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G2-毎日王冠の反省


時間の都合上簡単にさせていただきます。
まさかチョウサンが勝ってしまうとは、あまりのことに言葉が出ない。最近は準オープンを勝ち上がったばかりの馬がいきなり重賞を勝つことが多くなってはきているが、まさかG2の中でもかなりG1に近いレベルの高さを誇る毎日王冠で準オープンを勝ち上がったばかりの馬が勝ってしまうなんて私には信じられない気持ちでいっぱいである。この結果から推測できることは、今の日本競馬はレベルが高くなってきているというか、層が厚くなってきていて、準オープンクラスでもかなりのレベルであるということなのだろう。一昔前はG2を勝てるだけのポテンシャルを持っている馬であれば、準オープンくらいならレースに集中できていなくても能力だけで勝っていたが、今は準オープンもレベルが高いので、それなりに力を出し切れる状態でなければ準オープンすらクリアできないということなのだろう。そういうポテンシャルの馬が気性が成長するなどで力を出し切れるようになれば、準オープンは当然にクリアできるし、もともと能力が高いのだからいきなりG2を勝ってしまうこともあるということなのだと思う。ここで注意すべきことは、準オープンを勝てれば必ず重賞でも通用するというわけではないということである。潜在的にG2を勝てるポテンシャルがある馬が、何らかの理由で準オープンすら勝ち上がれていなかったという場合の話であり、その見極めが非常に重要なのである。ただ、潜在的に能力が高いかどうかの判断はあまりに難しいことである。前走のチョウサンのレース内容で「大物」と判断できた人はどれくらいいただろうか?現代競馬の難しさはこういうところなのだと思う。

参考
G2-毎日王冠の予想
結論

 ◎ダイワメジャー
  ○コンゴウリキシオー
  ▲カンファーベスト

買い目(馬連)合計1,100円
  軸1−10,12(各500円)
  10−12(100円)

にへいの見解
いつもはG1で好走経験のある馬が多数出走するレベルの高いレースであるが、今回はG1で連対したことがあるのは3頭だけというちょっと寂しいメンバー構成である。そういう中で、今の日本の中距離では日本N0.1といえるダイワメジャーが出走してくるというのだから、これはさすがに「負けるはずがない」と考えるのが当然であろう。ひねくれものの私でもさすがにここはメジャーを軽視することはできない。確かに休み明けというのは常に不安要素であり、G1連勝馬がG2戦であっさりと負けることが過去にも何度かあったことは確かではある。そういう意味では、どこまで絶対的と言っていいか分からないが、私はここは「絶対的」という評価をする。たぶん負けることはないと思うし、取りこぼしても2着ははずさないだろう。
問題はこのあとである。どの馬をヒモとして選択するかである。いろんな考え方ができるので本当に難しいところであるが、私が現時点で感じていることは、今回出走する上がり馬にあまり魅力を感じていないことである。勢いというのは確かに怖い要素であるが、これらの馬が重賞で好走してきたレース内容にあまり大物感までは感じられなかったというのが正直なところである。G3までなら常に好勝負できるだろうが、別定G2ではどうなのか、というところなのである。なので、すでに実績を残している馬を選択した。1頭目は当然にコンゴウリキシオーである。安田記念でダイワメジャーとタイム差なしの勝負をしたのだからポテンシャルとしてはかなり高いものがある。この馬がふつうに走りさえすれば、ダイワメジャー以外に負けることはないと思う。ただ、逃げて味があるタイプなのでストーミーカフェあたりが強引にハナを奪うようだと状況が変わる可能性もある。もちろん休み明けということもある。さすがにダイワメジャーほどの信用はおけないというのが正直なところである。2頭目はカンファーベストである。昨年の夏からマイル路線でけっこう活躍している。以前は天皇賞秋で5着したほどの馬であるし、前走も京成杯AHで2着しているように、1800mまでならけっこう強い競馬をすると思っている。意外に人気になっていないということもあったので、ここは思いきって狙ってみた。本当はもう少し手を広げようかと思ったが、正直なところ他に魅力的な馬はいなかった。やっぱり上がり馬が好走するのではないか、という怖さもあるが、魅力を感じていない馬に無理して買う必要はない。ここは思いきって2点で勝負したい。といいながら、せこく縦目だけ押さえさせてもらった。

全出走馬の好材料と不安材料
馬名等 良馬or悪馬 好材料と不安材料
ダイワメジャー
(牡6・安藤勝59)
前日
22:48現在
1人気

悪馬
昨秋は天皇賞秋とマイルSCで完勝し、今年も安田記念できっちりと勝ちきるなど、今の日本競馬界の大エースといえる存在である。例年G1馬が顔を並べていることを考えれば、今年は小粒なメンバー構成という感じもあるだけに、この馬の実力が抜けているという感じがしてしまう。昨年このレースで完勝していることからも取りこぼしは考えづらいのではないか。不安点をあげるとすれば、休み明けということである。今年も万全の体調でのぞめるかどうかは走らせてみないとわからない。昨年より1つ歳をとったことで昨年よりもパフォーマンスが低下するということも考えられるし、斤量59kgというのもけっこうきついかもしれない。まあ、常識的には取りこぼすことはないだろうと考えるのだろうが、圧倒的1人気であることを考えれば、この馬が絡まない馬券はすべて高配当ということになる。大穴を狙うのであれば、この馬を消すのが最良の策ということになる。
ブライトトゥモロー
(牡5・後藤57)
2人気

悪馬
今年の新潟大賞典で重賞を勝っている。その後もエプソムCで2着、そして前走の朝日CCでも2着と重賞で安定した走りを見せている。3戦連続で重賞で連対するのだから完全に本格化したと言っていいだろう。前走は休み明けで2着だから今回は叩かれた上積みでさらに期待していいことになる。勢いは感じるし、まだ底を見せたとも言えない。好走しても不思議ないレベルではあるとは思う。とはいえ、G3で連続で負けたというのも事実であるだけに、さすがに別定G2では通用しないかもしれないというのも否めない。前走2着も1馬身以上離されているだけに、ちょっと底を見せてしまったという感じもする。
コンゴウリキシオー
(牡5・藤田58)
3人気 H19安田記念2着、H19マイラーズC1着
今年の安田記念で2着しているのだからかなり凄い。ダイワメジャーに最後に差されたが、タイム差なしという僅差だっただけに、この馬の実力の高さも証明されたといっていい。この馬の持ち味はやはり速い流れの逃げである。速いピッチで逃げるだけに相手もなかなか追いかけることができない。単騎で気持ちよく走っているために直線で失速することもないだけに、他馬は捕まえることができないという感じである。そういう意味では今回もこの馬が逃げ切ってしまう可能性は十分ということになる。不安としては、もし競りかけてくる馬がいた時である。なんでかんでハナを切りたい馬が競りかけてきた時は一気に展開が厳しいものになる。この馬を楽に逃がしてはいけないことは他の騎手も理解しているだろうから、今回は意識的に早めに仕掛けてくるということもあるかもしれない。春はマイルだったから最後まで保ったが、1800mだとちょっと距離が長いということもあるかもしれない。もちろん休み明けで本調子でないという可能性だってあるはずで、少なくても割引と考えるべきだろう。
アグネスアーク
(牡4・吉田隼57)
4人気 前走の札幌記念で12人気という低評価を覆して2着に入った。前々走は準オープンで3着だったことを考えれば、大きな変わり身ということになる。この解釈であるが、もともとデビューから4連勝でオープンまで上り詰めており、これだけ連勝するということは素質がかなり高かったという証明といえる。前々走は休み明けだったから結果を出せなかっただけであり、もともと持っているポテンシャルが重賞級だったと考えていいだろう。そう考えれば、勢いもあるし、若さもあり成長力も期待でき、まだ底を見せたとも言えないだけに、今回も前走のような走りを見せてくれるかもしれない。しかし、重賞実績が前走の札幌記念2着だけというのは、今回のレースをうらなう上では物足りないものを感じる。夏の札幌コースの別定G2とG1の前哨戦となる別定G2では、レースレベルは大きく違うものである。前走を勝って挑んでくるならともかく、2着からの参戦では、さすがに格不足という感じがしてしまう。
エイシンデピュティ
(牡5・田中勝57)
5人気 H19エプソムC1着、H19オーストラリアT1着
今春、準オープン、オープン特別、重賞と3連勝した馬である。つまづくことなく重賞まで勝ってしまったのだからポテンシャルはかなり高いと思っていいだろう。一段づつ着実に階段をのぼっている状況ということになるが、勢いは感じるし、まだ底を見せたわけではないのだから別定G2もきっちりとクリアしてしまう可能性も十分である。東京1800mのエプソムCを勝っているのも大きく、距離コースともに適性は高いということになる。問題はやはり別定G2初挑戦ということだろう。今回のレースは別定G2の中でもレベルが高いと言われているレースであるだけに、力の違いを見せつけられるという可能性は十分である。エプソムCの勝ち方がけっこう際どかったことからすれば、大物であることを期待するのもどうだろうか。休み明けということもあるし、今回は苦戦を強いられるのではないか。
トップガンジョー
(牡5・蛯名57)
6人気 昨年はエプソムCと新潟記念を連勝して、G1でもやれるのではないか、と言われた馬である。そういう意味では能力的には通用するかもしれない。問題は前走の新潟記念で15着に負けていることであるが、1年以上の休み明けだったことを考えれば、やむ得ない結果だったとはいえる。一叩きされた上積みはかなりあるだろうから一変することも十分に考えられる。ここで復活を果たして、昨年挑めなかったG1に駒を進めたいところだろう。しかし、前走の新潟記念はさすがに負けすぎという感じはする。1年以上の休み明けだったことを考えても、一叩きだけで一変を期待するのは厳しいのではないか。それに、昨年連勝したのはG3なので、そもそもG2で通用するだけの実力はないということも考えられる。
ストーミーカフェ
(牡5・中館57)
7人気 H17共同通信杯1着、H16朝日杯FS2着、H16札幌2歳S1着。
この馬のベストパフォーマンスはやはり一昨年の朝日杯FSである。このときは、かなりのハイペースで逃げていて、ふつうであれば直線で失速するところを、そのまま2着に押し切ったのだから、負けてなお強しという内容だった。これだけのパフォーマンスを見せた馬なのだから、ポテンシャルはかなり高いと考えていいはずだ。近走はこれといった結果を出していないが、気性の難しさが影響して実力を出し切っていないと考えるべきである。とはいえ、今回はそのポテンシャルをフルに発揮してくれるという保証はないし、今まで結果を出していないのだから今回だって同じような結果になる可能性の方が高いと考えるべきだろう。そもそも古馬になってからは、これといった結果を出していないのだから、根本的に実力がないということだって考えられる。単なる早熟馬で成長力がなかったというのが正解なのかもしれない。
カンファーベスト
(牡8・江田照57)
8人気

良馬
もともとは天皇賞秋で5着したこともある実績馬である。その後は低迷が続いたが、昨年マイルを走るようになってから復活してきた。今年も休み明けの関屋記念で4着、一叩きされた京成杯AHで2着と実力が落ちていないことを証明している。叩かれつつ調子を上げてきているのも感じるし、今回くらいのメンバー構成であれば実績上位といえる。天皇賞秋で好走していることを考えれば1800mで距離が長いということもないだろうし、かえって適性が高いということもあるかもしれない。チャンスはけっこう大きいと考えていいのではないか。とはいえ、関屋記念や京成杯AHくらいの重賞でやっと好走しているというレベルだから、G1の前哨戦となる別定G2では通用しないということは十分に考えられる。マイルで結果を出すようになってきているのだから、やっぱり距離は長いということもあり得る。8歳という年齢も気になるところで、さすがに天皇賞秋で5着したころの力はないと考えるべきではないか。
チョウサン
(牡5・松岡57)
9人気 前走準オープンを勝っているだけに勢いはかなり感じる。現代競馬では条件戦を勝ち上がったばかりの馬が勢いで重賞を好走してしまうこともあるだけに、こういう上がり馬はけっこう怖いものである。とはいえ、さすがにいきなりの別定G2というのは厳しいのではないか。前走も圧勝だったわけでもないし、G3ならともかくG2で戦えるだけの実力はまだないと考えるのが一般的ではないか。
エリモハリアー
(せん7・吉田豊57)
10人気

良馬
函館コースをめっぽう得意としており、今年は函館記念3連覇という偉業を成し遂げた馬である。そうであれば、函館コースでしか走らないのではないか?ということになるわけであるが、前走のオールカマーで3着と好走しているし、数年前に朝日CCで2着したこともあるのだから函館コースでしか走らないわけではない。今年の函館記念で一変して以降は調子の良い走りを続けており勢いも感じるだけに、今回だってチャンスはあるはずだ。とはいえ、これまでの実績が地味であることは否定できない。G1前哨戦の今回はレースレベルもかなり高くなるし、さすがにこの馬にはレベルが高すぎるという感じもする。前走も3着が精一杯という感じだっただけに、さらに上を目指すのは厳しいのではないか。距離1800mというのもこの馬には短い感じがする。
トウショウヴォイス
(牡5・小林淳57)
11人気 前々走準オープンを勝ち上がり、続く新潟記念ではいきなり2着と好走した。重賞で連対を果たしたのだから今回はだって通用しても不思議はない。前々走はマイル戦で勝っているので、距離1800mはかえってプラスではないか。ここにきて成長しているのも感じるので、さらなる上積みも期待できるかもしれない。しかし、前走2着といってもハンデ52kgでのものだけに、別定G2ではさすがに通用しないのではないか、とどうしても考えてしまう。上がり33秒台の決め手は魅力ではあるが、このレベルになるとそれだけでは通用しないものである。この馬にとっては今回のレースでどこまでできるか試金石の一戦となるだろう。
ピサノパテック
(牡5・北村宏57)
12人気 条件戦を苦労して勝ち上がり、今春やっとオープン入りしたレベルである。その後3戦したが掲示板にも載れていないということからすれば、まだ重賞で戦えるだけの実力はないということになるのではないか。まして今回はレベルの高い別定G2なだけに、ここで一変を期待するのはかなり酷である。もし好走するとすれば、藤沢和厩舎のサンデーサイレンス産駒ということから、その潜在能力はかなり高く、今までは力を出し切っていないだけであって、今回はその実力をフルに発揮することで、今までにない走りを見せてくれる、ということぐらいだろうが、でもまあ仮にそうであったとしても、今回実力を出すという保証はないし、今まで力を出せなかった理由と同じ理由で今回も凡走する可能性の方が高いだろう。もちろん、そもそも重賞を勝てるだけの実力がないというのが一般的な見解になるとは思うが。
ヴリル
(牡6・田中博57)
13人気 オープン重賞ではこれといった結果を残せていないが、前走の京成杯AHで6着というのは、この馬にしてはがんばったようには感じる。休み明けでこの結果だから今回は一叩きされた上積みも見込めるし、けっこうやってくれるかもしれない。とはいえ、これまでの実績からいっても、別定G2というのはこの馬にはレベルが高すぎる感じがする。いくら調子が良くても相手にしてもらえない可能性の方が高いのではないか。何せ前走だって重賞で掲示板には載れないくらいだから。
ビッグプラネット
(牡5・石橋脩57)
14人気 昨年の京都金杯を逃げ切っている馬である。スワンSで5着、マイルCSで7着という実績もあり、能力的にはけっこう高い馬である。そういう意味では、能力を出し切れる状態であれば、通用しても不思議ない存在とはいえる。しかし、さすがに1年7ヶ月ぶりのレースというのはあまりに厳しいと言わざる得ない。体調万全というのは難しいだろう。それに重賞で常に好走しているわけではなく、G2以上で連対した実績を持っているわけではないのだから、根本的な実力として通用しないということも十分に考えられる。

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