である。その朝日杯もハイペースで逃げたにもかかわらず2着に粘りきったようにポテンシャルはかなり高い。距離が長いと思われた弥生賞で2着、皐月賞でも3着と好走し、NHKマイルCでも当然のように3着したという経歴を持っている馬である。その後はダート路線を中心に戦うようになったが、昨年のフェブラリーSでG1制覇も成し遂げている。3歳春までの走りからして芝でダメということはあり得ないし、G1級のポテンシャルも証明している。スピード能力の高い馬なので1200mでも問題はないはずだ。近走がダートばかりなのでどうしても敬遠したくなるが、これまでの芝の実績を考えれば、ここで好走しても何の不思議もないといえ、そういう意味での一発は十分にあり得る。
消し ダートとはいえ昨秋からの走りがいまいちである。前々走のサマーチャンピオンも2着に負けているし、昨年のフェブラリーSを勝った時の勢いがまったくない。芝でも走れるが、前走のセントウルSで7着に負けていることを考えれば、ダートの適性の方が高いと考えるべきだろうし、ダートでも結果が出せない現状においては、一変を期待するのも厳しいだろう。そもそも芝ではなかなか勝ちきれずに終わっていただけに、仮に絶好調だったとしても実力的に足りないという考え方もできる。決め手がある方ではないので、逃げる方がいいタイプだと思うが、1200mだとなかなかハナは奪えないだろうし、ハナを切れたとしても早めに潰される可能性が高いのではないか。
レザーク
(騙6・サンマル57)
買い G1を連勝しての遠征であり、勢いという点では外国馬ではこの馬が一番だろう。もちろんG1を2勝しているのだから実績としても申し分ない。日本の今年の布陣は例年に比べると小粒な印象は否めないし、実績のある外国馬の方が強いという可能性は十分ある。前走のジュライCではテイクオーバーターゲットに勝っていることを考えれば、外国馬の中でもこの馬が一番という評価もできる。環境の違いにも動じない精神力さえ持っていれば、3連勝ということも十分にあり得る。
消し 外国馬は実力があっても、長距離輸送や環境が変わることで、実力を出し切れずに終わるというケースはかなり多い。そういう意味ではこの馬も力を出し切れずに惨敗に終わるということも十分に考えられる。日本の馬場が合わないということもあるだろうし、言ってしまえば未知数が多すぎるということである。なので、走らせてみないと分からないというのが正直なところであり、全面的に信用するのはリスクが大きい。

前ページに戻る