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G1-天皇賞(春)の反省

時間の都合上簡単にさせていただきます。
全体の感想(レース・馬券など)
私からすれば、いろんな意味で難しいレースだった。菊花賞で完敗していたメイショウサムソンとダイヤモンドS2着が最高実績のエリモエクスパイアのワンツーでは私にはどうしようもない。メイショウサムソンはともかく、エリモエクスパイアはかなり情報を集めていないと拾うのは難しかったと思うだけに、どうあがいても取れない馬券だったと思う。まあ、そういう意味では事故だと思うしかないとは思うのだが、近年はこういうレースが増えてきているようにも感じる。単なる事故だと思っているうちは私の予想はいつまでたっても当たらないかもしれない。レースの感想であるが、メイショウサムソン以外は3000m以上で実績のある馬が上位にきているのだから基本的にはスタミナのある馬が優位なレースの流れだったといえると思う。メイショウサムソンにスタミナがないと判断したのが最大のミスだったということになる。
メイショウサムソン
スタミナ勝負を早めに仕掛けて凌ぎきったのだから「強い」の一言である。エリモエクスパイアに1度前に出られたのを差し返すのだから、この馬の勝負根性は本当に凄い。競り合いには絶対負けないこの馬の真骨頂を見た思いである。結局、菊花賞で敗れたのは33秒台の瞬発力勝負になってしまったのが、この馬には合わなかったというだけなのだろう。上がりが34秒以上かかる流れであれば、どんな距離でも強い競馬ができるということなのだと思う。そういう意味では今後のG1戦線でも当然に主役級になるのは間違いない。ただ、今後はダイワメジャーやアドマイヤムーンが相手となるだけに、今回以上に厳しい戦いになってくるのは間違いない。
エリモエクスパイア
まさかこの馬が2着に突っ込んでくるとは思わなかった。前走の日経賞では10着に惨敗しているし、ダイヤモンドSだって2着に負けている。強いて言えば、ダイヤモンドS2着から長距離適性が高いことを見抜く必要があったのだろうが、トウカイトリックとの斤量差を考えれば、この馬がトウカイトリックより先着するとは普通は思わないものだろう。4歳馬だから今まで本当の実力を出し切れてなかったということだとは思うが、そうだとしても、ここまで変わってくることを予想するのはあまりに難しい。でもまあ、実際に好走したのだから能力を認めないといけない。とはいえ、まだ3200m以上のレースでしか好走していないのだから、基本的には3000m以上の距離でないと好走できないと思っていた方がいいのではないか。私がこんなことを言っていると、あっさりと2500mのレースで勝たれそうであるけど・・・
トウカイトリック
この馬らしいと言えばこの馬らしいが、着差が着差だけにあまりに悔しい3着となった。特にメイショウサムソンとエリモエクスパイアが競り合う形になったのがあまりに運がなかった。あそこで2頭が競り合いにならなければ、もしかしたらこの馬が勝っていたかもしれない。でもまあ、決め手が甘いからこんな結果になるのである。スタミナがあることはもちろん、スピード能力もついてきたことを証明はしたが、G1で勝つにはもうワンパンチ足りないということなのだろう。3000m以上のレースでしか結果を残せていないので、また来年のこのレースまでは厳しい戦いになりそうだ。
アイポッパー
安藤勝騎手らしいと言えば安藤勝騎手らしい。皐月賞でのフサイチホウオーもそうだったが、スタートがちょっと悪いと無理しないで後方に控えてしまう。前半を無理するリスクを冒すくらいであれば、開き直って直線勝負に徹した方がいいという判断なのだろうが、1人気の馬でこういう競馬をされると見ている方は不満を感じずにはいられない。でもまあ、展開を考えれば、本当に強い馬であれば、きっちりと捕まえているような気もする。結局は、G1級の実力はなかったというのが正しいのかもしれない。
トウショウナイト
4角手前でデルタブルースが上がっていった時に一緒についていった。ちょっと強引すぎると思ったが、メイショウサムソンも同じような競馬で勝ちきったのだから、勝ちにこだわるのであれば武士沢騎手の選択は間違っていなかったとは思う。もう少し大事に乗れば、もっと際どい競馬になったかもしれないが、悔いを残したくないのであれば、ああいう騎乗しかない。G1に何度も騎乗できる騎手であれば、開き直って直線まで脚を貯めるという選択もできたと思うが、G1騎乗のチャンスが少ない武士沢騎手にそういう選択を求めるのは酷だと思う。人馬ともに頑張ったと評価したい。
デルタブルース
この馬らしい積極的な競馬はできたと思うが、それにしては直線でまったく伸びなかったというのは、どうしたのだろうか?決め手勝負で負けるというのであれば理解できるのであるが、直線半ばではもう脱落してしまったのだから分からない。秋にならないと調子を上げないタイプということなのかな。
予想と見解 好材料と不安材料

参考
G1-天皇賞(春)の予想
結論

◎デルタブルース
 ○アイポッパー
 ▲トウカイトリック
 ×ダークメッセージ
  △ファストタテヤマ
  △トウショウナイト
  △ネヴァブション
  △マツリダゴッホ

買い目(馬連)合計1,000円
  軸15−−1,2,8,10,12,13,14(各100円)
  BOX−8,12,13(各100円)

にへいの見解
 今回は時間がないので簡単にさせていただきます。
 本命◎はデルタブルースである
 今回はどこからでも狙えそうなメンバー構成だっただけに、けっこう悩んだが、最終的には3000m以上のG1を2勝しているこの馬の実績を信用することにした。菊花賞は勝ったものの、その後は鳴かず飛ばずという感じであったが、メルボルンCを勝ったことで改めてポテンシャルの高さを証明してくれた。前走の阪神大賞典も負けはしたものの内容としては悪くはなかったと思うし、前哨戦としては上出来の走りだったと思う。あとはG1を2勝している底力を持ってすれば、この大舞台でこそ本当の実力を出してくれるに違いない。菊花賞を除けば、日本のG1ではこれといった結果を残せていないというのは気になるところではあるが、3200mのG1であれば、きっちりと仕事をするのではないか、ということで私は本命◎にしてみた。
 対抗○はアイポッパーである
 前走の阪神大賞典の走りが凄く良かった。ドリームパスポートを終始マークして直線できっちりと交わしているあたりは、非常にクレバーというか大人の走りに感じた。長距離レースではこういう自在に動けるというのは大きな武器であり、折り合いに心配がないことで、どんな競馬にも対応できるということになる。前走の内容であれば、ふつうであれば本命◎にしないといけないと思うのだが、この馬はもう一つG1級の器を感じないというか、大物感がいまいちという感じがする。そういう馬が1人気だとあっさりと裏切りそうなので、どうしても信じ切ることができなかった。この馬が勝ってしまうことも当然にあるとは思っているが、なんかG1では力を出し切れないような気がしてならない。そういうことで、評価を一つ落とした。本当であれば思い切ってもっと軽視したいところであるが、近走の走りを考えるとこれ以上は落とすことはできなかった。
 単穴▲はトウカイトリックである
 スタミナには絶対の自信を持つタイプだし、最近は後方からの競馬も板についてきただけに、大きく崩れることは考えづらい。決め手がいまいちという感じもあるので、4着5着に負けるということも十分に考えられるとは思ったが、かといってこれだけスタミナのある馬を軽視するのもどうかと思った。この程度のメンバー構成であれば、馬券に絡んでくる可能性はけっこう高いと私は踏んだ。ただ、この馬も大物感もいまいちなので、G1では好走できない器かもしれないとは思っている。
 4番手×はダークメッセージである
 穴っぽいところを探そうとするとステイヤー資質の高そうな馬を探すしかない。ただスタミナがあるだけでなく、それなりにスピードもありそうな馬ということで選択したのがこの馬である。前走の大阪ハンブルクCは2着に負けているが、上がり33秒台の切れ味は見せているし、距離も保ちそうな気がした。あとは長距離戦に強いダンスインザダーク産駒ということもあった。
 5番手△はファストタテヤマである
 大阪ハンブルクCの走りとダンスインザダーク産駒でダークメッセージを選んだとなると、その大阪ハンブルクCを勝っており、同じくダンスインザダーク産駒のこの馬を軽視するわけにはいかない。菊花賞2着の実績も考えれば、本当であればこちらを上にしないといけないくらいである。でも、すでに8歳という年齢はかなり気になったし、私はこの馬は実は3200mという距離は少し長いのではないかと思っている。得意の京都コースなので一発ありそうな気はしているが、あまり期待はしていない。
 6番手△はトウショウナイトである
 一昨年のこのレースで4着している実績を持っているが、今回はそのときよりも強くなっての参戦だと考えていいだろう。長距離戦を得意としている馬だし、機は熟したということで、「今回こそは」という気持ちは強いはずである。ただ、G1のキャリアの少ない武士沢騎手というのはかなり気になった。特に長距離線は騎手の腕も大きく左右されるだけに、私としてはもう一つ信用できなかったというのが正直なところである。
 7番手△はネヴァブションである
 3連勝は立派ではあるが、さすがにG1ではどうかと私は思っている。でも成長力がすさまじければ、いきなりG1で好走するということもないとは言えないと思ったし、やはり勢いのある馬は怖いものなので、いちおう押さえることにした。
 8番手△はマツリダゴッホである
 この馬もG1ではまだ実力不足だと思っている。それと距離も気性的に長すぎると私は思っている。でも、鞍上が横山典騎手なので一応押さえることにした。なんだかんだでG1で2着に持ってくることが多いだけに、さすがにはずせないと判断した。
 9番手はメイショウサムソンである
 昨年の2冠馬だから当然に通用しても不思議はない馬である。ただ、菊花賞の走りからすると3000mはこの馬には長いのかなと思えた。だから大阪杯から始動したのかなとどうしても思えてしまう。まあ本当であれば、それでも押さえるべきなのだろうが、オッズを考えた敢えて「消し」という判断をした。
 3000m以上のレースは展開一つで、スタミナのある馬が有利になったり、スピードのある馬が有利になったりするものである。そういう意味では、どんな展開になるかで状況が一変する。ということは、どの馬にもチャンスはあるということにもなる。なので、上記以外の馬でもチャンスが出てくる可能性もあるとは思っているが、とりあえず常識的にはここまでかなと私は思っている。

G1-天皇賞(春)

アイポッパー
(牡7・安藤勝58)
買い H19阪神大賞典1着、H18ステイヤーズS1着など。
前走の阪神大賞典を勝ちきっているのは大きい。G1常連のドリームパスポートやデルタブルースに完勝という内容だっただけに、3000m以上のレースであれば、現時点では日本No.1の存在と考えていいかもしれない。昨年のステイヤーズSを勝っている実績もあるし、ここにきてかなり充実してきたというか、勢いを感じる。距離延長は当然に望むところだし、ディープインパクトがいないこのメンバー構成であれば、念願のG1制覇の最大のチャンスが訪れたと言っていいだろう。
消し 昨年のこのレースで4着、一昨年のこのレースで3着と、2年連続で勝ちきれないレースをしているのはかなり気になる。条件は合っていることは分かるのであるが、得意の条件でこの着順ということは、これがこの馬の限界という感じがどうしてもしてしまう。つまり、G1を勝ちきれるだけの器ではないということである。こういう馬は良くて3着だから、ちょっとしたことで馬券圏内にも入れないということになってしまう。人気を背負っている時の方がそういう危険は大きいものであるし、年齢的なことも考えれば一昨年と同じ走りを期待するのもどうなのだろうか。
アドマイヤタイトル
(牡5・四位58)
買い 前走の日経賞で4着だったわけだが、初めての重賞挑戦だったことを考えれば、よく頑張っていると言っていいだろう。前々走に準オープンを勝ち上がっていることからも、ここにきての成長と勢いを感じる。年齢の割にはキャリアはそれほどでもないし、まだまだ成長の余地を残しているというのも好感が持てる。どちらかというと後方から差す競馬を得意としているようだから決め手もしっかりしているタイプといえる。G1だとハイペースになることもあるし、そういう流れで後ろで脚を貯めることができれば、直線で豪快に追い込んでくるということもあるかもしれない。
消し 前走の日経賞4着であるが、ふつうに考えれば、底を見せたという評価が妥当だと思われる。初めての重賞の割には頑張っているとは思うが、だからといってそれがG1の裏付けになるわけではないし、他にG1の裏付けとなる実績も持っていないのだから、G1で巻き返すというのはかなり厳しいということになる。まして、さらにメンバーが強くなるのだから掲示板を確保するだけでもつらいということになる。G1を経験することは次に繋がるという点では大きなプラスになるとは思うが、今回はそれ以上のことを期待するのは酷だろう。
アドマイヤモナーク
(牡6・村田58)
買い 前走の日経賞で5着だったわけであるが、10ヶ月ぶりの休み明けだったことを考えれば、それなりに評価していいのではないか。休み明けで長期休養明けで掲示板に載るというのはけっこう大変なことである。それを考えれば、この休みで成長したと考えていいかもしれない。2400m以上で実績があるのでスタミナ勝負は望むところだろうから、距離が大幅に延長されるのはこの馬には大きなプラスになるだろう。休み明けを一叩きされたことで体調も格段にアップするだろうし、3200mのG1ならば勝負になっても不思議はない。
消し これまでに重賞を4回走っているが、ダイヤモンドS7着、天皇賞春14着、目黒記念5着、日経賞5着という結果だけに、ふつうに考えれば「うまくいけばG2までなら勝てるかもしれないが、それ以上は無理だろう。」というレベルだと思う。スタミナがあると言ってもG1となると、スピード能力も高くないと、なかなか勝てないものだし、3000m以上での実績があるわけでもないので、3000mはこの馬には長いということだって十分にあり得る。ここで好走を期待できる材料が、G2で5着というだけでは、さすがに多くを期待するのは酷だろう。
ウイングランツ
(牡7・秋山58)
買い H17ダイヤモンドS1着、H17目黒記念2着。
距離3400mの重賞を勝っているというのは魅力としては大きい。スタミナがあることが好走のための絶対条件となるだけに、3000m以上の距離で結果を出しているというのは大きなアドバンテージということになる。さらに目黒記念2着だからG2で好走した実績も持っていることになる。G2で好走しているのだからG1で好走してもそれほど不思議ではないということになる。前走のエイプリルSは7着に敗れているが、1年以上の休み明けだったことを考えれば、仕方ない結果である。距離もこの馬には短すぎたし、明らかに今回の叩き台という意味あいだったのだろう。そういう意味では今回は大きく変わってくることも十分に考えられる。
消し まずは前走のエイプリルSで7着に負けていることであるが、1年以上の休み明けだったことを考えれば、まあ当然の結果とはいえる。ここを叩かれての上積みは当然にあるだろうが、1年以上の休み明けを考えれば、急激に良くなるということもないだろう。そういう体調面のマイナスはかなり大きいと考えられる。それに、そもそも重賞勝ちもハンデG3だし、目黒記念だってハンデ戦である。ハンデをもらっての好走ということを考えれば、G1級の実力があるとも考えづらい。
エリモエクスパイア
(牡4・福永58)
買い H19ダイヤモンドS2着
3400mの重賞であるダイヤモンドSで2着している実績はそれなりに評価する必要がある。3000m以上の距離で結果を残したのだから、スタミナはかなりあると思っていいだろう。もちろん今回の3200mの距離適性もかなり高いと言っていい。前走の日経賞は10着に負けているが、ダイヤモンドSの前は準オープンで4着だった馬だから、もともとムラがあるということなのかもしれないし、あるいは3000m以上の距離でないと真価を発揮できないということかもしれない。いずれにしても巻き返す余地は十分にあると考えていいだろう。
消し 前走の日経賞で10着というのはさすがに負けすぎだろう。勝馬から1秒以上離されていることを考えても、実力負けと判断すべきではないか。となれば、G1で巻き返せるとは到底考えられない。ダイヤモンドS2着といっても、ハンデG3であるし、特にこのレースは実績のない軽ハンデ馬が好走する傾向があるだけに、単にハンデに恵まれての好走と考えるのが妥当なのではないか。その前は準オープンでも勝ちきれなかったことからもそういえる。
マツリダゴッホ
(牡4・横山典58)
買い H19AJC杯1着
前々走のAJC杯で2着に5馬身差という圧勝を演じた馬である。別定G2で5馬身差というのはかなりの実力がないとできない芸当だからこの馬のポテンシャルはかなりのものと言っていいことになる。前走の日経賞では3着に負けたが、先に抜け出してしまった勝負のアヤみたいなものだろう。古馬重賞はまだ2戦だけだし、前走はいい経験になったのではないか。今回は前走の失敗を考慮して横山典騎手も乗るだろうから、巻き返しがあっても不思議はない。少なくなったサンデーサイレンス産駒ということもあるし、この大一番での強さを見せてくれるかもしれない。
消し 前走の日経賞で3着に負けたのは痛い。AJC杯を圧勝はしていたが、相手が弱かっただけという評価もできたために、前走の日経賞で結果が出れば、というところだったが、3着に負けたことで、G1で好走するためには、まだまだ修行が足りないという印象を与えてしまった。早めに抜け出しているように、気性的に熱くなりやすいところもあるようだし、距離3200mはこの馬に長すぎるという感じもする。G1初挑戦ということを考えても、今回は良い経験というレベルで終わるのではないか。
ファストタテヤマ
(牡8・武幸58)
買い H19大阪ハンブルクC1着、H18京都大賞典2着、H18万葉S1着、H14菊花賞2着など
前走の大阪ハンブルクCを勝ちきったわけであるが、スローの展開からの瞬発力勝負で、上がり33.2という切れ味で他を寄せ付けなかった。距離3200mとなると超スローの展開になる可能性も高く、こういう瞬発力のある馬が有利になるだけに、この馬にもチャンスが出てきたといえるだろう。まして、この馬は京都コースに強いということもあるし、万葉S1着、菊花賞2着と3000mのレースでも結果を出している。前走勝ったことで勢いは感じられるし、京都3200mという舞台はこの馬には願ってもない条件である。はまった時の決め手はかなりのものだけに、展開がはまれば一発あっても不思議はない。
消し この馬の良いところであり悪いところであるが、ムラがあっていつ走るか分からないというのが持ち味である。前走好走したということは今回は悪い番という考え方もできるだけに、絶対的な信用を置きづらいのは確かである。菊花賞で2着はしているが、その後のG1では惨敗が多いので、G1級の器はないという印象も強い。今年で8歳という年齢を考えても、ここで生涯一の走りを期待するのは酷だろう。前々走の阪神大賞典では6着に負けていることを考えれば、前走はオープン特別だから勝つことができたと判断するのが妥当なのではないか。
ユメノシルシ
(牡5・吉田豊58)
買い 前走準オープンを勝ったばかりではあるが、古馬になってからは芝は3戦しか走っておらず2勝2着1回という結果だから、芝ではまだまだ底を見せていないことになる。当然ながら芝の重賞は初めてとなるわけであるが、初めてなのだからもしかしたらとんでもない強いパフォーマンスを見せるという可能性も否定はできないことになる。距離延長が大きなプラスになるということも考えられるわけだし、とにかく未知の魅力という点ではこの馬が一番である。前走は抑える競馬をしたが、ハナを切ることもできる馬なので、このメンバーであれば楽にハナを奪うことができるだろうから、マイペースの逃げを打てればさらにチャンスが広がる。ノーマークだろうから、大きく引き離した逃げを打でばどの馬も追いかけてこないということもあるかもしれないし、そうなるとそのまま逃げ切るということも十分に考えられるだろう。
消し 前走準オープンを勝ち上がったばかりでのG1挑戦はちょっと無謀という感じは否めない。準オープンで圧勝という内容であれば、まだ期待は持てるが、クビ差での勝ち上がりでは、オープン特別とかG3なら通用するかもしれないが、さすがにG1では通用しないだろう、という評価が常識的ということになる。前々走ではアドマイヤタイトルに1馬身以上の差をつけられて負けていることを考えても、いきなりG1で通用するとは考えづらい。決め手も甘い感じもあるし、G1で好走するには、まだスピード不足という感じもする。
メイショウサムソン
(牡4・石橋守58)
買い H18日本ダービー1着、H18皐月賞1着、H19大阪杯1着など。
なんといっても昨年の2冠馬である。特にクラシック最高峰のダービーを勝っているのだから、格としては最上位ということになる。好位からの競馬できっちりと前を捕まえるというオーソドックスな競馬をするタイプで、安定度もかなり高いのもこの馬の特徴である。前走の大阪杯では力の違いを見せつける強い勝ち方だったし、古馬になってからも強さは健在である。ディープインパクトが引退し、宿命のライバル・ドリームパスポートが離脱した現状を考えれば、この馬がきっちりと結果を出して盛り上げていけないといけない立場となる。メンバー的にも恵まれた感じがあるし、臨戦過程も申し分ない。ここはきっちりと決めて、今年の主役であることを強烈にアピールしたいところだろう。
消し ダービーまでは確かに良かったが、昨年の秋はけっきょく1勝もできなかったというのはかなり気になる。特に菊花賞では前を行ったアドマイヤメインを捕まえることができず、後ろにいたドリームパスポートとソングオブウインドにあっという間に交わされたのを見ると、この馬には3000mというのは距離が長いのではないか、と思えてならない。前走勝っているといっても2000mでの話である。これまでも1800〜2000mだと強い競馬を見せているので、この馬は中距離適性が高いということは十分に考えられる。それと、叩き合いになると強さを発揮するタイプという感じがするので、超スローからの瞬発力勝負だと分が悪くなるということもあると思う。長距離レースだとスローからの瞬発力勝負ということは十分に考えられるので、そうなるとさらに厳しくなりそうだ。
トウカイエリート
(牡7・川田58)
買い H19日経新春杯2着。
前々走の日経新春杯で2着して重賞でも通用することを証明した。準オープンを勝ち上がったばかりだったことを考えても、ここにきて本格化してきたと言っていいはずだ。そういう意味での勢いは感じられる。前走の大阪ハンブルクCでは9着に敗れたが、上がりだけの瞬発力勝負になったのが厳しかっただけかもしれない。3200mというスタミナ勝負であれば、巻き返しは可能という考え方はできる。間隔が開いていたので調子もいまいちだったのかもしれないわけだし、であれば一叩きされたことで大きく変わってくるということになる。
消し 前走の大阪ハンブルクCで9着というのはさすがに負けすぎだろう。G1で好走するつもりであれば、苦しい条件が重なったにしても掲示板は外してほしくない。オープン特別でこの結果だということは、G2G3ならうまくいけば上位に入れるというレベルだと考えていいのではないか。つまり、G1では通用しないということである。重賞2着もしょせんハンデに恵まれてのものだから、それほど高くは評価できない。オープン経験も2戦だけだし、さすがにここは胸を借りるだけで終わるのではないか。
トウショウナイト
(牡6・武士沢58)
買い H18アルゼンチン共和国杯1着、H19日経賞2着など。 前走の日経賞で2着は確保して調子が良いことは証明した。もともと天皇賞春で4着した実績を持つ馬であるが、昨年春は不振を極めた。それが昨秋から調子を上げてきて、アルゼンチン共和国杯で念願の重賞制覇を成し遂げた。有馬記念でも7着とまあまあの走りを見せたし、今年も京都記念でアドマイヤムーンとポップロックを相手に3着している。レベルの高い重賞でここまで安定して走れるのであれば、今回もそれなりの走りを期待していいはずだ。スタミナはあるタイプなので距離3200mというのは大きなプラスになるだろうし、一昨年に4着した時よりも大きく成長しているはずだから、当然にそれ以上の走りを期待していいことになる。
消し アルゼンチン共和国杯で重賞を勝ったものの、それ以外では惜敗が多く、どうも勝ちきれない勝負弱さみたいなものを感じてしまう。こういうタイプはどうしても大物感がなくなるし、G1でも結果を出せないことが多いものである。昨年の有馬記念でも結局は掲示板にも載れなかったことも踏まえても、G1級の器はないと考えていいのではないか。決め手も甘いというか、中途半端な印象もある。騎手の手腕も重要な要素となる長距離レースということを考えると、G1経験の少ない武士沢騎手にも不安を感じてしまう。
マイソールサウンド
(牡8・角田58)
買い H17阪神大賞典1着、H16マイラーズC1着、H16京都金杯1着など。
2年前の阪神大賞典を勝っているという実績を忘れてはいけない。別定G2の3000mのレースを勝っているのだから距離適性は高いということになる。マイル重賞でも2勝していることからスピード能力が高いということも言えるし、これだけ違う距離で重賞を勝つということは、根本的なポテンシャルが違うということなのかもしれない。とにかく実績から考えれば、ここで好走しても何の不思議もないということになる。昨年は惨敗ばかりだったが、今年は6着・7着と昨年よりは良い走りをしているだけに、徐々に調子が上がってきているということかもしれない。忘れた頃に激走するというのもこの馬の特徴であるし、今回も一発を期待していいかもしれない。
消し いまだになぜ阪神大賞典を勝てたのか分からないのだが、その後の長距離レースでことごとく惨敗に終わっていることからすれば、やはり阪神大賞典はフロックだったと考えるべきなのかもしれない。昨年以降は掲示板にも載れないレースばかりで、年齢的な衰えもあると思う。前走も阪神大賞典で7着に負けているし、少しは復調しているにしても、いきなりG1で好走できるレベルまで上がってくるということはないだろう。そもそもG1で好走したことがないのだから、もともとG1級の器ではないということかもしれない。
トウカイトリック
(牡5・池添58)
買い H19ダイヤモンドS1着、H18阪神大賞典2着。
この馬の持ち味は距離が長ければ長いほど威力を発揮するそのスタミナの豊富さである。3000m以上のレースで部類の強さを発揮する馬であり、典型的なステイヤーといえる。昨年の阪神大賞典では大逃げを打って、ディープインパクト以外にはスタミナの違いを見せつけたし、前々走のダイヤモンドSではハンデ57kgという厳しい斤量にもかかわらず、きっちりと勝ちきった。前走の阪神大賞典では3着に負けたが、スピード勝負を苦手としているはずのこの馬が、メンバーNo.1の上がりタイムで追い詰めてきたのだから価値は高い。ここにきてまた強くなったということなのだろう。距離がさらに延びるのは当然にプラスとなるし、今のこの馬であればG1でもスピード負けすることなく戦えそうだから、G1を勝つには今回しかないのではないか、というところだろう。
消し 3000m以上で強いのは確かであるが、どうしてもスピード不足のところがあり、勝ちきれないレースが多いというのはかなり気になる。チャンスと思われた昨年の天皇賞春で9着に負けているというのも実績としては痛い。G2までなら好走できるが、G1になると底力の違いで相手にしてもらえないということかもしれない。とにかく条件としては悪くはないが、G1はスタミナだけで好走できるものでないし、あまり大物感がなくG1級という感じがしないということである。
ダークメッセージ
(牡4・佐藤哲58)
買い 500万クラスを勝ち上がったばかりで挑戦した日経新春杯で3着した実績を持つ。ハンデ50kgということはあったが、500万からの挑戦だったことを考えれば、素質の高さを証明した一戦だったといえる。その後は当然のように1000万、準オープンと勝ち上がり、前走の大阪ハンブルクCでも僅差の2着して、再びオープンでも通用するところを証明した。4歳という若さからも伸び盛りの上がり馬という印象が強く、1戦ごとに大きく成長していることも感じる。前走は上がり33秒台で走っており、決め手もしっかりしている。ダンスインザダーク産駒だから距離延長も大きなプラスになるかもしれないし、チャンスは十分だろう。
消し 前走の大阪ハンブルクCで2着に負けたというのはちょっと痛い。オープン特別で負けたということは、まだ重賞級の力はつけていないということになると思う。日経新春杯3着もハンデ50kgということを考えれば、G1の裏付けにはけっこう厳しいと思う。つまりは、最近の好走は評価できるが、G1となるとまだそこまでの力はつけていないのではないか、ということである。距離3000m以上の経験もないので距離適性もわからない。
ネヴァブション
(牡4・北村宏58)
買い H19日経賞1着、H19白富士S1着。
前走の日経賞を勝っているというのは大きな実績である。前哨戦を勝ったということもあるし、別定G2を勝ったということもある。そして、2500mという距離で勝ったことでスタミナがあることも証明した。今年に入ってから3連勝中という勢いも凄い。準オープン、オープン、重賞と確実にステップアップしており、この成長力はかなりのものである。まだ4歳ということもあるし、さらに成長しているということも期待できる。中団から確実に差してくるという安定した走りを見せているので展開に左右されそうにないというのも好感が持てる。G1は菊花賞以来であるが、あのときより大きく成長していることは明らかであるし、1度経験していることが今回に生きるはずだ。今回のような混戦模様のときは、こういう勢いのある馬が好走するケースもあるだけに、チャンスはけっこうあると思われる。
消し 前走、日経賞を勝っているのは当然に評価すべきであるが、それでもまだG2を勝っただけで、G1に通用するかどうかはまだ分からない。G1馬を相手に勝ったというのであれば、また評価が違うのであるが、G1好走経験のない馬を相手に勝っただけでは、単に相手が弱かっただけということだって考えられることになる。菊花賞で10着に負けているということは、G1級の力はないという考え方だってできるわけだし、現時点ではあまり過大に評価しない方がいいのではないか。それに距離3000mだって走らせてみないと分からない。2500mと3200mはまったく違うものなので距離が長くてダメだったということも十分に考えられる。
デルタブルース
(牡6・岩田58)
買い H18メルボルンC1着、H16菊花賞1着、H17ステイヤーズS1着。
この馬の場合は、何と言ってもオーストラリア遠征で伝統のG1メルボルンCを制したということが、とんでもない実績である。もともと菊花賞を勝っていた馬ではあるが、その後はスランプが続いていただけに、改めてこの馬のポテンシャルの高さを証明することとなった。これで3000m以上のG1を2勝したことになるわけだから、今回の条件はこの馬にとってはベストといえる。ジャパンCで3着という実績もあるので、スピードがないというわけでもない。前走の阪神大賞典も最後はよく詰めており、今回の前哨戦だったということを考えれば、今回に繋がる良い内容だったといえる。今回は斤量が58kgになるわけだし、一叩きされた上積みも見込める。さらに距離が延びるのも大きなプラスとなるだろうし、こういう大舞台ではやはりこの馬のような地力のある馬が勝ちきってしまうのではないだろうか。
消し 菊花賞を勝っていることと、メルボルンCを勝っていることを考えれば、確かに好走しても不思議ではない馬ではある。しかし、昨年の天皇賞春では10着に負けていることを考えても、3000m以上のレースであれば必ず強い競馬をするわけでもない。前々走の有馬記念でも6着に負けているし、阪神大賞典では2年連続でトウカイトリックに負けている。どうしても絶対的に強いという感じを受けないのである。それは、瞬発力がもう一つというこの馬の脚質にあるのかもしれない。メルボルンCのようなスタミナの方が重要なレースでは力を発揮するが、日本のようなスピードも要求されるようなレースでは良さを発揮できないのかもしれない。そういう意味では京都コースというのは、直線が平坦であることでスタミナ勝負にはなりづらいところがあるだけに、この馬には不利かもしれない。早めに動いて上がりがかかる展開を自ら作るという作戦もあるとは思うが、相手にうまく利用されて、直線で交わされるということもありそうで、つまりは目標にされるというのは、それはそれでかなり厳しいということである。

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