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G2-セントライト記念の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券)
やってしまった!これが率直の感想である。競馬でたらればを言っていたのでは切りがない。それは分かっているので負け犬の遠吠えでしかないことは分かっている。とはいえ、あまりに自分が馬鹿すぎてかなりのショックを受けている。私はフサイチジャンクとトウショウシロッコの流し馬券で勝負したわけであるが、当初はトウショウシロッコの馬連で勝負しようと思っていたのである。それは、基本的には3歳限定重賞は人気馬もアテにできないわけで、荒れるということも十分に考えられたからである。しかし、皐月賞3着のフサイチジャンクがこのメンバーでは負けるはずがないと思いこんでしまった。思い切って穴狙いにいくかどうかを悩んだ妥協策として3連複を選択したという、なんとも中途半端な判断をしたのが大きな間違いだった。結果はこのとおり万馬券を逃すという最悪の結果になってしまった。今回の反省で言えることは穴を狙うのであれば徹底して狙うべきということである。人気馬が気になるのは当たり前である。だから人気になっているわけだし、それを考えていたら穴なんか狙えない。そして的中できないことを恐れてはいけないということも言える。好材料が多いから人気になっているのだから穴が出る確率の方が低いのは当たり前である。多く的中させたいと思っていたら穴を狙ってはいけないのである。それなのに高配当はとりたい、不的中もイヤだ、なんて思っているから、こんなことになるのである。穴を狙う時とそうでない時はあるとは思うので、どんな時でも常に穴を狙うというのも問題だとは思うが、3歳限定戦でダービーで上位にきた馬がいないメンバー構成であれば、迷うくらいなら穴を狙いに行くべきだったと反省しなければいけない。皐月賞で4着だったアドマイヤムーンが札幌記念を勝っていることからすれば、皐月賞3着のフサイチジャンクがここで負けるはずがないということもあるだけに、こういう判断は難しいものではあるが、穴を狙うなら徹底すべきだったし、せこく行くのであれば、今年の函館記念で試みたように馬連と3連複の併用を考えるべきだった。
トーセンシャナオー
春は若葉S3着、プリンシパルS3着とクラシックのTRでそこそこの結果は出している。それを考えれば、この結果もそれほど驚くことではない。とはいえ、この馬が強くなったというよりは、相手がだらしなすぎた、という方が妥当だと私は思う。そういう意味では菊花賞ではあまり過度に期待しない方がいいと思う。それでも2着に1馬身以上離したのだから、強くなっているのも確かだろう。次の菊花賞というよりは、その後の活躍に期待したいと思う。
トウショウシロッコ
前走の準オープンの感じが良かったので、調子はかなり良いと思っていたが、そのとおりの走りをしてくれた。ただ、直線で意外に伸びなかったのが妙に気になる。ふつうであれば、完全に勝ちパターンのように見えただけに、あれで2着というのでは、古馬重賞ではちょっと苦しいかもしれないと感じた。これからの成長度にもよると思うが、だいたい底を見せてしまったという感じがした。
ミストラルクルーズ
休み明けでこれだけ走るのだから立派なものである。夏を越しての成長が大きかったということだろう。次はさらに良くなるのだろうし、今後が楽しみになった。とはいえ、菊花賞ではどうかという感じはするし、今回のレースレベルもそれほど高くはなかったような気がするので、すぐに古馬重賞で通用するというレベルではないと思う。もう少し成長を見守りたい。
テンシノゴールド
4コーナーでのアクシデントがすべてだった。あれがなければ2着はあったのではないか。それを考えれば、内容としては悲観しなくていいと思う。最後の伸び脚はかなり良かったし、スタミナのあるタイプなので、菊花賞の条件はこの馬に合うと思う。意外と上3頭よりもこの馬の方が本番では期待できるのではないか。
キストゥヘヴン
気性の難しい馬だけに、折り合いに不安があったが、今回もけっこう掛かっていたようである。それを考えれば、最後はそれなりに伸びてきたというのは、この馬のポテンシャルが高いということの証明だと思う。距離短縮は当然にプラスだろうし、一叩きされたことで少しは落ち着きもでるだろう。秋華賞ではそこそこ期待していいのではないか。
フサイチジャンク
正直なところはかなりがっかりした。4コーナーの不利があったにしても、ちょっと物足りない走りに感じた。あの感じだとアクシデントがなくても勝つところまでは届かなかったように感じる。皐月賞で3着だったことで、私はこの馬を高く評価しすぎてしまったようである。しょせん重賞未勝利ということをもっと認識すべきだったと反省している。でもまあ、ポテンシャルは高いのだろうし、スタミナもあるタイプだとは思う。一叩きされたことで馬が変わってくれば、菊花賞では結果を出すことも十分に考えられると思う。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G2-セントライト記念の予想
結論

◎フサイチジャンク
 ○トウショウシロッコ
  ▲パッシングマーク
  ×インテレット
   △ミレニアムウイング
   △ミストラルクルーズ
   △マツリダゴッホ
   △キストゥヘブン

買い目(3連複) 合計6,000円
  固定5-13---14,16,17(各1,000円)小計3,000円
  固定5-13---2,4,11(各500円)小計1,500円
  固定5-13---3,8,9(各200円)小計600円
  固定5-13---6,7,10,12(各100円)小計400円
  13-14-16(500円)

にへいの見解
 本命◎はフサイチジャンクである
 皐月賞3着という実績ももちろんであるが、それまで4戦4勝と完璧なレースを見せており、この馬のポテンシャルはかなり高いと私は思っている。G1を勝てるかどうかとなると微妙な感じはするが、それでも今回のこの程度のメンバー構成であれば、器が違うと考えていいだろう。休み明けというのが不安ではあるが、菊花賞でそれなりの競馬をするつもりであれば、ここで無様な走りは見せられない。ここはきっちりと勝って本番に向かいたいところだろう。
 対抗○はトウショウシロッコである
 この馬には3つの好材料がある。1つめは重賞で2着という実績を持っていることである。重賞で連対しているのは他にはキストゥヘヴンとインテレットくらいだから当然に高い評価をしないといけない。2つめは休み明けでないことである。前走の天の川Sで2着と好走しており勢いがそれなりに感じられる。それに前走1000万という馬が多い中で準オープンで結果を出したということも好感が持てる。3つめは道悪が得意ということである。雨が降るかどうかは微妙であるが、仮に雨が降ったとしても問題はないというか、この馬には大きな味方となるはずである。以上のことを考えれば、今回この馬が3着以内にくる可能性はけっこう高いのではないかと私は考えた。ただ、この馬は瞬発力に欠けるところがあるのが気がかりである。スローの展開からのヨーイドンの競馬だと苦しくなるかもしれないだけに、私としてはそういう展開にならないことを祈るのみである。
 単穴▲はパッシングマークである
 500万とオープン特別を連勝している馬だけに、能力はそれなりに高いと判断していいと思う。この程度のメンバー構成であれば十分に勝ち負けできると私は思う。ダービーで13着に負けていることと、休み明けというのが気になるところではあるが、じっくりとここまで乗り込んできたみたいだし、春よりも大きく成長していることを期待している。
 4番手×はインテレットである
 毎日杯で2着したことももちろんであるが、それよりも皐月賞で8着していることを評価している。この程度のメンバー構成であれば、皐月賞8着の実績の方が私としては信用できる。春はそれほど使われていなかったので、夏を越しての成長も大きいと思うし、条件戦をやっと勝った馬よりはこの馬の方が強いのではないかという判断である。
 5番手△はミレニアムウイングである
 前走1000万特別でレコード勝ちをしているだけに、ようやく本格化してきたかなとは感じる。しかし、決め手に欠けるところがあるというのはかなり気になる。2600m戦ならやれるのだろうが、2200mだとこの馬には距離が少し短い感じがする。平均的な流れになればチャンスは出てくるとは思うが、そうでないと苦しいと思う。私としてはあまり高い評価はできなかった。
 6番手△はミストラルクルーズである
 500万を勝って休養に入った馬なので、実績があるわけでもないし、勢いがあるわけでもない。そういう意味では苦しい戦いになる可能性は高いとは思っている。でも、藤田騎手がわざわざ乗りに来るというのがけっこう気になった。500万を勝った時は確かに力の違いを見せつける強い勝ち方だったし、それ以外のレースでも素質の片鱗をみせていたような気はする。意外に好走するのではないかと思ってしまった。
 7番手△はマツリダゴッホである
 前走1000万特別を勝っているので勢いは感じるし、以前から素質の高さを評価されていた馬でもある。そういう意味では、やっと本格化してきたのかなという気はする。でも、気性の難しい馬で自滅することもあるだけに、まだ私としては半信半疑の部分が多い。けっこう人気になっているのも私としては意外に感じているし、この馬を高く評価することはできなかった。
 8番手△はキストゥヘヴンである
 桜花賞を勝っている馬なので牝馬だからといって甘くみてはいけない。それは分かっている。分かっているが、この馬はマイラータイプだと私は思う。けっこう気性の難しい馬だし、2200mのゆったりとした競馬は合っていないと思う。しょせん牝馬なので、牡馬相手でどうかということもあるし、今回は軽視させてもらった。
 3歳限定の重賞で、この程度のメンバー構成だと何が起きるか分からないものである。特に3着には人気薄が突っ込んでくる可能性も十分であり、そういう意味でせこく手を広げさせてもらった。

G2-セントライト記念

フサイチジャンク
(牡3・岩田56)
H18若葉S1着、H18若駒S1着。
まずは皐月賞で3着していることを高く評価しないといけない。クラシックで馬券圏内に入っているのだから当然に実績最上位ということになる。それにこの馬は、3億円で落札された超良血馬であり、その名前もテレビ番組名からとったというように、注目度はかなりのものだった。しかも皐月賞までは4戦4勝と無敗だっただけに、その期待は高まるばかりだった。その4戦の内容も着差はそれほどでもなかったが、いわゆる「着差以上の強さ」といえるもので完勝といっていいものだった。皐月賞も正攻法の競馬で3着だったのだからフロックであるわけがない。ダービーは11着と惨敗に終わったが、中途半端に負けていないことで力は出し切っていないと考えるべきだろう。夏を休んでリフレッシュされているのだからダービーのようなことはないだろうし、今度は実績のある中山コースだけに力を出し切れるはずだ。クラシックで上位にきた馬がいないこのメンバー構成を考えれば「負けられない」一戦となるはずである。しかし、なんだかんだで重賞を勝っていないというのは気になるところではある。皐月賞3着というのはあるが、相手なりに走るタイプだとすれば3着ならまぐれで走れるという考え方もできるわけだし、本当に大物かどうかはまだ分からないということになる。特にダービーで11着に負けたというのが、予想する方としては判断が難しい。ダービーの結果が本当の実力という考え方だってできるわけであり、そうであれば今回も絶対的な存在とまでは言えないはずである。
インテレット
(牡3・後藤56)
H18毎日杯2着。
重賞で連対している実績を持っているのだから3歳限定の重賞であれば当然に勝ち負けできるということになる。その毎日杯で勝っているのがダービー2着のアドマイヤメインだったのだから、負けたのは仕方ないということになるし、未勝利を勝ち上がった直後だったというキャリアの浅さを考えれば十分に評価していいと思う。皐月賞への出走も果たしているし、そこで8着ならまあまあの結果といえる。3歳春から成長してきた馬なので、夏を越しての成長力も期待できるだけに、春よりもワンランク上のパフォーマンスを見せてくれるかもしれない。しかし、毎日杯で2着というのは中途半端な感じは否めない。この時期は皐月賞TRが重なっていて、毎日杯にはそれほど強いメンバーが集まる傾向にはないだけに、重賞2着というだけで高い評価をするのは危険だと思う。キャリアが浅いので本当の実力がどのくらいなのか計りづらいというのが今回の最も難しいところといえる。休み明けというのも割引と考えるべきだろうし、成長して実力が上がっていたにしても、久々のレースということで力を出し切れないで終わるということもあるかもしれない。
キストゥヘブン
(牝3・安藤勝54)
H18桜花賞1着、H18フラワーC1着。
まずは桜花賞を勝っているという実績を高く評価しないといけない。牝馬限定とはいえクラシックを勝ったのだから格としては当然に最上位とランクするべきだろう。今回あえてこのレースを選択したのは、秋華賞を狙ううえで2度の輸送を嫌ったということらしい。とはいえ、牝馬でNo1の座を取った馬だけに、牝馬だから通用しないというのはあまりに判断が短絡的であろう。1800mの重賞を勝っていることを考えれば、距離もそれほど心配する必要はないと思う。後方から一気に差してくる末脚はかなり強烈であり、この馬の決め手はかなりのレベルである。瞬間的に切れるイメージが強いので、阪神や中山のような直線が短いコースの方が合っているという考え方もできる。しかし、やはり牝馬であることの不安は小さくはない。牡馬よりも強い牝馬は確かにいるが、牡馬相手だとどうしても勝てない牝馬の方が多いのも事実である。2度の輸送を嫌ったということは、目標はあくまでも秋華賞であり、ここは単なる叩き台ということで、着順のことはあまり考えていないのではないか。フラワーCを勝った時に横山典騎手が「マイルの方がいい」とコメントしたこと、オークスでは6着に負けていることを考えれば、距離2200mというのも長い感じがする。気性的にもテンションが高くなりやすいタイプのようなので、安定度もあまり期待できないかもしれない。まして休み明けだけに力を出し切れない可能性も十分にあると思う。
トウショウシロッコ
(牡3・吉田豊56)
H18京成杯2着。
重賞で連対している実績を持っているのだから3歳限定の重賞であれば当然に勝ち負けできるということになる。スプリングSと皐月賞では惨敗に終わったが、その後は白百合S3着、ラジオNIKKEI賞4着、古馬準オープン2着とそれなりの走りを見せている。瞬発力があるというよりは、スタミナがあってばてないのが持ち味という馬であり、しぶといところがこの馬の良さだと思う。前走の天の川Sでは上がり33.5で走っているので、スピード競馬にも対応できるようになったといえ、一戦毎の成長を感じる。古馬準オープンで通用するのであれば、3歳限定の重賞でも通用すると考えていいだろうし、有力馬が休み明けというのに対して、この馬は順調に使われているという強みもある。G1ではどうかとは思うが、この程度のレベルであれば十分に勝ち負けは可能だろう。しかし、しぶといタイプというのは大きくは崩れないが「勝ちきれない」というのが最大の問題点となる。現にここ3戦も3着4着2着と勝ちきれないレースが続いている。好走はしているのだから2着か3着なら期待してもいいという考え方もできるが、今回は重賞となるだけにそううまくいくかどうか。菊花賞TRということも考えれば、他の馬だってそれなりに力は入っているだろうし、決め手不足の馬が馬券圏内に入ってくるのは難しいかもしれない。ラジオNIKKEI賞の時のように4着か5着に負けるのがこの馬らしいという感じがどうしてもしてしまう。
ダイワバセラード
(牡3・56)
オープン特別のベンジャミンSで5着という実績は持っているのでまったく通用しないというレベルではないと思う。とはいえ、前走の500万特別で7着というのはさすがに問題だと思う。いくら3歳限定とはいえ重賞で好走しようというのであれば、500万特別くらいは楽勝してもらわないと困る。そういう意味では、背伸びしすぎというか、実力不足の可能性が高いのではないか。でもまあ、前々走は1人気に推されているわけだし、母父サンデーサイレンスの社台生産の馬でもあることを考えれば、本来持っているポテンシャルはかなり高いという可能性は十分にあるわけで、ここでその素質を開花させる可能性もないとはいえない。
テンシノゴールド
(牡3・中館56)
前々走の500万特別を勝っているが、このレースは2500m戦だっただけにスタミナに自信があるタイプということなのだろう。父ステイゴールド母父サドラーズウェルという血統からもスタミナ色が濃い印象が強い。そういう意味では2000mよりは2200mの方が良いはずで距離延長はプラスとなるはずだ。前走は1000万特別で3着だったが、休み明けだったことを考えれば上々の結果とはいえる。一叩きされた上積みはあるだろうし、3歳限定の重賞なら十分にチャンスはありそうだ。しかし、前走の1000万特別で3着というのは重賞を戦ううえでは物足りない結果というのも確かではある。いくら3歳限定の重賞でも馬券圏内に入るレベルならば、休み明けでも1000万くらいは勝ちきってほしい気もする。500万をなかなか勝ちきれなかったし、スタミナタイプということから、決め手が甘いというか、切れる脚は持っていないような感じがするので、直線で抜けてくるというイメージが出てこない。しぶとく伸びてはいるが、決め手のある馬にあっという間に置いて行かれるという感じになりそうである。
ミストラルクルーズ
(牡3・藤田56)
青葉賞で6着という実績を持っており重賞でもそこそこ走れるところはみせている。山桜賞、山吹賞と強いメンバーが集まりやすい500万特別で3着、2着という走りをみせているし、素質という点ではそこそこ高いと思っていいと思う。前走の500万は力の違いを見せつける強い内容だったし、これからが楽しみだと思わせた。その馬が夏を越して重賞に挑んできた。大きな成長を遂げていれば、3歳限定の重賞であれば通用しても不思議はないとは思う。しかし、結局は500万をやっと勝ち上がったという馬である。青葉賞6着も上位陣には力の違いを見せつけられたという内容だっただけに、いくら夏の成長があったにしても、重賞で好走できるレベルまでの成長度があるとは考えづらいのではないか。どちらかというと、好位から押し切るという競馬を得意としているようなので、決め手という点でも見劣りする感じがする。わざわざ藤田騎手が乗りに来るのだから自信はあるのかもしれないが、休み明けでいきなり重賞ということを考えても、ここは厳しい競馬になるのではないか。
ユキノアサカゼ
(牡3・小野56)
4月に500万特別の新緑賞を勝っているくらいだから素質はけっこう高いとは思う。2300mを勝ったのだから2200mという距離はこの馬には大きなプラスになるだろう。折り合いには問題がないようだし、好位から競馬ができるレースセンスを持っているようなので、大きくは崩れないタイプではないか。重賞といっても3歳限定だし、神戸新聞杯よりはメンバーは薄いだろうから、この馬でもなんとか足りるかなあという気はする。しかし、プリンシパルS6着、ラジオNIKKEI賞7着ということからすれば、オープンでは底を見せつつあるという感じもするだけに、重賞で上位を狙うというのは難しいのではないか。大きく成長を遂げているということも考えられるが、それも走らせてみないと分からないことで、逆にまったく成長していないということだってあり得る。決め手が鋭いという感じもしないし、この馬なりに伸びても相手の決め手の方が1枚も2枚も上ということになるかもしれない。
ニシノアンサー
(牡3・菊沢56)
H17ホープフルS1着。 2歳時とはいえオープン特別を勝っている実績を忘れてはいけない。このときはハナを奪ってそのまま逃げ切っており、この馬が気持ちよく走った時はそう簡単にはばてないのである。スプリングS5着という実績もあるので重賞では力不足ということもないだろう。それよりも、やはり自分のリズムで走れるかどうかに尽きるのではないか。それを裏返せば、ハナを奪えなければ自分のリズムで走れないことになるし、ハナを奪えたとしても、早めにプレッシャーをかけられれば自滅することもあり得るわけで、安定度は期待しない方がいいだろう。それに、その後もこれといった結果は残せていないことからすれば、力を出せるかどうか以前に重賞では底をみせてしまったという考え方もできる。ただ、逃げ馬はハナを奪って先頭にたったらどの馬も追いかけてこないで、自分のペースで走っていたら後ろで勝手に牽制し合って、いつのまにか先頭でゴールしてしまったということもあるだけに、逃げ馬というのは存在自体が驚異という考え方もできる。
ネヴァブション
(牡3・石橋脩56)
京成杯で3着という実績を持っている馬である。他にも東京スポーツ杯で6着、後に重賞を勝ったサクラメガワンダー、タマモサポート、アドマイヤメインが出走していたエリカ賞で4着など、強いメンバーを相手にそこそこの競馬をしているのである。そういう意味では実績は地味であるが、そのポテンシャルは意外に高いと考えた方がいい。前走のHTB杯は小回りコースで後方からの競馬になったことを考えれば、内容としては悪くはなかったと思う。休み明けを2度叩かれて調子は上がってきているだろうし、そろそろこの馬の良さが出てきてもいい頃だとは思う。重賞といっても3歳限定戦だし、マーベラスサンデー産駒という地味な血統であるが、こういう血統は長い距離でしぶとい競馬をするものである。中山2200mはこの馬に合っているかもしれない。しかし、なんだかんだで500万特別をやっと勝った実績しか持っていない。この程度の実績で重賞を好走しようというのはさすがに甘いと考えるのが一般的だろう。もたれながら走る癖があるようだが、こういうのもすぐに矯正されるものではないだろう。素質はありそうな感じもするので、ここで本格化するということもあるかもしれないが、前走1000万で5着に負けて馬券にも絡めなかったことを考えれば、重賞で好走するにはもう少し成長がないと難しい感じがする。
トーゼンシャナオー
(牡3・イネス56)
皐月賞TRの若葉Sで3着、ダービーTRのプリンシパルSでも3着と、もう一つのところでクラシックへの権利を逃しているが、これだけの実績を持っていれば、能力的には十分に通用すると判断していいだろう。この世代では数少ないサンデーサイレンス産駒であるし、素質馬を多数管理している森厩舎の馬でもある。潜在能力はかなり高いと見ていいだろう。気になるのは前走の500万で2着に負けていることである。相手がディーエスハリアーだったことを考えればやむ得ないという考え方もできるが、500万もなかなか勝ちきれないレベルの馬が重賞で好走できるのか?という不安は小さくはない。前々走は9着に負けているし、仮に能力が高いにしても、まだその力をもてあましているというか、力を出し切れないところがあるのかもしれない。素質は高そうだという未知の魅力は確かにあるが、重賞での実績がないというのも事実であり、本当はもともと能力も高くはないということも十分にあり得る。
ニシノフリーダム
(牡3・柴田善56)
山吹賞と夏木立賞で3着しているが、相手もけっこう骨っぽかったことを考えれば、そこそこ評価していいと思う。6月の500万のレースはきっちりと勝っているし、まだまだ底を見せていないという未知の部分が魅力の馬である。デビューしてから3着を外したことがないという安定度も魅力であり、初めての重賞でも大きくは崩れないのではないか。とはいえ、オープン、重賞の経験がないだけに、まったく通用しないということもあり得るわけで、そういう不安は小さくはない。出遅れる癖もあるようだし、前走もハナ差でぎりぎり勝っていることも考えると、重賞ではまだ実力不足ではないかと思ってしまう。それなりに素質はありそうな感じもするだけに、もしかしたら一発があるかもしれないが、とはいえ、この程度の実績の馬が休み明けで重賞をいきなり好走するのは難しいのではないか。
マツリダゴッホ
(牡3・蛯名56)
前走1000万特別を勝っているので勢いは非常に感じる。3ヶ月の休み明けでこれだけの競馬をするのだからたいしたものである。青葉賞で4着という実績も持っており重賞でも通用するところはすでに見せている。夏を越しての成長も前走で見られたし、一叩きされているのも大きなプラスである。青葉賞でも白百合Sでも2人気に推されているように、以前から素質の高さは認められていた馬で、前走で本格化してきたと考えていいのではないか。重賞といっても3歳限定であれば、十分に勝ち負けできるはずである。しかし、前走はしょせん1000万での話である。いくら3歳限定の重賞といっても、1000万を勝ったレベルでは必ず通用するとまでは言えない。青葉賞では4着に負けているわけだし、白百合Sでは7着と大きく負けている。特に白百合Sでは折り合いを欠いたようだし、前走も勝ってはいるが、少し掛かり気味なところがあっただけに気性的に難しい馬であることは認識した方がいいと思う。そういう意味では安定度はあまり期待できないだろうし、こういう気性難のある馬は大きなレースでは惨敗することの方が多いような気がする。
トロフィーディール
(牡3・田中勝56)
前走1000万特別で3着に負けているが、後方から追い上げるも届かずという内容だったので、内容としては悪くはなかったと思う。それなりの決め手は見せたわけだし、前が崩れる展開ならチャンスが出てきても不思議はないだろう。それに、この馬の魅力は、この世代では数少ないサンデーサイレンス産駒ということである。素質馬を多く扱う森厩舎の馬でもあるし、この馬もかなり高い素質を持っている可能性は十分である。これまではまだその素質をなかなか出せないでいるが、今回その素質を開花させるということもないとは言えない。でもまあ、前々走でやっと500万を勝ち上がり、前走も1000万で3着に負けているということを考えると、重賞を戦うにはまだまだ成長が足りないという感じもする。前走も本当に決め手のある馬であれば、きっちりと差し切っていると思うし、まだまだ甘さが残っていると思う。夏場もずっと使われているので上積みもあまり期待できないだろうし、いろんな意味でパンチ不足という感じがする。
マイネルハイアップ
(牡3・吉田隼56)
前走500万とはいえ勝っているので勢いは感じる。一戦ごとに良くなっているというか、成長していることを感じるだけに、いきなりの重賞挑戦も成長力でカバーしてしまうということはあるかもしれない。とはいえ、500万の平場のレースをハナ差でやっと凌いでいるレベルでは、さすがに重賞は難しいかなとは感じる。決め手があるという感じもしないし、大物感みたいなものもあまり伝わってこない。この馬自身の調子は良さそうだから、その調子の良さをうまく生かせるかどうかだとは思うが、それだけで好走できるほど重賞は甘くはないだろう。
パッシングマーク
(牡3・武幸56)
ベンジャミンS1着。
オープン特別を勝っている実績はそれなりに評価しないといけない。スローペースを好位で折り合い、直線の叩き合いを制したのだから内容としても評価できる。芝は3戦2勝で、負けたのはダービーだけという実績なので、まだまだ底を見せていないと考えた方がいい。ダービー後は休養に入り、ここまでじっくりと待ったわけであるが、それは秋の大きなレースを睨んでのことであろうから、陣営としてもこの馬にはかなりの期待を持っているのだろう。ここはきっちりと権利をとって次の本番へと駒を進めたいと考えているはずである。しかしながら、実績がベンジャミンSだけというのは、ちょっと微妙である。6頭立てという少頭数だっただけに、レベルとしても低かった可能性もある。ダービーでは13着に負けていることからすれば、重賞では通用しないレベルの馬という考え方もできるし、判断が難しい。今回は休み明けとなるから、すでに使われている馬との差が出るかもしれないし、実績がオープン特別だけだとどうしてもワンパンチ足りない感じがしてしまう。今回の結果でこの馬のレベルがだいたい分かってくるというところではないか。
ミレニアムウイング
(牡3・横山典56)
現在2連勝中と勢いはかなり感じる。しかも前走の1000万特別ではレコードを叩き出したのだから当然に高い評価をしないといけない。藤沢和厩舎の馬で以前から素質の高さは評価されていた馬である。それが後方からの競馬だと直線で意外に伸びずに負けることが続いたが、前々走から前で競馬をするようになったら結果が出るようになった。サドラーズウェル産駒ということもあって、瞬発力に欠け、スタミナが豊富だから、速い流れで先行してそのまま押し切るというレースが合っているということだと思う。横山典騎手もそういうことを熟知しているだろうから、今回も積極的な競馬をすることになるだろう。早めに抜け出せればそのまま押し切るということも十分に考えられる。しかし、決め手に欠けるというのは、やはり大きな欠点と言わざる得ない。1000万特別、しかも2600m戦であれば、スタミナだけで何とか凌ぐことは可能だろうが、2200mの重賞となるとそんなには甘くはないのではないか。後ろを大きく引き離すという極端な競馬はできないだろうし、平均ペースくらいだと後ろの馬も楽についてきてしまうだろうから、最後は決め手の違いを見せつけられて負けるということが簡単にイメージできてしまう。横山典騎手が絶妙なペース配分で後続を完封するということもありそうなのが怖いし、本当の意味での素質開花ということもあるだろうから、そういう意味では勝ってしまっても驚くほどのことではないが、それでも決め手がないというのは重賞では大きな不安と言わざる得ない。

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