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G1-エリザベス女王杯の反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
古馬相手でも勝ちきったのだからダイワスカーレットの強さは本物だと評価しないといけないとは思う。これでG1を3勝だから本当に凄いことである。まずはそのことを確認しておく。しかし、楽に逃がしたらこうなることは他のジョッキーたちも分かっていたはずである。なのになぜダイワスカーレットに早めに並びかけるようなことをしなかったのか不思議で仕方ない。特にアサヒライジングは上がり34秒前半という瞬発力勝負は苦手なはずで、自ら上がり35秒台の展開に持ち込まないといけなかったはずである。それなのに、なぜダイワスカーレットを楽に逃がしたのがいまいち納得できない。フサイチパンドラにしても、ペースを考えれば位置取りが後ろ過ぎたと思う。もっと好位について早めにスパートをかけていれば、また違う結果だったのではないかと思えてならない。そういう意味では、古馬に騎乗したジョッキーたちがあまりに無策だったように感じた。勝ったダイワスカーレットであるが、G1-3勝がすべてスローの展開だったというのだから展開に恵まれたということも否定はできないとは思う。今後は上がりが35秒かかるような平均以上のペースになった時にどんな競馬ができるかが課題になると思う。まあ、そうはいってもG1で3勝したのも事実であるし、いくら上がりが速いといっても、総タイムも決して遅いというレベルではない。ふつうの馬であれば、上がりが34秒後半になるところを33秒台で走りきってしまったという評価もできるだけに、強いことは確かである。来年も当然に牝馬では主役級ということになるであろうが、上がりが35秒かかる展開で勝った時に、私は「真に強い」と評価したいと思う。

参考
G1-エリザベス女王杯の予想
結論

 ◎フサイチパンドラ
  ○スイープトウショウ
  ▲ディアデラノビア
  ×アサヒライジング
  △ダイワスカーレット
買い目

(馬連)流し 3−−4,7,9,12(各500円)
(合計)2,000円
にへいの見解
ウォッカの戦線離脱で私の中では一気に混戦模様という状況になった。まあ、ふつうはウォッカとダイワスカーレットの一騎打ちと考えたのだろうから、これでウォッカの独壇場という見解なのでしょうけどね。しかし、私は違う。ダイワスカーレットは2200mの距離は未経験である。オークスに出走していないことで距離を経験できなかったのである。これはけっこう大きいマイナスだと私は思っている。以前、テイエムオーシャンが桜花賞と秋華賞は勝ったものの、オークスとエリザベス女王杯では負けたということもあった。2000mと2200mというのは近いようで全く違う距離と考えた方がいいと思っている。中長距離を得意としている馬であれば、2000mも2200mも同じようなものといえるかもしれないが、マイラーにとっては2000mまではこなせても2200mだと対応できないということがあるのである。問題はダイワスカーレットがマイラーなのかどうかということになるのであるが、兄のダイワメジャーが1600〜2000mを得意としていることを考えれば、この馬もマイラーの可能性は高いのではないか。となれば、ダイワスカーレットは今回はけっこうやばいのではないかと私はみている。まあ、秋華賞の時のようにスローの展開に持ち込んで、また上がり33秒台を叩き出せれば話は別だろうけど。とにかく、ダイワスカーレットは危険な1人気だと私は見ているということである。
となれば、当然に古馬の中から本命を探すことになるのだが、そうなるとやはり過去にこのレースを制しているスイープトウショウかフサイチパンドラのどちらかということになる。今回はウォッカに勝ってほしかったという気持ちが強かったので、正直なところこの2頭のどちらかになんでかんで勝ってほしいという気持ちまではない。となれば、馬券も馬連でいこうと思っている。であれば、勝てないまでも2着は確保してくれそうという馬を選択した方がいい。そういうことでフサイチパンドラにした。2200m以上の距離になると安定感が増す長距離タイプであるし、前々走で牡馬相手の札幌記念を勝っているということもある。先行できるタイプなので展開にも左右されない。そしてルメールが鞍上というのも大きな魅力である。気性的にムラがある馬なので、負けるときと好走する時の差が激しいタイプなので惨敗もあり得るとは思っているが、大一番なので陣営もきっちりと調整してくれていると信じたい。
次に相手探しであるが、まずはスイープトウショウである。宝塚記念を勝った実績を持っているのだから外せるわけがない。その次はディアデラノビアである。切れ味鋭い末脚を武器にしており、京都の外回りはこの馬の得意の舞台でもある。鞍上が武豊ということもあり当然に一発はある。あとは、G1で大きく崩れないアサヒライジングである。そして、いちおうダイワスカーレットも押さえておく必要はあるだろう。

全出走馬の好材料と不安材料

馬名等 良馬or悪馬 好材料と不安材料
ダイワスカーレット
(牝3・安藤勝53)
前日
22:10現在
1人気
悪馬
桜花賞と秋華賞でダービーを圧勝したウォッカに勝ったのだからこの馬の強さも半端ではない。もしかしたらウォッカ以上の大物ということも十分に考えられる。となれば、今回も当然にチャンスは大きい。折り合いに心配がないので、逃げることも抑えることもできるので安定度も群を抜いている。何せ未だに連対をはずしたことがないのだから凄いことである。今回も大きく崩れることはないと考えるべきではないか。とはいえ、初めての2200mという不安は小さくはない。先行タイプなので直線の長いコースもどうだろうか。阪神コースでは克服しているとはいえ、先行タイプなだけに直線が長いというのは有利にはならないはずだ。それとウォッカが出てこないというのも意外につらいと思う。ウォッカが出ていれば、他馬はウォッカをマークするが、いなければこの馬をマークすることになる。今までと同じように3歳牝馬が相手なら楽勝していたとは思うが、今回は古馬相手だけに今までのようにうまくいくかどうか分からない。
スイープトウショウ
(牝6・池添56)
2人気
悪馬
なんといっても宝塚記念を勝っているという実績が凄い。このときは中団から抜け出すという正攻法の競馬で勝ったのだからまぐれでは決してない。しかも、このときの2着はあのハーツクライである。この馬のポテンシャルは歴史的にみてもかなりのものだと評価しないといけない。そしてこの馬の武器は上がり32秒台も当たり前という瞬発力である。これだけの武器があるのだから、極端なスローにならない限りはきっちりと差し切れるのではないか。とはいえ、今年は戦績がいまいちである。特にヴィクトリアマイルで9着というのはどうなのだろうか。6歳という年齢からもピークが過ぎたと考えていいのではないか。昨年のエリザベス女王杯もこの馬にしては切れ味が鈍かったように感じたし、ちょっと末脚の切れが鈍ってきているようにも感じる。極端に上がりが速くなる展開になると届かないということが多く、展開に左右されやすいということもある。
フサイチパンドラ
(牝4・ルメール56)
3人気 この馬の今回の魅力は長距離レースに強いことである。オークス2着、エリザベス女王杯繰り上げ1着、ジャパンC5着と2200m以上のレースでは安定した戦績を残している。2000mでも札幌記念を勝つなど結果を残しているし、とにかく2200m以上で強いと考えていいと思う。そういう意味では今回も大きなチャンスといえる。鞍上ルメールも魅力である。とはいえ、大きく負けることもけっこう多く、安定度という点では意外にアテにできないところもある。気性的に難しいところがあり、走りに集中できないとあっさりと走りをやめるところがある。そういうリスクもあると考えておいた方がいいだろう。それにエリザベス女王杯も結局は繰り上がりだったように、大きなレースで勝ったことがないというのも、ちょっと勝負弱さみたいなものを感じてしまう。
アサヒライジング
(牝4・柴田善56)
4人気 G1で大きく崩れないというのがこの馬の大きな魅力であり、過去にG1で3度連対していて、すべて4着以内というのはかなり凄いことである。そういう意味では勝てないまでもこの馬が馬券圏内に絡んでくる可能性はけっこう高いかもしれない。とはいえ、今年のクイーンSでやっと重賞を勝っているように、勝ちみに遅いところがある。先行して押し切るスタイルなので、どうしてもラストが甘くなるというのがこの馬の問題点である。G1で連をはずしたのはオークスとエリザベス女王杯なので距離も少し長いかもしれない。
ディアデラノビア
(牝5・武豊56)
5人気 鋭い切れ味を武器としている馬であり一発の魅力はたっぷりである。京都外回りコースもこの馬の脚質に合っているし、武豊も一発を狙っているはずである。2200m以上で3着をはずしたことがないので距離も守備範囲である。以前はかなり期待されていた馬であるし、素質が高いことは間違いない。ただ、今年の京都牝馬Sで初めて重賞を勝ったように、どうも勝ちきれないところがある。そのため、もう一つ大物感が出てこないのである。最後は伸びてくるが、勝ちきるところまでは届かないのである。そういう意味では今回も勝ちきるところまでは難しいかもしれない。近走の結果がいまいちというのも気になるところで、ピークが過ぎたということもあるかもしれない。
ローブデコルテ
(牝3・福永54)
6人気
アドマイヤキッス
(牝4・岩田56)
7人気
ディアチャンス
(牝6・横山典56)
8人気
デアリングハート
(牝5・藤田56)
9人気
良馬
府中牝馬Sを連覇したことからもポテンシャルが高い馬であることは間違いない。距離は確かに少し長いような気はするが、前哨戦を勝った馬がここまで人気がないというのもどうなのだろうか。歳をとったことで気性的に成長していれば、距離もこなせるようになっているかもしれないし、一発あっても不思議ない存在だとは思う。
タイキマドレーヌ
(牝4・小牧太56)
10人気
コスモマーベラス
(牝5・吉田豊56)
11人気
キストゥヘヴン
(牝4・幸56)
12人気
良馬
これでも桜花賞馬である。G1馬がここまで評価が低くていいのだろうか。確かにマイルを得意としており、距離は長いとは思う。桜花賞以降は勝っていないし、ポテンシャル的にも底をみせた感じもある。しかし、まぐれでもなんでもG1を勝ったのは事実である。今回だって、この馬の持ち味が生かせる展開になれば、桜花賞の時のような一発をかますかもしれない。
スプリングドリュー
(牝7・川田56)
13人気
ウォッカ
(牝3・四位54)
前日
22:10現在
1人気
ダービーを3馬身差で圧勝するという偉業を成し遂げた歴史的牝馬である。これだけのことをやった馬なのだからそのポテンシャルは当然に半端ではない。秋華賞は3着に敗れたが、後方からの競馬になってしまったこと、スローの展開になってしまったことが敗因といえる。上がりは33.2という瞬発力はみせているだけに、実力負けと考えるべきではないだろう。休み明けを一叩きされたし、距離も1F延びる。コースも外回りに替わることで、この馬の末脚がフルに生かせるはずである。今回はさすがに前走のようなことはないと思われる。とはいえ、ダイワスカーレットに2連敗中というのも事実ではある。前走はレインダンスにも先着を許したということもある。ダービーはたまたま勝てたが、実はそれほど強いわけではないということも十分に考えられる。今回も期待ほど走ってくれないということもあるかもしれない。

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