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G1-日本ダービーの反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
 牝馬のダービー馬誕生に本当に感動した。この歴史的瞬間をリアルタイム(テレビ)で見ることができて本当に幸せである。牡馬相手に3馬身差というのはあまりに凄すぎて言葉がない。私の中の史上最強牝馬は今まではエアグルーヴだったが、ウォッカが私の中の史上最強牝馬に一気に躍り出たことは言うまでもない。NHKマイルCも牝馬が制しているように、単にこの世代の牡馬が弱いだけということも考えられるが、今回の24秒台の時計は優秀であるし、上がり33.0というのも破格である。牡馬が弱いというよりは、この世代の牝馬が強すぎるということだと思う。その中でもウォッカが抜けて強い。すでに牡馬相手に勝ったのだから、今さら秋華賞やエリザベス女王杯を目指しても仕方ない。3冠がかかっているわけでもないから菊花賞を勝つメリットもいまいちである。天皇賞秋やジャパンCは来年でも狙えるわけであるし、そう考えれば、今年の凱旋門賞に向かうべきだと私は思う。3歳馬は斤量が軽いという条件を考えても、今年のうちに行かなければ意味がないと思う。来年、斤量の壁をはねのけて勝ってしまうというのも悪くはないが、日本馬としては未勝利という状況を考えれば、少しでも条件が良いうちに走らせるべきだと私は思う。ぜひとも陣営の英断に期待したい。
 その他の牡馬たちであるが、人気薄のアサクサキングスが2着というのだからコメントに困ってしまう。きさらぎ賞を勝っているのだから実績はあったということにはなるが、皐月賞も逃げたヴィクトリーが勝っていることもあるし、展開一つで着順が大きく変わる、どんぐりの背比べ状態ということなのだろう。この感じだと菊花賞もどうなるかさっぱり分からない。また逃げた馬が勝つという展開かもしれない。上位陣は距離に壁がある感じもしたので、秋の上がり馬に注目した方がいいかもしれない。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-日本ダービーの予想
結論

◎フサイチホウオー
○ウォッカ
▲サンツェッペリン
×ヴィクトリー
☆ドリームジャーニー

買い目(馬連)合計1,000円
  BOX−3,8,12,15,17(各100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はフサイチホウオーである
 皐月賞までは無傷の4連勝で重賞3勝したという実績は他を圧倒している。皐月賞は3着に負けたが、先行した2頭が押し切ろうとするところをかなり際どいところまで詰めてきており、負けてなお強しという内容で、最も強かったのはこの馬という印象を持った。であれば、今回も当然にこの馬が中心ということになる。勝っても負けても僅差の勝負が多い馬なので、ディープインパクトほどの信用度はないのも確かなので、馬券としてはどうしようか考えたが、ちょっとしたことで3着以下に終わるということもあるような気がしたので、敢えてボックスで勝負することにした。
 対抗○はウォッカである
 オークスであれば楽勝だったと思われるが、敢えてダービーに挑戦してきたという意気込みは本当に評価したい。牡馬相手では楽ではないのは確かだとは思う。しかし、ジャパンCでは牝馬が好走するケースはけっこう多いので、東京2400mであれば牝馬が好走しても不思議はないと私は思っている。問題はこの馬にそれだけの実力があるかどうかであるが、桜花賞では敗れたものの、これまでのパフォーマンスを見る限りでは、牝馬としてはかなりのレベルだと私は思う。ダービー馬タニノギムレットの産駒だから距離も大丈夫のような気がするし、この馬ならば牡馬相手でもやってくれるのではないか、と私は期待している。2000m以上の距離で実績がないというのが気になるところではあるが、なんとか歴史的な走りを見せてほしいと思う。
 単穴▲はサンツェッペリンである
 この馬の最大の強みは自分で競馬を作れるところである。どの馬も行かなければ自分がペースを作って、持ち前のしぶとさが生きるような展開を作ることが可能だし、他に馬が行く馬がいれば、その後ろを追走して、勝負どころで早めに仕掛けるという競馬をしてくるだろう。とにかく、自分で競馬がでくれるというのは大きなアドバンテージとなるはずである。スタミナはかなりありそうだから距離延長はプラスだと思うし、私は皐月賞はフロックではないと思っているので、今回の走りにも期待している。
 4番手×はヴィクトリーである
 皐月賞を勝っているのだから当然にこの馬も評価しないといけない。皐月賞では抑える競馬をするつもりが、抑えきれずハナに行ってしまったくらいだから気性的にはけっこう問題はあると思うが、それで勝ってしまうのだからポテンシャルが半端ではないということだと思う。逃げる競馬になるかどうかは分からないが、どちらにしてもそこそこの競馬をしてくれるのではないかと私は思っている。
 5番手☆はハドリームジャーニーである
 差日杯FSを勝っているくらいだからマイラーなのかもしれないが、ステイゴールド産駒で母父メジロマックイーンという血統からいえば、長距離適性もかなり高いと私は思っている。気性的に2400mは合わないということかもしれないが、後方から競馬をする馬なので、うまくなだめることができれば克服できると思っている。最後の決め手はかなりのものを持っている馬であるし、東京コースの適性はかなり高いような気がする。今回のレースで一発かますとすればこの馬ではないかと私は思っている。
 まあ他にもチャンスのありそうな馬はけっこういるが、ボックスで買う以上はここまでとするしかない。結局はG1で好走経験のある馬を選択したということである。フサイチホウオーを◎本命にしていることを考えれば、これでも買いすぎという感じはするが、今回は回収よりも的中を重視したかった。他の馬のコメントは時間がないので勘弁していただきたい。

G1-日本優駿
(簡単バージョン)
フサイチホウオー
(牡3・安藤勝57)
H19共同通信杯1着、H18ラジオNIKKEI杯1着、H18東京スポーツ杯1着。
前走の皐月賞では3着に敗れたものの、先行した2頭のワンツーだったことを考えれば、後方からの競馬でこの2頭に際どく迫ったというのは、負けてなお強しと言える内容だった。それまでは無敗で重賞3勝と圧倒的な実績を残していたわけだし、やはりポテンシャルはこの馬がNo.1ということかもしれない。皐月賞は共同通信杯からのぶっつけというローテーションも敗因の一つだと思うが、あくまでダービーを勝つことにこだわったための選択だと聞いている。そういう意味では今回は万全の状態での出走ということになる。東京コースで重賞2勝ということもあるし、勝負師安藤勝騎手も信用できる。死角と言える死角はほとんどないといえるのではないか。強いて不安点をあげるとすれば、常に際どい競馬をしていることで、抜けて強いというほどではないという考え方もできることである。実力差がそれほどないのであれば、コースロスとか展開とか馬群に囲まれるとか、ちょっとしたことで負けるということも十分に考えられる。圧倒的な人気を背負うだろうことも考えれば、馬券的にはけっこう危険な人気馬になり得る存在ともいえる。距離も初めてなのだから走らせてみないと分からない。
アドマイヤオーラ
(牡3・岩田57)
H19シンザン記念1着、H19弥生賞1着など。 前走の皐月賞では1人気に推されながらも4着に敗れた。それまでは中団くらいから競馬をしていたが、皐月賞ではスタートを失敗して後方からの競馬になってしまった。先行した2頭で決まる展開だっただけに、スタートの遅れはあまりに痛恨だった。それでも最後はかなり良い脚を使って伸びていただけに、能力のあるところは見せてくれた。ただ、フサイチホウオーも同じような位置にいたことを考えれば、フサイチホウオーには力の違いを見せつけられたともいえる。それに、絶対的に強いわけではないということがはっきりしてしまったというのも印象として良くない。シンザン記念を使っていたくらいだから、2400mは距離が長いのではないか、という不安もなくはないし、オーナーサイドの意向で武豊から岩田に乗替となったのも吉と出るか凶と出るか微妙である。
ヴィクトリー
(牡3・田中勝57)
H19皐月賞1着、H19若葉S1着、H18ラジオたんぱ杯2着
前走の皐月賞を勝っているというのは当然に大きな実績である。現時点ではクラシックを勝った唯一の馬ということになるのだから格としては最上位ということになる。ただ、皐月賞では気分良く単騎で逃げることができたというのがこの馬には大きな好走要因だったと思われる。もちろん、それ相応の実力がなければ勝てるわけがないのだから、それだけのポテンシャルがあるというのは確かである。それを前提にしても、サンツェッペリンとは同着に近い着差だったし、フサイチホウオーにも際どく迫られたことからすれば、この馬が世代No.1のポテンシャルを持っているとまでは評価しづらい。まして、今回は直線の長い東京コースに替わるわけで、後ろからの馬が中山よりは競馬がしやすくなるだけに、この馬にとっては前走より厳しい競馬になることは間違いない。でもまあ、皐月賞はフロックと言われたサニーブライアンがダービーでは完勝したという例もあるのだから、この馬も実力で皐月賞を勝ちきったということも十分に考えられる。この時期の3歳馬は一戦ごとに大きく成長している馬も多いだけに、この馬もそれだけの実力を身につけたということかもしれない。終わってみれば「やっぱり強かった」ということで2冠を達成してしまうということも十分にあり得る。
サンツェッペリン
(牡3・松岡57)
H19京成杯1着、H19皐月賞2着
前走の皐月賞では悔やんでも悔やみきれない2着に終わった。1度は前に出ていただけに、最後の最後でヴィクトリーに差し返されたというのはあまりに痛恨だった。とはいえ、内容としては勝ったも同然の評価をしないといけない。皐月賞で勝ちに等しい競馬をしたのだから今回も当然にチャンスということになる。以前は勝ちきれないところがあったが、京成杯を逃げて勝ったことから先行して押し切るスタイルを確立した。折り合いにも問題がないので、皐月賞の時のようにヴィクトリーが前に出ても自分の競馬ができるし、もちろんどの馬も行かなければ逃げることもでき、自分で競馬を作れるというのは大きなアドバンテージになる。スタミナはかなりありそうなので距離延長もプラスだろう。ただ、瞬発力というか決め手に欠けるところがあるだけに、直線が長い東京コースでも上手くレースを進めることができるかどうかという不安はある。今回はそこそこ人気になるだろうから、マークも厳しくなるはずである。そういうプレッシャーがきつい中で皐月賞と同じような競馬ができるかどうかは疑問である。好走しているのが京成杯と皐月賞だから中山2000mの適性が高いだけということもあるかもしれないので、今回は皐月賞のようにうまくはいかないかもしれない。
ウォッカ
(牝3・四位55)
H18阪神JF1着、H19チューリップ賞1着、H19桜花賞2着など
昨年の阪神JFで他を引き離して押し切りを図るアストンマーチャンを楽々に交わすという強い競馬を見せて、一躍桜花賞の最有力候補にのし上がった。チューリップ賞では後に桜花賞を勝ったダイワスカーレットを相手にムチを1度も使わないという余裕の走りで完勝している。本番となった桜花賞では、超スローの展開に泣き、ダイワスカーレットを捕まえることができなかったが、3着以下は大きく引き離してポテンシャルの高さは十分に見せてくれた。これまでのことを考えれば、オークスでは圧勝だったのではないかと思えてならない。それを捨て敢えてダービーに挑んできたわけであるが、歴史的にみても名馬たる素質を見せてきたこの馬ならば通用しても不思議はないという期待の方が高い。ダービーでの牝馬の好走例は記憶にないが、今までは可能性のあった馬は素直にオークスに向かっていただけの話である。JCでは牝馬が好走することも多いことを踏まえれば、東京2400mならば能力の高い牝馬であれば、牡馬相手に好勝負しても良いはずである。だから、牝馬だからダメと決めつけるのは危険だということである。もちろん、この馬にそれだけの能力があるかどうかが大きな問題となる。牝馬相手に強い競馬をしたといっても、牡馬相手に大きなレースを勝ったという実績があるわけではないので、結局は走らせてみないと分からないというのが本当のところである。2400mの距離適性も未知であり、マイル適性が高いということであれば、さすがに好走は難しい。まあ、いろんな意味で未知の部分が多いということであり、期待も高いが、不安も大きい、というところである。
ドリームジャーニー
(牡3・蛯名57)
H19朝日杯FS1着など。
なんといっても朝日杯の勝ち方が凄かった。最後方からの競馬だったにもかかわらず直線ですべての馬を差し切ってしまったのだから、とんでもない豪脚である。逃げたオースミダイドウが3着していることからも展開に恵まれたわけでもない。この馬のポテンシャルは半端ではないことは認識しておいた方がいい。問題はその後のレースということになる。弥生賞3着、皐月賞8着という結果にはどうしても物足りないものを感じてしまう。距離が長かった、あるいは早熟馬で成長していない、のどちらかだと考えるのがふつうかもしれない。もし、このどちらかが当たっているとすれば、今回も好走することは難しいということになる。ただ、弥生賞は休み明けだったし、皐月賞は前残りの展開では追い込み馬には厳しすぎた、という言い訳もできるだけに、巻き返しの余地はあるとも考えられる。ステイゴールド産駒で母父メジロマックイーンという血統であり、気性的なことを考えなければ長距離適性はかなり高いはずである。直線が長い東京コースもこの馬の脚質に合っていると思うし、東京2400mは極端に上がりが速くなることはないだろうから、展開としてもこの馬に合うと思う。繰り返しになるが、気性的なことも含めてマイルくらいが合っている、あるいは早熟馬で成長がない、という不安が大きいのも確かではあるが、一発を期待できる下地もあるということである。
ローレルゲレイロ
(牡3・池添57)
H19NHKマイルC2着、H18朝日杯FS2着、H19アーリントンC2着など。
前走のNHKマイルCで2着、昨年の朝日杯FSで2着とG1で2度の連対経験を持っており、格としてはかなり高いと評価しないといけない。これだけの馬が重賞未勝利というのはけっこう不思議なことではあるが、要は「相手なりに走る」ということなのだろう。あるいは陣営のG1における仕上げが優秀ということかもしれない。いずれにしても、G1で好走を期待してもいいということになる。でも今回に限っていえば、皐月賞で6着に負けていることが重くのしかかる。NHKマイルCで2着に巻き返していることを考えれば、2000mは距離が長かったと考えるのが一般的だろう。だとすれば、2400mで好走を期待するのはかなり厳しいということになる。G3でも勝ちきれないように、決め手がいまいちというのも大きな不安要素である。皐月賞、NHKマイルCと厳しいレースを使ってきたローテーションもどうかと思う。ただ、距離が長い短いよりも、瞬発力がないので上がりが速いかどうかが勝敗に左右されるという考え方もできるので、上がりがかかる展開なら2400mでもしぶとい競馬をするということもあるとは思う。そういう意味ではまったくのノーマークというのも危険かもしれない。
タスカータソルテ
(牡3・武豊57)
H19京都新聞杯1着
前走の京都新聞杯で重賞を勝った。調子はかなり良いということだろうし、勢いはが感じられるというのは大きな魅力といえる。距離2200mで勝ったというのも大きなことであり、距離2400mも問題ないというか、距離延長はプラスとなりそうだ。弥生賞と毎日杯は惨敗しているのが気になるとことではあるが、どちらも力を出し切っていないということらしく、この2戦の結果から実力不足と判断するのは危険かもしれない。ただ、単に京都新聞杯のメンバーのレベルが低かったから勝てたというだけで、今回のメンバー相手では勝負にならないということも十分に考えられる。急成長と勢いで好勝負に持ち込めると判断するか、前走は相手が弱かっただけで実力はそれほどでもないと判断するか、ということになると思う。アドマイヤオーラを降ろされた武豊の意地というのも気になる。
ゴールドアグリ
(牡3・勝浦57)
H18新潟2歳S1着
重賞を1勝している実績はあるが、かなり早い時期の2歳重賞だけに、今回の裏付けとしてはかなり厳しいものがある。朝日杯FSで8着に負けているということもあるし、G1級の器はもう一つ感じられない。距離経験がマイルまでというのもマイナスと考えるべきだろう。好走できるかもしれないという要素はほとんどないと言っていいと思う。でも強いて言うのであれば、休み明けを一叩きされたことで馬が一変するかもしれないこと、実は長距離適性が高いかもしれないこと、これまでに3度負けているがいずれもG1とG2なので一概に底を見せたとも言えないことなどが巻き返しの要素として考えられなくはない。
ゴールデンダリア
(牡3・柴田善57)
H19プリンシパルS1着
前走のプリンシパルSを勝って今回の権利を取った。5戦3勝2着1回という実績であるが、現在連勝中ということもあり、ここにきて大きく成長してきていることを感じる。前走も上がり33.8という脚を使って2着に1馬身以上離したのだから、少なくても前走のメンバーでは力が違ったといえる。切れ味もかなりあるし、今回も十分に楽しませてくれそうな走りを見せてくれたと評価できる。臨戦過程を考えても、まだまだ底を見せていないというのが大きな魅力といえる。となれば、あとは別路線組との力関係がどうかということである。前走はメンバーのレベルが低かったから完勝できただけで、皐月賞組には力の違いを見せつけられるということも十分に考えられるわけだから、前走の結果だけで通用するとも言い切れない。当然ながらオープン特別を勝っただけの馬と、G1を好走している馬とでは、ふつうはG1を好走した馬の方を高く評価するものである。でも、走らせてみないと分からないというのも確かである。こういう未知の馬の判断は本当に難しいものである。
トーセンマーチ
(牡3・内田博57)
H19青葉賞2着
未勝利を勝ったばかりで挑んだ青葉賞で2着と好走した。ここにきて大きく成長しているということだと思われる。こういう成長途上の馬は、重賞のような大きなレースを経験すると、さらなる成長を見せるだけに、この馬もかなりの上積みを見込んでいいのではないか。東京2400mで結果を出したというのも大きいし、先行して押し切るレースをしていたからスタミナもかなりあるということだと思う。こういうタイプはG1のタフなレースの方が味が出るかもしれない。とはいえ、青葉賞でヒラボクロイヤルには完敗といえる内容だっただけに、さすがにヒラボクロイヤルを逆転するのは難しい感じはする。まして今回はさらに実績のある皐月賞組が中心となるわけだし、そういう中で上位に食い込むというのはかなり大変なことだと思われる。決め手に欠ける脚質も魅力に感じない要因となる。まだキャリアの浅い馬だから底は見せていないというのも確かではあるが、もしかしたらという魅力も少ない感じがする。
マイネルフォーグ
(牡3・川田57)
H19NZT2着、H18京王杯2歳S2着
G2で2度の連対を果たしている馬である。いずれも人気がない中での好走であり、人気がない時の一発が魅力の馬ということになる。そういう意味では前走の惨敗とかはあまり気にすることはないというか、人気が落ちる要素となるだけにかえって馬券的には都合が良いという考え方もできる。とにかく、こういう一発タイプは前走の結果はあまり気にしない方がいい。G2で好走しているのだからポテンシャルはそれなりに高いと言っていいわけだし、G1では通用しないとも言えないはずである。まあ、そうは言ってもこれがマイル戦ならともかく、2400m戦となると、距離実績がないだけに、さすがに今回ばかりはこの馬に一発を期待するのは厳しいと判断するのが常識的だと思う。重賞で常に好走しているわけでもないので、安定度も当然に期待はできない。大物感という点でも見劣りする馬であるし、G1では壁がある感じもする。
フィニステール
(牡3・藤田57)
前走の青葉賞3着で権利を取った。すみれSで2着した実績もあるし、スタミナ勝負を得意としているということだと思う。TRで3着しているのだから実績からいえば今回もチャンスはあると言ってはいいと思う。とはいえ、青葉賞3着という実績はなんとも中途半端という感じはする。ヒラボクロイヤルには力の違いを見せつけられたという感じだったし、同型のトーセンマーチに負けたというのもけっこう痛い。なんというか、実力を出し切っての3着という印象が強かったという感じである。スタミナがあるというのは一つの武器ではあるし、上がりがかかる展開ならチャンスが出てきても不思議はないとは思うが、今回はG1となるだけに、得意の展開になったとしても根本的な実力がなくては通用するはずもない。キャリア5戦なのでまだ底を見せていないとも言えるが、これまでの感じだと大物感はいまいちである。
ヒラボクロイヤル
(牡3・武幸57)
H19青葉賞1着、H19毎日杯2着
TRの青葉賞を勝ったというのは大きな実績である。これまでも青葉賞を勝ってダービーで好走するというケースはけっこう多いだけに、本番でも期待していいことになる。それにその青葉賞では後方から鋭い末脚で差し切るという力の違いを見せつける強い勝ち方をした。東京の長い直線はこの馬の脚質に合っているということだと思う。東京2400mの重賞を勝っているのはこの馬だけということになるわけだし、距離適性もかなり高いと判断していい。となれば、あとは皐月賞組との力関係が大きな鍵ということになる。この時期の3歳馬は成長が著しいだけに、皐月賞組と同等にわたりあえるだけの実力を身につけているとしても何ら不思議はない。東京2400mを経験しているというアドバンテージも考えれば、皐月賞組の上にいくということも十分にあり得る。でもまあ、毎日杯で2着に負けているし、毎日杯を勝ったナムラマースが皐月賞で惨敗していることを考えれば、皐月賞上位組にはさすがにかなわないという考え方も当然にできる。やってみないと分からないということにはなるが、前走とはメンバーのレベルが大きく変わるだけに、前走よりもワンランク上の走りをしないと厳しいだろう。
プラテアード
(牡3・北村宏57)
前走のプリンシパルSで2着して権利を取った。3着馬には1馬身以上の差をつけているだけに、この馬もけっこう強い競馬をしたと言っていいと思う。とはいえ、ゴールデンダリアには完敗という内容だっただけに、底は見せてしまったという印象が強い。ダービーまで駒を進めてきたというのは評価したいとは思うが、この大舞台で上位に食い込むにはまだまだ実力が足りないという感じは否めない。藤沢和厩舎の馬なので潜在的な能力は高いということは考えられ、この大舞台でその素質を開花させるということもあるかもしれないが、そういうことが現実となる確率はきわめて低いと言わざる得ない。
ナムラマース
(牡3・藤岡57)
H19毎日杯1着、H18札幌2歳S1着など
毎日杯を勝っていることもそうであるが、それ以外にもきさらぎ賞で2着とか、ラジオNIKKEI杯で3着とか、レベルの高いレースで何度も好走している実績を持っている馬である。そういう意味ではポテンシャルはかなり高いと考えた方がいい。もちろん重賞2勝の実績は上位ということになる。問題は皐月賞で11着に負けていることである。G2G3では常に好走する馬がG1では掲示板にも載れないというケースはけっこう多いので、この馬もそういうパターンかもしれない。つまりはG1級の器はないということである。でも、1度大きく負けただけでそこまで言っていいかということもある。中途半端に負けていないことで、力を出し切っての負けではく、実力を出し切ることができればG1でも十分に通用するという考え方だってできる。どちらかというと不器用な馬なので中山コースが合わなかったということもあるかもしれない。広々とした東京コースに替わるのは大きなプラスとなるだろうし、実力を出し切れれば上位争いをしても不思議はないのではないか。
アサクサキングス
(牡3・福永57)
H19きさらぎ賞1着。
きさらぎ賞を勝っている実績があるし、ラジオNIKKEI杯でも不利があっての5着、前走の皐月賞7着も勝馬とは0.5秒差というように、レベルの高いレースでそこそこの結果は残している。そういう意味ではG1で通用しても不思議ない存在ということはできる。でも、そうは言っても皐月賞で7着、NHKマイルCで11着に負けていることを考えれば、G1では通用しないレベルという考え方も十分にできる。きさらぎ賞は単騎で逃げることができたという展開に恵まれてただけという考え方もできるだけに、G1で勝ちきるイメージが沸かない。決め手もいまいちという感じがするし、皐月賞からNHKマイルCを挟んだローテーションも疑問である。きさらぎ賞の時のように思いきって単騎で逃げれば、もしかしたらそのまま押し切るということはあるかもしれないので、そういう意味での一発はあるかもしれないが、前走マイルを走った馬が2400mで思いきった競馬ができるとも思えない。
フライングアップル
(牡3・横山典57)
H19スプリングS1着。
スプリングSでは最後方からまとめて差し切るという強い競馬を見せた。それまでも東京スポーツ杯でフサイチホウオーと0.1秒差の2着、朝日杯FSで勝馬から0.3秒差の4着、共同通信杯ではフサイチホウオーと0.1秒差の3着と重賞でなかなかの走りを見せている。これらのことを考えれば、G1で好走しても不思議ないだけの存在とはいえると思う。ただ、この馬は決め手に欠けるところがあり、どうしても勝ちきれないとことがある。スプリングSは勝ってはいるが、相手が弱すぎただけと考えるべきではないか。現に皐月賞では不利があったにしても12着に負けている。藤沢和厩舎の外国産馬ということもあるし、鞍上が横山典騎手ということもあるだけに、この大一番で一発かませるだけの下地はありそうなだけに怖い感じは確かにするが、あまり大物感も感じられないし、G1ではさすがに実力不足という感じがしてしまう。

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